■レンタル家族
■オススメ度
家族関係に悩む物語に興味のある人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2026.9.9(アップリンク京都)
■映画情報
情報:2025年、日本、89分、G
ジャンル:レンタル家族を利用することになった認知症の母を抱えるキャリアウーマンを描いたヒューマンドラマ
監督:上坂龍之介
脚本:土井涼介&上坂龍之介
キャスト:
荻野友里(沼田洋子:キャリアウーマンのバツイチ女性)
駒塚由衣(沼田千恵子:洋子の母、認知症)
黒岩徹(沼田忠勝:洋子の父)
龍輝(松下豪:洋子がレンタルする夫)
小野翔平(松下優:豪の弟)
中本りな(安田朱里:豪の紹介でレンタルする娘、子役)
白木ひこ(安田心:朱里の母、スナック勤務)
松林慎司(坂本創:洋子の元夫)
中村芽生(坂本紗奈:洋子の娘、10歳)
田崎礼奈(平岡葵:洋子の部下)
田中壮太郎(黒岩光希:洋子の同僚、レンタル家族サービスPR担当)
小野孝弘(土岐田誠司:洋子の上司)
鈴木浩文(楢原:1人目のレンタル夫)
荒岡龍星(バーの店主)
保田賢也(中里壮太:豪の知り合いのバーの客)
小野島徹(スナックの客)
中島彩喜(実家の近所に住む少女)
村尾俊明(千恵子の主治医)
窪田彩乃(病院の受付)
■映画の舞台
東京都内
ロケ地:
東京都:世田谷区
三茶 一丸
https://maps.app.goo.gl/aa3xP1s9RxVALnV78?g_st=ic
KARAOKE&BAR 1919 三軒茶屋
https://maps.app.goo.gl/sXyhHjd3y5UKnDi19?g_st=ic
Rounge MAYA 三宿
https://maps.app.goo.gl/jUwk79UveThjBJ1r8?g_st=ic
東京都:あきる野市
MAGONOTE VILLAGE(キャンプ場)
https://maps.app.goo.gl/fCsJMDj3BEvyp4h38?g_st=ic
秋留台公園
https://maps.app.goo.gl/g1epBCnd9Fydfmnd7?g_st=ic
古民家スタジオ まきのした住宅(実家)
https://maps.app.goo.gl/aDL5AVRrWk511Gav9?g_st=ic
神奈川県:川崎市
魚炉魚炉 川崎総本店
https://maps.app.goo.gl/DDieVbtrW1bs2pvQ9?g_st=ic
■簡単なあらすじ
東京都内の広告代理店で働いている沼田洋子は、郊外に住んでいる両親の元へ週一回のペースで足を運んでいた
母は早期の認知症を患っていて、今では父が1人で面倒を見ている
家にいる間は問題がないものの、症状の進行は早く、今後どうなるかは不透明だった
ある日のこと、同僚の黒岩から「レンタル家族のPRの仕事」を引き受けた洋子は、試しにそのサービスを利用するように言われる
仕方なく「レンタル夫」というものを申し込み、彼女の家に楢原という青年がやってきた
主に家事を手伝ってもらった洋子だったが、彼のペースは合わず、体験したのでこれで良いだろうと思っていた
だが、黒岩は「顔を立てて」と言われ、再び「レンタル夫」を申し込むことになった
今度は松下という青年がやってきて、彼は料理などをそつなくこなし、1人目とは違う雰囲気を持っていた
そこで洋子は母親の認知症のことを話し、元夫と娘と会いたがっていることを伝えた
すると松下は、子役をしている知り合いの女の子を娘役として同行させ、夫の身代わりを演じることになったのである
テーマ:家族という枠組み
裏テーマ:安心を求める関係
■ひとこと感想
最近流行っているのか「家族をレンタルする」という内容の映画が多くなってきましたね
結婚式とかで見栄を張るとかいう利用方法は分かりますが、家庭内に入り込むというのは特殊すぎるように思います
実家に帰る時に「恋人役が欲しい」みたいな利用はわかるのですが、いくら相手が認知症だと言っても、レンタル夫とレンタル娘というのは無茶なように思います
5歳くらいの時に会っただけの娘がバレないのはわからないでもないですが、結婚式などを含めて多くの接する機会のある夫は無茶のように思います
それでは話が進まないのでアレですが、レンタル夫を連れてくる娘に対する父親の心情というのはどういうものなのか想像がつきません
妻の要望に応えるとしても、それで良いのかという感情は生まれても不思議がないように思えました
映画では、レンタルを利用する側の視点で描かれ、そこにレンタルされる側の背景というものが描かれていきます
この背景が必要だったのかは何とも言えず、その背景を洋子が共有して関わらないのであれば、物語上は意味をなさないと思うのですね
松下の弟の結婚式に「逆レンタル家族」をするのかと思ったのですがそっち方面には行かないので、なぜあのエピソードを挿入したのかは不思議でしたね
松下自身が「レンタルしてまで見栄を張らない理由」みたいなものがあるのかもしれませんが、それだと自分の仕事を否定するように見えてしまいます
松下に感情移入をしてきた洋子が相談を受けてレンタル妻を演じるという路線もあったと思いますが、松下がどんな女性と結婚していると家族に話しているのかわかりません
なので、年上女性と結婚したと言っているのならOKですが、年下女性と結婚したみたいなことを言っていたら整合性は取れないと言えます
それでも、伏線っぽく挿入したのに完全スルーというのはどうかと思うので、本作の場合だと彼の背景は完全に消してしまった方が良かったのかな、と感じました
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
家族関係について悩みを持たない人の方が少ないと思いますが、家族をレンタルしてまで持つという状況は、誰かに家族がいることを見せるため、であると思います
なので、当初の家事をしてもらうというのは、「主夫サービス」に該当すると言えるのでしょう
家庭内に入る「レンタル夫」を利用するとしても家事代行ではないとなると「夜のお供」みたいな感じになりますが、それは風俗なので御法度だと思います
レンタル家族というものがどんなものかわからないのでとりあえずレンタルしたという流れなのですが、その感想を後輩たちと共有したりして、それって家事代行サービスじゃないですか!みたいなツッコミが会った方が良かったかもしれません
その後、2人目の松下とは相性が良くて、それでも彼が仕事だと割り切っているし、彼自身が同性愛者であることが仄めかされているので、そっちの方面にはいきません
そもそも洋子が夫を必要としていないという部分があり、さらに恋人が欲しいというような欲求も見せないのですね
なので、彼女にとって必要だったのは、愚痴を聞いてくれる存在であり、それは家族ではなかったということになると思います
ラストシーンにおけるファミレスのシーンは、家族に対して想いをこぼしているというよりは、洋子の家族との関係性を知った2人に対してこぼしているという感じになっていました
家族の機能の中に「話を聞いてくれる」というのは思ったよりも一般的ではなく、その役割を担うのは親友のように思います
なので、洋子にとって本当に必要なのは、感情を受け止めてくれる存在であり、松下と朱里はその存在に近づいた、ということになるのでしょう
それゆえに、本作は「レンタル家族」というサービスを利用することで、自分の人生に本当に必要なものは何かということを洋子が知る物語だったのかな、と感じました
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
家族を代行することの難しさはたくさんあって、今回の場合は「認知症の母親の望みを叶える」という起点がありました
実際に別人を連れてきて騙せるのかはわかりませんが、このサービスで母親の望みを叶えることに意味があるとは思えません
それゆえに「父親が利用してみたけど反発する」というポジションになっても良かったかな、と思いました
また、未成年をレンタルすることは法律的には無理だと思うのですが、どうやってあの母親の許可を得たのかはわかりません
娘がレンタル家族の仕事をしているのかどうか知らないというタイプのネグレクトがありそうにも思いますが、それはそれで大問題だと思います
てっきり松下抜きで来た(会社を通じていない)後にそれが大問題になる展開を迎えると身構えていました
結局のところ、そのこと自体は松下にも伝わっていないし、その後も洋子が直に依頼している感じになっていて、それはそれでどうなのかと思ってしまいました
現実的な問題はそこまでクローズアップさせていないのですが、やはりある程度のリアリティがないと成立しない物語のように思います
ほっこりとする良い話のように思えるのですが、裏を返せばかなりのファンタジーとなっているので、色々と気になってしまいましたね
そういった部分をクリアしつつ、レンタル家族サービスを通じて洋子が得たもの、必要としていたものが明確になるというエンディングに向かえば申し分ないのかな、と感じました
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/104669/review/06945494/
公式HP:
