■プリティ・クレイジー 悪魔が引っ越してきた
Contents
■オススメ度
骨太なラブコメが好きな人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2026.6.22(イオンシネマ京都桂川)
■映画情報
原題:악마가 이사왔다(悪魔が引っ越してきた)、英題:Pretty Crazy(可愛くて狂ってる)
情報:2025年、韓国、113分、G
ジャンル:奇妙な隣人に関わることになった青年を描いたラブコメ映画
監督&脚本:イ・サングン
キャスト:
イム・ユナ /임윤아(チョン・ソンジ/선지:フランス留学を夢見るパン屋の店員、13階に引っ越し)
(8歳時:イ・ヒョビ/이효비)
(15歳時:キム・イナ/김예나)
(20歳時:パク・ソミン/박수민)
イム・ユナ /임윤아(ムニョン/문양:凄惨な過去をもつ少女)
(幼少期:ハン・ジェア/한재아)
アン・ボヒョン/안보현(イ・ギルグ/길구:ソンジに恋する休職中の青年、14階)
(幼少期:キム・ドヒョン/김도현)
(少年期/卓球:チョ・ハンミン/조항민)
(少年期/テニス:チョン・デヒョン/정대현)
(少年期/バトミントン:キム・ドンヒ/김동해)
(少年期/サッカー:パク・ジヌ/박진우)
(少年期/バスケ&バレー:キム・ミョンボ/김명부)
(少年期/剣道:チョン・ヨンソン/전윤성)
ソン・ドンイル/성동일(チョン・ジャンス/장수:ソンジの父)
(幼少期:ソン・ドクホ/송덕호)
チュ・ヒョニョン/주현영(チョン・アラ/아라:ソンジの従妹、パン屋手伝い)
シン・ヒョンソ/신현수(ヨンシク/영식:ソンジの前に出没する謎の男)
コ・グンハン/고건한(ヒボム/희범:ギルグの友人)
パク・ウンジン/박은진(ソンジの母)
チョン・ジヌ/정지우(ソンジの母方の曾祖母)
イ・シレ/이시래(ソンジの母方の曾祖父)
ナ・ギョンスク/나경숙(ソンジの曾祖母の義母)
キム・イェナ/김예나(ソンジの母方の祖母)
キム・ウンソ/김은수(コンビニの店員)
ド・ジウ/도지우(プレーンの白を欲しがるコンビニの女子学生)
キム・セヒ/김세희(キャンディーをくれるギプスをした女性)
ペク・スンチョル/백승철(ジャンスの同室の入院患者)
チョン・ミンソン/정민성(自殺志願のリーマン)
キム・ソウォン/김서원(第119水難救助隊副司令官)
ファン・リハン/황리한(119水難救助隊メンバー)
キム・ウダム/김우담(119水難救助隊メンバー)
イ・ヨソプ/이요섭(漢江警察)
ペク・スンウォン/백승원(漢江警察)
パク・ヘヨン/박혜영(CBAリポーター)
チャン・ハラン/장하란(カフェのオーナー)
ハン・ジウ/한지우(クラブで弾ける女性客)
オ・ギピュム/오기쁨(ムーダン/巫女)
パク・ジョンウ/박정우(ムーダンの助手)
イ・ドンヒョン/이동현(ムーダンの助手)
キム・マンホ/김만호(ムニョンの回想、村人男性)
ソン・ジンホ/송진호(ムニョンの回想、村人男性)
チョン・シンナム/천신남(ムニョンの回想、村人男性)
ホ・ジェヨン/허재영(ムニョンの回想、ソンハンの家族の父)
アン・ジニ/안진희(ムニョンの回想、ソンハンの家族の母)
ユン・ソジン/윤서진(ムニョンの回想、ソンハンの家族の息子)
ハン・ユンジュン/한윤준(ムニョンの回想、ソンハンの家族の娘)
ハン・ミニョン/한민영(トランポリンの管理従業員)
クォン・ヒョクジュ/권혁주(劇場のカップル、男性)
チャ・ヨンジュ/차영주(劇場のカップル、女性)
チェ・ギボム/최기범(映画の主演男優)
ハン・ジェア/한재아(映画の主演女優)
キム・デソン/김대성(ギルグの父)
イ・サンヒ/이상희(ギルグの母)
ソン・ウォンソ/송원수(ヒボムの父)
ムン・ソンヨン/문선영(13階に住む家族)
チェ・ヨンソ/최연서(13階に住む家族)
ユ・グクヨン/유국영(金浦空港タクシー運転手)
ペク・ヒョンイク/백현익(済州島タクシー運転手)
アン・ジニ/안진희(泡を吹く赤ちゃんの母親)
パク・ダオン/박다온(泡を吹く赤ちゃん)
ヤン・ジョンヒ/양정희(済州島の村のおばあちゃん)
パク・ソンジャ/박송자(済州島のトラクターおばあちゃん)
【ギルグの前職の同僚たちの声】
パク・ヒョヌク/백현익
クォン・ヒョンジェ/권혁재
イ・ソンヘ/이순혜
イ・ハクソ/이학수
ド・ソンフィ/도승휘
イ・サンギュン/이상근
シン・ヒョンソ/신현수
キム・ソンキョン/김선경
チョン・ミンジョン/정민준
シン・ハンギョル/신한결
■映画の舞台
韓国:ソウル&済州島
ロケ地:
韓国:ソウル&済州島
■簡単なあらすじ
職場が合わずに退職したギルグは、母に小言を言われながらも、少し休むことに決めた
夜な夜なクレーンゲームに出掛けては景品を取り、いつしか部屋全部を埋めるまでになっていた
そんな彼のマンションの下の階にある家族が引っ越してきて、彼らは近くにパン屋さんをオープンさせていた
ある夜のこと、外出したギルグはベンチで座っているきれな女性を見かけ恋に落ちた
だが、別に夜には、同じ女性が髪型もメイクも変えて暴力的になっていたところに遭遇する
訳のわからないギルグだったが、彼女のことが気になって、半ばストーカーのように彼女を追い回した
彼女こそが、新しく引っ越してきたチョン一家の娘ソンジであり、従姉妹のアラとともにパン屋さんを切り盛りしていた
ソンジはフランス留学のために語学教室に通っていたが、父もアラも夜になると豹変するソンジをフランスには行かせたくなかった
そして、ある日のこと、ソンジをおぶって帰ろうとしていたところに遭遇し、彼女の父からソンジの秘密を聞いてしまうのである
テーマ:憑依の理由
裏テーマ:憎しみの連鎖
■ひとこと感想
隣に引っ越してきたヤバい女と関わる青年というぐらいの知識で鑑賞
これはこれは意外な掘り出し物という感じで、とても完成度の高い作品になっていました
一人で三役を演じることになったイム・ユナの技量も凄いですが、その他の脇役も「濃い」キャラが多かったですね
すぐに覚えられる感じで、キャラ設定もうまく機能していました
中でも、冒頭のクレーンゲームのシーンがのちに機能してくるところも上手いなあと思ってしまいますね
映画は、恋した女性は悪魔に乗っ取られているというもので、父親がぎっくり腰になってしまったので、その代わりをするという内容になっています
悪魔に憑依されている好きな人との深夜デートなのですが、これがまたキュン死(死語)しそうなほどに「幼い」のですね
これにも理由があるところが面白いなあと思ってしまいました
多くの設定に無駄がなく、うまく機能していて、最後まで「その細部を回収するの?」という感じになっています
ヤバい女とのドタバタ恋愛だと思っていたら、結構重めの話になっていくのは韓国映画のパターンですね
そこでもとある島が登場するのですが、史実的なところだと70年代まで猛威を振るっていた象皮病とかが関連しているのかもしれません
ともかく、そこで起きたことというのが連鎖的に現代につながっているのですが、それをどのように断ち切るのかは興味深いものがありましたね
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
映画は、ソンジに憑依していたのは悪魔ではなく、胡散臭いシャーマンによれば「雑鬼」ということになります
かつて、島で流行病があり、それを鎮めるために生贄にさせられた孤児が根幹となっています
そのために作られた甕が時代を経て封印を解かれたという感じになっていて、それが起こったのはソンジからすれば曾祖母の時代となっています
そこで甕を開けたことでそれを開けた人間に取り憑くことになり、追い出されそうになったので、ソンジの祖母に入り込み、やがてはソンジに取り憑くことになりました
ギルグはシャーマンのヨンシクから得た情報を元に「聞き上手」としてムニョンから話を聞くことになり、事の発端と真相を知ることになります
その解決策を島に求めることになりますが、この時のギルグはソンジを解放したいというよりは、ムニョンを助けたい一心だったと言えます
その甲斐あって、ムニョンは納めされるべきところに納められるのですが、そこに彼女が書いたイラストとUFOキャッチャーの景品がありました
ソンジとギルグの恋愛は思うようには進展しなかったけれど、それはお互いがもう少し自立できてから進んだ方がよかったでしょう
なので、ソンジはきちんと留学をし、ギルグも自身の居場所を見つけることによって、再会の価値が高まるのだと言えます
エンドロールはとっても可愛いイラストなのですが、徐々に楽曲の音が小さくなって、打ち寄せる波の音が聞こえてくるように演出されていました
ギルグとソンジが再会して、思い出の砂浜に行ったということになりますが、もしかしたらチェジュ島に行ったのかな、と感じました
二人の恋愛の原点でもあるし、あの事件がなければ出会うことも絆が深まることもなかったでしょう
映画では描かれませんが、あの二人ならあの場所に行って、彼女を弔ったんじゃないかな、と思ってしまいました
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
過去の因習などが生み出した絆の物語ではありますが、ラブコメとしては付かず離れずと行った中学生ぐらいの恋愛になっていました
一目惚れから相手の奇妙な境遇を知って、またまた奇妙な関係を築くことになっていて、恋愛が少し脇に追いやられてしまう展開を迎えます
好意だけは残っているのですが、それ以上の問題が残っていて、この状況を解決しないと先には進めません
それゆえに、解決に没頭して恋愛感情が止まってしまうという流れになっていました
恋愛の障壁が「憑依した雑鬼」ということになっていて、過去の祖先はそこまで悪いことをしたように見えません
それでも、埋まっていた甕を取り出して、そこの中に入っていたものが「砂(実際には遺灰)」だったので捨てた、という流れは、なかなか強烈なものがありますね
キムチを漬けるとしても、その甕をわざわざ使うのか、と思ったりもしてしまいます
結局のところ、100年甕の中にいればOKだったのに50年で叩き起こされたというもので、しかもいつからかシャーマンが彼女の周りに出没していて、そこから逃げるために悪行を繰り返していました
それらの行動が「ソンジを人質にしたわがまま」になっているのですが、行動だけを見ていると「子どもの仕業」に見えるのが面白いのですね
ブランコを大きく揺らしてほしいとか、トランポリンで遊びたいとか、好きなスイーツを独り占めしたいとかになっていました
それに付き合っていくたびに、ムニョンの憑依されているソンジのことも好きになっていて、彼女がソンジから抜け出した後にどのような感情が起こるのかは不透明だったりします
それでも、感覚的には「ムニョンは妹のようなもの」だったと思うので、それが「お疲れ様」という言葉に繋がっていたのだと思います
本当に罰せられるべきものは島の巫女だと思いますが、ムニョンを祓おうとしたシャーマンも「自身のスキルアップのため」という傲慢さがありました
それらを感じていたギルグは「詐欺師とかの類だから守る」のではなく、「自己満足のために霊を蔑ろにすること」の方に抵抗があったのだと思います
このあたりに本作における「オカルト系映画の傲慢さをぶっ壊そうとい気概」が見えてくるのですね
運命を変えることはできないけど、精一杯のことをして生きようというラストに繋がっていて、それこそが「解放されたギルグ」にとっての素晴らしき新しい一歩なのだと感じました
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/105794/review/06659426/
公式HP:
https://gaga.ne.jp/pretty_akuma/
