■GOOD BOY グッドボーイ
Contents
■オススメ度
犬目線のホラーに興味がある人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2026.7.16(イオンシネマ久御山)
■映画情報
原題:Good Boy(いい子)
情報:2025年、アメリカ、73分、G
ジャンル:飼い主を助けようと奮闘する愛犬を描いたホラー映画
監督:ベン・レオンバーグ
脚本:アレックス・キャノン&ベン・レオンバーグ
キャスト:
インディ/Indy(インディ/Indy:レトリーバー犬、トッドの飼い犬)
シェーン・ジェンセン/Shane Jensen(トッド/Todd:慢性肺疾患を持つ飼い主)
スチュアート・ルーディン/Stuart Rudin(リチャード・ダウンズ/Richard:隣人)
アリエル・フリードマン/Arielle Friedman(ヴェラ/Vera:トッドの妹)
ラリー・フェセンデン/Larry Fessenden(トッドの祖父)
マックス/Max(バンディット/Bandit:祖父の飼い犬)
ハンター・ゲッツ/Hunter Goetz(気象予報士/ナレーター)
アニャ・クラウチェック/Anya Krawcheck(主治医/Doctor)
Kari Fischer(黒い影/Dark Shape)
Ben Leonberg(黒い影/Dark Shape)
■映画の舞台
アメリカ:ニューヨーク郊外
ロケ地:
アメリカ:ニュージャージー州
アメリカ:ニューヨーク州
■簡単なあらすじ
肺疾患を患っているトッドは、患者扱いされるのが嫌で、都会から離れて暮らそうと考えていた
祖父の家に辿り付いたトッドだったが、その家は代々住んだ人が死んでしまうとされる呪いの家と呼ばれていた
だが、死の淵にいるトッドは気にすることもなく、そこで祖父が残したビデオテープなどを見ながら、ゆっくりと過ごそうと考える
愛犬のインディと少しの荷物以外は持ち込まず、祖父が亡くなった時のまま放置されている家に住むトッド
だが、インディはやたらと吠え、何もなさそうなところをじっと見ていたりする
そんな折、祖父とも交流があった隣人リチャードが彼らの元にやってきた
今はキツネ狩りのシーズンだから、そこらじゅうに罠があるから注意しろと言われた
その後、泥まみれのインディを洗っている際に吐血してしまったトッドは、なんとかして病院へと駆け込んだ
主治医はこれ以上の治療はないと言い、臨床検査も適応外だと言う
トッドはなす術もないまま、その時を迎えることになったのだが、やがては精神的に衰弱し、奇妙な行動を取り始める
インディもトッドの異変を感じていて、彼を助けるために何かできないかと奮闘し始めるのである
テーマ:犬にだけ見える違和感
裏テーマ:臨終の際に見えてしまうもの
■ひとこと感想
全編犬目線のホラーということで、冒頭から「何者かに殺されたかも」というテイストで話は進んで行きました
あっさりと「病気」ということがわかってしまうのですが、この設定を最後にバラす展開になっていたら、総スカンを喰らっていた案件のように思います
何かしらの殺人鬼みたいな存在からご主人様を守るのと、得体の知れない恐怖と戦うのとでは、物語の展開も違うからと言えます
とは言え、どちらの方が面白かったかと言えば、殺人鬼系の方が良かったし、病気設定もそのまま使えたと思います
犬目線とは言いつつも、神様視点があったりするので、もう少し完全犬目線の方が斬新だったかも知れません
このあたりは犬の演技を映したいという願望があったので、俯瞰映像が多いのはそのためなのでしょう
完全に犬目線一人称で統一すれば神映画になったように思いました
特に、ほとんど登場人物の顔を映さないという演出になっているので、そのあたりをこだわっても良かったのかも知れません
とは言え、犬はあんなに人の顔を見ないのか?という疑問がついて回る作品で、犬の視野の広さとかを体感できる感じではなかったのは残念でしたね
そこが売りの作品だと思うので、どうしてここまで人の顔を映さないのかは気になりました
犬の習性がこのような感じなのかはわからないのですが、飼い主が犬の顔を見ようとすることも多いと思うので、そう言ったところできちんと人物を映した方が良かったように思います
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
本作のネタバレ要素は、結局「黒い影の正体は何なのか」というもので、あのような形できちんと見せてしまうとどうなのかな、と思いました
一応は死神的なもので、幻視であるとは思いますが、最後まで見せない勇気も必要だったと思います
末期癌の人間、犬には見えるというスタンスなのかも知れませんが、おそらく見えないと思うのですね
なので、最後まで「何かわからないもの」として一貫した方が整合性がとれると思います
物語の展開が限られるのはわかりますが、それでも展開がなさすぎだと思うのですね
犬目線で動き回ることで起きることというのは色々とあって、そこに人間側のドラマを付随することもできたでしょう
隣人もあまり深くは関わってこないし、そもそも冒頭が「映画のラストにつながっている」のか、別の発作の話なのかわかりにくかったですね
てっきり、冒頭の吐血から妹が来るというのがラストにつながっていると思っていたのですが、そこで妹が到着してからの別の視点で描かれるとか、そう言ったのはなかったのは残念に思います
救急車が到着して、全てが終わった後に妹と一緒に帰ることになるのですが、最後まで妹は顔が出てこないし、そこまでして人物描写を一貫した理由の方が不思議でした
犬がそこまで人の顔を見ないのかはわかりませんが、そんなことはないだろうと思ってしまうので、ものすごく違和感が漂っていました
このあたりも「犬に詳しくない人への解説」というのが必要で、トッドは見るけど隣人や妹はあまり凝視しないという使い分けがあっても良かったように思いました
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
全編犬目線というアイデアは面白いのですが、それをどのように表現するかというところは、そこまで革新的には思えませんでした
展開が固定されるということよりも、とにかく犬を映しているだけの映画という印象が強く、犬好き以外が観て面白いのかは何とも言えない部分があります
犬目線で飼い主に起こっていることを完全再現する方が意味はあると思うので、犬好きが撮るとハードルが上がってしまうタイプの映画だったのでしょう
犬が好きだけど、映画の完成度を高めて、完全犬目線のFPS方式で撮ると面白いと思うので、いっそのこと犬にカメラをつけて、ブレ上等の映画を作っても良かったかも知れません
やってみたけど観れたものではなかったのかも知れませんが、そこは人間が代わりに演じるという手もあったのかな、と思いました
映画の手法は様々ではありますが、アイデアの奥行きが少なかったように思えます
ドラマ描写に関しても、いきなり田舎で人が少ないというのはナンセンスで、ニューヨークの雑踏を犬目線で描き、そこから妹との関わり、病院などの状況を経てから、田舎町パートに動いた方が良かったでしょう
この内容だと3部構成が良くて、都会→田舎→非現実世界というふうに深掘りしていくことで段階を踏めます
田舎パートでは、隣人との関わりの中で、少々エグくてもキツネが捕獲される様子とかを描くことでリアルな不穏さを描けるでしょう
現実的な怖さ(病気という事実)、自然の怖さ(人間と動物界)を描いたのちに「超常現象的なもの」へと段階を踏むことで、その怖さの変遷というものを「犬目線」で描けたのではないでしょうか
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/104818/review/06740834/
公式HP:
