【映画感想】スターヴ・エイカー 召喚【後半:ネタバレあり】

■スターヴ・エイカー 召喚


■オススメ度

 

伝承系ホラーが好きな人(★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日:2026.9.17(アップリンク京都)


■映画情報

 

原題:Starve Acre(寂れた土地)

情報:2023年、イギリス、98分、G

ジャンル:ある田舎町で息子を亡くした夫婦が奇妙な伝承に傾倒していく様子を描いたホラー映画

 

監督&脚本:ダニエル・ココタジロ

原作:アンドリュー・マイケル・ハーリー『Starve Acre』

 

キャスト:

マット・スミス/Matt Smith(リチャード・ウィロビー/Richard Willoughby:大学の考古学の講師)

モーフィッド・クラーク/Morfydd Clark(ジュールズ/ジュリエット/Juliette Willoughby:リチャードの妻)

アーサー・ショウ/Arthur Shaw(オーウェン/Owen Willoughby:喘息持ちの息子)

演者なし(ニール・ウィロビー/Neil Willoughby:リチャードの父)

演者なし(ジャック・グレイ/Jack Grey:オーウェンが口ずさむ何かの名前)

 

エリン・リチャーズ/Erin Richards(ハリー/Harrie:ジュリエットの姉)

演者なし(トミー:ハリーの夫)

 

ロバート・エムズ/Robert Emms(スティーヴン/Steven:リチャードの同僚)

Robert Goodale(メドハースト/Medhurst:大学教授)

 

ショーン・ギルダー/Sean Gilder(ゴードン/Gordon:夫婦の隣人)

メラニー・キルバーン/Melanie Kilburn(フォード夫人/Mrs. Forde:ゴードンの知り合いの霊媒師)

 

Roger Barclay(モンク/Dr. Monk:精神科医)

 

Matilda Firth(バーンサル家の姉妹、妹)

Daisy Exley(バーンサル家の姉妹、姉)

Rocco Haynes(フットボールで遊ぶ少年)

Niall Costigan(クリケットで遊ぶ子どもたち)

Neilesh Ambu(クリケットで遊ぶ子どもたち)

Antony Barlow(クリケットで遊ぶ子どもたち)

Tess Hodgson-Sakamoto(女子大生)

Kayne Lewis(大学生)

 

George Arthur(子どもの声)

Lowri Burkinshaw(村人)

Stephen Mckay(村人)

Harriet Taylor(ポニー:お祭りの少女)

 


■映画の舞台

 

1970年代、

イギリス:ヨークシャー地方

 

ロケ地:

イギリス:ヨークシャー

Yorkshire Dales

https://maps.app.goo.gl/UzwmtPmvooB3eZav9?g_st=ic

 


■簡単なあらすじ

 

イギリスのリーズからヨークシャー地方に移住したリチャードとジュールズの夫妻は、喘息持ちの息子オーウェンと共に静かな時を過ごしていた

リチャードはリーズの大学にて考古学を教えていて、教授のメドハーストの指導のもと、同僚のスティーヴンと共に研究を深めていた

リチャードは父ニールとの関係が悪かったが、父の他界後に実家に戻ることになり、そこで父が進めていた「あること」を継続していた

それは、地面に眠るオークの発掘であり、それは考古学の研究と通じているものがあった

 

ある日のこと、村のお祭りにて事件が起きてしまう

オーウェンが木の枝で馬の目を突いたというもので、彼は「ジャック・グレイの口笛が聞こえる」という奇妙な言葉を発していた

ジュールズはそれが何を示すのかわからず、病院に連れて行って、精密検査を行うことになった

脳波を調べたり、画像検査を行っていくものの、これといった原因というのは掴めないままだった

 

それから数日後、オーウェンは喘息発作を起こし、その発見が遅れたために、蘇生することができずに亡くなってしまう

ジュールズは引きこもりがちになって、それを心配した妹のハリーがやってきた

一方のリチャードが変わらず発掘に没頭するようになり、ある時、父の日記を見つけてしまう

そこには「息子を生贄にしろ」という物騒なことが書かれていて、かつて父が自分にしようとしていたことを理解することになったのである

 

テーマ:召喚に必要なもの

裏テーマ:寂れた土地が隠し続けてきたもの

 


■ひとこと感想

 

イギリスのヨークシャー地方の伝聞のようなものがベースとなっていて、冒頭では「ニール」という人物の詩篇が提示されて始まります

それはやがて、リチャードの父の残したものであることがわかるのですが、この詩篇が示す内容はかなり難解なもののように思えました

映画は、ホラーというほど怖さはなく、キャラが何に取り憑かれているのかよくわからないまま話が進んでいきます

 

リチャードは考古学を教える立場であり、ある研究を行っていて、それはオークが地中に埋まっていることを調べているように思います

自分の生まれた土地に何があるのかを研究していて、いくつかの穴を郊外の土地に開けて、そこでオークの根を探し出していました

そんな中、あるオークの根の部分に小動物の骨が見つかるのですが、これまた何があるのかがわかりにくかったりします

 

その後、その骨に肉のようなものがつき始め、やがては野うさぎとして復活することとなります

この野うさぎがおそらくは「ジャック・グレイ」のことだと思うのですが、劇中ではほとんど説明がないので、どのような繋がりがあるのかがわかりにくかったりします

ジャック・グレイ自体は「木の精霊」のような解釈になっていて、その力に寄って、三つの生贄が揃うと「召喚される」のですが、それが何なのかはよくわからなかったりします

ラストのジュールズの行動をみると、それはオーウェンの生まれ変わりのように思えますが、実際には何なのかはよくわからないまま映画は終わってしまいました

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


■ネタバレ感想

 

物語を読み解く上で必要なのは、冒頭で引用された詩篇でしょうか

 

冒頭の詩篇は以下の通り、

JACK;on our land, engraved his name,

Dandelion, Devil. one and the same,

Made end by townsfolk, he was cast’d away,

Into the thick of hellish fray,

 

Jack grew restless in cold abyss,

And begged the gods to him dismiss.

How we long for that forced bloom,

Of spring, of mature’s womb,

 

Jack, spirit of the fern,

We call thee now to return,

With any visage, any name,

Come; to play thy game.

 

‘The Dandelion’ by Neil Willoughby

 

意訳すると、

ジャック、私たちの土地に彼の名前を刻んだ

タンポポ、悪魔、それは同じものだ

町の人々に見放され、追放された

地獄のような、諍いの中へと

 

ジャックは冷たい深淵の中で落ち着きを失い、

そして神々に、彼を解き放ってくれるよう懇願した。

私たちは、強制的に開花させることを、どれだけ望んでいるだろうか

春よ、成熟した子宮よ

 

ジャック、シダの精霊よ

今、私たちは、あなたが戻ってくるように呼びかけている

どんな顔立ちをしていても、どんな名前であっても

さあ、あなたの遊びを始めましょう

 

「ダンデライオン(タンポポ)著:ニール・ウィクビー」

 

こんな感じでしょうか?

 

ジャック・グレイ(木の精霊)に対して問いかけている内容で、その力によって「何かを呼び起こそうと」しているように思います

劇中では「日本語訳」が表示されませんが、霊媒師が何か唱えていたのも、これに付随するもののように思えます

召喚のためには「自分の子どもと男女の3つの命が必要」なようで、オーウェン、ハリー、スティーヴンがその犠牲となっていました

 

そして、最終的に「この召喚に心を奪われたのがジュールズ」であり、彼女は息子の死後に「ジャックの口笛」というものを聴いているように描かれていました

彼女が見つめる石垣のあたりに何かがあるようで、その視線の先にはあのオークが眠っているということになるのでしょう

スティーヴンが現地を訪れて色々と調べていたところ、その木はまだ生きているように説明していて、その木には超常的な力が備わっている、もしくは護られているという印象がありました

そして、その場所に埋められた野うさぎはおそらくは前時代的な生贄に該当するもののように思えるし、それがオーウェンの死によって肉体を取り戻し、やがては残りの生贄を欲するようになった、と考えても良いのかな、と思いました

 


■120分で人生を少しだけ良くするヒント

 

本作は、「飢えた土地」とされる場所にて、その土地から「何か」が見つかっています

その土地では、オークを使用して罪人を始末していたという過去があり、その死体などを埋めていたことから、大地の怒りを買っているというようにも思えました

そこに埋まっていた野うさぎがどのような経緯で埋められたのかはわかりませんが、大きめの野うさぎだったので、普通に寿命をまっとうしたのかもしれません

 

その土地にて、木の精霊が伐採されて埋められたという過去があるのですが、オークの復活によって何かを蘇らせようとしていたのがリチャードの父でした

父は息子を裸にして外に立たせたりしていて、この逸話の中では母親の話は出てきません

なので、もしかしたら、母親の方が先に亡くなって、その復活のために色々と画策していたのかな、と思いました

このあたりは映画では直接的には描かれていないのですが、ジュールズがオーウェンが死んだ後に「ジャックの口笛」というものを認知するようになっていたので、もしかしたらジュールズに宿ったのがリチャードの母という線もあるのかな、と感じました

 

ラストでは、野うさぎに母乳を与えるジュールズが描かれ、それを一歩引いた感じで見守るリチャードというものが描かれています

野うさぎはオーウェンの生まれ変わりのように感じているとは思うので、リチャード自身もその行為に対しては、そこまで不可解とは思わないでしょう

でも、そこにいるのが妻ではないという可能性もあったりするのですね

リチャードの記憶に母親がいるのかはわかりませんが、その複雑な関係性が最後の表情に現れているのかな、と感じました

 


■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://eiga.com/movie/106546/review/06977194/

 

公式HP:

https://mid-ship.co.jp/starveacre/

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投稿者 Hiroshi_Takata

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