【映画感想】デッドマンズ・ワイヤー【後半:ネタバレあり】

■デッドマンズ・ワイヤー


■オススメ度

 

実録系映画に興味のある人(★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日:2026.7.20(イオンシネマ京都桂川)


■映画情報

 

原題:Dead Man‘s Wire(死のワイヤー:ショットガンを固定した犯人が自作した武器)

情報:2025年、アメリカ、105分、G

ジャンル:1977年に実際に起きた人質事件を描いた犯罪映画

 

監督:ガス・ヴァン・サント

脚本:オースティン・コロドニー

 

キャスト:

ビル・スカルスガルド/Bill Skarsgård(トニー/アンソニー・キシリス/Tony Kiritsis:人質を取る犯人)

 

デイカー・モンゴメリー/Dacre Montgomery(ディック/リチャード・ホール/Richard Hall:M・L・ホールの息子、人質)

Katie Kinman(イビー/Ibby:ディックの妻)

 

アル・パチーノ/Al Pacino( M・L・ホール/M.L. Hall:ローン会社「メリディアン・モーゲージ」の社長)

Kelly Lynch(マーベル・ホール/Mabel Hall:リチャードの母)

 

コールマン・ドミンゴ/Colman Domingo(フレッド・テンプル/Fred Temple:ラジオ曲MCYCのDJ、インディアナポリスの声と称される有名DJ)

Maresha Robinson(フレッドの妻)

 

Vinh Nguyen(ジェームズ/James:ラジオ局の若いプロデューサー)

 

マイハラ/Myha’la(リンダ・ペイジ/Linda Page:「Action News」「チャンネル12」のリポーター)

John Robinson(ジョン/John:帯同カメラマン)

Dean Coutris(髭を生やしたプロデューサー、「チャンネル13」)

 

ケイリー・エルウィズ/Cary Elwes(マイケル・グレイブル/Michael Grable:事件の担当刑事)

Todd Gable(ユージン・ギャラガー/Chief Gallagher:警察署長)

Mark Helms(フランク・ラブ/Frank Love:副署長、交渉人)

Michael Ashcraft(ジョージ・マーツ/George Martz:マリオン郡の検事補)

Neil Mulac(パトリック・マラニー/Patrick Mullaney:FBI捜査官)

 

Jordan Claire Robbins(ドリーン/Doreen:「メリディアン・モーゲージ」の受付)

Rita Hight(バーブ/Barb:M・L・ホールの秘書)

Andy S. Allen(クリフォード・チャップマン/Clifford Chapman:声明を読み上げる「メリディアン・モーゲージ」の副社長)

 

Daniel R. Hill(ジミー・キシリス/Jimmy Kiritsis:トニーの兄)

 

【その他の出演者】

John N. Dixon(110コールを受ける警察官)

Chrissy Morgan(110コールを受ける警察官)

Kyle Rankin(パトカーを奪われる新米警官)

Aaron Massey(階段の警官)

Casey Feigh(フロリダのリゾート地のウェイター)

Jeffery Croft II(ラジオ局の従業員)

Stephanie Bertoni(TV番組のアンカー)

Brian J. Easley(トニーの友人)

James Neeley(トニーの叔父、テレビの取材)

Michael James Dukes(爆発物処理班)

David Haight(爆発物処理班)

Elliot Gross(ディックに語りかける牧師)

William R. Davis(裁判官)

Lea Hutton Beasmore(陪審員)

Tisha Carmel(裁判所の書記官)

Gerald Schiedewitz(執行官)

Joseph Imbus(DMVの客/裁判所の支援者)

 

Don Overstreet(ダグ・オブライエン/Doug O’Brien:?)

 

リチャード・O・ホール/Richard O. Hall(本人役、アーカイブ)

アンソニー・キシリス/Anthony Kiritsis(本人役、アーカイブ)

April Bartosh(「Meridian Mortgage」の従業員、ロビー)

Jennifer Baughman(歩行者)

Eric Severs(歩行者)

Laura K. Young(歩行者)

Zachary Culbertson(キャデラックのビジネスマン)

Matthew DeVore(州の警察官)

Chuck Fussenegger(警官)

Shannon Grigsby(警官)

Rodney Hagan(保安官)

Joshua Henry(インディアナ州の警官)

Joseph R. Himes(ニュースレポーター)

Danielle Munday(ニュースレポーター)

Chris Olds(ニュースレポーター)

Sean McBride(私服探偵)

Christ McConnell(巡査)

Jackson Monks(警官/歩行者)

Christina Pope(レポーター)

Kevin Ragsdale(保安官)

Nathanial Ruhs(「Meridian」の従業員)

Eli Samek(「Channel 6」のレポーター)

Janora Sanders(傍観者)

Mark Humphrey(傍観者)

Victoria Winn(傍観者)

Samuel Smith(ニュースレポーター)

D.J. Stroud(窓拭き)

James Pasier(窓拭き)

Damian Tanenbaum(私服警官)

Ben Youcef(路上で声を掛ける懺悔者)

 


■映画の舞台

 

1977年2月8日~10日

アメリカ:インディアナポリス

 

ロケ地:

アメリカ:ケンタッキー州

ルイビル

 


■簡単なあらすじ

 

1977年2月8日、未だ雪が残るインディアナポリスにて、ローン会社に騙されたと主張するトニーは、融資元のメリディアン・モーゲージ社を訪れた

CEOのM・L・ホールとアポを取っていたはずだったが、フロリダにいるために不在だと言われた

彼の代わりに息子のディックが対応することになり、M・L・ホールのオフィスに通された

 

トニーはそこで「銃の設計図」のようなものをディックに見せ、そして拳銃で脅しながら、ワイヤーをつけたショットガンを彼に突きつけた

それは、ワイヤーで細工されたものので、そのワイヤーに何らかの衝撃が加わると発砲するというものだった

トニーは警察に通報し、警察は特別の捜査チームを配することになった

 

マイク刑事が事にあたる事になったが、トニーの要求を受けて、ギャラガー署長、交渉人などが集い、群検事補のマーツまで来ることになった

トニーに要求は「M・L・ホールによる直接の謝罪」と「一連の事件における不起訴の覚書」、そして「損をしたとされる500万ドル」というものだった

金と不起訴の件は動いたものの、M・L・ホールは表には出てこず、副社長が声明を発表するだけ

そこでトニーは、ディックと父親を電話させ、そこに自分が割り込もうと考えるのである

 

テーマ:恨みの発散

裏テーマ:社会的制裁

 


■ひとこと感想

 

実際に起きた事件がベースとなっていて、パンフレットには裁判記録によるトニーの部屋の再現図などが載っていました

かなり忠実に再現したようで、犯人がお喋りすぎる、というところぐらいが映画的な誇張になっているように思います

ある土地を購入し、そこにショッピングモールを建てようと思っていたトニーが、ローン会社から融資を受けていて、そのテナントが入ってこないことに恨みを持っているという事になります

実際にテナントが入らなかった理由はわかりませんが、妨害工作があって入らず、それによってビジネスが頓挫したことを恨んでいました

 

実際の事件では、屋外で発砲したとのことですが、映画ではよりセンセーショナルな感じで、密室での発砲という感じになっています

マスコミがしゃしゃり出てくる感じとか、事件を軽く見て行動するなどがリアルで、トニー自身の挙動不審さなどの再現性も高そうに思います

実際の映像なども登場しますが、あの時代の雰囲気を出すために、かなり粗めの映像になっていました

 

物語は、逆恨みかどうかはわからないけど、という感じで、その後のローン会社の命運を考えると、あながち嘘ではなかったのかも、と思わせるところがあります

それでも、裁判の結果は意外なものでしたね

さすがに刑事が「見ておれんな(What a Shit Show)」と言ってしまうだけのことはあるなあと思ってしまいました

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


ネタバレ感想

 

実際の事件の映像化で、原作となるドキュメンタリー『Dead Man‘s Line』という作品があり、そこから「事実に基づいた」というテイストで描かれていきます

 彼らが知り合いの関係ということで、トニーがそんなことをするとは思えないという印象があったのでしょうか

小さな町で起きた大事件という感じで、往来の中、いつ暴発してもおかしくない銃を突きつける様子が記録されています

 

70年代の出来事なのでスマホとかは登場しないのですが、今の時代だと「ラジオではなくYouTubeの生配信」とかになるのでしょうか

それともインスタなどのライブ配信を行うのかもしれません

劇場型のような犯罪で、彼を物珍しく思う人もいれば、犯人に一理あるのでは?と考える人もいたりします

愉快犯的な感じで電話を掛けてくるおかしな奴がいたりしますが、実際にあの手の電話って本当にあるんですね

とある職場で不祥事に思われるものがあって、その時にも「TVに出て謝罪した人の態度が悪い」というクレームが深夜にかかってくることもあります

 

あの時の事件では地元の新聞などに載っていたらしいのですが、それを止められなかったのは「広告料を渋った」みたいな話を聞いたことがあります

これ見ようがしに批判の的になれば良いという感じなのでしょうか

その裏話を聞いた時に、心底マスコミって腐っているんだなあと思ったりもしました

今はそんなことがないのかはわかりませんが、まあリアルと言えばリアルな話になるのかもしれません

 


120分で人生を少しだけ良くするヒント

 

本作は、実際に起きた事件の再現となっていて、どこまで犯人像に近づいたかというよりは、この事件をいかにリアルにあったものと感じられるかが肝要だったように思います

当時の報道スタイル、空気感などを肌で感じさせるつくりになっていて、細かな所作がとてもリアルに思えるのですね

トニーが拳銃を置く場所とか、ヒーローになりたがる警官や、スクープを取りたい女性キャスターなども「本当にいそう」と思わせるものがあったと思います

 

徐々に疲弊していくディックの様子であるとか、彼の両親の動きなどもリアルに感じられ、フロリダのウェイターらしき人とのやり取りひとつ取って見ても、キャラが生きてそこにいるような感じになっています

トニー自身はかなりのお人好しのような感じで、あの交渉ごっこにもきちんと嵌め込まれていたりします

ジミーが警察に協力して、トニーの計画が成功したかのように見える一連の流れも見事でしたね

 

結局のところ、トニーは心身衰弱状態という意味不明に思える判決で無罪になりますが、巻き込まれた人たちからすればたまったものではないでしょう

それが映画のラストにぼやかれる言葉「What a Shit Show(見ておれんな)」として繋がっていました

これは刑事マイクのセリフなのですが、この茶番のような出来事でも感化されて動く人間はいるようですね

ラストでは、この数年後にローン会社が破綻したというふうに説明されていましたが、「ここから借りるとロクなことはなさそうだ」みたいな風潮が立つだけでも厳しいのだと思います

とは言え、風向きを変えるために「倒産させて別の名前で同じ仕事を始める」なんてことは多々あるものなので、あの社長なら図太く生きているように思えてなりません

 


■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://eiga.com/movie/105873/review/06755972/

 

公式HP:

https://movies.kadokawa.co.jp/deadmanswire/

アバター

投稿者 Hiroshi_Takata

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA