【映画感想】時には懺悔を【後半:ネタバレあり】

■時には懺悔を


■オススメ度

 

障碍児を巡る苦悩を描いたヒューマンミステリーに興味のある人(★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日:2026.8.28(イオンシネマ京都桂川)


■映画情報

 

情報:2026年、日本、128分、G

ジャンル:ある探偵の死によって浮上する障碍児を巡る大人たちの葛藤を描いたヒューマンドラマ

 

監督:中島哲也

脚本:中島哲也&門間宣裕

原作:打海文三『時には懺悔を』

 

キャスト:

西島秀俊(佐竹三雄:米本の元同僚、探偵)

 

満島ひかり(中野聡子:佐竹の助手、アカデミーの生徒)

志水心音(聡子の娘)

   (幼少期:結城心音

 

黒木華(尋津民恵:捜査線上で浮上する謎の女)

 

宮藤官九郎(明野哲夫:障碍児を育てている父親)

烏森まど(明野昌美:哲夫の妻)

しんすけ(明野新/8歳時:重い障害を抱える哲夫の息子)

(BD:大熊大貴

(2歳時:諸角優空

(0歳時:瀬脇捺愛

 

毎熊克哉(志賀功:民恵の元夫)

長井短(民恵の友人)

 

役所広司(寺西:三雄の所属する探偵事務所の所長)

鈴木仁(風間謙二:聡子のトレーナー)

片岡鶴太郎(舟尾:三雄に協力する探偵)

 

柴咲コウ(佐竹由紀:三雄の妻)

山﨑七海(佐竹観月:三雄の娘)

   (幼少期:鈴木咲

山下舜太&上野翔(佐竹正樹:三雄の息子)

 

野呂佳代(志賀の妻)

 

塚本晋也(花村:事件を追う刑事、多摩中央署)

 

佐藤二朗(米本洋一:殺された探偵)

唯野未歩子(米本の妻)

小林空叶(米本の息子)

 

綾優太(ホスピスの患者)

綾綾子(優太の母)

 

篠原凛太郎(観月の彼氏)

 

【その他の出演者】

万莉

永原諒人

原沢侑高

山本あさひ

山本紗々菜

安田信枝

安田大貴

杉山直子

石井今日子

 


■映画の舞台

 

1994年、

東京のどこか

 

ロケ地:

東京都:港区

タイ屋台999 新橋店

https://maps.app.goo.gl/UR23nQ8zp3LbddXN7?g_st=ic

 

神奈川県:三浦市

ビーチエンドカフェ

https://maps.app.goo.gl/orErD4MjVGXtRtae9?g_st=ic

 

東京都:立川市

曙町場内酒場 立川店

https://maps.app.goo.gl/P3nyB8Vi2eATkn1BA?g_st=ic

 

東京都:中野区

Irish Pub The Cluacan

https://maps.app.goo.gl/YxAiP2Qn4VGN8vYPA?g_st=ic

 

神奈川県:横浜市

横浜こどもホスピス うみとそらのおうち

https://maps.app.goo.gl/vrFwy1PKBZ9zptt8A?g_st=ic

 


■簡単なあらすじ

 

都内のある探偵事務所にて、「死んで当然」と誰にも思われている探偵・米本が死体で発見された

その死を受けて、探偵事務所「アーバン・リサーチ」の代表・寺西は、佐竹に米本の身辺調査を持ちかける

佐竹の助手には研修中の聡子が充てられ、佐竹は彼女と行動を共にすることになった

 

米本はいくつかの案件を抱えていて、その中に「匿名」のものがひとつあった

聡子はこれが関係していると断言するものの、佐竹は憶測で物事を進めないと意に介することはなかった

その後、米本の事務所に残されていたテレビ番組の録画映像があり、その匿名の依頼はそこに映っていた人物を探して欲しいものだと言うことがわかった

 

佐竹はそこに映っていた人物・明野を特定し、彼が住んでいる家に盗聴器を仕掛けることになった

明野は重度の障碍を持つ息子・新を1人で育てていて、ほとんどの時間を家で過ごしていた

そんな折、明野の元に誰がが訪れていることが判明する

車のナンバーを控えた佐竹は、その持ち主が尋津と言う中年女性であることを突き止め、彼女こそが匿名の依頼人だったことがわかる

そして佐竹たちは、なぜ彼女が映像の人物を探そうとしていて、その渦中で米本が殺されたのかを探っていくことになったのである

 

テーマ:過去の贖罪

裏テーマ:愛情を抱えると言うこと

 


■ひとこと感想

 

原作者が障碍児を育てていたと言う実話があり、そこから生まれた作品となっていて、映画はミステリー要素を含みつつも、ヒューマンドラマの部分がクローズアップされていると思います

重度の障碍児役には実際に抱えている子どもたちが登場し、横浜にあるホスピスにいる子どもたちなども描かれていました

かなり深く突っ込んだ内容になっていて、佐竹、聡子、米本、尋津、明野の5つの子どもを持つ親たちの物語でもありました

 

それぞれには抱えているものが違い、佐竹、尋津は障碍児を抱え、聡子は前科による離別、米本は仕事に対する嫌悪感、そして明野は不妊治療の末に子どもを誘拐すると言う方法を選ぶことになりました

明野が盗んだ子どもがたまたま障碍児だったこともあり、その事件が二つの家族をゆり動かしていきます

そして、その家族に関わった探偵が殺され、家族問題を抱えている探偵と助手が深みにハマると言う内容になっていました

 

とにかく「キツい」内容になっていて、かなり精神的に削られる部分が多い作品となっていました

なので、殺された探偵の犯人探し的な物語だと思っていくと、食事も喉を通らない程にダメージを受けてしまうと思います

一応は、障害児を誘拐した話と言うところまでは知っていましたが、ここまで本当に障碍を負った子どもたちとその両親などが登場するとは思ってもいませんでした

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


ネタバレ感想

 

本作のネタバレは、犯人は誰かと言うのと、誘拐された新(拓)くんがどうなるのか、と言うところだと思います

犯人に関しては斜め上を行く展開となっていて、一応伏線らしきものはあったりします

それでも、かなり本筋から逸れていて、サラッと描かざるを得ないのも理解できます

 

本懐となっている拓くんがどうなるのかというところも、言葉では説明されますが、映像はないと言う感じで、物語は「聡子が回想する」と言う構成になっていました

なので、彼女がそれ以上介入できなかったと言うもので、事件の顛末だけは見聞きしたと言うことになります

障碍児を授かった親がどのような行動に出るかと言う命題があり、佐竹は妻に押し付けて見ないふりをしたし、妻は正樹にかかりきりで観月の異変に気づいてはいませんでした

彼女が精神病院に入院している経緯は想像になりますが、正樹自身が亡くなったのも、そう遠くない過去のように思えます

 

映画では、娘との関係が悪化した聡子が拓くんに肩入れする様子が描かれ、事件そっちのけで彼の将来を考えるようになります

佐竹自身も拓くんの将来が決まってから明野を自首させようと思っていて、その受け入れ先を聡子が説得すると言う流れになっていました

尋津自身が覚悟を決めて今の家族の反対を押し切ったのでしょうが、夫はその過去を知って一緒になったのかは分かりません

あの感じだと「隠している」と思いますが、新しい家族に拒絶されてでも自分で育てたいと言う想いは捨てきれなかったように思いました

 


120分で人生を少しだけ良くするヒント

 

映画は、自分に起こらなければ避けてしまう内容で、外野からだと何とでも言えてしまうものだと思います

1994年の話なので、出産前に色々わかる今とは違うのですが、出産前診断の歴史は1948年の優生保護法制定から始まっていると言えます

その後、羊水穿刺法による性染色質診断、画像診断、染色体分析などを経て、1968年頃に羊水検査というものが導入されました

 

1972年には超音波診断が開始され、90年代になってから繊毛検査、母体血清マーカーが導入されます

映画はちょうど母体血清マーカーが導入された頃なので、尋津は自分の子どもを診断した可能性は低いように思います

その後、1996年に母体保護法が成立し、NIPT(新型出生前診断・非侵襲性出生前遺伝子学的検査)が日本に導入されたのは2013年になり、2022年にようやく日本医学会による新認証制度の運用が始まっています

これらの制度により、妊娠10週0日以降に検査ができるようになり、採血で陽性が出たら、確定診断のために羊水検査などを行うという流れになっています

 

確定検査を受けた人がどうしたかというのは統計があるのでググれば出てきますが、妊娠を中断させるのはダウン症で86.9%、18トリソミー(エドワーズ症候群)で60.6%、13トリソミー(パトウ症候群)で65.0%だったとされています

個人的には、そういった心配の前に妻が他界したので何とも言えないのですが、それでもなお出産に踏み切るという意思は尊重されるべきだと思うし、それを自己責任論で押し付けるような社会であってはならないように思います

 


■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

鋭意、執筆中にて、今しばらくお待ちくださいませ

 

公式HP:

https://www.tokizan.jp/

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投稿者 Hiroshi_Takata

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