■君は映画


■オススメ度

 

妙な構造の映画が好きな人(★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日:2026.6.23(TOHOシネマズ二条)


■映画情報

 

情報:2026年、日本、68分、G

ジャンル:映画の中に入り込んだ男女の交流を描いたコメディ映画

 

監督&脚本:上田誠

 

キャスト:

伊藤万理華(マドカ:下北沢の劇作家、『下北沢エクソダス』に入り込む女)

井之脇海(カズマ:三軒茶屋のバンドマン、『三軒茶屋エスケープ』に入り込む男)

 

藤谷理子(シホ:ドラマ出演に悩む劇団員)

前田旺志郎(カンバヤシ:劇団員)

菊池日菜子(ユウナ:劇団員)

 

金丸慎太郎(ミコシバ:出来心で金を盗むバンドマン)

金子鈴幸(タマル:サポートミュージシャン)

三河悠冴(セノオ:サポートミュージシャン)

 

今井隆文(チンバラ:金を盗まれる半グレ)

角田貴志(ソネザキ:金を盗まれる半グレ)

 

尾関高文(刑事)

高佐一慈(刑事)

石田剛太(グッドヘブンズのマスター)

酒井善史(演劇ファン)

土佐和成(三日月ロックの店長)

諏訪雅(ヤマモト:映画館「トリウッド」の受付)

永野宗典(作業員)

 


■映画の舞台

 

東京:下北沢

映画館「トリウッド」

 

ロケ地:

東京都:世田谷区

下北沢トリウッド

https://maps.app.goo.gl/TCwUrUg9ZRfew2Kp6?g_st=ic

 


■簡単なあらすじ

 

劇作家として作品を生み出しているマドカは、ある日の午後、下北沢の映画館に出向いた

そこではとある男性が目の前にいる空間で、その男性・カズマもマドカが映っているスクリーンを眺めていた

二人は、相手が映画の中にいると言い出し、それがリアルタイムで行われていることを知る

 

マドカの物語は、劇団員シホたちの相談を受けて次回の公演を中止するかどうかを悩むもので、カズマの物語はバンドメンバーの窃盗によって半グレに絡まれるというものだった

お互いは映画のチラシを見ながら「この後に起きること」を共有しあうのだが、事態はあらぬ方向に向かってしまうのである

 

テーマ:協力し合う未来の改変

裏テーマ:アクシデントが連れてくる本音

 


■ひとこと感想

 

奇妙な構造の映画を作るのが特徴の「ヨーロッパ企画」で、これまでにも『ドロステのはてで僕ら』『リバー、流れないでよ』なども鑑賞してきました

基本的にワンシチュエーションで作られる物語で、今回は映画館を含むとある雑居ビルが舞台となっていました

そこでは「同時に相手を映画の中に見る」という奇妙な現象を描いていて、双方が起こっているヤバい出来事を回避するために協力し合う様子が描かれていきます

 

68分という一気見できる内容なので、あまり書きすぎると全部書いてしまいますね

なので、長さに比例してレビューの分量も少なくなると思いますが、意外と語ることの多い内容だと思います

個人的には「とんでも展開」になってからの方が退屈に感じていて、そっち方面に行ってしまうのかあ、と思ってしまいました

 

普通に日常のピンチを回避するというのでも良かったと思うのですが、最終的にどう整合性を取るのかは難しかったのかもしれません

着地点のアイデアは色々とあったと思いますが、現実路線だと「すべてが映画だった」みたいな陳腐なものになりがちなのですね

それを避けるために色々と模索した結果なのだと思いますが、映画と映画がぶつかって、新しい映画が生まれたというのは、ある意味無難に映ってしまうのかもしれません

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


ネタバレ感想

 

本作におけるネタバレと言えば、双方で起きた物語の着地点というもので、『下北沢エクソダス』では劇団員が宇宙人だったとか、『三軒茶屋エスケープ』では半グレが暴れて警察沙汰になってしまう、というものになると思います

そして、危機的状況を打開するために、双方が映画のパンフレットを読み合うという流れが生まれ、それを回避するために「合流してしまったキャラが話し合いをして新しい映画『茶沢レジスタンス』というものを生み出してしまいました

この時に映画の外に出てしまったのがマドカとカズマであり、お互いは自分自身の活動を見つめ直すことになっていきます

 

どのようなオチをつけるのかと思っていて、個人的には「どちらかの世界が消滅する系」だと思っていましたね

特にバンドマンの世界がマドカの創作で、自分たちを物語の中に落とし込むメタ構造的なものだと考えていました

そして、それが劇として公演された時に、ネタになっていたバンドマンたちが実は実在していた、みたいな流れになるのかなと思っていました

また、古着屋の下で「実は1日ずれている」という時系列超越型なのかなとも思ったのですが、それも少し違いましたね

それが私の想像の限界だったのだと思いますが、なんか印象と違う方向に行ったなあと思ってしまいました

 

ラストの世界の危機を救う的な話になっていましたが、映画が合体したことで敵と戦うというのはありだと思います

この場合はバンドマンたちが劇団宇宙人の小競り合いに巻き込まれた側になっていたのでちょっと不便に思えてしまいます

バンドマン側は盗んだお金が偽札だったというくだりだったのですが、その落差が大きすぎるようにも思えます

結果として、このバランスの悪さが評価軸になっているように思えますが、これがマドカが作り出した物語だった方が整合性が取れるようにも思います

それは、想像的なモノの方が現実感があるのだけど、現実の方がもっと突飛なことが起きてしまうという逆転現象を生み出すからなのですね

これがメタ的な構造として「事実は小説よりも奇なり」になっていて、それはそれで面白かったんじゃないかな、と感じました

 


120分で人生を少しだけ良くするヒント

 

映画では、下北沢を舞台にしているので、その土地に馴染みがないとわからない小ネタが多かったように思います

そのあたりは意外と分厚いパンフレットで色々と解説されていて、そこには脚本もすべて掲載されています

キャストのインタビューに登場していた「映画のルール」というものもきっちりと書かれているので、気に入った方は購入されても良いと思います

キャストも言っていましたが、このシナリオ(文字)をどう撮影するんだろうと思うのも無理はないですね

鑑賞中もどうやってこれを撮っているんだろうと思ってしまいましたよ~

 

物語性はさすがに68分に詰め込むには無理があって、不可解な出来事に追われて終わるというので良かったと思います

個人的にはマドカが作り出した創作が現実とミックスされてしまったとか、実は1日遅れの現実と向き合うことになって、マドカもしくはカズマが相手の悲惨な未来を変えるために助けるのかと思っていました

それぞれが映画であるという設定なので後者は違うのだと思いましたが、結末のショットまで載ってるパンフってなかなかないよな~とか思ってしまいましたね

 

映画は、68分をいかに突っ走るかという内容で、どうやって落とすんだろうということを考えてしまいましたね

彼らの未来がどうなるかよりも、この広げたものをどうやって畳むのかの方を気にしてしまう

これが正しい見方とは思わないけれど、結末を予測しながら映画を観てしまう人ならわかる視点だと思います

それが裏切られることを望むという性質があって、どの方向で、どの質感で裏切るのかというのが重要になると思います

個人的には「そっち?」と思った派ではありますが、違うことを考えた人もいると思います

そう言った楽しみ方もできるように作られていると思いますが、それにしてもこのアイデアを無から生み出して形にしたのはすごいことだなあと思いました

 


■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://eiga.com/movie/105232/review/06661483/

 

公式HP:

https://www.europe-kikaku.com/kimiei/

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投稿者 Hiroshi_Takata

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