■ルノワール
Contents
■オススメ度
青春期の死生観の形成について興味がある人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2025.6.23(MOVIX京都)
■映画情報
情報:2025年、日本、122分、G
ジャンル:小学生女子が遭遇する父の死にまつわる日常を描いた青春映画
監督&脚本:早川千絵
キャスト:
鈴木唯(沖田フキ:11歳の少女)
石田ひかり(沖田詩子:フキの母、通訳)
リリー・フランキー(沖田圭司:闘病中のフキの父)
中島歩(御前崎透:詩子のセラピーの先生)
宮下今日子(御前崎貴和:透の妻、栄養食品販売)
河合優実(北久里子:同じマンションに住む女性)
坂東龍汰(濱野薫:自称大学生)
ハナ・ホープ/Hana Hope(ケイト・ブラウン:英語教室の先生)
中村恩恵(美知子・ブラウン:ケイトの母)
高梨琴乃(大竹ちひろ:英語教室のクラスメイト)
西原亜希(大竹梨花:ちひろの母)
大塚ヒロタ(大竹淳:ちひろの父)
谷川昭一朗(戸田哲郎:フキの小学校の担任の先生)
高間智子(中村みどり:病院の給仕係)
鈴木晋平(山田吾郎:詩子の上司?)
大西多摩恵(木村名美:父と同じ病室の患者家族)
中野英樹(大坪健:父の会社の同僚)
佐々木詩音(真下浩之:父の会社の部下)
天光眞弓(占い師)
市原崇稔(想像の男?)
伊藤裕一(レポーター)
佐藤文吾(?)
田川可南美(看護師?)
亀間園子(?)
橋本美和(?)
Jeffrey Rowe(ヴェリー・マイコラス:TVの能力者)
俵木藤汰(テレビの司会者)
成澤優子(通訳?)
橋本紡(白鳥未歩:詩子の部下?)
長友都真(北久里子の夫、写真)
吉田憲司(同室の病人?)
田村無多(研修の男性)
大田路(研修の女性)
綱島和磨(研修の女性の息子)
定森安南(写真の女?)
紺野陽生(?)
木村成志(?)
二田絢乃(ファミレスの店員)
冨田晴世(?)
竹本かすみ(看護師?)
近藤汎(?)
オウ・イ(?)
後藤崇之(?)
三浦陽樹(?)
山田真幸(?)
佐々木優(競馬場の男?)
伊藤優花(看護師?)
福田菖子(悲鳴を上げる母親)
森川恵古(薫の母)
■映画の舞台
1980年代のある夏
ロケ地:
岐阜県:岐阜市
岐阜勤労者医療協会みどり病院
https://maps.app.goo.gl/NLMYFXquDKnUEh9r8?g_st=ic
こもれびの里 笑和
https://maps.app.goo.gl/PGywDNeEx8kvAK858?g_st=ic
芥見東小学校
https://maps.app.goo.gl/4pmHmqMvywARNGH96?g_st=ic
岐阜県:羽島郡
笠松競馬場
https://maps.app.goo.gl/NXgHVtukG8gq22AR7?g_st=ic
寿屋(競馬場内売店)
https://maps.app.goo.gl/8T1A9x7siA8t9aM87?g_st=ic
■簡単なあらすじ
地方都市の郊外に住んでいる小学生のフキは、自分が何者かに襲われて殺され、そして自分の葬式を見たという作文を書いていた
その他にも発想はユニークなものの、担任を困らせる作文を書いていて、母・詩子が呼び出されることもあった
フキには会社勤めの父・圭司がいたが、血を吐いて倒れてしまい、末期癌の診断が下っていた
日本の病院でできることは少なく、医療系の専門誌から情報を得ては、主治医を困らせていた
ある日のこと、マンションの上の階に住む女性・北久里子を見かけたフキは、声を掛け、親密になっていく
超能力にハマっているフキは、見様見真似で催眠術をかけると、彼女は夫の特殊な性癖に気づいた日のことを思い出し、フキに話した
また別のある日のこと、フキの英語塾にちひろという同世代の女の子が通い始めた
彼女の綺麗な三つ編みが気になって声を掛け、それから友だちのような関係になっていく
彼女の裕福な家に招かれ、ケーキなどをご馳走してもらうものの、どこか険悪な雰囲気を感じ取っていた
父の病状は変わらないものの、母は研修で出会った御前崎の勧める健康食品を買ってきたり、病院の給仕係をしている中村から健康教室のことを聞いた父はその教室に通ったりもした
だが、一向に良くなる気配はなく、お見舞いに来た父の会社の人たちは「復帰は無理だ」と話していて、フキにはそう言った大人の声が嫌でも耳に入ってしまう
テーマ:構築される死生観
裏テーマ:静止する青春
■ひとこと感想
どんな映画かはほとんど調べず、予告編の情報だけで鑑賞してきました
『PLAN75』の監督ということで、少し構えてみていましたが、そこまで難解とか、社会的な強目のメッセージがあるという感じではなかったですね
おそらくは幼少期の体験がベースで、その時期に紡がれた死生観の話をしているのだと思います
フキは11歳で、大人の事情を感じ取れる才能があって、当時流行っていた催眠術などに興味を示していました
何かしらを感じる能力があると思っている年ごろで、母親はそう言ったものをほとんど信じていないのだと思います
父(夫)はそこそこの収入があるサラリーマンで、英語にも精通していたので、時代を考えると商社勤務とかなのかなと思います
母の方も通訳の仕事をしているようで、フキに英語の塾に通わせたりしていました
それでも、あまり裕福さを感じさせないのは、末期癌の医療費がかさんでいるからなのか、単にそう言った贅沢に興味がないのかはわかりません
タイトルは『ルノワール』なのですが、これは劇中で登場する絵の作者となります
フランスの印象派の画家で、映画に登場したのは『イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢』という作品でしたね
当時8歳の少女を描いた作品で、それを病院の待合のようなところでダミーが売られていました
このタイトルにした理由は劇中では語られませんが、絵画に光を当てて遊んでいるフキを見ると、光と影のような意味があるように思えます
でも、少し思慮を深めると、数ある中から少女の絵を選んだというところに意味があって、それがたまたまルノワールだった、というふうにも思えてしまいます
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
映画のタイトルは死ぬほど考察されていると思いますが、監督のインタビューではそこまで関連があるとは語っていません
それはルノワールという画家とか、その画風との関連はないというもので、個人的には「少女の絵」というところに大きな意味があるように思えました
あの絵は「もう死ぬであろう父に贈った絵」であり、それには様々な意味が込められていると思います
父の死に際して、母はすでに「先のこと」を考えていて、まだ死んでもいないのに葬式の相談をしたり、家には喪服が用意されたりしていました
新しい恋を始めていると言われ浮き足だったりする中で、フキだけはそう言った動きに抵抗しているように思えます
父が見る絵は「成長しない娘」であり、フキが見せたい絵は「変わらない自分」であると思います
季節は移ろい、嫌でも成長して、父の死も忘れていくと思いますが、あの絵には「父と病床で過ごした時間」が刻まれていて、少女のように変わらない父親が宿っているようにも思えました
■思春期における死生観
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■動き出す大人、止まりたい子ども
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/103495/review/05246891/
公式HP:
https://happinet-phantom.com/renoir/
