■我々は宇宙人
■オススメ度
青春時代の傷跡を抱えている人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2026.9.29(TOHOシネマズ二条)
■映画情報
英題:We Are Aliens
情報:2026年、日本、118分、PG12
ジャンル:少年時代の諍いを抱えた元親友を描いたヒューマンドラマ
監督&脚本:門脇康平
キャスト:
坂東龍汰(後藤翼:内気な少年、折り紙が好き)
(幼少期:槙木悠人)
岡山天音(星暁太郎:クラスの人気者、翼の親友)
(幼少期:中込佑玖)
山崎天(目黒小夏:暁太郎の初恋の相手、クラスメイト)
(幼少期:鈴木咲)
松井ケムリ(バタ原/馬田原大:暁太郎の友だち、クラスメイト)
(幼少期:末永陽)
佐野岳(戸田聖也:翼の友だち、クラスメイト)
(幼少期:大関れいか)
佐々木ありさ(松下エルモ:翼の友だち)
エド・はるみ(書道の先生)
上谷圭吾(英語の先生)
【クラスメイト】
平井亜門(小池光)
武田駿平(佐久間力也)
山下徳大(牛沼剛)
ゆうにゃん(藤間芹奈)
義江和也(渡部大牙)
村田凪(松崎アスカ)
横井仁(下村優人)
榎本遥菜(増田あかり)
幸長礼(鈴木礼仁)
若狭葵斗(立川かんた)
阿部蓮乃(伊藤ゆりあ)
浅沼音(後藤和志)
町田優佳(アナウンサー)
渡部瑞貴(翼の母)
岩崎裕介(翼の父)
藍川きあら(翼の妻)
上原つむぎ(翼の息子)
近藤浩徳(暁太郎の祖父)
なかじままり(暁太郎の祖母)
なかじままり(暁太郎の母)
範国といろ(暁太郎の妹)
【その他の出演者】
義江和也(バイト先の責任者)
深海理央(ママ友、ファミレスの客)
浅沼音(アバンの子ども)
松本窓
杉田窓花
梅田颯大
門脇康平
渡辺真有
廣田敦子
岡本真太郎
井上点
小松梨沙子
永山理穂
つきまろ
椎野公史郎
■映画の舞台
東京都:東久留米市
https://maps.app.goo.gl/zf38EfjM7FcPmb759?g_st=ic
東京都:所沢市
荒幡小学校
https://maps.app.goo.gl/bJ2WyULMeCWr513d8?g_st=ic
埼玉県:川越市
武蔵野小学校
https://maps.app.goo.gl/wTCJwY99VR19dAUs8?g_st=ic
■簡単なあらすじ
東京のとある街に住んでいる後藤翼は、内気な小学生として、あまりクラスに馴染めていなかった
その教室には、人気者の星暁太郎という少年がいて、彼は勉強もできるし、スポーツも得意だった
翼は折り紙を折るのが得意で、器用に手裏剣を作って見せるものの、誰にも自慢することなく、それをゴミ箱に捨てていた
ある日のこと、その折り紙が自分の机の引き出しに入っていることに気づいた
それをしたのが暁太郎だとわかり、2人は交流を始めていく
どこに行くのも2人でという仲の良さだったが、ある日の事件を機に、2人はすれ違うようになっていた
それは、翼の傘を裏返して遊ぼうとした暁太郎がそれを壊してしまった件であり、それが母親にバレて、ゲームを没収されてしまう
母親は暁太郎と一緒に遊ぶことを禁じ、さらに方々から「暁太郎は人間じゃない」という噂まで耳に入ってしまう
そして、ある放課後のこと、翼はランドセルを通信機にして「地球での極秘任務は完了した」と話しているのを見てしまう
翼は暁太郎が本当に宇宙人なんじゃないかと恐れるようになり、彼を直視できなくなってしまうのである
テーマ:青春の些細な防御反応
裏テーマ:すれ違いの残酷さ
■ひとこと感想
奇妙なタイトルと、予告編の作画の素晴らしさが気になって鑑賞
物語は、翼と暁太郎の2人の視点で小学校時代を色濃く描き、その後はそれぞれの人生を少しずつ追って行くという流れになっていた
冒頭では、翼と暁太郎が成人になって数年後の未来となっていて、それが映画のラストにつながるという構成になっていた
翼の章では、内気で友だちのできない翼が「折り紙の手裏剣」で暁太郎と関係を持つことになり、やがてはある事件を機にすれ違いが生じる様子を描いて行く
その起点となるのが、暁太郎が翼の傘を無理やり奪って壊したというもので、それを捨てることができずに持ち帰ってしまい、ベッドに裏に隠してしまう
それが「ママ友の集い」の世間話として登場し、母親がその傘を見つけてしまう
この事件によって、翼はクラスメイトとの唯一の接点とも言えるゲームを失い、そこから暁太郎との距離感がおかしくなってしまう
暁太郎の章では、同じ内容を暁太郎目線で紐解くという流れになっていて、手裏剣を拾ったこと、いたずらの手紙を書いたこと、クラスで起きた事件の加害者に押しやられ、クラスから孤立していく様子が描かれていく
中学生になっても、翼は幼馴染たちと仲良くしている一方で、「昔はあんなに仲が良かったのに」といじられる始末となっていた
そして、大人になった2人が街角で偶然再会するものの、その時の社会的立場は雲泥の差ができてしまっていて
ティッシュ配りでその日暮らしをする暁太郎と、社会人となって働き、家庭を持とうとする翼
このコントラストが「自分を貶めた原因探し」へと繋がり、天誅を下すべく、暁太郎は翼を襲うという展開へと繋がっていた
子どもの頃の些細な出来事はその後の人生に大きな影響を与えるのだが、それがありふれすぎていることに、誰しもが通ってきた道が見えてしまうように思えるのである
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
映画は、冒頭にてタクシーの運転手をしているある男が描かれ、そのまま翼の章に入るので、てっきり翼の成人期がそうなんだと思ってしまった
実際には、暁太郎の将来がそこにあり、この雨宿りの後に翼と再会する様子が描かれていました
特徴的な絵柄で、心理描写が鬼のように鋭い感じで、成人後の再会のシーンはなかなか強烈なものがありました
常に絵柄が揺れているように見えるので、その不安定さというものがかなり効果的だったように思います
子ども時代の何気無い出来事がその後に影響を及ぼしているというのは良くあることで、それを一方だけが強烈に覚えているというのもあるあるだと思います
その何気無さというのが「幼少期に大事にしていたものを守る」という行動起点のようなものがあって、それを傷つけられた事というのは強烈なトラウマを発生させています
大人になると「そんな事で?」と思うものですが、幼少期のそのときは「それは世界の全てだった」というもので、そう言ったものを抱えた事がある人なら理解できると思います
映画では、内気な少年・翼が大切にしていた「ゲーム」があり、それを親に没収され、最終的には売られてしまいます
それを大人になって見つけるという流れがあり、この段階で翼は「幼少期のトラウマを過去のものにする人生を送ってきた」と言えます
一方の暁太郎は、その自分の行動によって起きた「翼の反撃」というものに痛めつけられ、さらに「小夏ラブレター事件」というものが、決定的なものを植え付けていました
俯瞰してみると逆恨みに近いのですが、翼に罪がないとも言えない所がもどかしくもありますね
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
本作は、幼少期の些細な出来事というものが人生に与えた影響を描いていて、その出来事をどのように捉えてきたか、というものが描かれていました
翼は暁太郎を憧れる存在であり、それがいつの間にか立場が逆転しています
暁太郎は憧れられる存在でしたが、徐々に人がついてこなくなります
これらは翼の行動だけが原因ではなく、いわゆる「しつこいから嫌われた」と表現されていました
この執着の強さというのは大人になっても変わらず、それが悪化しているようにも思えます
他責思考になりがちで、遠い原因というものをすっかりと忘れていたりします
元々は翼の母親の傘を壊した事が原因となっていて、それを軽く受け止めたのが暁太郎で、重く受け止めたのが翼ということになります
暁太郎は翼の家の家庭環境がどんなものかわからないのですが、「嫌がっているのに自分がしたいからする」というのを繰り返しているうちに、決定的なことをしてしまったのですが、それが何を指し示してきたのかに無頓着のように見えます
成人してからティッシュ配りをする暁太郎が描かれますが、当初は真面目に配っていましたが、次第に配ることなく家に持ち帰っていました
これ以上は無理だと感じて電話をかけるのですが、その際にも悪態をついて辞めるのですね
この行動に至っているものもすべて「翼のせいなのか」というとそうではないと思います
結果として、自分の人生の責任は自分しか取れず、過去にどんなことがあっても「相手の感情をコントロールする事はできない」のですね
それができないのも「暁太郎のしつこさ」が一因ではありますが、この「しつこさ」というのは暁太郎の成功体験でもありました
幼少期の自己満足的な成功体験に意味はないのですが、それがわかれば苦労はしないでしょう
そう言った意味において、暁太郎的資質のある人が「現在進行形で自己修正をできるのか」については難しいんじゃないかな、と感じました
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/105075/review/07035149/
公式HP:
https://nothingnew.film/wearealiens/
