■シャドウワーク
■オススメ度
DV関連の映画に興味のある人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2026.9.29(TOHOシネマズ二条)
■映画情報
情報:2026年、日本、129分、PG12
ジャンル:DVに悩める女性たちの反撃を描いたスリラー映画
監督&脚本:吉野竜平
原作:佐野広実『シャドウワーク』
キャスト:
吉岡里帆(宮内紀子:DV夫から逃げてきた妻)
清水尚弥(宮内清明:紀子の夫)
奈緒(北山薫:夫からの暴力に苦しむ刑事)
北村匠海(北川晋一:薫の夫、捜査二課のエリート)
木村知貴(諏訪:晋一の弁護士)
風吹ジュン(志村昭江:「おうち」の管理者、元教師)
吉岡睦雄(斎藤課長:薫の上司)
堀家一希(荒木:薫の部下)
タケト(矢島:池袋警察の警察官)
松本哲也(平間:館山東病院に来る刑事)
山崎龍吾(佐野:館山東病院に来る刑事)
美保純(間宮路子:紀子の入院先の看護師)
田中美央(佐野啓輔:池袋南部病院の院長)
酒井若菜(桑原しのぶ:「おうち」の住人)
ファーストサマーウイカ(安藤奈美:「おうち」の入居者、元カフェレストラン経営)
土佐和成(安藤の店の隣人)
和田光沙(安藤の店の隣人)
佐月絵美(小出凛:「おうち」の住人、父親に暴力)
ミズモトカナコ(今井睦子:何者かに殺された女性)
原嘉孝(松原幸次:睦子の恋人)
近藤芳正(荒木憲太郎:睦美のマンションの管理人)
井上肇(町村:「持ち回り」のターゲット、山梨・甲府在住)
小川菜摘(スナック「尾瀬」のママ)
野元空(瑚子:スナックの店員)
【その他の出演者】
吉見一豊(「持ち回り」の担当運転手)
仲義代(事情聴取を受ける漁師)
日野陽仁(次長)
矢嶋俊作(警察庁長官)
坂田聡(次長)
画大(二課課長)
松浦慎一郎(鑑識)
藤田智大
熊野善啓(救急医)
梅舟惟永(ナースステーションの看護師)
高山璃子(新しい入居者)
ありがち春(新しい入居者)
伊藤麻実子(清掃員)
小林敏和
清家朋代
アライジン
石井陽香莉
木下晴香(樹里:DVの被害者)
■映画の舞台
東京某所
千葉:館山
神奈川:三浦
東京:大井町
山梨:甲府
ロケ地:
千葉県:銚子市
お野菜クリニック とまりこ食堂
https://maps.app.goo.gl/8fuHKuP9LYV1oyjMA?g_st=ic
神奈川県:茅ヶ崎市
なんどき牧場
https://maps.app.goo.gl/Vg9E26BV5zYH5jzv9?g_st=ic
茨城県:生方市
なめがた地域医療センター
https://maps.app.goo.gl/1kVc1iys5djrgsLy8?g_st=ic
■簡単なあらすじ
都内在住の主婦・宮内紀子は、夫・清明の暴力に悩まされながらも、小鳥を飼うことで精神的な落ち着きを取り戻していた
だが、ある日、夫がその小鳥を殺してしまい、それが原因で大喧嘩になってしまう
夫は紀子を階段から突き落とし、彼女は池袋南部病院に搬送され、そこで看護師の間宮路子と出会った
路子は紀子がDVを受けていると察し、ある場所へと来るように告げる
そこは路子とその友人・志村昭江が営んでいるシェルターで、彼女たちは「おうち」と読んでいた
「おうち」には、恋人や夫、家族などから暴力を振るわれてきた女性たちが過ごしていて、しのぶ、凛、奈美が住人として暮らしていた
彼女たちは、昭江が営んでいる農園の女子寮に住んでいると言う設定で、実際に作物を育てて出荷なども行なっていた
彼女たちは様々なことを「持ち回り」していて、腕を怪我している間は紀子は免除されていた
一方その頃、千葉の館山にて「ある腐乱死体」が発見されていた
若い女性と推定され、近くの断崖絶壁から身を投げたと断定される
その捜査に関わっていた刑事の薫は、聞き込みをする中で、その女性が暴力を受けていたことを知る
そして、その暴力が行き過ぎて殺されたのではないかと思うようになる
薫自身もエリート警察官の夫・晋一から暴力を受けていて、その離婚調停の真っ最中だったのである
テーマ:暴力を止める方法
裏テーマ:持ちつつ持たれつの絆
■ひとこと感想
予告編から「女性たちが虐げられて、その報復をしている」と言うことはわかるのですが、荒れ狂う暴力男をどのようにして始末をするのかは気になっていました
看護師が1人いるとのことで、いわゆる薬剤などを投与することになりますが、よくもバレないなあと思ってしまいます
この映画の世界の警察が無能なのかは置いておいて、内情を知る人が「検視は行われても1割程度」と言っていて、それが「看過」の要因のように描かれています
とは言え、施設に入っていて、老衰とかならわかりますが、そこそこ若い人たちを検視をせずにスルーする世界線というのはよくわからない部分があります
病院勤めなのでCPA(心肺停止)案件というのはよく見かけるのですが、基本的に「死に至るような疾患」というものが明確でない場合は検視になることが多いと思います
映画内では、調査班が持病まで調べ尽くし、そして、その対象が死にそうな方法を選んでいますが、若い男の一酸化炭素中毒は流石に調べるだろうと思っていました
ツッコミどころは満載なのですが、暴力描写が結構エグいのと、DVを受けている刑事がどのように「おうち」を許容するのかは興味を持って鑑賞できました
映画は、DVを受けたことがある人は観ない方が良いのですが、一応は報復をきちんとするのでスカッとするかもしれません
現実では行えないことの方が多いのですが、道具とその気があればできそうに思える、というのも鑑賞判断に含まれるように思います
実社会で心不全に見せかける薬剤を手に入れられるとは思いませんが、今は何でもありに近い社会でもあると思うので、覚悟さえできてしまえば手段は問わないという事件も多くなっているように思いました
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
本作では、持ち回りと称して、自分のDV相手を誰かに殺してもらう代わりに、その代償として同じことをする、という内容になっていました
その方法が薬で眠らせて「お注射をする(空気注射だったかも)」という流れになっていました
そのまま病死、もしくは別の方法で殺害を繰り返していて、半年に1回のペースで20年くらい続けていたと言っていました
映画の冒頭にて、4人に1人が暴行を受けたことがあると示され、20人に1人が「命の危険を感じた」とされていました
ざっとそのあたりを見回してみると、映画の観客20人の女性なら5人暴力を受けていということなのか、と驚愕してしまいました
ある環境下などで跳ね上げていると思うので、平日の映画館に普通に来る層はそのままの数字を当てはめられないとは思いますが、イメージとしては強烈なものがありました
物語は、紀子の物語と薫の物語が並行して、それがどのように交わるのかというのが描かれています
紀子にとっては、安息の場所を奪うかもしれない薫は敵であると思いますが、同時に同じDV被害者でもある
DV被害者ならば、警察だとしても存在を理解してくれるかもしれない
このあたりが紀子に巡ったものだと思いますが、映画はその論議を交わす方向にはいきませんでした
これはこれでアリかなと思いますが、察することができない人にとっては「どうなったの?」と思ってしまっても仕方がないように思いました
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
映画では、DVをする男は更生の余地なしということで撫で斬っていくのですが、ここまでのことを思わせているということに関しては無頓着であると思います
そもそも反撃されると思っていない、もしくは反撃されても倍返しできると思っているからするのであって、二次被害を考えると「問題を完全に消去する」というのは一理あると思います
結局のところ、ストーカー殺人なども含めて、男女間のこじれが暴力にまで発展した場合、修復は不可能であり、関係性を完全に断つための方法は限られていると言えます
こういう映画だと人権派の人たちがうるさそうではありますが、自分がやられても何とも思わずに反撃もしないというのならその綺麗事を吐いてもOkだと思います
加害者の人権というものの前に「被害者の人権」というものがあって、一方を傷つけたのなら、相応の人権剥奪というものがあって然るべきのように思います
刑務所などで更生が行われたとしても、被害の回復とは別問題で、更生そのもので人権の保護というものがあるように感じられます
映画では、そこらへんは完全無視の案件になっていますが、それはDV被害者目線だとこの解決法しか見当たらないと思うのですね
そもそもDVを起こさなければ殺されるわけもなく、DV気質の人が裁く側にいれば解決というものは行われません
映画では、弥や誇張した感じで「警察組織全体がDVに寛容(もしくは男尊女卑)」みたいな空気感がありましたが、「あえて」なのかなと思いました
そう言った舞台装置がないと、彼女たちの行動は行き過ぎているようにも見えるので、ある種の「行為の正当化レベル」というものでバランスを取っているのかな、と感じました
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/105621/review/07035148/
公式HP:
