■KEEPER キーパー
Contents
■オススメ度
ホラー映画なら何でも観ちゃう人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2026.6.2(アップリンク京都)
■映画情報
原題:Keeper(留める者)
情報:2025年、カナダ、99分、G
ジャンル:ある山小屋で奇妙な体験をする女を描いたホラー映画
監督:オズグッド・パーキンス
脚本:ニック・レパード
キャスト:
タチアナ・マズラニー/Tatiana Maslany(リズ/Liz:恋人の山小屋を訪れる画家の女性)
ロッシフ・サザーランド/Rossif Sutherland(マルコム・ウェストブリッジ/Malcolm Westbridge:リズの恋人、医師)
(10代:Glen Gordon)
バーケット・タートン/Birkett Turton(ダレン/Darren:マルコムの従兄弟)
(10代:Logan Pierce)
エデン・ワイス/Eden Weiss(ミンカ/Minka:ダレンの恋人、ヨーロッパ出身のモデル)
Cassandra Ebner(バグヘッド/Baghead:山小屋に居る謎の存在)
Tess Degenstein(バグヘッド/Baghead:山小屋に居る謎の存在)
Tess Degenstein(マギー/Maggie:リズの親友)
Erin Boyes(ジュリア/Julia:泣き叫ぶ女、1956年のポニーテール、パーティー)
Gina Vultaggio(フランシス/Francis:泣き叫ぶ女、1978年の三つ編みの女、ボーリング)
Claire Friesen(ルイーズ/Louise:泣き叫ぶ女、1788年のブロンドの女、洗濯)
Christin Park(レスリー/Leslie:泣き叫ぶ女、1983年のソバージュの女、ビリヤード)
Dolores Drake(マクカラム夫人/Mrs. McCallum:袋を被った謎の女)
Evelyn Burke(地下室の娘)
Ella Wejr(地下室の娘)
■映画の舞台
2023年、
とある国の山奥の古屋
ロケ地:
カナダ:ブリティッシュ・コロンビア州
バンクーバー
■簡単なあらすじ
恋人マルコムが所有する山小屋を訪れることになった画家のリズは、付き合い始めて1年が過ぎ、これからのことを考え始めるようになっていた
その小屋は人里離れたところにあったが、隣には従兄弟のダレンが住んでいるという
彼は恋人のミンカを連れて二人きりの時間を破壊し、その後、マルコムと何かを話したのちに去っていった
その小屋には、管理人とされる人物からチョコケーキが贈られていて、それを食後に食べることになった
そしてその夜、奇妙な夢を見て目覚めたリズは、残っていたケーキを夢中で貪ってしまう
朝になってマルコムが起きると、リズは何かに取り憑かれたように叫んでいる女の絵を描き始める
マルコムは様子がおかしいと思いながらも、職場からの緊急呼び出しのために山小屋を離れざるを得なくなってしまた
リズは快くマルコムを送り出すものの、彼が居なくなるや否や、ダレンが彼女の元へやってきてしまう
仕方なく彼を小屋に入れるものの、気味悪さからバスルームに閉じこもって、マルコムに電話を掛けた
だが彼は応じることなく、程なくして気配が消え、いつの間にかダレンはいなかった
そして、リビングにまたあのケーキが置かれていたのである
テーマ:時を超える因果
裏テーマ:秘密の部屋に在るもの
■ひとこと感想
事前情報をほとんど入れることなく鑑賞
ポスタービジュアルのイメージだとホラー系で、どうやら人里離れた山小屋が舞台なんだろうなあ、ぐらいの知識で見ることになりました
仲睦まじそうなカップルが山奥を目指していましたが、そこに向かうまでの車の中でもすでに不穏な空気が流れていました
リズの方がマルコムを信用していない感じで、小屋に入ってからもラブラブなカップルには見えませんでした
医師と画家という組み合わせなのですが、どちらも職業的なものを一切感じさせず、彼女の絵が飾られても、その無機質な色彩に不穏なものが込められていました
その絵はマルコムには買われたくなかったようですが、このあたりの関係性も曖昧なまま進んでいくことになります
従兄弟が隣の小屋に住んでいるというのも不思議な話で、申し合わせたかのように合流したようにも見えなくはなかったですね
一応ホラー映画なのですが、よくわからない女4人の映像がフラッシュバックで流れ、その視線の方向を考えると「マルコムの目線」にしか見えません
そして、突如挿入される血まみれで叫んでいる女たちという映像があり、これに関しては「リズの見ている幻覚」ということになっていました
怖さはジャンプスケア頼みという感じで、後ろに何か映っているよ~的なものと、いきなり登場するとか、不穏な笑顔がドアップになる、みたいなものばかりでしたね
あまりにも展開がかったるい感じで、後半で意識を何度か失いかけてしまいました
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
映画はシャルル・ペローの『La Barbe Bleue(青ひげ)』がベースとなっていて、「主人公が禁忌を犯したために残酷な結末に至る」というものでした
これが一見すると「禁忌を犯したのがリズ」に見えて物語が進むのですが、実は「禁忌を犯していたのはマルコムだった」というオチになっています
彼とダリルが少年時代にある妊婦に向かって発砲し、その女を豚小屋に放置したという過去がありました
それによって、マルコムたちは「ある制約」を受けつつも、不老不死になるという顛末がありました
そして、生贄を捧げることでその関係は継続され、それは200年近く続いていた、ということになっていました
パンフレットを読まないと意味がわからないシーンが多過ぎて、謎が謎のまま進んでしまうので、怖さを感じている暇がないという感じでしたね
状況がわからないので怖さの質が機能していなくて、禁忌を犯している主人公っぽさもほとんどありません
いつの間にか地下のある場所に入っていて、そこで謎の存在を認知するようになっていました
このあたりの流れが非常にわかりにくく、単に生贄を捧げるために、気を失った彼女をそこに放置したというふうにしか思えません
それゆえに、リズは最初から最後まで巻き込まれただけのようになっていて、閉鎖空間に入ったホラーとしても、ロジックが無茶苦茶な感じになっていました
結局のところ、マルコムは生贄のためにリズを連れてきたことになるのですが、その為に1年が必要だったのかは謎でしたね
リズの思い出ボックスみたいなものを作って、これまでの犠牲者に紹介したりするのですが、そこには彼が名前を呟かなかった女性の箱もあったりしました
おそらくはダリルの生贄だとは思いますが、いつの間にか退場していて、よくわからんキャラだったなあと思いました
不穏さと不快さというのは満点だけど、ホラーとして怖くなく、物語として面白くないというのが最大の難点だったように思えました
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
童話をモチーフにしたホラー映画ではありますが、そのまんまトレースしているわけではないので、わかりにくい部分があったと思います
「青ひげ」という童話にて、「主人公が禁忌を犯す」ことによって制裁を受けるという感じなのですが、リズ目線だと彼女が「禁忌を犯した」という瞬間がなかったと思います
「やってはいけない」と言われたことをやったらダメというもので、実際のところ、登場人物の誰もが「やってはいけないことをした」という感覚を持っていないと思います
リズは言われるがままにあの小屋に赴くし、入ってはいけない部屋に入ることもありません
少年時代のマルコムも「親の敷地に入ってきた女」を言いつけ通りに撃っただけであり、やれと言われたことをやっただけのように思えます
森の魔女らしき女も、彼女は人間ではないので、誰かの領地に入ってはいけないという概念を持っていないので、そこにマルコムのロジックを持ってきてもダメだと言えます
そんな中で、実際には「魔女そっくりの女を連れてきてしまったマルコム」が禁忌を犯していたことになりますが、彼自身も「やってはいけないことをした」という認知はないのですね
あくまでも、森の魔女との契約のようなものを遂行し、たまたま魔女にそっくりな女が生贄の対象だったに過ぎません
なので、「青ひげ」を踏襲していると言われてもピンと来ないので、パンフレットを読んでいても「舞台設定のインスパイアだけじゃね?」と思ってしまいました
最終的には、魔女とその子孫たちとリズを合わせてしまったことによって、マルコムたちが得てきたものが消失するのですが、場面が変わったらいきなり老いて逆さまに吊るされていたので意味不明でしたね
絵作りとしては面白いのですが、唐突すぎて、何かを見過ごしていたのかと思ってしまいました
その後も、ハチミツの瓶みたいなものにつけられて終了となっていて、何がなんだかわからないまま終わってしまったなあと感じました
タイトルは「Keepする人」という意味で、ここには様々な意味が隠されていました
「不老不死」もそうだし、「生贄を捧げ続ける」という行為もそうだと言えます
あの小屋の管理人という意味もあると思いますが、これら全てを包み込んでいて、その生命や概念を生かし続けておく(伝承する)という意味もあるので、童話をモチーフにした物語作りというのも「Keepする」に含まれるのかな、と感じました
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/105082/review/06583486/
公式HP:
