【映画感想】白鳥とコウモリ【後半:ネタバレあり】

■白鳥とコウモリ


■オススメ度

 

東野圭吾作品が好きな人(★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日:2026.9.4(イオンシネマ京都桂川)


■映画情報

 

情報:2026年、日本、145分、G

ジャンル:容疑者の息子と被害者の娘が共通の違和感を持つ様子を描いたミステリー映画

 

監督:岸善幸

脚本:向井康介

原作:東野圭吾『白鳥とコウモリ』

 

キャスト:

松村北斗(倉木和真:容疑者の息子、広告代理店勤務)

今田美桜(白石美令:被害者の娘、クリニックの受付)

 

中村芝翫(白石健介:殺された弁護士、美令の父)

   (若年期:漆山拓実)

   (幼少期:清本祷真、写真)

吉田羊(白石綾子:美令の母)

   (若年期:西谷紫音、写真)

 

三浦友和(倉木達郎:和真の父、殺人事件の容疑者)

   (若年期:井之脇海)

柴田浩味(和真の母)

 

風吹ジュン(浅羽洋子:居酒屋「あすなろ」の女将さん)

柾賢志(福間淳志:獄中で自殺する洋子の夫、1984年の事件の容疑者)

井川遥(浅羽織恵:洋子の娘)

斉藤陽一郎(安西弘毅:織恵の元夫)

原田琥之佑(安西知希:織恵と弘毅の息子)

 

柄本佑(五代努:事件を追う刑事)

前原滉(中町:事件を追う刑事)

 

宇野祥平(堀部孝弘:倉木の国選弁護士)

松岡依都美(佐久間梓:白石の国選弁護士)

 

松尾諭(南原拓実:週刊誌「週刊世報」の記者)

 

丸山智己(桜川:警視庁捜査一課の課長、五代の上司)

 

三浦誠己(灰谷昭造:1984年の殺人事件の被害者)

のせりん(板野雅彦:灰谷の甥っ子)

 

五頭岳夫(富岡:常滑の老人)

演者不明(新美ヒデ:常滑の老婦人)

 

【その他の出演者】

小野了(天野良三:名古屋の弁護士)

青沼かづま(村松:愛知県警の元捜査一課)

土屋キュウ(和真の上司)

小林勇樹(達郎の隣人)

岡部尚(捜査一課)

佐野元哉(捜査一課)

小沼朝生(警察幹部)

瓜生和成(警察幹部)

 

嶺豪一(常滑市役所の職員)

松嶋健太(捜査員)

福田航(捜査員)

中西哲也

三村和敬

佐野寛大

大橋かずまさ

吉野真生

生田俊平

木村香代子

 

辻本みず希(長井節子:白石の事務所の事務員)

椿基之

仲野温(山田雅彦:元受刑者)

 


■映画の舞台

 

東京都心

東京都:港区周辺

 

愛知県:名古屋市&常滑市

 

ロケ地:

東京都:港区

阿部・𠮷田・三瓶法律会計事務所

https://maps.app.goo.gl/EaXqhgLh9CmW2DFX8?g_st=ic

 

東京都:渋谷区

青山壹番館 渋谷店

https://maps.app.goo.gl/78197tkmUb5Hwn3z8?g_st=ic

 

埼玉県:川口市

FLOWER CAFÉ BLOOMY‘S

https://maps.app.goo.gl/A3rmcvLojM3EzL5S7?g_st=ic

 

千葉県:千葉市

スリランカ料理 KURUMBA

https://maps.app.goo.gl/4MiWCxh4bJpB7Vig9?g_st=ic

 

愛知県:常滑市

陶兵八

https://maps.app.goo.gl/F7DWugvTMbBvP85V7?g_st=ic

 


■簡単なあらすじ

 

1984年5月、留置所内である男が死亡した

それは世間を賑わせた事件の容疑者で、ある殺人に関わったとされる人物だった

 

それから数十年が過ぎた2017年11月、弁護士の白石健介はとある喫茶店に立ち寄り、その翌日に隅田川テラス付近で何者かに胸を刺された状態で発見された

警視庁捜査一課主導の元捜査は展開され、捜査一課の五代と海岸署の中町はタッグを組んで事件の真相を追う

そんな折、ある人物と接触していたことがわかり、2人は愛知県へと向かった

 

そこにいたのは隠居生活を営む倉木達郎という人物で、彼は時折、息子の和真のいる東京に出向いていた

五代はそれとなく事件の日のことを聞いても有力な手掛かりは得られなかった

だが、ある喫茶店の防犯カメラに倉木と白石が映っていることが判明し、それを突きつけると、倉木は「自分がやりました」と言い、さらに1984年の岡崎の事件も自分がやったと述べた

 

その知らせは和真のもとに届き、父の供述書を読まされる

同じ頃、被害者遺族にも倉木の供述書が届いたが、娘の美令は「ここに書かれている父親は父親とは思えない」と言う

だが、自供とともに多くの裏どりがなされ、事件は倉木の逮捕によって幕を閉じようとしていた

 

テーマ:贖罪の行方

裏テーマ:運命共同体

 


■ひとこと感想

 

原作は未読で、予告編のみの知識で鑑賞

犯人は自供しているけど嘘をついていると言うもので、それを容疑者の息子と被害者の娘がタッグを組んで真相を追う、という流れになっていました

タッグと言っても、それぞれが色々と調べていく中で、警察ではなく相手を信用して情報交換をすると言うもので、そこで奇妙な絆が芽生えていく流れになっていました

 

東京で起きた事件に愛知在住の老人が絡んでいる妙な展開で、ミステリーとしては「一緒に推理できるタイプ」のものでしたね

一緒に彼らが見聞きするものを重ねていく感じになっていて、犯人は意外なところにいた、と言う感じになっています

映像だけを見て人物相関を頭の中で整理するのは大変ですが、かと言って出来上がった関係図を見てもネタバレになってしまう

パンフレットには詳細な関係図が載っていますが、一応犯人に関するものはうまく伏せられていましたね

 

物語は、若い男女の奇妙な関係を描いていて、彼らの思いは「真実を知る」と言うところで一致しています

容疑者と被害者なので、関係性は確定していないと言うもので、それでもどちらも「彼が犯人ではない」と感じています

刑事の五代も末端の刑事なので動くに動けず、彼の中でも入ってくる情報から違和感を募らせていきます

そして決定的な証拠が見つかり、どうして彼は嘘をついてまで加害者になろうとしたのかが明かされる展開となっていました

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


■ネタバレ感想

 

本作は、冒頭の1984年の岡崎の留置場の自殺が起点となって、そこで自殺をした容疑者、その事件の真犯人、そして真犯人を庇った男などが登場します

これが現在まで脈々と生き残っていて、留置場で死ぬことになった冤罪を受けた家族への罪滅ぼしを考えるところから物語は動いていきます

家族ではない人に財産を譲る手はないのかと相談する中で、かつての知り合いへとたどり着くことになるのですが、その過程で「真犯人が真相を先に知ってしまう」と言う流れになっていました

それが現在の殺人事件を引き起こしたのですが、映画では説明されない様々なことがあると思います

 

1984年の現場にて、被害者の甥っ子と倉木が第一発見者なのですが、彼らが事務所を後にする前にはもう1人の人物・福間と思われる人物がいました

そして、事件が起きた後にその男はいなくて、ベランダに白石がいたことになります

倉木は白石がやったと思い、内側からドアを閉めることで、彼が犯人ではないと言うふうに見せかけることになります

その場にいたのを知っていたのは倉木だけで、彼は凶器などの指紋を拭き取ることになりますが、映画だけだと「白石が第一発見者でもう1人の人物が先に殺していた」ようにも見えるのですね

殺害現場を見せないことがミスリードになっているのだと思いますが、この回想の段階だと、そこは素直に見せても良かったのかなと思います

白石は灰谷を殺したけど、あの状態だと返り血を浴びていると思うので、ベランダ側にも何らかのものが残っていそうに思います

 

映画は「警察が無能じゃないと成立しない犯罪」になっているのですが、それは「自供を最優先する捜査方針」を揶揄しているようにも思えます

その自供が家族が見ておかしいと思うところがあって、それが若者2人を突き動かすことになっていました

この違和感を警察がスルーすると言うところがスタートになっているので、ここまで無能でないとこの手のミステリーは成立しないんだなあと思ってしまいます

1984年の事件はまだ科学捜査がそこまででもないのでアレですが、2017年の事件はさすがに何かが判明するだろうし、あの事件を自供で済ます警察組織というのは現実的ではないのだろうなあ、と感じました

 


■120分で人生を少しだけ良くするヒント

 

本作は、容疑者の息子と被害者の娘がタッグを組むという内容で、普通ならば一緒に行動しない2人が「真相を知りたい」という目的で結びついていました

この関係性を「白鳥とコウモリ」と名づけるセンスは凄いなあと思います

下手くそな作家だと「刑事あたりにセリフで言わせる」と思うのですが、それがなかった故に一瞬「?」が思い浮かんでしまいました

 

被害者として「本当の犯人を罰してほしい」というのは当然の感情で、早期解決を考える捜査本部とは感情の差というものがありました

今回の場合は、警察も信用に足る供述という感じでその他の可能性を排除していましたが、喫茶店の防犯カメラは見るのに、公衆電話の防犯カメラを見ないというのは不自然に思えます

結局のところ、プリペイド携帯を捨てたというのを信じたことになりますが、人物像として「倉木が証拠隠滅のためにプリペイド携帯で相手を現場に呼ぶ人間か?」という疑問を持てないのは「無能」と言われても仕方ないと思います

 

和真も美令も「供述書を読んだだけで違和感を感じる」という内容で、その意見を黙殺する警察というのも不思議なものですね

犯人はそう言っている、という謎の確定事項で動くというのはナンセンスで、双方の弁護士を通じて「おかしい」と思われているところで立ち止まらないというのも無茶な展開だなあと思いました

原作準拠だと思いますが、このあたりは「2人をより強固にするための舞台装置」となっているのですが、そこは当初は「和真がおかしいと言っているのは庇おうとしているから」で通して、美令の方は疑問を持たないという方が自然だと思います

その中で、和真がそこまでして疑問に思う点は何なのか、という流れになってから、美令が和真の行動に興味を持つという方が、警察が断定を早める流れに合致するように思えました

 


■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://eiga.com/movie/105470/review/06920690/

 

公式HP:

https://movies.shochiku.co.jp/eiga-hakuchotokomori/

アバター

投稿者 Hiroshi_Takata

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA