■氷血
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■オススメ度
古典的なホラーが好きな人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2026.7.6(イオンシネマ京都桂川)
■映画情報
情報:2026年、日本、98分、PG12
ジャンル:親の介護のために夫の地元に移住する息子家族を描いたホラー映画
監督:内藤瑛亮
脚本:片桐絵梨子&内藤瑛亮
キャスト:
北山宏光(戸田稔:親の介護のために豪雪地帯に引っ越す息子、デザイナー)
加藤千尋(戸田悠希:稔の妻)
山谷碧都(戸田晶:稔とユミの息子)
米澤成美(ユミ:稔の元妻)
佐津川愛美(谷川実加:悠希の親友)
渡辺哲(野木一郎:地元の取りまとめ役)
佐野史郎(戸田茂:稔の父)
小原徳子(ユリコ:失踪した茂の妻)
福島リラ(雪女)
【村の住人たち】
佐々木恭也
キサラカツユキ
深谷和倫
木村睦子
五十嵐由紀子
長澤かよ
猪俣佐由里
【白い女たち】
阿部朱音
藤原舞
中沢おと
畑山由香
岸野由美子
外埼詩織
三宅翔成
馬場辰法
中村おと
篠原結
横山剛
須藤優希
神山姫夏
後藤央樹
■映画の舞台
日本のとある豪雪地帯
ロケ地:
福島県:会津市
■簡単なあらすじ
東京にてデザイナーとして働いていた稔は、認知症が悪化した父・茂の介護のために、妻・悠希、息子・晶と共に会津へと引っ越すことになった
父は徘徊する癖があり、地元の人たちを困らせていたが、稔はリモートで仕事をすることになり、夫婦で世話をすることになった
実家には、白い女の絵が飾られていて、それは父が若い頃に描いていたもので、退職後に再開させていたようだった
稔は父が夜中に勝手に出て行かないように南京錠を掛けることになり、優希は晶に絵本を読み聞かせ、稔も雪の結晶などを息子に見せて、落ち着いた日を過ごすことになった
雪が珍しい晶ははしゃぎまわり、悠希も地元の人たちと交流を深めていく
そんな折、事件が起きてしまった
施錠していた鍵を何者かが開け、そこから外に出た父が凍死体として発見された
第一発見者は悠希で、彼女は呆然とその場に立ち尽くしていたという
それから稔たちは3人で、その家で暮らすことになったのである
テーマ:積もる恨み
裏テーマ:因果応報
■ひとこと感想
雪女をモチーフにしたホラー映画で、認知症の父の介護のために訪れた家族が、そこで不思議な現象に巻き込まれる様子が描かれていきます
父は何かに取り憑かれたように白い女の絵を描くようになり、それでもなお、制御不能のようになっていきました
そんな中で、おかしなことが起きてしまうという流れになっていて、それに巻き込まれる家族が描かれていきます
一応ホラー映画なのですが、どちらかと言えばラストはサスペンスみたいになっていましたね
よく見ると画面の至る所に「白い女」がいたりするのですが、ウォーリーを探せ状態になっていました
パンフレットには家族の構成と由来が書かれていてわかりやすいのですが、それがなくても周囲の反応で稔と悠希の奇妙な関係性というものがわかるようになっていました
父に妻だと間違えられることで苛立ちを見せる悠希でしたが、それ以外にも奇怪な行動、隠された稔の母の存在などが家族の不思議な過去というものを暴いていきます
晶はこの家に来てから自分の秘密を知るという感じで、自分が0歳の時に抱えられている母が今の母ではないことを知ってしまいます
稔がそれをごまかしてしまうことで、さらに疑念のようなものが渦巻いてしまいます
そして、夜中に見てしまった奇妙な行動から、それに拍車が掛かってしまうようになっていましたね
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
ホラーとして怖いかというとそこまでではなく、むしろミステリー要素で引っ張っていく流れになっていましたね
絵本で雪女のことを知った晶が、次第に自分の母親がそうではないかと思い始めるようになり、本当の母親がどこに行ってしまったのかを探るようになってしまいます
そんな折に起きた茂の事件によって、子ども目線ではさらに疑念が深まってしまったように思えたりもするのでしょう
何者かによって壊された鎖、脱ぎ散らかされた服などを辿っていくと、そこには祖父のバラバラ死体があって、という感じになっていて、子ども目線だと物凄く怖い体験になっていたと思います
小さな村社会なので、良くない噂が勝手に広まっていくのですが、茂の死後に行われた女たちの会合にて、「生まれてからは父に従え、結婚したら夫に従え、最後には息子に従え」みたいなこと言っていましたね
この男尊女卑的な社会の構造というものがあって、それありました
田舎に来てから家族がおかしくなっていくのですが、これが介護疲れというよりは、元から歪だったものが露出したように見えてしまいます
悠希が食事を出した時に、茂がそれを振り払うような仕草を見せたり、ついカッとなって言いすぎる稔とか、随所に男性の暴力性というものが潜んでいたように思います
そう言ったものに虐げられてきた女性たちの反撃のようなところがあり、白い女になることで、その恨みの蓄積のようなものが雪女の力になっていったように思えました
ラストでは「本物」が登場して、空を浮遊したりするのですが、少しばかりギャグっぽいなあと思ってしまいましたねえ
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
田舎の村社会における女性の生きづらさみたいなものがあったと思うのですが、それよりも「血は水よりも濃い」みたいなセリフにおける、部外者的な立場の悠希の苦悩というものがありました
茂の死の前後から、晶が悠希を見る目が変わったりするのですが、それよりも稔が「悠希をあなた呼びすること」に違和感がありましたね
悠希は晶と距離を感じていたけど、稔と悠希も微妙な距離感があったように思います
それが、晶が前妻との子どもで、悠希が産んだ子どもじゃないことを「隠しているから起こっている」ようにも思えますが、実際のところは稔が本性を隠しながら生きてきたからのように思えてしまいます
稔としては、父は反面教師なようなもので、あのような父にはなりたくないのでしょう
それでも血は争えないので、そう言ったものが少しずつ露見していくように思えます
悠希も思考が先立ち、稔の言葉に敏感に反応するのですが、夫を繊細で頑固という割には、自分自身も輪をかけたような繊細さがあったように見えました
時折、誰かが覗いているようなショットになっていて、この家族のことを雪女が見ていて、そして悠希の中にいたものを解放していくように思えます
でも、そのきっかけを作ったのは、親友・実加の問いかけだったりするのですね
雪女の話はおかしいという話題になって、そこから「私なら子どもを連れて男を殺す」というのですが、この言葉がのちの行動に結びついているように見えます
「あなたならどうするか」という問いかけを行動に移すことになりますが、悠希は実加とは違って、夫を殺すという選択肢はなかったのでしょう
それでも、エスカレートした稔の行動は、やがて大地に埋もれていたある存在を蘇らせることになりました
積年の罪が彼女の力となって、それが悠希の決断によって覚醒した感がありましたね
悠希自身が雪女じゃないかという体で物語は進みますが、それをうまく裏切る展開になったのは良かったと思います
あの後、二人がどのように生きていくのかはわかりませんが、血縁のない母と子が本当の家族になれたとも言えるので、たくましく生きていくのかな、と思いました
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/105729/review/06718152/
公式HP:
