【映画感想】サヨナラの引力【後半:ネタバレあり】

■サヨナラの引力


■オススメ度

 

男女のすれ違いの物語に興味がある人(★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日:2026.7.8(TOHOシネマズくずはモール)


■映画情報

 

原題:만약에 우리(もし、私たち…)、英題:Once We Were Us(かつて私たちは「私たち」だった)

情報:2025年、韓国、115分、G

ジャンル:別れたカップルが再会し、あの頃を想起する様子を描いたラブロマンス映画

 

監督:キム・ドヨン

脚本:キム・ハナ&ヨム・ムングン

原作:ユ・ヤクヨン『后来的我们/Us and Them(邦題:僕らの先にある道)』

 

キャスト:

ク・ギョファン/구교환(イ・ウノ/은호:不器用な工学生、のちのゲーム会社の社員)

   (6歳時:イ・ダウン/이다은、写真)

   (3歳時:ハン・ジヌ/한지우、写真)

ムン・カヨン/문가영(ハン・ジョンウォン/정원:建築家を目指す女子大生、のちのモデルハウスの案内係)

 

シン・ジュングン/신정근(ウノの父、食堂の店主)

カン・マルジェム/강말금(ウノの母、写真)

 

キム・ソユル/김소율(コ・ユンジン/고윤진:ジョンウォンの友人)

イ・サンヨプ/이상엽(カン・ミンジェ/민제:ジョンウォンの元カレ、建築士サークルの先輩)

 

キム・ソウォン/김서원(パク・スンチャン/박승찬:ウノの友人、ゲームサークル「ブリザード」のメンバー)

イム・ジェヒョク/임재혁(オ・ギョンソク/오경석:ウノの友人、ゲームサークル「ブリザード」のメンバー)

ジ・スヨン/지수연(ウノの大学の先輩、ウノの上の階に住む女性)

 

イ・ジェイン/이재인(バスの運転手)

ハンジン/한진(バスの男性客)

オ・ウンチェ/어은채(客室乗務員)

イ・スンヨン/이승연(客室乗務員)

ソ・ムンギョン/서문경(飛行機の乗客)

イ・ジュヒ/이주희(飛行機の乗客)

コン・ヘスク/공혜숙(飛行機の乗客)

クォン・ジソ/권지수(孤児院「ヌルプルン園」の先生)

キム・グムスン/김금순(ミンジェの母)

ヤン・ウィジン/양의진(ミンジェの浮気相手)

チェ・ソビン/최수빈(バーのオーナー)

パク・スヌ/백승우(ガス会社のオペレーター)

チェ・ギュソン/최규선(建築士サークルのリーダー)

キム・グンファン/김근환(建築士サークルのメンバー)

ユ・ヨンウン/유영은(建築士サークルのメンバー)

ソン・チフン/송치훈(ダメ出しするゲーム業界の社員)

クァク・ドンヒョン/곽동현(タクシー運転手)

チャン・ジヨン/장지용(眼科医)

チョン・ソナ/정선아(モデルハウスの女性社員)

マ・エンジュオン/맹주원(家主)

シン・ハジン/신하진(小さなゲーム会社の社長)

イム・ヨヌ/임영우(中小企業の管理者)

ソン・チャンギュ/송창규(インタビュアー)

ユ・イジェ/유이재(面接応募者)

ホン・ジョンヒ/허종희(中小企業のゲーム会社の従業員)

ムン・ジョンファン/문정환(中小企業のゲーム会社の従業員)

ギルダ/길다아(大学編入アカデミーの教師)

ソ・ソチャン/서수찬(大学生)

ホン・ソンピョ/홍성표(大学生)

イ・ハンソル/이한솔(大学生)

ムン・インユク/문인육(「ガーデンス」のメンバー)

イ・ジョンミン/이정민(ダウン:ウノの娘)

キム・スルギ/김술기(ウノの妻)

キム・デジン/김대진(建設会社の従業員)

ホン・テゴン/홍대건(清掃員)

ファン・ジュンジル/황준질(清掃員)

ファン・ホジン/황호진(女性アナウンサー)

キム・ジン/김진(男性アナウンサー)

チャン・ジェヒョン/장재현(新婚男性)

イ・ソヨン/이수연(新婚女性)

キム・タク/김탁(大学教授)

イ・ドンホ/이동호(応募者)

チェ・ジョヌ/최정우(パワハラ社長)

クァク・ドンフン/곽동훈(パワハラ社長の会社のスタッフ)

チョン・ウンジュ/정은주(パワハラ社長の会社のスタッフ)

キム・ソンジュン/김성준(「ジェイソンソフト」の社長)

ウム・ジヨン/엄지영(「ジェイソンソフト」の社員)

 

ファン・ホジン/황호진(地滑り警報の音声)

キム・ジン/김진(就職面接の返答の音声)

イム・ジャンオ/임장업(隣の部屋の男の声)

イ・ジェイン/이재인(隣の部屋の女の声)

イ・ハヌル/이한을(大晦日のイベントの音声)

キム・ジンホ/김진회(大晦日のイベントの音声)

 


■映画の舞台

 

2008年~2014年、

韓国:ソウル

韓国:全羅南道高興

 

2024年、

ベトナム:ホーチミン

 

ロケ地:

韓国&ベトナム

 


■簡単なあらすじ

 

2024年、ベトナム・ホーチミンからソウルに戻ろうとしていたウノだったが、あいにくの悪天候にて飛行機は飛ばなかった

だが、その機内にて、かつて関わりのあったジョンウォンを見つけてしまう

二人は言葉を交わすこともなく、飛行機を降りて宿を見つけることになったが、ジョンウォンは偶然にもホテルでウノと再開することになった

最後のひと部屋にありつくことができた二人は、「久しぶり」と言葉を交わし、2008年の出会いからを思い出すことになった

 

2008年、翌年にソウル五輪を控えていた韓国・ソウルでは、大学生のウノは友人のスンチャン、ギョンソクとともに「ゲームを作って100億ウォンを稼ぐ」という夢を抱いていた

ある雨の夜、ソウルからコフン行きのバスを待っていたウノは、野外でタバコを吸っているジョンウォンを見つけ、咄嗟に彼女の絵を描くことになった

その後、同じバスに乗り合わせた二人だったが、大雨の影響でバスは動かなくなり、ウノの父の迎えにて、彼の食堂に行くことになった

 

ジョンウォンは建築学科を目指していたが、困窮ゆえに社会福祉学科に通っていた

ウノもまた、ゲーム会社に入るためにコンピューター学科に通っていたが、卒業も間近になると、友人二人は受験のために離脱してしまう

そんな折、ジョンウォンは交流を持っていた建築士サークルの先輩と別れることになり、ウノの住処に転がり込んできたのである

 

テーマ:恋愛の終わり方

裏テーマ:手放した先にある未来

 


■ひとこと感想

 

2008年に制作された台湾映画『僕らの先にある道(原題:后来的我们)』のリメイク作品で、ある別れを経た男女が再会し、過去を想起すること、現代と過去をカラーとモノクロで描き分けるというところも引用されていました

台湾からソウルが舞台になり、さらにリーマンショック後の世界になっていて、彼らの就職、編入などはかなりハードルの高い時代になっています

ひょんなことから同棲を始めることになり、友人が恋人になるという経過があるのですが、それゆえに破綻は悲しいものがありました

本作の原題(&英題)を直訳すると「もし、あの時私たちが」というもので、「再会によって、もしもを感じてしまう二人」というものが描かれていました

 

彼らの復縁は感じられない再会になっていて、それでもお互いに何かを感じていた

そして、思い出を語らい合う中で、「どこで間違ってしまったのか」「どうして二人は別れなければならなかったのか」というものが紐解かれていくことになります

二人の温度差は徐々に変化し、恋愛が終わったと感じる予兆というものも描かれます

彼らが若くて、時代背景が若者に厳しかったことも要因だと思いますが、ジョンウォンが切り出した理由は意外なものだったように思いました

 

映画は、悲恋の先に別の道を歩んだ二人を描いていきますが、現代パートでも強烈な事実というものが判明します

それがありながらも、再会によって感じてしまう「何か」というものがあって、その恋愛をどのように整理してきたのか、というのも二人の人生の違いとなって現れていたように思いました

思い出は美化されていると思いますが、それをどのような形で心の中に留めておくのか、というのも、男女の恋愛観の違いに結びついているように思えますね

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


ネタバレ感想

 

映画は、偶然の再会にて「恋愛絶頂期だった二人」を思い起こす二人が描かれています

時系列的に言えば、2013年ぐらいに別れていて、それから10年ぶりの再会となっていました

その間に、ウノは小さなパクリ会社を辞めて、ゲームを完成させて、大手に就職することとなっています

ジョンウォンと一緒にいた時に考えていたゲームをその会社で完成させていて、ラストでジョンウォンがそれをプレイしている様子が描かれていました

 

一方のジョンウォンは、モデルハウスの仕事をこなしながら、建築学科への編入のために勉強に取り組んでいました

そして、翌年の2014年に合格を果たしますが、その受験中にウノの電話番号を消していました

これにより、その時にゲームが完成したことをウノは彼女に告げることができず、それぞれの道は確定的になっていったと考えられます

 

ウノの場合は、ゲームが完成することでやり直せると思っていたけど、ジョンウォンはもうやり直すことはないと考えていて、その考えは実際には真逆の方向へと進んでいくのですね

ジョンウォンが完全にウノとの関係を断ち切ったことと、ゲームの中に二人の恋愛を残したことで、ウノは新しい人生を歩んでいきます

結婚して、娘ができて、それはまだ数年しか経っていないので、2020年頃だったのでしょう

 

2014年に編入したジョンウォンは、通常なら2018年くらいには卒業し、どこかの建築会社に入っているでしょう

彼女は現場で5年ほど経験しないと資格を取れないと言っていたので、最短でも2023年ぐらいに資格を取ったのだと考えられます

彼女は自分で家を建て、そこに自分の事務所も開設している

これが現在軸の彼女であり、ジョンウォンにとっては「これからウノと向き合える」と思ったのかもしれません

それゆえに、ウノとの再会によって知ることになった妻子の存在というものは、彼女にとっては受け入れ難いことだったのではないでしょうか

 


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二人は、再会したことによって、「もしあの時」という恋愛が破綻しなかった可能性を思い描くようになります

でも、「結局は長続きせずに別れただろう」という結論になっていて、「それがお互いのためにも良かった」と結んでいます

これがジョンウォンの本音かどうかはわかりませんが、まるで自分に言い聞かせるように、ウノと一緒に歩まない人生と選択しているように思えました

そして彼女は「あの時、私の家になってくれてありがとう」とウノに告げることになりました

 

彼女は孤児院育ちで、帰る家というものがなく、ミンジェのところに行ったり、破綻したらウノを頼るという感じで生きてきました

ウノの気持ちを知って同棲を始めていて、ミンジェとの破綻というものと、大晦日という雰囲気が二人を恋人にしてしまいました

彼らが別れるきっかけとなったのは経済的な理由が主だったものとなりますが、象徴的なのは赤いソファを捨てざるを得なかったことでしょう

狭い半地下に暮らすことになるのですが、この引越しの際に「ジョンウォンが作っていた模型」というものも元の家の前に捨てられていました

 

ジョンウォンとしては、自分の夢を諦めてウノと暮らそうという決意があったと思うのですが、ウノはジョンウォンとの暮らしを第一には心に留めていない

それが赤いソファを早々に諦めるということになっていて、このシーン以降は二人が同じ部屋にいるのに別々の暮らしをしている、という感じになっていました

ウノは常にジョンウォンに背中を向け、自分にだけ扇風機を当てている

そして、太陽の光を部屋に入れようとしたジョンウォンを拒み、それが決定機となっていました

 

地下鉄でウノは何も言えなかったのですが、あの時既にウノは限界を感じていたのだと思います

ウノはそれでも「あの時に僕が電車に乗って君を引き止めたら」と言い、ジョンウォンは「永遠に続いたかも」と言いつつ、それを否定することになります

これは彼が既に新しい生活を手に入れていることを知ったからであり、彼がまだフリーだったらどう転んでいたのかはわからないのですね

でも、「お互いが手放した」と言い合うことで、二人は自分のそれぞれの過去を正当化せざるを得なかったのだと言えます

 

映画のラストでは、ウノはジョンウォンに父の手紙を送り、彼女はウノの作ったゲームをプレイすることになります

そして、そのエンディングは、二人が夢を誓い合ったテアンの浜辺から見た日の出となっていました

ジョンウォンは自分がウノの中に確かに生きていたことを確信し、自分の恋愛が本当に終わったことを悟ります

この映画は珍しく、女性側が恋愛を引き摺っているというパターンなのですが、それぐらいジョンウォンの想いは強すぎたのかな、と感じました

 


■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://eiga.com/movie/105990/review/06715393/

 

公式HP:

https://sayonara-inryoku.jp/

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投稿者 Hiroshi_Takata

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