■ブリング・ハー・バック
Contents
■オススメ度
ヤバい儀式系ホラーが好きな人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2026.7.10(イオンシネマ京都桂川)
■映画情報
原題:Bring Her Back(彼女を連れ戻せ)
情報:2025年、オーストラリア、104分、R15+
ジャンル:里子に出された兄妹が奇妙な儀式に巻き込まれる様子を描いたホラー映画
監督:ダニー・フィリッポウ&マイケル・フィリッポウ
脚本:ダニー・フィリッポウ&マイケル・フィリッポウ&ビル・ハインツマン
キャスト:
ビリー・バラット/Billy Barratt(アンディ/Andy:義理の妹の後見人になろうとする17歳の青年)
ソラ・ウォン/Sora Wong(パイパー/Piper:視覚障害を持つアンディの義理の妹)
(幼少期:Kira Wong)
スティーヴン・フィリップス/Stephen Phillips(フィル/Phil:ガン闘病中のアンディとパイパーの父)
サリー・ホーキンス/Sally Hawkins(ローラ/Laura:アンディとパイパーを預かる風変わりな元カウンセラー)
ミーシャ・ヘイウッド/Mischa Heywood(キャシー/Cathy:ローラの亡き娘)
ジョナ・レン・フィリップス/Jonah Wren Phillips(オリバー/Oliver:ローラが里子として育てている少年)
サリー=アン・アプトン/Sally-Anne Upton(ウェンディ/Wendy:DCPのソーシャルワーカー)
【その他の出演者(ほぼ登場順)】
Kathryn Adams(アンナ/Anna:儀式ビデオの出演者)
Brian Godfrey(イヴァン/Ivan:儀式ビデオの出演者)
Brendan Bacon(アントン/Anton:儀式ビデオの出演者)
Olga Miller(マシア/Macia:儀式ビデオの出演者)
Nicola Tiele(ベルタ/Berta:儀式ビデオの出演者)
Frances Cassar(カトリーナ/Katrina:儀式ビデオの出演者)
Asha O’Connell(ナオミ/Naomi:パイパーの同級生)
Arianny Ross(キミー/Kimmy:パイパーの同級生)
Amya Mollison(サマンサ/Samantha:パイパーの同級生)
Keith Warrior(葬式の参列者)
Tristan Wall(葬式の参列者)
Mickayla Wearden(葬式の参列者)
Ryan Linton Brown(舞踏の悪魔/Tari Demon)
Nathan O’Keefe(医師)
Nikou Javadi(看護師)
Ben Jacobs(本当のオリバー、ビデオ)
Sophie Wilde(中年の男性)
Luana Pohe(DCPの受付)
Jessie Prifti(DCPのシングルマザー)
Alexander Prifti(DCPの待機児童)
Alicia Case(DCPのシングルマザー)
Scott Mills(DCPのセキュリティ)
Kahran Mckenzie(DCPのセキュリティ)
Bree Peters(ゴールボールのコーチ)
Ruth Natalie Fallon(ゴールボールのプレイヤー)
Helene Philippou(ゴールボールのプレイヤー)
Elana Lipapis(車に乗っている誰にも気づかれない少女)
Calum Scrivens(ジェイ・ローダー/Jai Lauder:巡査部長)
Alina Bellchambers(キーラ・グレイ/Kira Gray:巡査)
Vicky Liao(女性警官)
■映画の舞台
オーストラリアのとある田舎町
ロケ地:
オーストラリア:南オーストラリア州
アデレード/Adelaide
https://maps.app.goo.gl/XsHHcEsw629fjbiQ9?g_st=ic
ライツビュー/Lightsview
https://maps.app.goo.gl/13rGaDowP9Q7ziZm7?g_st=ic
■簡単なあらすじ
17歳のアンディと血の繋がらない妹パイパーは、父の突然死によって、里親の元に出されることになった
DCP(Department for Children Proteicions)は、元カウンセラーのローラの元に預けることを決めたが、その対象はパイパーだけだった
アンディはかつてパイパーに暴力を振るったことがあり、それが原因で離れ離れにならざるを得なかった
だが、3ヶ月後に成人するアンディは、パイパーの後見人になろうとしていて、DCPもそれを認め、一緒にローラの元に預けられることになった
その家には、すでにオリバーという少年が育てられていて、ローラには幼い頃に庭のプールで溺死したキャシーという娘がいたこともわかった
オリバーはキャシーの死後、口を聞かなくなったとされていて、また、奇行癖があるために、家の外に出ることを禁じられていた
二人は彼女の家のルールに従っていたが、アンディだけはローラに警戒心を持っていて、自分の領域に入ることを拒んでいた
ある日のこと、ローラが外出した隙にオリバーを部屋から出したアンディは、彼と意思疎通を図ろうとメモを渡した
だが、オリバーは何を思ったのか、包丁で切り分けたスイカを包丁ごと食べ始めてしまう
口から多量の出血があったため、アンディはオリバーを病院に連れて行こうとするものの、あるラインを越えた途端にオリバーは痙攣発作のようなものを起こしてしまう
そして、そこにローラが帰ってくるものの、彼女は病院に連れて行こうとはせず、自宅で怪我の治療を始めてしまうのである
テーマ:願いと代償
裏テーマ:疑心が生むズレ
■ひとこと感想
サリー・ホーキンスが里親という時点でヤバさを感じる人は少ないと思いますが、ローラという人物の裏表をうまく巧妙に演じ分けていましたね
娘を亡くした可哀想な母という側面があるかと思えば、不気味なビデオの儀式に傾倒し、さらにカウンセリングで培った心理誘導を行なって、その場を支配していきます
ローラはキャシーを復活させるために何でもするタイプの人間で、娘と同じ弱視の少女というものを探していました
健全な少女ではなく、なぜ弱視なのかというのは色々と推測できますが、基本的には「支配下におきたい」というものがあったのでしょう
オリバーはキャシーとパイパーを繋ぐための触媒のような存在ではありますが、あの儀式が本当にうまくいくのかはよくわからなかったりします
あくまでも、何にでも縋るという部分があって、パンフレットを読むと、あの儀式には「タイムリミットがある」という設定になっていて、ローラはかなり切羽詰まっっていたことがわかります
ゴア系のホラーなので、正視できないシーンがとても多く、演じた子どもは大変だっただろうなあと思います
オリバーとパイパーが演技始めてらしいのですが、どうやったらこんな才能を集めることができるのか不思議でしたね
監督の思惑通りに撮影ができるとも限らないし、シーンの意味を理解させるのも大変だと思います
特殊メイクした自分の顔を見るだけでも怖いと思うのですが、そのあたりのケアをどのように施していったのか、という方面も気になってしまいますね
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
映画は、死んだ娘を甦らせるために、魂を次から次へと移していって、目的の肉体へと繋ぐローラが描かれていました
彼女があの儀式をどうやって知ったのかなどの詳細は一切なく、とにかく縁あって見つけてしまったものを信じ込んで、行動に移してしまったのだと思います
プールの事故で亡くなったことで、その場にいた「本物のオリバー」などが慌てふためく姿がありましたが、彼ではなく別人を誘拐して触媒に仕立て上げているのは鬼の所業のように思います
映画では、アンディとパイパーの背景にも「溝」を作ることになっていて、それがパイパーが8歳だった時の彼の暴力ということになっていました
その過去があるゆえに、泥酔した翌朝の事件というものが彼自身を縛ることになっていました
これらは全てローラが仕組んだもので、体力的には勝てないので、精神的に衰弱させ、妹との距離感を作らせる方向で色々と仕掛けていったように描かれていました
そんな中で、弱視のパイパーがローラの異常性に気づくのですが、それは彼女がその特徴を持っているがゆえにできたことのように思います
視覚が十分でない場合に、他の感覚が研ぎ澄まされると言いますが、今回の場合は「視覚情報を遮断した上で、それに惑わされない思考」というものが描かれていました
それによって、パイパーには一連の全貌が見えてきて、ローラの異常性を感知することになりました
悲しいかな、それが少し足りなかったということで、悲劇的な結末を避けることはできなかったのは残念でなりません
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
亡くした子どもを取り戻そうとする母親というのはよくある内容で、そのために「生贄を探す」というのもデフォルトのように思います
今回は、その上で「弱視と血縁ではない兄妹」という関係を設定に組み込んで、それゆえに起こってしまうことを自然な流れで組み込んでいました
さらに、アンディがシャワーを怖がる理由も二段構えになっていて、父の死体を思い出すからではなく、かつてシャワーの音でパイパーの聴覚を遮断した上でアンディに暴力を振るっていた父、という存在を浮き彫りにしていきました
後妻の連れ子であるパイパーを溺愛する父を見て、自分は愛されていないのではないかと思い込む
その幼少期に蓄積した愛の欠如というものは、アンディに「自分はそうはならない」という想いを奮い立たせる材料にしていました
父は反面教師であるものの、そこで生じた軋轢というものは燻っていて、元カウンセラーゆえに情報にアクセスできたというローラの設定を生かしていきます
彼女が元々DCPの職員だったこともあり、アンディの訴えがなかなか受け入れられないのですが、そこで失踪中のコナー・バードを突きつけたことで雰囲気が一気に変わっていきます
警察と一緒に行かなかったために悲劇は起きてしまうのですが、この段階でウェンディはまだローラをどこかで信じていたりするのですね
それが致命傷となってしまうのですが、この一連のローラの暴走シーンは映画の中で一番ショッキングでした
その後のローラの執念における行動も凄いのですが、これらの狂気の流れがもの凄く自然で、本当に目の前で展開されているかのようなリアリティがありました
様々な演出方法でそれを表現しているのですが、このクオリティの高さはもちろんのこと、この要求に応えるキャスト陣はえげつないなあ、と思ってしまいました
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/104044/review/06720356/
公式HP:
https://happinet-phantom.com/bhb/
