■マルティネス


■オススメ度

 

老年の不可思議な恋愛譚に興味のある人(★★★)

 


■公式予告編(メキシコ版は非公式)

鑑賞日:2025.8.27(アップリンク京都)


■映画情報

 

原題:Martinez

情報:2023年、メキシコ、96分、G

ジャンル:顔見知りの隣人老女の遺品を受け取った老人を描いたヒューマンドラマ

 

監督&脚本:ロレーナ・パディーシャ

 

キャスト:

フランシスコ・レジェス/Francisco Reyes(イグナシオ・マルティネス/Martinez:メキシコで暮らすチリ人の男、60歳、公認会計士、3B)

 

ウンベルト・ブスト/Humberto Busto(パブロ・エルナンデス/Pablo:マルティネスの後任の職員)

マルタ・クラウディア・モレノ/Martha Claudia Moreno(コンチタ/Conchita:会計士事務所の受付)

 

メリー・マンソ/Mely Manzo(アマリア・デ・へスース・ゴメス・ロサーノ/Amalia:孤独死するマルティネスの下の階に住んでいた老女、2B)

 

マリア・ルイーサ・モラレス/Maria Luisa Morales(ベルタ/Bertha:アパートの管理人)

 

Martha Reyes Arias(サンチェス:人事課の職員)

 

Marco Aurelio Hernández(路上で殴られる男)

 

Laura Luna(同僚の女性)

Guadalupe Ortiz(同僚の男性)

Fénix Muñoz García(プールの従業員)

Carmen de León(プールの掃除係)

Hellen Fierro(公園のカップル)

Ileana Valle(公園のカップル)

Fernado Sakanassi(公園のカップル)

Ruth Acevez(公園のカップル)

Francia Martinez(アマリアの孫娘)

Caro Platt(近所の人)

José Ricardo Melena(救急救命士)

Diego Brambila(救急救命士)

Farid Copado(ヌガー売り)

Judith Hernández(ガビー/Gaby:役所の職員)

Socorro Méndez(ベティ/Bety:ガビーの秘書)

Maleny Mendez(バス停のシンクロ女性)

Martha Reyes Gutiérrez(バス停のシンクロ女性)

Zuleica Arias(プラネタリウムのチケット販売員)

Maximiliano Ramírez(映画館のチケット係)

Minerva Mercado(ランジェリーショップの従業員)

Ruth Ramos(香水店の従業員)

Andrea Aldana(食料品店の従業員)

Sonia Fernández(屋外プールの店員)

 


■映画の舞台

 

メキシコのどこか

 

ロケ地:

メキシコ:

グアダラハラ/Guadalajara

https://maps.app.goo.gl/vV974GwXHqBVQEaf7?g_st=ic


■簡単なあらすじ

 

メキシコの内陸部で育ったチリ人のマルティネスは、公認会計士として働く傍ら、毎日を同じようなルーティンでこなし、職場と家を往復する毎日を過ごしていた

最近では、下の階から大音量のテレビの音が鳴り響き、それを注意してもやめない住人がいた

仕方なく耳栓を購入して眠りにつき、いつしかその環境にも慣れていった

 

職場には電話番のコンチタと他に無口な会計士が2人いた

マルティネスはいつものようにデスクに書類とカップを並べて、仕事を始めていく

その日は想定外の来訪者がいて、男は西部地域で働いていたパブロという男だった

パブロは定年を迎えるマルティネスの後任として働くことになったが、マルティネスには寝耳に水の話だった

人事部のサンチェスが週明けに出勤する

こともあって、正式な決定を受けてから業務の引き継ぎをしようと考えていた

 

翌日のこと、マルテイネスの住んでいるアパートは騒然としていて、救急車が駆けつけ、道路は近隣住民で溢れかえっていた

それは、マルティネスの下の階の住人が孤独死したというもので、死後半年は経っていると思われていた

ようやく騒音が静まったものの、逆に眠れなくなってしまい、テレビをつけたまま寝るようになっていく

そんな彼の元に、管理人のベルタを通じて、孤独死した老女アマリアからのプレゼントが届いたのである

 

テーマ:孤独ではない証明

裏テーマ:心を揺さぶる虚無

 


■ひとこと感想

 

亡くなった同じアパートの女性から贈り物が届くという内容で、字面だけを考えるとホラーのように思えます

堅物な定年間近の公認会計士が主人公とあって、前半は彼の日常を切り取るパートとなっていました

チリ人としてメキシコの内陸部で育った彼は、おそらくは父親に似ていて、ルーティンを着実にこなすタイプの人間のように思います

そんな彼がプレゼントを機に日常を逸脱するという物語になっていて、さらにスケジュール帳を見つけたことによって、彼女の人生を追いかけていくことになりました

 

映画は、傍から見ていると気持ち悪い内容となっていて、老人があまり馴染みのない亡くなった女性に想いを馳せるという内容になっていました

料理や香水の話が出ればそれを手にしたり、行けなかったプラネタリウムのチケットを使ったりもします

彼の後任となるパブロはマルティネスとは合わない感じのタイプですが、悪い奴ではないという感じでしたね

多分有能だと思うのですが、人事も見る目がないし、マルティネスのいっときの感情が全てを決めてしまうという気まずさというものもありました

 

結局のところ、夢から覚めるという内容になっていて、そこからどうするのかというところが本作の本懐のように思えます

そのまま仕事を続けるのか、それともと言った感じに描かれていて、人生の岐路において、何が大切なのかが描かれていました

パブロのキャラも素敵で、彼自身の結論というものも良かったですね

彼にとっての人生の岐路は思いもかけない選択に左右されていますが、それでも「前を向こう」と思えるのは素晴らしいことだと思います

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


ネタバレ感想

 

映画は、機械のようなルーティンを繰り返すマルティネスを描き、それがアクシデントによって揺らいでいく様子が描かれていました

マルティネスのルーティンは自分で構築したもののように思われますが、冒頭の騒音イヤホンなどを見ると、効率化の先にあるアレンジを程なく加えていることがわかります

また、かなり周囲の影響を受ける人物として描かれていて、さらに一番の影響は「自身の感情」によって引き起こされていました

 

アマリアが愛人だったことにショックを受けたマルティネスが暴走し、さらにパブロのことを人事にボロカスに言ってしまうシーンがありました

そのことを深く考えてはいませんでしたが、それが後々にパブロの処遇を決定してしまいます

その時点で否定をすれば良かったと思いますが、あの時点ではまだ自分の就職の方を優先していたので、非情な判断に身を委ねることとなっています

 

印象的だったのは、マルティネスがアマリアのためにランジェリーを購入して添い寝をするシーンで、当初は覆い被さって、セックスのような形になろうとしていました

それを添い寝に変えたのですが、それは彼自身が大切にしているアマリアへのイメージを壊したくなかったからだなのでしょう

性的な興奮は即物的な欲求へと繋がってしまうのですが、それは現実へと突き落とす第一歩でもあるのですね

あの時点で添い寝に変えるという時点で冷静ではありますが、マルティネス自身は感情をうまく制御しつつ、永続的な平穏を得ようと努力するタイプだったことがわかります

 

それゆえに、愛人発覚でのパニックになった瞬間というのは、彼自身の人生における最大の恥部のように思えます

でも、最も恥ずべきことは、自身の行動がパブロの人生を歪めたことを秘匿にしていることであり、それがパブロ自身の性格に救われている面を自覚していることのように思いました

 


■アマリアがプレゼントを贈った理由

ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください

 


■虚無の中に自分を落とし込む意味

ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください

 


■120分で人生を少しだけ良くするヒント

ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください

 


■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://eiga.com/movie/104098/review/05497235/

 

公式HP:

https://culturallife.co.jp/martinez/

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投稿者 Hiroshi_Takata

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