【映画感想】ルックバック(実写版)【後半:ネタバレあり】

■ルックバック(実写版)


■オススメ度

 

原作ファンの人(★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日:2026.9.11(イオンシネマ久御山)


■映画情報

 

情報:2026年、日本、99分、G

ジャンル:漫画家を目指す小学生2人を描いた青春映画

 

監督&脚本:是枝裕和

原作:藤本タツキ『ルックバック』

 

キャスト:

七瀬ふうり(藤野歩:漫画家を目指す小学4年生)

   (中学時代以降:出口夏希)

岡田六花(京本奏:不登校の同級生)

   (中学時代以降:蒔田彩珠)

 

野呂佳代(藤野朱里:藤野の母)

池田良(藤野仁:藤野の父)

佐々木みゆ(藤野恵:藤野の姉)

 

山田真歩(真鍋暦:中学校の先生)

宮藤官九郎(玉井幸久:小学校の担任の先生)

菅田将暉(前田蒼汰:編集部の編集者)

 

【その他の出演者】

藤村緋二(アシスタント)

田中亨(アシスタント)

今川宇宙

高塚一太郎

松長ゆり子

山田将

 

木村知貴

森井陽子(方言指導)

角田雅子

矢嶋俊作(文林堂店主)

八頭司悠友(小学校の先生)

外桂士朗

 

岩本佳子(クラスメイト)

石切山莉央(クラスメイト)

池谷美音(クラスメイト)

草竹緒(クラスメイト)

鈴木咲(購買部の生徒)

竹ノ内ゆりあ(クラスメイト)

橋本偉成(クラスメイト、校内放送)

輿那覇琉生(本屋の兄弟)

成田潤(本屋の兄弟)

今泉雄土哉

米倉柚

嶋崎希祐

 

渡辺諒

藤田啓子

佐藤まんごろう

石川朝日

稲松泰祐

篠原泰斗

羽田響太

鎌滝恵利

川越たまき(京本の祖母、写真)

佐藤ひなみ(京本の幼児期、写真)

 


■映画の舞台

 

秋田県:にかほ市

https://maps.app.goo.gl/7rJrew8ipYFfofuP6?g_st=ic

 

東京都内

 

ロケ地:

秋田県:にかほ市

院内小学校

https://maps.app.goo.gl/wZF7Qmk4sv1nbdZL6

 

金浦中学校

https://maps.app.goo.gl/DvB8WJWE1sPbcjWR7

 

文林堂書店

https://maps.app.goo.gl/vn6vX76jorSgEpkC8

 

秋田県:秋田市

ジュンク堂書店 秋田店

https://maps.app.goo.gl/nES7uDRFfB2TBJxu8

 

熊野神社

https://maps.app.goo.gl/5ToubwS5NB4eJ18w7

 

神奈川県:横浜市

純喫茶モデル

https://maps.app.goo.gl/91Xgxmnz1bhUyBG36

 

山形県:山形市

東北芸術工科大学

https://maps.app.goo.gl/kYDrjo6PZugxTMZF6

 


■簡単なあらすじ

 

秋田県にかほ市に住む小学4年生の藤野歩は、学校新聞に4コマ漫画を投稿する女の子で、その面白さからクラスでは一目置かれる存在だった

だが、4年生のある時、担任の玉井先生から「隣のクラスの不登校の生徒・京本の漫画も載せたい」と言われてしまう

藤野は自信家で、自分よりも上手い奴はいないと思っていたが、人もセリフもない風景だけの4コマ漫画の画力は想像以上のものだった

 

藤野は京本には負けられないとデッサンの本などを買い込んで絵の練習を重ねていく

姉・恵からは「将来何の役にも立たない」と言われるものの、周囲の声を遮断して、藤野は一心不乱に書き続けていた

そして、5年生になったある日、再び京本の作品が新聞紙上を賑わせる

才能の違いを感じた藤野は漫画を描くのを辞め、姉と一緒に空手教室に通うことになった

 

そして、とうとう卒業の日が来て、玉井先生は「京本に卒業証書を届けてほしい」と頼まれてしまう

仕方なく彼女の家に向かった藤野は、その玄関先に夥しい数のスケッチブックの山を見て言葉を失う

さらに、そこには4コマ用の用紙もあって、藤野は嫌味を込めて「引きこもったまま死ぬ京本の4コマ漫画」を描いてしまった

その4コマは風に流されて、彼女の部屋へと入っていく

 

藤野は慌てて逃げ出すものの、京本は部屋を出て、彼女を追いかけ、「藤野先生のファン」であることを告げる

そして、着ていたドテラにサインを描いてもらうことになった

京本は「どうして描くのをやめたのか?」と聞くものの、藤野は強がって「連載用の漫画を描いている途中だ」とってしまう

京本は「できたら読ませてほしい」と言い、藤野は嬉しさのあまりに雨の中を駆け出し、水滴を拭うこともなく机にしがみついて、再び漫画を描き始めるのである

 

テーマ:運命を変えた言葉

裏テーマ:行動を変えた感情

 


■ひとこと感想

 

漫画版は未読、アニメ版は劇場鑑賞したニワカですが、実写化の方が興味が湧いてしまっていましたね

アニメのイメージしかないので比較はできないのですが、何となくイメージに合ってるのかな、と思いました

自信家で余計なことを言う藤野と、引っ込み思案だけど譲れないものは譲らない京本

この関係性を描く上で、今回の配役はとてもマッチしていたと思います

 

原作ありの作品で、展開がどうなるかを知っていたのですが、やはりあの事件を想起させます

理不尽な暴力によって閉ざされる才能、その道に導いてしまったのは自分ではないか?と言う葛藤

それでも、自分にできることは「描くことしかない」と言うところに作者の本質が詰まっているように思います

 

映画では、60分足らずのアニメをどうやって「引き伸ばすのか」と言う不安はありましたが、藤野と京本の絆が出来上がる過程を丁寧に描いていたので、無理な「引き伸ばし」には思えませんでした

必要最小限の展開になっていて、原作者の地元での撮影ということもあって、物語以上に伝わるものがあったと思います

賛否両論はどうしても起きてしまうと思いますが、それはそれで良いと思うし、それぞれが抱えている作品に対する思いというものは大切にしたいですね

でも、自分と意見が合わないからと言って攻撃的になったりするのは御法度で、その価値観の違いを認められないと、藤野にとっての京本、京本にとっての藤野のような存在とは出会えないんじゃないかな、と思いました

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


■ネタバレ感想

 

キャラクター、物語性の面白さをもつ藤野と、とにかくディテールの細かいリアルな背景を描くことに長けている京本というのは、交わらなければ何も生み出せなかったかもしれません

編集者の褒め言葉は「ラストの見開きの絵」であり、海の音が聞こえる絵という評価をしていたので、京本の持つ力というものはかなりのレベルだったと思います

一方で、その才能を認めながらも、自分の作り出したキャラクターを前面に出したい藤野にとっては、ちょっと主張の強すぎる背景だったのかもしれません

2人のパワーバランスで京本が引くという流れになっていますが、この関係性がのちの進路を分つ原因になっていたと思います

 

小学校時代の4コマにも2人の特性は現れていて、絵だけでは表現できずセリフや注釈に頼るのが藤野で、セリフや人がいなくても何かを訴えかけてくるのが京本だったと思います

ある意味、水と油のような存在で、藤野のキャラの心情を背景で説明できるような展開だと合いますが、そのバランスが崩れると一気に崩壊してしまうように思えます

連載になったシャークキックでは背景よりも躍動感、キャラ設定の方に重きを置いていて、背景はアシスタントが無難なものを描くという構図になっていました

 

漫画がどのように成功するかは色々と要因がありますが、まずはキャラの強さ、ストーリーの面白さがあって、画力に関しては一歩引いたところにあるように思います

一方で、突き抜けるほどの画力というのは、全てを凌駕する可能性を秘めていて、それが魅力となる作品もあります

舞台は週刊の少年誌なので、前者の方が重宝されるのは、これまでのヒット作品を見ていれば一目瞭然のように思えるのではないでしょうか

 


■120分で人生を少しだけ良くするヒント

 

本作は、創作者の苦悩を描いている作品でありながら、人間関係の難しさ、運命の意図せぬ流れというものが描かれている作品だったと思います

そんな中、このような理不尽な状況に追いやられた時にどうするのか、というのがあって、藤野が選んだのは「脳内でOnce Upon a Time的な世界線を作り出すこと」と、「自分にできることをとことん突き進む」というものでした

彼女は袂を分かっても「藤野キョウ」というペンネームは変えていないので、口では酷いことを言うけれど、2人で築き上げた時間というものをとても大切にしていたと思います

 

映画では、理不尽な暴力に晒される京本を描いていて、この人物は彼女たちの最初の持ち込みの際に、彼女たちの前に持ち込んでいた人物によく似ていました

さすがにイメージだけが近いだけで、全く関係はないのかもしれませんが、事件後の週刊誌やSNSなどの書き込みでは、同じように漫画家を目指していた人間だったのでしょう

そして、犯人が選んだ行動というのが、「漫画とは無関係に近い美術大学の学生の襲撃」であり、この歪んだ精神性というものが、さらに事件を複雑化させています

 

自分のアイデアがパクられて漫画になったのなら、その漫画家もしくは出版社に向かいそうなものですが、そうではないところに「表面化していない理由」というものがあったのだと思います

映画とはあまり関係のない話なので掘り下げの必要はありませんが、この事件になっているのには意味があるようにも思います

自分の夢を叶えるのに、ある意味孤独だった青年と、うまくピースがハマって道がひらけた少女がいて、その差異とは何だったのか

そこにあるのは、藤野の行動起点とも言える「悔しさ」「負けず嫌い」というものの他に「褒めてもらえる環境があった」というものだと思います

 

彼女は、ある意味「自分を肯定してくれる言葉だけを重宝する」という部分があって、それが武器でもあり、弱みでもあると思います

そう言った意味も含めると、その対比となる犯人にはそういうものがなかったとも言えるし、このような犯人像を作り上げるに至った心象というものがそこにあるのかもしれません

原作は未読なので犯人の設定がそのまんまなのかはわかりませんが、そう言った細部に魂は宿っていると思うので、大事なことなのではないかな、と感じています

 


■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://eiga.com/movie/105185/review/06951040/

 

公式HP:

https://k2pic.com/film/lb/

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投稿者 Hiroshi_Takata

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