■NEW GROUP
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■オススメ度
奇抜な設定の映画に興味がある人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2026.6.18(アップリンク京都)
■映画情報
情報:2026年、日本、82分、PG12
ジャンル:生徒の一人の行動をきっかけに奇妙な現象が起こる街を描いたブラックコメディ映画
監督&脚本:下津優太
キャスト:
山田杏奈(佐藤愛:引っ込み思案の女子高生)
(幼少期:浅田芭路)
青木柚(小林優:アメリカ帰りの転校生)
駒井蓮(春:愛のクラスメイト、愛の親友)
木下暖日(健司:愛のクラスメイト、クラス委員)
佐々木ありさ(花子:愛のクラスメイト、いじめの標的)
ロジャース歌乃(咲希:愛のクラスメイト、いじめっ子)
陣野小和(咲希の取り巻き)
福田サン(咲希の取り巻き)
山﨑光(早乙女:転校させられる生徒)
笠井悠聖(英語でからかうクラスメイト)
ピエール瀧(校長)
細井じゅん(担任)
前野朋哉(物理教師)
松本亮(加藤:体育教師)
島田桃依(美術の先生)
川面千晶(保健室の先生)
梅舟惟永(生活指導の先生)
中田春介(教頭先生)
足立智充(愛の父)
板倉なつこ(愛の母)
月麗(心:愛の妹)
清水崇(テレビ評論家)
小山萌子(ワイドショーのアナウンサー)
藤井千帆(ワイドショーのレポーター)
【その他の出演者:学校内】
中川ひなの(留可:クラスメイト)
瀬名陽斗
細野愛夏(正子:クラスメイト)
端栞里(クラス委員の生徒)
大津翔誠
【その他の出演者:学校外】
大宮二郎(マスコミ)
枝ちなみ(マスコミ)
平岡亮(マスコミ)
松嶋健太(ボコられる芸能人)
吉川セラ(ボコられる芸能人)
滝裕二郎(政治家)
星野梨華(赤ん坊を抱えたホームレス)
犬山良子(子どもの声に苦情を言う住民)
眞田惠津子(子どもの声に苦情を言う住民)
鈴木奈津子(子どもの声に苦情を言う住民)
レン杉山(町内会長)
星野花菜里(妊婦さん)
藤本悠輔(苦情に反対する住民)
【その他の生徒たち】
青野うた(純子)
青山和也(奥山)
川﨑龍之介
小泉わか子(森田)
佐藤優太(木下)
島村雄大
桃児(飯田)
中森真桜(下原)
夏川詩子(純子)
林一太朗(勅使河原)
半田ショータ(後田)
綿谷優和(佳世)
石井舜
風見勇吾
小澤美結
【その他の一般人たち】
佐々木心結(愛の幼少期の友だち)
正殿愛之助(愛の幼少期の友だち)
西川久造
水口優輝
稲恒雄大
森和麻
中井七海
北島大昴
矢内創太
下田倫也
猪瀬すみれ
澤井奏
鈴木歩海
福田莉那
山崎莉沙
近野あやね
風田川友幸
三上櫻花
石川隼士
須藤彩愛
林優太
黒崎美紅
関海稀弥
檜山菜々花
青柳文香
宮沢憲太
■映画の舞台
関東圏某所
清栄学園
ロケ地:
栃木県:宇都宮市
宇都宮アート&スポーツ専門学校
https://maps.app.goo.gl/sQBUqV1Pyk3FRB2P9?g_st=ic
■簡単なあらすじ
高校に通う佐藤愛は、引っ込み思案の性格をしていて、クラスメイトの花子がいじめられていても声を上げられなかった
彼女には両親と妹の心がいて、その関係性は傍から見ていると普通に見えた
だが、愛には「壊れた家族」に映っていて、日々の何気ないところに宿っている違和感を常に感じていた
ある日のこと、愛のクラスに親の仕事の都合で海外に行っていた小林優が転校してきた
彼は言いたいことははっきり言うタイプで、愛のもどかしさに苛立ちを感じていた
その後も、日常は普通に続くと思っていた矢先、愛は校庭でひとりの生徒が四つん這いになっているのを目撃する
生徒は全く動く気配がなく、翌日には3人に増えて組体操のピラミッドのような形を作っていく
そして、聞き取り調査に来た警官も加わって、6人でピラミッドを作るまでになっていた
そして、校内に緊急放送が流れ、生徒全員が校庭に集められてしまうのである
テーマ:集団と目的意識
裏テーマ:自意識と他意識
■ひとこと感想
とある学校で組体操のミラミッドを作ると言う内容で、それが学校における洗脳なのかどうなのか、ぐらいの知識で鑑賞することになりました
主人公は引っ込み思案と言う設定になっていて、言いたいことをはっきりと言えない性格になっていました
それでも、何も考えていないわけではなく、その行動が転校生の優をイラつかせることになります
ピエール瀧が校長役をしているので、ヤバい高校ということはわかりますが、それ以外の先生も大概ヤバい人ばかりでしたね
どこからが現実で、どこからが夢想なのかという印象もあって、当初は「全部夢」とか言い出すのかと思いました
そのあたりは解釈によると思いますが、「何を描いているのかわからない」と言うよりは、このテーマで「どうしてこの発想になったのか」と言うことの方が興味深かったですね
集団であることが平和をもたらし、繁栄をもたらすと言う思想があって、それ自体は生存本能的でもあって間違いとは言い切れません
でも、結果として集団が幸福をもたらしたのか、幸福に辿り着いた時にそれを集団で成し得たのかはわからないのですね
また、この状態を幸福と捉えることができるのか、と言う問題もあって、集団的ヒエラルキーによる自我の放棄そのものの怖さと言うものを描いていたように思えました
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
本作のネタバレと言えば、一連の「事件」は一体何だったのかと言うところですが、その謎は最後まで不明のまま終わってしまいます
個人的には「事件そのもの」は愛が見た予知夢のようなもので、それが覚めた後に「実際にその事件が起きる」と言うふうに見えました
家庭内の不可思議なところは、愛の潜在的な罪の意識が見せている幻に思え、それが起きているのは「愛されていない」と感じているからのように思えます
それが転校生の出現によって変わるのではないかと言う願望を持ちつつも、そのように好転するわけがないと言う自己否定が悪夢を呼び起こしているように見えます
実際にはどの解釈があっているのかはわかりませんが、個人的には「愛の潜在意識が事件を生み出した」と言う解釈で、それが現実でも起こる、もしくは夢から覚めることができなくなった、と言う感じに捉えています
それは、愛自身が集団(ピラミッド)を否定しながら、集団(球体)を作り出してしまったからなのですね
それは、おにぎりの形を自分で変える行為と似ていて、それゆえに彼女は「自身の作り出した集団」と言うものに取り込まれてしまったのだと思います
ラストでは、全てが片付いたように思えて、愛の背景(教室内)でピラミッドが構成されていく様子が描かれます
それに気づいた愛が「ポー!」とピラミッドを破壊した音を発するのですが、このシーンが現実なのかどうかはわかりません
比喩的な感じだと、愛自身が自分のアイデンティティを確立し、自分を攻撃する概念を打ち破れるものを得たと言うことになると思います
それは、学校と言う現場が作り出す集団概念を打ち破るものとなっていて、そこには明確な線引きがあるのだと言えます
それは、学校的集団を全否定すると秩序が保てないことがわかるからなのですね
なので、ある程度、集団を理性的でいさせるためのルールというものまでは認めるけど、個々を縛り付けるようなものは認めないということになります
これは、集団によって豊かになるという概念を否定するもので、豊かさの追求のために「集団」という状態を利用することこそが、豊かさを得るために必要な要素である、という意味を含んでいるからではないでしょうか
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
学校側が用意した集団的な意識改革を否定することは、それそのものを否定することとは分けなくてはいけないと思います
集団の秩序を守るために個を犠牲にするというのが目的であってはならず、そこには「他者の自由を尊重する」という概念を全ての人が分け隔てなく有するという目的が必要と言えます
誰もが豊かになるために個はどうすべきかという問題があって、そのためにそれぞれが考えて、自分自身が提供できるものを突き詰めた先に豊かさというものがあると思います
個人主義と全体主義の関係性において、どちらかが正しいのかという対立構造を生み出すことは発展を妨げると言えます
それは物理の授業で教師が語ったように、「◯=△」という概念ではなく、「◯=⬜︎=△」という概念で物事を考えていけば、違った成果が得られたのではないかという言葉に行き着くと思います
何かしらの事象を説明するときに、ある一方を正反対の意味で定義することになるのですが、実際にはそこまで単純なものではないでしょう
また、「◯=⬜︎=△」=「◯=△」であるとも言えるので、この場合に間に入る⬜︎はどのような機能をもたらすのかを考える必要があります
◯=個、△=集団だとしても、間に入る⬜︎とは何なのか
個の集合体が集団であるとするならば、それを結びつける概念というものが存在し、それが□であると言えます
それは個と集団のどちらも犠牲にならないという概念であり、それは共通の目的意識であると考えられます
◯と△の衝突を和らげるものであるとか、双方に働きかけつつ、お互いの個性を損なわないものという意味になり、その先にこそ豊かさというものが存在するのではないでしょうか
映画はそこまで観念的な方向には行かず、最後まで対立構造のまま進んで終わります
どちらかが消滅すればOKという世界には未来はないと思うので、あくまでも寓話的に「無限連鎖が始まった」と捉えればOKなのではないかと感じました
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/104222/review/06641153/
公式HP:
