■終わりの鳥
Contents
■オススメ度
死を具現化した物語に興味がある人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2025.4.8(アップリンク京都)
■映画情報
原題:Tuesday(主人公の名前)
情報:2023年、アメリカ&イギリス、110分、G
ジャンル:余命わずかな少女の元に現れる死を呼ぶ鳥とのこうr
監督&脚本:ダイナ・O・プシッチ
キャスト:
ジュリア・ルイス=ドレイフェス/Julia Louis-Dreyfus(ゾラ/Zora:不治の病の娘を抱える母)
ローラ・ペティクルー/Lola Petticrew(リリー・チューズデイ/Tuesday:車椅子生活のゾラの娘、15歳)
(幼少期:Florencia Nunez)
レア・ハーヴェイ/Leah Harvey(ビリー/Billie:看護師)
アリンゼ・ケニ/Arinzé Kene(デス/Death:コンゴウインコの姿をした死神、モーションキャプチャー&声)
David Sibley(ロベルト/Robert:剥製屋)
Ellie James(ウィロウ/Willow:恋人に殺されかけた女)
Taru Devani(イラ/Ira:死を迎えるエスニック風の老女)
Jay Simpson(スパイク/Spike:路上で倒れている男)
Nathan Amzi(ネイサン/Nathan:事故に遭う作業員)
Justin Edwards(ジャック/Jack:路上で助けを求める男)
Hugh Futcher(ハンス/Hans:妻と一緒に死にたい老人)
Nathan Ives-Moiba(ヴィクター/Victor:火傷の男の兄)
Ewens Abid(アベル/Abel:火傷の男?)
Dan Shaw(ユーリ/Yuri:若くして死を迎える男)
Azalea Amzi(アザレア/Azalea:息子を亡くす母親)
Bijal Raj(ベラク/Berrak:血を吐く少年?)
■映画の舞台
イギリス:ロンドン
ロケ地:
イギリス:ロンドン
Broad Haven South Beach
https://maps.app.goo.gl/pELREukhx3dkepWV7
■簡単なあらすじ
ロンドンの郊外に住んでいるゾラには15歳になる娘のチューズディがいたが、彼女は大病を患っていて、ほぼ寝たきりの状態だった
訪問看護師のビリーが来ると出かけることができ、娘には働きに出ていると嘘をついていた
ゾラは、剥製の模型店に品物を売りに行ったり、公園で時間を過ごすことが多く、夕方になると帰宅して、チューズディの世話に明け暮れていた
ある日のこと、チューズディは変な夢にうなされ、その翌日に奇妙な鳥と遭遇することになった
鳥は「死を届けにくる」という存在で、大きさも自由自在で、耳の中に入ったりすることもでき、さらに人間と会話をすることもできていた
翌朝には死ぬと言われたチューズディは、母親の声を聞きたいと電話をかける
だが、母親は電話に出ず、鳥は彼女の愚痴を聞くことになった
ようやく帰宅した母親に鳥の言葉を伝えるものの、「そんな話はしないで」と遮られてしまう
それでも寝るまでに伝えないと食い下がるものの、母は話を聞く気がなかった
やむを得ずに鳥が姿を現すものの、母は鳥の存在すらも否定し、叩き殺して、それでも死なない鳥を噛み砕いてしまう
だが、それによって、母親は異変を生じ、チューズディとともに外に出て、死にゆく人々に接していくようになったのである
テーマ:死の受容
裏テーマ:神様の存在証明
■ひとこと感想
不思議な鳥が死にかけている少女の元を訪れるという内容で、この鳥の名前が「Death」というものになっていました
いわゆる鳥の姿をした死神なのですが、チューズディはすでに死を予期していて、最期に母親と話したいと思っていました
それが叶わなかったところで絶望感を味わうことになるのですが、母親の無茶苦茶な行動から、中盤はさらにとんでもない展開を迎えていきます
鳥を噛み殺した時に中に入ったようで、それによって母親の体が操られて、そのまま鳥の仕事を行うという流れになっていきます
意識があるのかはわからないのですが、海辺でのやり取りを見ていると、鳥の行動に拒絶反応を示していたように思いました
母親が多くの人を看取ることによって意識が変わったのか、鳥が人格を支配して、チューズディがして欲しかったことをしたのかはわかりません
母娘の最期のやり取りがあっても、死の受容というのは難しいもので、そんな母親の元にサプライズというものがありました
映画は、擬人化(擬鳥化?)した「死」との関わりを描いていて、鳥自身は「人間が考えるような神様はいない」と言っていました
この言葉が何を意味するのかは解釈の違いが生じると思いますが、おそらくキリスト教的な考えの神様はいない、ということになると思います
キリストの絵を見てディスっていましたが、鳥からすれば宗教には意味がないと感じていて、これは監督自身のメッセージなのかな、と感じました
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
映画は、多くに死にゆく人が登場し、最低でも12人ぐらいを看取ることになっていたと思います
エンドクレジットを見るとわかるのですが、その全てに名前が付けられていて、「助けを呼ぶ男」というような役名になっていないのは印象的でした
名前そのものが死と関連しているものではありませんが、病死、事故死、自死など、さまざまな死というものが描かれていました
それぞれは「苦しみからの解放」を望んでいて、妻が死んだことの苦しみ、大火傷で痛みを伴ったままの苦しみ、下肢切断の事故に遭った人などが登場していました
そう言った人々の苦しみを取り除いていく様子が描かれ、それが「死を与える」というものになっていました
死は痛みや苦しみからの唯一の解放であり、そこで神様にお願いしても何も変わらないことがわかります
どんなに誠心誠意を込めて祈ろうとも、人は死ぬ時には死ぬので、「祈れば救う」と宣う神様はいないというのは正解なのでしょう
鳥自体は死神のようにも思えますが、鳥自身は自分を神とは思っていないと思います
あくまでも自然現象として、魂に肉体から離れる時を伝えるという役割を担っていて、鳥の存在は恐怖にも思えるけど、安堵の表情をもたらす者もいました
苦しんでいる人に寄り添う人の解放があるかと思えば、理解できない死に直面する家族もいて、死によって「死に囚われる人」というのもいました
ラストは、その苦しみからどうやって立ち直るのかということが描かれていますが、鳥とともに一緒に死を看取った経験があるからこそ、立ち直りも早いのかな、と感じました
■死を受け入れる意味
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■鳥が考える神様の正体
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/103353/review/04968417/
公式HP:
https://happinet-phantom.com/tuesday/
