■トロフィー
Contents
■オススメ度
在日コリアン関係の映画に興味がある人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2026.7.10(イオンシネマ京都桂川)
■映画情報
情報:2026年、日本、104分、G
ジャンル:在日コリアン4世の苦悩と描いた青春映画
監督&脚本:孫明雅
キャスト:
恒那(ソヒ:在日コリアン4世の14歳の少女)
梨里花(遠山未来:交流会で出会う日本人の少女)
市川実和子(ミリョン:ソヒの母)
井浦新(サンジュ:ソヒの父、朝鮮学校の校長)
千就(テイリ:ソヒの弟)
山中崇(ソンジュ:ソヒの叔父、焼肉屋)
白川和子(ハンメ:ソヒの祖母)
きたろう(小泉茂雄:未来の祖父、板金屋)
原田花埜(リョニ:舞踊クラブのエース)
禾本珠彩(エスギ:ソヒの親友)
ちすん(リ先生:朝鮮舞踊の先生)
笠松将(ホン先生:ソヒの担任の先生)
ソウジ・アライ(チェさん:乾物屋「丸萬商店」の店主)
黒田大輔(バーのマスター)
YOU(さっちゃん/佐都子:甘味処の店主)
成田瑛基(小学校の先生)
具利美(小学校の先生)
ちす(小学校の先生)
【舞踊クラブのメンバー】
石川令菜(チュシリ)
鄭沙良(サラ)
鄭莉亜(リア)
吉見彗(スニ)
大島璃音(リヒョン)
岡島杏依(ミジ)
宮崎絆奈(ハナ)
鄭丞雅(スンア)
【その他の出演者】
岩本侑大(チェさんの息子)
櫻井快(小学生)
鄭夏那(ソヒのクラスメイト)
安悠娜(ソヒのクラスメイト)
堀雅陽(中学生)
芳林憧(中学生)
前田勝乃心(小学生)
岡優真(小学生)
東海林美南(交流会の生徒)
伊藤凛香(交流会の生徒)
海津陽(交流会の生徒)
朱理導(交流会の生徒)
西洋亮(小学校の引率)
中澤功
アライジン
倉橋遼羽
澤村茉央
横須賀一巧(バーの客)
中川幸一
湊川えみ(バーのスタッフ)
栗山俊介
高梨利紡
園田翔
■映画の舞台
東京都:
東京朝鮮第一中学校
ロケ地:
東京都:荒川区
丸萬商店
https://maps.app.goo.gl/4rq6a2DaqGjKje9T7?g_st=ic
東京都:新宿区
Study&Abroad Pub
https://maps.app.goo.gl/2g9kugfiNiPUv7Ay8?g_st=ic
Dining&Bar KITSUNE
https://maps.app.goo.gl/cuJxfhgieHh5DeG8A?g_st=ic
焼肉新昌苑
https://maps.app.goo.gl/b9Eedf4SA649eYoy6?g_st=ic
ソウル市場
https://maps.app.goo.gl/M3B12aWH267bZFhL6?g_st=ic
フルーツジュース MUJIDE
https://maps.app.goo.gl/6sUP42N8invbJGy47?g_st=ic
CAESAR Café
https://maps.app.goo.gl/gDq3R9Ln8CyEY25Y8?g_st=ic
■簡単なあらすじ
東京の朝鮮中学校に通っているソヒは、朝鮮舞踊のクラブに入っていて、全国大会で金メダルを獲ることを目標にしていた
チームにはセンターを務めるリョニがいて、ソヒは2番目として、サブを任されていた
彼女の父サンジョは朝鮮学校の校長をしていて、徐々に減りつつある生徒を危惧し、界隈の在日の子どもたちの親に掛け合っていたが、多くの人は日本の小学校に通わせようと考えていた
ある日のこと、地元の中学校と交流会を行うことになったソヒは、そこで同じK-POPアイドル好きの未来と出会うことになった
意気投合して、ライブに行こうという話になるものの、ソヒの家庭は裕福とは言えず、ファンクラブに入ることもできなかった
そこで未来は、フリマにていらないものを売ってお金を作れば良いと言い出す
家族にいらないものを出してもらい、ソヒは北朝鮮のCDを出品することになった
それは意外なお金になり、ファンクラブに入ることができたソヒは、ライブのチケット代を稼ごうと考え、押し入れに入っていた「何かの勲章メダル」を見つける
そして、それを売ることによってお金を得るのだが、その勲章は父親が大事にしていたもので、ソヒはそれを取り戻そうと、未来と協力して、それを探すことになった
そんな折、チームのエース・リョニが怪我してしまい、ソヒはセンターを任されることになったのである
テーマ:勲章が示すもの
裏テーマ:朝鮮人としての誇り
■ひとこと感想
在日4世が主人公で、交流会を経て日本人の女の子と仲良くなるという話で、推しのライブに行くために「父の大事な勲章」を売ってしまうという流れになっていました
さらに並行して、朝鮮舞踊の大会の準備が進められ、ソヒは自分のアイデンティティに悩むことになりました
リョニの怪我で代役が回ってくるものの、その踊りは祖国を敬う内容となっていて、祖国を知らないソヒはどう表現したら良いのかに悩むようになります
家庭や家では韓国語を使うことが多いのですが、日常会話としては日本語の使用も多かったですね
朝鮮人が集まってできたような場所(ソウル市場など)があり、そこではハングルが至る所に表示されていたりします
人口の減少、在日が4世代にもなると、祖国への愛国心というものは薄くなっていきます
対する日本人の未来は、在日を意識せずに生きてきたように思いましたが、多くの日本人と同じように物珍しさを感じている部分はあり、さらにミサイル発射のニュースなどを見て、祖国に愛着を持てなくなってしまいます
映画は、二つの国のアイデンティティを受け継いでしまっているソヒの苦悩が描かれますが、彼女はどんなに努力をして、言葉を覚えても日本人にはなれません
それは国籍云々ということではなく、受け継がれている文化が違うから、であると言えます
朝鮮舞踊で祖国への愛国心を表現できなくても、確かに流れているものがある
それを否定することはできず、どのように折り合いをつけていくのか、というのが彼女の課題であったように思いました
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
本作は、在日コリアン4世が自身のアイデンティティに悩むというもので、祖国というものを知らないけど、家族は祖国に愛国心を持っているという状況になっています
学校でも愛国心を教え、自分たちの踊っている踊りもその延長線上にあるのですが、愛国心というものが具体的に何であるのかが理解できていなかったりします
日本の一般家庭で生まれ育つと、愛国心を考える機会もなく、日本の教育でもそれを強烈に印象付けるような教育もなかったりします
それでも育ってしまうのが愛国心というもので、今では「反日的な思想が教育現場に多い」ので、それが愛国心というものを考えるきっかけを作っているようにすら思えてしまいます
朝鮮学校では、祖国で教えている歴史観などを学んでいると思いますが、それは日本の歴史教育とは全く違うと思います
それぞれの祖国の歴史を学んだからといって愛国心が育つとも限らず、結局のところは、大人たちがいかにして愛国心というものに溶け込んでいるかというのを見ていたりするのでしょう
そう言った中で、人として尊敬できる行為と愛国心を比較するようなところもあって、それがソヒが感じている違和感であるようにも思います
愛国心というものが育つには、その国が「愛される存在であるか」というところがあって、それは国際情勢の中でどのような姿勢で外交に臨んでいるのかとか、日常の中でどのような行動を取っているかというところに起因すると言えます
ソヒの周辺で愛国心を変に捻じ曲げている人はいないのですが、それでも日本で放送される半島のニュースによって国家の行動に違和感を覚えていたりします
父は「かつて色んな国に侵略された歴史があるから、国を守るためにそれを行なっている」と言います
それでも、北朝鮮のミサイルが日本に向けて発射されているということと、日本側が北朝鮮にどのように向き合っているかという側面を考えると、国防に対する行動が全く違うことがわかります
それがソヒの感じる違和感であり、国を守るために他国の領域にミサイルを撃つという行為が正当化される国に愛国心を持てるのか、という疑問に繋がっているように思えました
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
映画では、父親の大切な勲章を売ってしまうソヒが描かれ、それを取り戻そうと躍起になる様子が描かれます
最終的に勲章を買った人は単なるコレクターで、どれが父親の勲章であるかわからなくなっています
どれでも良いから体裁を繕おうとはしないのですが、それは未来の父の叱責があった故に生まれた価値基準のようにも思えます
ソヒが勲章を売ることになったのは、経済的困窮もありますが、父親自身が勲章を大切にしていると感じられなかったことも要因の一つでしょう
過去の自慢話ばかりされても困ると思いますが、そんな大事なものを何年も押入れの中に放置しているという時点で、そこに価値を見出せる人は少ないと思います
物語は、ソヒが勲章の売買に関与したことで、大人たちが大切にしているものに気づいていく様子が描かれます
舞踊に関しても、ソヒが思うように踊れば良いと言われ、大人がつけた解釈を体現する踊りにはなっていません
あの踊りを見て思うのは、「大地への感謝を体感したことにより、それを守ってきた先人たちと通じることができた」というものに思えます
そう言った大切に受け継がれてきたものを、自分も大切にしようと思う心が愛国心の一部であり、それは単なる思想だけの問題ではないと考えられます
今現在、日本でも国旗損壊罪をどうするかという問題で揺れていますが、本当ならばそんな法律がなくても国旗を蔑ろにしない人はしないと思います
むしろ、そう言った行動を取る人と言うものをどう見ていくかというところに国民性と言うものがあって、日本の場合だと反発すると言うよりは無視すると言う行動に移っていくと思います
一部の人は怒ると思いますが、そう言った思想を持つ人を変えようと思っても無駄だと思っているので、「残念な人たちですね」と言う感じでスルーされてしまうのでしょう
これは、一部のメディアがこぞってややこしい放送をしている時にも起きている現象で、「冷ややかに見て無視をする」と言うのが根付いてしまっていて、ある種のインタネットのミーム的な扱いになっていて、残念な人の代表扱いをされているだけのようにも思えます
大人が取る行動というものは子どもはとてもつぶさに観察していて、真似る人もいれば、反面教師にする人もいます
そう言った積み重ねというものがコミュニティの文化というものを作り、それに共感する人がさらなるコミュニティを作り上げていきます
日本の場合だと、このような自然派性的なものを声高に叫ぶということがなく、自然と真似ていくことで静かな広がりを見せていきます
そして、ある時気づいたら、周りは同じ色に染まっている、という感じになっていて、この無言の共鳴力というものが日本の国民性のように思います
これを言い方を変えると空気を読むということになるのですが、そこで読まれて広がっていく空気というものに魂が宿っている気がするのですね
それを一言で表すのは難しいと思いますが、最終的に目指しているところが「和」であると思うので、その地点に向かって、最も心地よい波が立つように、誰もが静かな揺らぎを起こしているのかな、と感じています
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/105893/review/06720357/
公式HP:
https://k2pic.com/film/trophy/
