■モネと時間旅行
■オススメ度
ベルエポックを描く作品に興味がある人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2026.9.24(アップリンク京都)
■映画情報
原題:La Venue de l’avenir(未来の到来)、英題:Colours of Times(幾つもの色彩)
情報:2025年、フランス、126分、G
ジャンル:ある先祖にまつわる過去を探る子孫たちを描いたヒューマンミステリー
監督:セドリック・クラビッシュ
脚本:セドリック・クラビッシュ&サンティアゴ・アミゴレーナ
キャスト:
スザンヌ・ランドン/Suzanne Lindon(アデル・ムニエ/Adèle Meunier née Vermillard:セブたちの先祖)
バランタン・カンパーニュ/Valentin Campagne(ガスパール/Gaspard Cassandra Cano Leslie:アデルの婚約者)
アブラム・バプレ/Abraham Wapler(セブ/Seb:アデルの遠い親戚、祖父と暮らす映像クリエイター)
François Chattot(マルセル/Marcel:セブの祖父)
Raïka Hazanavicius(ローズ/Rose:モデル、セブの恋人)
クレール・ポメ/Claire Pommet(フルール/Fleur:セブのクライアント、歌手)
バンサン・マケーニュ/Vincent Macaigne(ギイ/Guy:アデルの遠い親戚、養蜂家)
Alexandra Anside(ジュジュ/Juju:ギイの妹)
ジュリア・ピアトン/Julia Piaton(セリーヌ/Céline:アデルの遠い親戚、交通関係のエンジニア)
ジネディーヌ・スアレム/Zinedine Soualem(アブデル/Abdelkrim:アデルの遠い親戚、定年間近のフランス語の中学教師)
ポール・キルシェ/Paul Kircher(アナトール/Anatole:ル・アーヴル出身の画家の卵、アデルの旅仲間)
Vincent Perez(テオフラスト/Oncle Théophraste:アナトールの叔父)
バシリ・シュナイダー/Bassili Schneider(ルシアン/Lucien:アナトールの親友、写真家の卵、アデルの旅仲間)
フレッド・テスト/Fred Testot(フェリックス・ナダール/Félix Nadar:写真家、風刺画家)
サラ・ジロドー/Sara Giraudeau(オデット・ヴェルミラール/Odette Vermillard:アデルの母)
セシル・ドゥ・フランス/Cécile de France(カリクスト/Calixte de La Ferrière:アブデルの教え子、シングルマザー)
Evelyne El Garby Klaï(ドゥニア/Dounia, l’experte en peinture:アンドレマルロー美術館の絵画専門家、カリクストの友人)
オリビエ・グルメ/Olivier Gourmet(クロード・モネ/Claude Monet:画家、1895年)
(1974年:アブラム・バプレ/Abraham Wapler)
【その他の出演者】
Jean-Marc Roulot(ジャン=バティスト:サン=ジュアン・ブルヌヴァルの町長/Le maire de Saint-Jouin Bruneval)
Marie-Christine Orry(マリリン・メナール:系図学者/La généalogiste)
Nicolas Carpentier(デュケーヌ/Monsieur Duquesne – le responsable Z.A.E.:ZAEのマネージャー、産業地区開発担当者)
Tania Dessources(ジョスリーヌ/Jocelyne la secrétaire de mairie:町役場の事務員)
Catherine Salée(ジョルジェット/Georgette, la tenancière du Rat Mort:カフェレストラン「Rat Mort」の女主人)
Félix Vannoorenberghe(ナナール/Nanar:「Rat Mort」の従業員)
Emmanuelle Bougerol(「Rat Mort」の歌手/La chanteuse du Rat Mort)
François-Xavier ‘Fixi’ Bossard(「Rat Mort」のアコーディオン奏者/L’accordéoniste du Rat Mort)
Lucas Nicolella(「Rat Mort」の歌手)
Aurore Broutin(ミシャール夫人/Mme Michard:売春宿のマダム)
Dominique Thiennot(大佐/Le colonel:オデットの常連客)
Raphaël Thiéry(馬車引き/Le charretier)
Dominique Langlais(ゴゼ:公証人)
Virgil Davin(アンリ/Henri:アデルのいとこ、ビデオ通話)
Marco Prince(アンリのいとこ/Un cousin)
Déborah Galland(売春婦/La tenancière de la maison close)
Mya Bollaers(売春婦/La gouvernante maison close)
Pénélope Rose(ホテルのトイレの女性/Femme toilettes hôtel)
Angèle Garnier(ヴィオレット/Violette:ルシアンと関係を持つ女性)
Marie-Bénédicte Cazeneuve(写真撮影の依頼人)
Carla Poquin(撮影現場のメイク係)
Osama Khoury(撮影クルー)
Théo Perruchi(撮影クルー)
Danila Kuznetsov(ギャラリーの訪問者)
Victoria Monfort(ギャラリーの訪問者、女性)
Virginie Sibalo(美術館の来訪者)
Angela Sichanh(美術館の来訪者、赤毛のセルフィー)
Jean Le Peltier(主任画家/Le chef peintre)
Boris Gillot(ティティ/Titi:農場主)
Sarah-Megan Allouch(セリーヌのアシスタント)
Fabien Hamel(執行官)
フランソワ・ベルレアン/François Berléand(ヴィクトル・ユゴー/Victor Hugo:セリーヌを口説く詩人)
フィリピーヌ・ルロワ=ボリュー/Philippine Leroy-Beaulieu(サラ・ベルナール/Sarah Bernhardt:舞台女優)
Jean-Baptiste Seckler(ポール・セザンヌ/Paul Cézanne:画家)
Stéphane Foenkinos(ルイ・ルロワ/Louis Leroy:殴られる評論家)
Alice Grenier(ベルト・モリゾ/Berthe Morisot:画家)
Alexis Tchkotoua(ピエール=オーギュスト・ルノワール/Pierre-Auguste Renoir:画家)
Jordan Sutter(エドゥアーネ・マネ/Edouard Manet:画家)
Maxime Cohen(カミーユ・ピサロ/Camille Pissarro:画家)
Mike Taylor(アルフレッド・シスレー/Alfred Sisley:画家)
Nicolas Pietri(エドガー・ドガ/Edgar Degas:画家)
Mathilde Le Borgne(ウジョニー/Eugénie:モネの恋人)
Félix Nebel(列車の熱狂的なファン)
Charlie Da Silva Chapron&Roméo Da Silva Chapron(アデルの赤ん坊/Adèle bébé)
Louise Pascal(ナダールのクライアント)
Vadim Vidovic(ナダールのアシスタント)
Sabine Beaufils(アパートの管理人)
Alex Chevaleyre(パン職人)
Michel Clément(バスベス通りの農民)
Cédric Klapisch(バスの乗客)
Lina Soualem(アブデルの娘/Fille Abdelkrim)
Mouna Soualem(アブデルの娘/Fille Abdelkrim)
Kurt Landu(ジョギングをする人/Le jogger)
An Sichanh(オルセー美術館の来訪者)
Daniel Ousson(街灯点火人/Allumeur de réverbères)
Kevin Buchart(ジヴェルニーの庭師)
Laurent Bariteau(ジヴェルニーの庭師)
Michèle Clément(刺繍職人/La brodeuse)
Fabien Giameluca(会議担当のスタッフ)
Jonas Paz-Benavides(画家/L’artiste)
【Fille maison close(娼館の娼婦)】
Chloé Barrier
Emma Battini
Amanda Bouffier
Aurore Brou
Phoebe Fox
Isabelle Kalma
Oriane Laroche
Alice Kudlak
Tiphaine Riou
Méryl Weiler
【Elève classe(アブデルの生徒)】
Malonn Rottiers(マローン/Malonn)
Owen Kanga(シークゥ/Sekou)
Gabin Dautremer
Valentina Mendes
Maimuna Chente
Capucine Paitreault
Lizéa Vandevoorde
【Cousin en visio(ビデオ通話で登場するいとこ)】
Frédérick Soleil
Lola Doillon
Julie Lescat
Louise Colas
Cyril Moisson
Léa Mothet
Jules Mellot
■映画の舞台
現代&19世紀、
フランス:
ノルマンディー&パリ
ロケ地:
フランス:パリ
サン・ラザール駅
https://maps.app.goo.gl/pNZjYatrXfT6HUcW7?g_st=ic
オラン・ジュル美術館(冒頭の撮影場所)
https://maps.app.goo.gl/PQc1tsUfVohijHQy6?g_st=ic
オルセー美術館
https://maps.app.goo.gl/8TZufVBa2UTSxk9o7?g_st=ic
ラ・ヴェスピエール=フリアーデル/ La Vespière-Friardel
https://maps.app.goo.gl/b7H1KFy4AtQkiHbu5?g_st=ic
メニル=シュル=イトン/Mesnils-sur-Iton
https://maps.app.goo.gl/RGHGTLjYjpw6mhZJ8?g_st=ic
エトルタ/Étretat
https://maps.app.goo.gl/Cd17GWsm2LVE6PcD8?g_st=ic
■簡単なあらすじ
現代のパリにて、アデルと呼ばれる女性の血縁関係者が一同に集められた
都市開発の一環として、1940年代から放置されている屋敷を巡るもので、その土地を市が買い取ると言う話が持ち上がっていた
そこで市長たちは、数多く残っている子孫の中から4人を代表者として選び、それによって屋敷の売買手続きをするめることになった
代表になったのは、グラッフィックデザイナーのセブ、養蜂家のギイ、交通関係のエンジニアのセリーヌ、そして定年間近のフランス語教師アブデルだった
彼らはアデルの屋敷に向かい、そこに残された多くの写真などを見て、どの人物が自分のルーツなのかを語り合っていく
だが、そんな中でセブはある写真を見つけ、さらにある肖像画が残されていること気づく
子孫たちはアデルがどのような人物だったのかを想起することになり、どのような過程を経て、著名な写真家フェリックス・ナダールの被写体になったのか、絵画の肖像画のモデルとなったのかを紐解いていくことになった
1944年、ノルマンディー地方に住んでいたアデルは、祖母の死を受けて、疎遠な母オデットに会うためにパリへと向かった
恋人のガスパールを残しての旅は、船にて写真家の卵ルシアンと、画家の卵アナトールと共にすることになった
公証人から「お金を送金していたのはオデット」と知らされ、彼女が働いている場所へと案内される
そこは豪華な娼館であり、母がそのような仕事をしていたことにショックを受けた
母親と会うことができたが、すぐに逃げ出してしまい、アデルはルシアンとアナトールが泊まっているホテルへと足を運ぶことになったのである
テーマ:ルーツの先にある物語
裏テーマ:家族を考えるきっかけ
■ひとこと感想
現代と19世紀を同時進行で描いていく作品で、現代パートでは相続関係の末に「写真と肖像画の発見」があり、アデルとはどのような人物なのかを想起していくパートになっています
一方の19世紀に関しては、彼らの脳内妄想というよりは、きちんと彼女の足取りを追っていく流れになっていて、祖母の死を受けて、疎遠の母親に会いにいくアデルが描かれています
そして、後半のあるシークエンスにて、現代に生きる子孫の代表4人がベルエポックの時代にタイムトリップする、みたいな流れになっていました
アデルの母オデットは娼館で働いていて、そのお金が祖母名義でアデルへと渡るようになっていました
アデルは21歳であり、母にと離れ離れになったのは20年前と言う設定になっていました
それからは祖父母に育てられてきましたが、祖母の死亡により、彼女は1人になってしまいます
そして、意を決して母に会いにいくためにパリへと向かうことになりました
現代と19世紀を行ったり来たりする作品で、同じ場所で時間が入れ替わると言う面白い転換が起きていました
半分は子孫たちの妄想になりますが、時系列を追って、アデルがナダールとモネに出会う様子を描いていきます
史実ベースかどうかはわかりませんが、アデルは意外な人物の血筋であり、それはセブたちにも流れていることになります
それこそが世紀の発見になってしまうと思いますが、肖像画を含めて、ベルエポック時代の再現もなかなか見応えのあるものになっていましたね
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
アデルはオデットとモネの娘で、ナダールの娘なのかも、みたいなくだりもありましたね
オデットとモネの間にそういう関係があって、それは秘密の恋として、アデルを手元には置けないという状況になっていました
その後、アデルはガスパールと結婚し、セブたちの祖先になる3人の子どもを授かることになります
家系図の文字まで読めませんでしたが、セリーヌとアブデルはやや近めの親戚みたいな感じになっていました
冒頭ではセブがモデルの恋人の写真撮影をしていて、その時に色味の話になって、「絵の方の色を変えれば良い」みたいなことをモデルが言っていましたね
その時にセブはかなりの違和感を感じていて、さらに彼の祖父はモデルよりも歌手の子の方が良いんだろうみたいな勘ぐりをしていました
後にフルールと関係を持つことになるのですが、彼女との時間が動き出したのも、アデルを巡る今回の一件が生んだセブの変化のように思います
映画では、ある程度ベルエポック時代のことを知っている前提で話が進むので、マヤクスカ(呪術の薬草)でトリップした際に出てきた偉人たちは「知らないと意味不明」という感じになっています
セリーヌがユゴーに口説かれるとか、ルイ・クロワが殴られるあたりの内容は、彼らが何者か知っていないとキツいでしょうねえ
さらにナダールと大女優サラ・ベルナールの登場なども、あの時代の華やかさを象徴していました
時代的には写真から映像に切り替わる黎明期のようなもので、このあたりの時代の流れを考えると、アデルが写真家と画家の卵と良い感じになった末に、アナトールと関係を持ってしまうというのは理解できると思います
帰省した後はガスパールと結婚をすることになるのでしょうが、第一子はどっちの子どもなのかはアデルのみが知る、ということなのかもしれません
個人的にはいとこだけどセリーヌに猛アプローチするギイが面白かったですね
最後は押し切っていたけど、近親相姦大丈夫なのかと心配になってしまいます
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
絵画と写真の良さは全く違うもので、そのどちらが優れているということはないのでしょう
アデルはアナトールとルシアンの間に挟まれますが、相手の邁進している夢を否定するルシアンというのは、彼女にとっては「違うわあ」という感じなのかな、と思ってしまいます
芸術家同士は、お互いの表現に対するリスペクトが必要で、そういったものに欠けていると大成もしないように思えてしまいます
映画では、芸術が華やかりし頃に起きた逢瀬というものが、後の歴史に大きな爪痕を残したことが示唆されています
現実に存在する絵画などと時代背景を巧妙に計算しているのですが、本当にあったことのように思えるのは凄いですね
ここまで緻密に描かれるところにこだわりというものを感じてしまいます
ラストでは、生まれ故郷に戻るアデルが描かれ、現実パートでも人間関係に変化が生じてきます
様々なところで恋愛模様が起きるのはフランスらしいという感じがしますが、それにしても「言葉巧みにグイグイといくんだなあ」と思ってしまいます
理知的な感じで迫っていくところも面白いのですが、会っていきなり「彼氏と別れただろう」と言ってしまうところがなかなか強烈だなあと感じました
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/106358/review/07014087/
公式HP:
