【映画感想】さとこはいつも【後半:ネタバレあり】

■さとこはいつも


■オススメ度

 

ちょっと不思議な人間の繋がりの物語に興味がある人(★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日:2026.9.19(イオンシネマ京都桂川)


■映画情報

 

情報:2026年、日本、138分、G

ジャンル:3人の「さとこ」の日常を描いたハートフルヒューマンドラマ

 

監督&脚本:沖田修一

 

キャスト:

有村架純(西田沙都子:韓国カルチャーLOVEの35歳、映画配給会社の宣伝部)

 

石田ひかり(飯島里子:子育てがひと段落した主婦、55歳)

高田万作(飯島翔太:里子の息子)

筒井道隆(飯島重明:里子の夫)

 

姫野花春(中井聡子:同級生に恋をする岡江中学校の3年生、15歳、アレルギー鼻炎もち)

黒田大輔(中井圭吾:聡子の父)

宮部純子(中井美津子:聡子の母)

 

小川冬晴(早瀬勇:聡子の同級生、副鼻腔炎もち)

泉有乃(金沢文子:聡子の親友)

大月美里果(嶋幸子:聡子の親友、メガネちゃん)

吉田羊(寺尾千穂:国語教師、将棋部の顧問)

 

川瀬陽太(松永真:沙都子の会社の社長)

島田桃依(工藤晴子:沙都子の上司)

中井友望(北島麻衣:沙都子の後輩)

青木柚(嶋雄介:沙都子の会社の新入社員)

オダギリジョー(村本健吾:印刷会社の営業)

中村優子(村本直美:健吾の妻)

 

細田佳央太(小鳥と話す書店員)

鳴海唯(花屋の店員)

 

古舘寛治(東耕作:小説教室の講師、文京大学の教授)

 

イ・ジンハ/이진하 (劇中の韓国ドラマの女優、ユン・ソラ役)

ヒョン・スル/형술우 (劇中の韓国ドラマの俳優、ユンの同僚)

ファン・ジュン/황준필 (劇中の韓国ドラマの俳優、ユンの同僚)

青木柚(ドンヒ:劇中の韓国ドラマの俳優、居酒屋の店員)

 

田口智也(大江:耳鼻科の先生)

福田温子(耳鼻科の看護師)

佐藤誠(校長先生)

安楽将士

金子岳意(社員)

笈川健太(社員)

篠崎大悟(社員)

大橋一三(社員)

田山陽大(社員)

 

持田悠里

小椋沙諢

齊藤由衣

西村喜代子(書店の新しい店員)

碧木愛莉

ロ・ハリン/노하림(韓国映画の女優、ポスター)

伊森大祐

石坂美樹(声の出演)

オ・ヨンジュン/오영준(韓国映画の俳優、ポスター)

池田宜大(声の出演)

田中あいみ

 

黒須暁斗(将棋部の部員)

小菅聡大(将棋部の部員)

小山蓮(将棋部の部員)

今間怜來

山岸虹太

剱持琥珀

 


■映画の舞台

 

関東圏某所

 

ロケ地:

千葉県:我孫子市

我孫子市立布佐中学校

https://maps.app.goo.gl/zU2qL2Ly2pu7Nu6UA?g_st=ic

 

千葉県:流山市

流山市立東部中学校

https://maps.app.goo.gl/ohB2ghcv8FV8sZ2K8?g_st=ic

 

長野県:長野市

遊歴書房

https://maps.app.goo.gl/vUCazo2vuJjsvmEQ6?g_st=ic

 

C.H.P COFFEE

https://maps.app.goo.gl/7S9knYSAa4qD6RoD7?g_st=ic

 

ATELIER HATORI

https://maps.app.goo.gl/G9Q3BHQLbPkvJawU8?g_st=ic

 

埼玉県:さいたま市

なかじまクリニック

https://maps.app.goo.gl/KJGWhApuobRAyEvm6?g_st=ic

 

東京都:港区

こんぶや西麻布

https://maps.app.goo.gl/KpM1BTraJagUPEdj9?g_st=ic

 

東京都:新宿区

新大久保韓国横丁

https://maps.app.goo.gl/hQ1HEAWaUESdinyu6?g_st=ic

 


■簡単なあらすじ

 

岡江中学校に通っている中学2年生の中井聡子は、アレルギー性鼻炎を患っていて、近くにある大江耳鼻科に通って、ネブライザーの治療を受けていた

ある日のこと、その耳鼻科にクラスメイトの早瀬がやってきて、彼もネブライザー治療を受けることになった

最も見られたくないところを見られた聡子だったが、その日から早瀬もその耳鼻科に通うことになり、2人だけの時間を持つことができた

 

その後、学校で歌舞伎を観劇することになったものの、爆睡してしまい、感想文を適当にでっち上げることになった

それを読んだ国語の寺尾先生は聡子に文才があると感じ、お題を与えて作文を書かせることになった

「好きなものについてラブレターを書く」「遺書を書く」などの課題をこなしていく中、先生は突然退職してしまう

聡子は妄想に塗れた作文を捨てることになり、日常に戻ることになった

 

一方その頃、高校を卒業する息子・翔太の最後の弁当を作った主婦の里子は、そのことに誰も気づかれることなかった

自分へご褒美に花束を買った里子は、ふと思いついたように、北海道に住んでいた頃のある書店の話を書くことになった

たまたま夫がそれを見てしまい、妻の意外な一面を知ることになった

里子はそれを完成して家族に見せることになったのだが、趣味のトランポリンで怪我をして入院することになってしまう

そして、その病室にて、啜り泣く声が聞こえ、同室の沙都子の話を聞くことになり、自身が書いた文章を読んでもらうことになったのである

 

テーマ:内なる世界の表現

裏テーマ:自分の才能と向き合うこと

 


■ひとこと感想

 

3人のさとこが登場する作品で、彼女たちがどのような感じで絡んでいくのかな、と思って見ていました

ポスタービジュアル的には有村架純の沙都子がメインでしたが、冒頭は15歳の聡子から描かれることになり、どういう方向に向かうのかな、と興味を惹かれました

なんとなく、15歳の聡子が成長して、沙都子になり、そして里子になるのかな、みたいな感じで描かれていましたね

全くの別人なのですが、物書きになりたい夢を持っていたという共通点があり、それが3人を引き寄せるに至ります

 

映画では、少し不思議なホッコリ系という感じで、奔放な聡子、やぐされ気味の沙都子、達観気味の里子という感じで、精神的に成長していっているようにも見えたりします

それぞれがどの時点で物書きになりたいと思ったのかはそれぞれですが、聡子は先生に刺激されて文章を書く面白さを知り、里子は兼ねてから内に秘めていたものを文章化するようになります

そして、里子の文章を読んで感化された沙都子もその道を目指すようになるのですが、それぞれが「自分の物語を書いて見たくなった」のだと思います

誰しも一冊の小説は書けると言いますが、それでも自分の人生のどの部分を切り取って、どのように完成させるかというのはなかなか難しいことのように思います

 

聡子は「自分の実際を書いて、それを塩辛などの言葉に置き換える」のですが、これも面白い手法なんだと思います

「遺書」に関しても、常日頃から家族に言えなかったことを綴ることになるし、物語は早瀬くんとの苦い初恋を描いていきます

自分の中であっさりと完結させてしまうところが聡子らしくもあり、それは沙都子も里子も似たような気質を持っていたように思います

ある意味、精神的な部分がものすごく似通っているのですが、それぞれは別の人生を歩んでいくように思えます

でも、それぞれの物語が何らかの形で誰かに伝わることで人生というものは動きていくので、それを象徴しているのが里子が書いた絵本ということになるのかな、と感じました

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


■ネタバレ感想

 

本作のネタバレというのはかなり難しいところになりますが、あえて言うなら「別人だった」と言うところでしょうか

何となく成長の過程を描いているようにも思えるのですが、繋がりそうで繋がらないようにも思えます

でも、何度かの諦めの中で「書くことを止めた人生」と言う観点からすると、3人は同時に存在している同一人物のようにも思えてしまいます

里子が書くファンタジックな物語も、ルーツが聡子の発想力だとすると何となくそんな気もするし、抽象的なものから「抽象的でないもの」に一旦シフトしていく反動があると考えれば、沙都子のキャッチコピーはそれっぽくも思えます

 

このあたりは意図して構成している部分があり、価値観の変遷が人生のターニングポイントでシフトチェンジするものだと言う考えがあるように思います

自分の妄想を「ないない」と否定する聡子と沙都子は似ていると思うし、韓流ドラマの世界に身を委ねつつも「ないない」と言ったり、自分の人生のほうが「ドラマのようだ」と感じる部分も延長線上にありそうに思います

里子は3人の子どもを育て上げ、その間に自分の夢というものを忘れてしまった存在ではありますが、耳鼻科で聡子が「遺書」について書いていることに触発されて、自分でも何かを書いてみたいと考えました

そんな彼女が一番ファンタジックな物語を書くことになるのですが、それは北海道時代の初恋を描いたものなのでしょう

 

里子は書店の店員を俯瞰して距離を置いて見ているのですが、この行動が聡子が早瀬と距離を置いて自分の恋愛を勝手に終わらせたところに近いものがあります

あの時、もしもっと近くにいればという後悔があり、聡子も里子も初恋は「ある日突然過去になった」という共通点がありました

その対極にあるのが沙都子の恋愛観で、彼女はすぐに相手と恋仲になって、体の関係になるまでにものすごく早い人間でもありました

ゼロ距離で関係を進めていくことになるのですが、これも青春期の後悔が生んでいる距離感にも思えるし、彼女が結婚して身を固めると、そう言った距離感も一気に変化するように見えたりもします

このあたりは解釈によって変わると思いますが、それぐらい何かしらの要素が通じている3人だったなあ、と思いました

 


■120分で人生を少しだけ良くするヒント

 

本作は、ちょっと不思議なほっこりヒューマン系で、同じ名前を持つ3人の女性が登場していました

15歳、35歳、55歳と年も20歳ずつ離れていて、人生の節目を迎えている年頃が設定されています

 

15歳の聡子は、いわゆる青春期の真っ只中で、恋愛に興味を持ち始め、うっすらと進路について考え始める時期になります

でも人生経験が少ないので、恋愛に対してはイメージ先行となっていて、それでも「現実的ではない」という感覚は有していることになります

 

35歳の沙都子は、恋愛経験豊富で、不倫も6年目に突入しているし、その破綻の後にあっさりと相手が見つかってしまいます

惚れやすい気質を持っていて、ドラマの恋愛を否定しつつも、自身は劇的なドラマの渦中に放り込まれるタイプとなっていました

 

55歳の里子は、恋愛というものは過去の出来事であり、夫との恋愛も遠い昔のことになっています

彼女がその年に「恋愛」というワードで思い浮かんだのが書店員の男の子の話で、自信を小鳥になぞらえているのだと思います

言葉が通じないというのは、自身と価値観が乖離している「現在軸の自分」を人間として出せないというものがあって、同時に叶わない恋であることも感覚的に捉えている現実感というものがありました

 

これらの「さとこ」を同時進行させつつ、少しばかりの重なりを付加することで、それぞれの人生が「よく似ているけど全く違うもの」に見えるのがすごいところだと思います

それにしても、はまり役というか、よく姫野花春という女の子を見つけてきましたね

ここまで自然体で様々なことを表現できる女優さんというのはなかなかいないと思います

彼女がこれからどんなキャリアを積んでいくのかは分かりませんが、稀に見る逸材が登場したんじゃないかな、と感じました

 


■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://eiga.com/movie/106146/review/06983414/

 

公式HP:

https://happinet-phantom.com/satoko/

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投稿者 Hiroshi_Takata

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