■映画鑑賞まとめ■
12月、第3週(2022.12.12〜2022.12.18)
■あのこと
■オススメ度
女性の中絶のリアルを知りたい人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2022.12.12(アップリンク京都)
■映画情報
原題:L’événement(事件)、英題:Happening
情報:2021年、フランス、100分、G
ジャンル:意図せぬ妊娠をした女子大生が違法とされる中絶に向かう様子を描いた自伝的ヒューマンドラマ
監督&脚本:オードレイ・ディヴァン
原作:アニー・エルノー/Annie Ernaux『L’événement/事件(2000年)』
キャスト:
アナマリア・ヴァルトロメイ/Anamaria Vartolomei(アンヌ・デュシエンヌ:意図せぬ妊娠をする女子大生)
ケイシー・モッテ・クラウン/Kacey Mottet Klein(ジャン:女友達が多いアンヌの友人)
Alice de Lencquesaing(レティシア:ジャンの友人、リヴィエール夫人の仲介者)
ルイーズ・オリー=ディケロ/Louise Orry-Diquero(ブリジット・ランソン:アンヌの親友)
ルアナ・バイラミ/Luàna Bajrami(ヘレーネ:アンヌの親友)
ルイーズ・シュビヨット/Louise Chevillotte(オリヴィア・デュボア:口うるさいアンヌの同級生)
サンドリーヌ・ボネール/Sandrine Bonnaire(ガブリエル・デュシエンヌ:アンヌの母、食堂経営)
ピオ・マルマイ/Pio Marmaï(ボルネック教授:アンヌに期待を寄せる文学部の教授)
アナ・ムグラリス/Anna Mouglalis(リヴィエール夫人:アンヌが頼る闇医者)
ファブリツィオ・ロンジョーネ/Fabrizio Rongione(ラヴィンスキー:アンヌが初めに診察を受ける産婦人科医)
Cyril Metzger(ギャスパール:アンヌが成り行きで関係を持つ隣の消防署の署員)
■映画の舞台
1963年、フランス
アングレーム(大学寮のある場所0
https://maps.app.goo.gl/5E964qawhKGBeG1i6?g_st=ic
ボルドー(マキシムが住む街)
https://maps.app.goo.gl/GphpJDTicBrKiHh37?g_st=ic
ロケ地:
フランス:Charente
Saint-Amant-de-Boise/サン=タマン=ド=ボワックス
https://maps.app.goo.gl/fnvpnKWMQMVHut8R8?g_st=ic
■簡単なあらすじ
フランスのアングレームの大学に通うアンヌは、親友のブリジットとエレーヌを連れて寮を抜け出して夜遊びをしていた
女友達の多いジャンも交えて夜な夜な遊んでいたが、アンヌはヴォルニック教授が将来を嘱望するほどの才女で、将来を有望視されていた
ある夜、女子寮の隣にある消防署の若き消防士ギャスパールにアプトーチをかけられたアンヌは、そのまま成り行きで体の関係を持ってしまう
そして、体の変化は週を追うごとに顕著になり、産婦人科医ラヴィンスキー医師は「妊娠している」と診断した
1963年のフランスでは中絶は違法で、手を貸した者も処罰される時代だった
だが、妊娠をすれば大学に通うことは困難になり、良い就職先も見つからない
そこでアンヌは親友たちにも一切内緒のまま、どうしたら子どもを堕ろせるのかを調べていくことになったのである
テーマ:中絶と将来
裏テーマ:覚悟の受容
■ひとこと感想
邦題が意味深な感じになっていて、かつ中絶を取り扱っていることはわかりましたので、不穏なんだろうなあと思って鑑賞
予想以上に「痛い」映画で、女性の生きづらさというものがヒシヒシと伝わる内容になっていました
原作者の半自伝とのことで、中絶経験などはそのまんまなのかなと思います
一応はアンヌの中絶の6年後ぐらいに、ようやく中絶が違法ではなくなったという時代ですが、意図せぬ妊娠に選択肢がないというのはいろんな意味で恐ろしいことかもしれません
こういう物語だと、必ず「できる可能性があるのだから、それを避けたいならば男と関係を持たないことが前提」という意見で溢れます
それでも、作者は「自分の欲求に素直になること」を否定しませんし、それによって人生が決まるという法整備の方に問題があると考えていましたね
でも、中絶が軽く行われる世界というのもどうかと思いますので、欲望優先が必ずしも良いとは言えないのかなとも思ってしまいます
↓詳しいレビューはこちらから
■関連リンク
Yahoo!映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://movies.yahoo.co.jp/movie/384695/review/796269cd-214c-4478-883d-9781bda0a3bc/
公式HP:
■夜、鳥たちが啼く
■オススメ度
閉塞感漂う男女のドラマを堪能したい人(★★★)
佐藤泰志の小説が好きな人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2022.12.13(MOVIX京都)
■映画情報
情報:2022年、日本、115分、R15+
ジャンル:芽の出ない作家の元に、かつての上司の妻子が転がり込んでくる様子を描いたヒューマンドラマ
監督:城定秀夫
脚本:高田亮
原作:佐藤泰志『大きなハードルと小さなハードル(1991年、河出書房)』に収録
キャスト:
山田裕貴(岡田慎一:芽が出ない若き小説家、コピー機メンテナンスの作業員)
松本まりか(裕子:慎一の家に転がり込む元上司・邦博の元妻)
森優理斗(アキラ:邦博と裕子の息子、7歳)
中村ゆりか(文子:慎一の元カノ、邦博の不倫相手)
カトウシンスケ(邦博:慎一の元上司、ライブハウス経営者)
■映画の舞台
日本のどこかの地方都市
ロケ地:
埼玉県飯能市
飯能法要殿
https://maps.app.goo.gl/8kNqptTGihU7R9np9?g_st=ic
飯能幼稚園
https://maps.app.goo.gl/9qEEgYbiXedSb8sv5?g_st=ic
カフェ・プイスト
https://maps.app.goo.gl/yNq1BYnLvq9xKncN7?g_st=ic
長壽庵
https://maps.app.goo.gl/cvaTC9teGPZe8hqX9?g_st=ic
■簡単なあらすじ
かつて小説の新人賞を獲った慎一は、その後燻り続け、一向に芽が出なかった
恋人のための新居も居心地が悪く、今では離れのプレハブを生活の拠点に置いている
ある日、旧友の邦博の妻・裕子とその息子アキラが離婚によって行き場を失っていたことを知り、慎一は使っていない一軒家に住まわせることに決めた
「風呂と冷蔵庫は使うよ」と言いながら、裕子たちの生活が気になる慎一
執筆活動を続けるものの、どこか集中力に欠いた時間を過ごしていた
ある夜、慎一は裕子がフラフラと外出するところを目撃してしまう
どうやらアキラが寝た後に出かけている様子だったが、アキラはそのことに気づいていた
裕子は夜になると孤独感が強まり、一人ではいられなくなると言う
そんな裕子に対し、慎一はある感情をぶつけてしまう
テーマ:孤独の舐め合い
裏テーマ:変化しない勇気
■ひとこと感想
売れない小説家がぐちぐち言う映画かなと思っていましたが、半分合っていたと言うことで良いのでしょうか
そんなうだつの上がらないところに訳あり女がやってきて、と言う内容なので、いつ合体するんだろうと思っていましたね
初見から「やる気」が感じられたのですが、随分と遠回りしたものです
そのきっかけを作っているのがアキラで、彼は慎一のような父が欲しかったのかなあと思ってしまいました
子どもながらに母が慎一を見る目というのに気づいていて、無垢なりに絶妙なサポートをしていたように思えます
映画は「やっちゃいけないセックス」に向かう映画で、傷の舐め合い(実際に傷舐めてるし)の果てに未来はあるのか、という問いかけがないわけではありません
でも、それでずるずる行ってしまう人生というのも、それはそれでアリなのかもしれません
↓詳しいレビューはこちらから
■関連リンク
Yahoo!映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://movies.yahoo.co.jp/movie/383474/review/0e2cd6a3-f536-451c-ab18-a7d7e7c5c9ae/
公式HP:
■グリーン・ナイト
■オススメ度
叙事詩的な作品が好きな人(★★★)
中世の雰囲気が好きな人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2022.12.15(京都シネマ)
■映画情報
原題:The Green Knight
情報:2021年、アメリカ&カナダ&アイルランド、130分、G
ジャンル:キングアーサー王の甥であるガウェインが緑の騎士と交わした約束を果たそうとするロードームービー
監督&脚本:デビッド・ロウリー
原作:『サー・ガウェインと緑の騎士』
↓数ある中の一番有名な本
キャスト:
デヴ・パテル/Dev Patel(ガウェイン卿:アーサー王の甥、騎士になれないならず者)
アリシア・ヴィキャンデル/Alicia Vikander(エセル:ガウェインの恋人、娼婦)
ラルフ・アイネソン/Ralph Ineson(グリーン・ナイト/緑の騎士:首斬りゲームを提案する騎士、原作のベルティラック・ド・オードデザート卿)
サリタ・チョウドリー/Sarita Choudhury(オークニー:緑の騎士を召喚するガウェインの母、アーサー王の妹、原作のモーガン・ル・フェイの役割を担う)
ショーン・ハリス/Sean Harris(アーサー王:ガウェインの叔父)
ケイト・ディッキー/Kate Dickie(ギネヴィア妃:アーサー王の妻)
アリシア・ヴィキャンデル/Alicia Vikander(奥方:ガウェインが旅先で会う恋人に似た女性、原作のベルティラック夫人)
ジョエル・エガートン/Joel Edgerton(城の主人、原作のブレッドベッド卿)
バリー・コーガン/Barry Keoghan(盗賊)
Erin Kellyma(ウィニフレッド:ガウェインが旅先で出会う女性)
■映画の舞台
14世紀のイングランド
ロケ地:
アイルランド:ティペラリー群
カヒアー城/Cahir Castle
https://maps.app.goo.gl/E3hssLGfanhCu5qS6?g_st=ic
オファリー群タルモア
チャールビル城/Charleville Castle
https://maps.app.goo.gl/VbXJdha6qyUBmuKV9?g_st=ic
■簡単なあらすじ
アーサー王の甥でありながら騎士になれずにいたガウェインは、娼婦のエセルと逢瀬を重ねるならず者だった
ある年のクリスマスの日、ガウェインはアーサー王のパーティに呼ばれ、自分の隣に座れと言われてしまう
そして彼は「余興か見せ物を見せろ」と臣下たちに命令する
その頃、ガウェインの母オークリーは魔術師たちと共に「あるもの」を召喚しようとしていた
そして、「あるもの」はアーサー王の前に姿を現す
「あるもの」は「緑の騎士」と言い、「私と戦え」と吠える
そして、「私に与えた傷と同じものを来年のクリスマスの日に受けよ」と挑発する
その申し出に名乗りを挙げたガウェインは、緑の騎士の頭を切り落とす
だが、その後もうだつの上がらない1年を繰り返したガウェインは、病弱のアーサー王から「約束を果たせ」と旅に送り出される
そして、ガウェインは一人、緑の騎士の待つ廃墟の礼拝堂を目指すことになったのである
テーマ:騎士になる試練
裏テーマ:自立と覚悟
■ひとこと感想
アーサー王の英雄譚は少しだけ知っている程度で、ほぼ頭をまっさらにして干渉することになりました
映像のクオリティ、世界観は申し分ないのですが、何せ「暗い!」のですわ
キャラの顔を辛うじて判別レベルの暗さなので、なかなか目が疲れる案件になっていました
物語はアーサー王の甥だけど騎士にもなれない半端者が、緑の騎士と剣を交えたことで騎士道に向かうというもの
原作は知らないのですが、そこそこ改変があるようで、そのためか「マザコンからの脱却」みたいな印象を持ってしまいます
テーマはわかりやすい自立ですが、ラストの畳み掛けが駆け足すぎて驚いてしまいます
エンドロールの後にもワンシーンあるので、お見逃しなきように最後まで雰囲気に酔いしれましょう
↓詳しいレビューはこちらから
■関連リンク
Yahoo!映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://movies.yahoo.co.jp/movie/384277/review/d56ccea5-5abd-4135-a7db-e696fee7fa1c/
公式HP:
https://transformer.co.jp/m/greenknight/
■ホワイト・ノイズ
■オススメ度
コロナ禍をモチーフにした映画に興味がある人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2022.12.14&15(アップリンク京都)
■映画情報
原題:White Noise
情報:2022年、アメリカ、136分、G
ジャンル:郊外で起きた列車事故によって不安感を増大させる家族を描いたサイコスリラー映画
監督&脚本:ノア・バームバック
原作:ドン・デリーロ/Don DeLillo『White Noise(1985年)』
キャスト:
アダム・ドライバー/Adam Driver(ジャック・グラドニー:カレッジ・オン・ザ・ヒルの教授、ナチス研究)
グレタ・ガーウィグ/Greta Gerwig(バベット・グラドニー:ジャックの妻)
ラフィー・キャシディ/Raffey Cassidy(デニース:ジャックと前妻の娘、バベットの薬を見つける長女)
サム・ニボラ/Sam Nivola(ハインリッヒ:ジャックと前妻の娘、チェスが好きな長男)
メイ・ニボラ/May Nivola(ステフィー:ジャックと前妻の娘、バベットの薬を調べる次女)
Henry Moore&Dean Moore(ワイルダー:ジャックとバベットの息子)
ドン・チードル/Don Cheadle(マーレイ・ジェイ・シスキンド教授:ジャックの友人、エルヴィスの研究をしたい教授)
アンドレ・ベンジャミン/André Benjamin(エリオット・ラッシャー:カレッジ・オン・ザ・ヒルの教授仲間)
ジョディ・ターナー=スミス/Jodie Turner-Smith(ウィニー・リチャーズ:カレッジ・オン・ザ・ヒルの教授仲間)
ラース・アイディンガー/Lars Eidinger(Mrグレイ/ウィリー・ミンク:バベットと関わりのある謎の男)
■映画の舞台
アメリカのどこかの州
原作では中西部の設定
ロケ地:
アメリカ:オハイオ州
Welington/ウェリントン
https://maps.app.goo.gl/CknUdmHCYkCdgvkY7?g_st=ic
Cleveland/クリーブランド
https://maps.app.goo.gl/SGVHcu5ukRvgHjBQA?g_st=ic
Hope Memorial Bridge
https://maps.app.goo.gl/6mEXPPav7VrPce6W6?g_st=ic
■簡単なあらすじ
カレッジ・オン・ザ・ヒルで教授を務めているジャックは、ナチスの研究に没頭していて、友人のマーレイとともに生徒たちを湧かせる授業を行なっていた
マーレイはハリウッドのクラッシュ映像を解説し、そこで描かれる破壊映像は「浮遊感」として、人々の支持を得ていると説く
そんなジャックには愛する妻バベットがいて、二人の子どもワイルダーの他に、ジャックのこれまでの妻(4人)の子どもたちと一緒に暮らしていた
ある日、長女のデニースは母が何かの薬を隠れて飲んでいるところ見てしまう
それは「ダイラー」と呼ばれる薬だったが、その成分は調べても出てこないものだった
バベットは極度に死を恐れる性質を持っていて、それを薬で緩和しようとしていたがうまくはいかない
そんな折、町の郊外にて、トラックと貨物列車の衝突事故が起きてしまう
遠くの出来事のように思えたが、列車にれ記載されていた毒物が爆発によって飛散し、住民は避難を余儀なくされてしまうのである
テーマ:恐怖と不安
裏テーマ:対岸の火事
■ひとこと感想
原作は未読で、内容もあまり調べない中で参戦
ネットフリックスの先行劇場公開でしたが、レビューサイトが軒並み低評価だったので構えてしまいましたね
実は前日の14日にも観たのですが、体調が良くなかったのか、単純につまらなかったのかわからずに途中で意識消失しちゃったんですよね
なので、翌日に改めて参戦しましたが、「はい、しょうもないから寝た」ということを再確認することになりました
映画は「漠然とした不安を抱えている妻」が何やらおかしな薬に手を出していて、それによって不穏な行動が見受けられるというもの
それを追っていくうちに、郊外で毒性物質の放出事故が起きて、漠然としたものがリアルになっていくという感じになっていました
まあ、コロナ禍をモチーフにして古典を引き摺り出してきたという印象ですが、謎の演出と「ひたすら意味のないことを喋りまくる」というのが結構苦痛でした
おそらくは「脳が字幕処理に追いつこうとするのを諦めた」という感じでシャットダウンしていましたね
なので、2回目は大したこと言ってないのを前提にほとんど会話は流して聞いていました
↓詳しいレビューはこちらから
■関連リンク
Yahoo!映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://movies.yahoo.co.jp/movie/385616/review/2513e451-b83c-4fcd-83e3-4c117eac7a89/
公式HP:
https://www.whitenoise-jp.com/
■散歩時間 その日を待ちながら
■オススメ度
コロナ禍を切り取ったヒューマンドラマが観たい人(★★★)
ほっこりする群像劇を観たい人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2022.12.16(京都シネマ)
■映画情報
情報:2022年、日本、95分、G
ジャンル:コロナ禍の直撃を食らった人々の2020年11月17日を描いた群像劇
監督:戸田彬弘
脚本:ガク カワサキ
キャスト:
前原滉(恵紙亮介:コロナ禍が原因で結婚披露宴ができなかった夫)
大友花恋(恵紙ゆかり:亮介の妻)
柳ゆり菜(東雲真紀子:披露宴を企画する亮介の友人、元バイト仲間)
中島歩(稲田秀和:亮介の元バイト先の先輩)
篠田諒(武田圭吾:亮介の元バイト先の後輩)
めがね(田所ちひろ:真紀子の知り合いのインフルエンサー)
山時聡真(香取光輝:天体観測が趣味の中学3年生)
佐々木悠華(川村鈴:光輝の幼馴染)
アベラヒデノブ(片岡つむり:デリバリースタッフとして多忙な俳優の卵)
高橋努(淡路道彦:実家に帰れないタクシードライバー)
■映画の舞台
都内のどこか
埼玉のどこか
ロケ地:
東京都日野市
日野市民プール
https://goo.gl/maps/jfhDYVNPc3f2cMv89
埼玉県飯能市
増田屋酒店
https://goo.gl/maps/YnCNz3M9ErU6UVe79
■簡単なあらすじ
コロナ禍で結婚披露宴ができずに地味婚になった亮介とゆかりは、引っ越しもできずに悶々とした日々を過ごしていた
そんな二人のために、亮介の元アルバイト仲間の真紀子は、自宅に招いての披露宴を企画する
そのパーティーには、バイト時代の先輩・稲田や後輩の圭吾も参加する予定だったが、ゆかりは会ったこともない人とこの時期に会うことにためらいと感じていた
ほどなく、稲田と圭吾が到着し、主役二人も辿り着く
真紀子はウーバーのデリバリーで頼んだオードブルをさも自分が作ったかのように演出していたが、肝心の手作りのロールケーキは高級店に存在を消されてしまっていた
一方その頃都内では、実家に帰った妻とスマホ越しで会話するタクシードライバー・淡路や、学校行事が軒並み中止になった光輝と鈴、役者を目指すもののウーバーで生計を立てるしかないつむりなどがコロナ禍の生きづらさにため息をついていた
ラジオは感染者数の報道で埋め尽くされるものの、その日は別の話題が独占しつつあった
それが「しし座流星群」の話題で、関東近郊では今日がピークを迎えると言うのである
テーマ:自己責任と言う名の責任回避
裏テーマ:感情の言語化の大切さ
■ひとこと感想
コロナ禍を扱った作品と言うことだけの情報を入れて参戦
ミニシアター系で初日に観ると言うタイミングは、いわゆる神様の導きと言うものかもしれません
大型映像コンテンツが大容量ゆえに時間が合わなかったのですが、その空いたスケジュールに何を入れるかを悩んでいました
映画はコロナ禍の影響を受けた人々を網羅する内容になっていて、芸能活動が止められた俳優、自粛で潰れた飲食店、学校の行事が中止になった中学生、そして結婚披露宴と新婚旅行ができなかった夫婦などが登場しています
何かにフォーカスすることもできたと思うのですが、本作では「日常化しつつある自己責任論と生活」と言うものが根底にあって、国民性と言うものが色濃く出ている内容になっています
「何かあったら困るから」と言うのが口癖になっているタクシードライバーの言葉が印象的で、その空気感と言うものが「強制なき自粛ムード」を作っていたことを思い出します
ラストが希望に満ちていてよかったなあと思う反面、コロナ禍をどう捉えたかと言うマインドが自分とは随分違うんだなと思い知らされましたね
↓詳しいレビューはこちらから
【映画感想】散歩時間 その日を待ちながら【後半:ネタバレあり】
■関連リンク
Yahoo!映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://movies.yahoo.co.jp/movie/384208/review/8d9b4a44-4ed3-4781-b5d6-42e60368b061/
公式HP:
https://sanpojikan.com/
■天上の花
■オススメ度
三好達治に興味のある人(★★★)
戦争詩について興味のある人(★★★)
文学系映画が好きな人(★★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2022.12.17(京都シネマ)
■映画情報
情報:2022年、日本、125分、PG12
ジャンル:実在の詩人・三好達治の狂愛の行方を描いた自伝的サイコホラー映画
監督:片嶋一貴
脚本:五藤さや香&荒井晴彦
原作:萩原葉子『天上の花 三好達治抄』
キャスト:
東出昌大(三好達治:萩原朔太郎を師と仰ぐ文学青年、詩人)
入山法子(萩原慶子:萩原朔太郎の妹、達治の想い人、史実では萩原アイ)
浦沢直樹(佐藤春夫:小説家、詩人)
関谷奈津美(佐藤智恵子:春夫の娘、達治の妻)
林家たこ蔵(按摩師、福井にいる盲目の元軍人)
有森也実(闇市の女)
吹越満(萩原朔太郎:三好が師事する詩人)
鳥居功太郎(畠中哲夫:三好を師事する若者)
間根山雄太(小野忠弘:三好の友人、画家)
■映画の舞台
昭和2年〜昭和45年
東京府:馬込(現在の東京都大田区)
福井県:三国(現在の福井県坂井市三国町)
ロケ地:
新潟県:柏崎市
金泉寺
https://maps.app.goo.gl/Z26nRakS7G8LpNz79?g_st=ic
六宜閣
https://maps.app.goo.gl/zT5CsNxXVzReypwVA?g_st=ic
飯塚邸
https://maps.app.goo.gl/coGi8CDpAznSTaTQ8?g_st=ic
安田館
https://maps.app.goo.gl/CdxMDJXMnaoLanXr8?g_st=ic
不動院
https://maps.app.goo.gl/1rHG6ZKvv7bziYj8A?g_st=ic
萩ノ島かやぶきの里
https://maps.app.goo.gl/RunmrFm3aXP8b1LV9?g_st=ic
新潟県:小千谷市
湯どころ ちぢみの里
https://maps.app.goo.gl/cHUUeFfKQiwXsc9D8?g_st=ic
新潟県:上越市
有馬川駅
https://maps.app.goo.gl/AzdohXaanmVBVEfo7?g_st=ic
■簡単なあらすじ
東京の馬込文士村に住んでいた三好達治は『月に吠える』の作者である萩原朔太郎に師事していた
書けども、詩では食えず、フランス語の翻訳などで食い扶持を繋いでいた
ある日、朔太郎の妹・慶子が離婚して兄の元に戻ってきた
そこに偶然居合わせた達治は、彼女の美しさに惚れ込む
だが、貧乏書士では相手にならず、慶子はそのまま佐藤惣之助と結婚してしまった
その後、達治は友人・小野忠弘の紹介で佐藤智恵子とお見合いをすることになった
智恵子は達治の詩『太郎を眠らせ』に感銘を受けていて、詩人と結婚することを夢に見ていた
だが、達治の心は妻に向かうことなく、そして朔太郎の葬式にて、慶子と再会することになった
達治は胸の内を彼女に告げ、慶子は彼と共に福井県の三国へとやってくる
そこは海が近い陸の孤島で、魚はうまいものの、慶子は場違いな場所にきたと感じていたのである
テーマ:情念の方向性
裏テーマ:憎しみを生んだ純愛
■ひとこと感想
一応文学部なので、一通りの予備知識はありますが、あまり詩歌については詳しくはありません
そんな中、昭和激動期に執念の愛を実らせようとした三好達治の記念映画なるものが誕生しました
個人的にはそこまで思い入れはなく、「戦争詩」というものもあまり興味がありません
でも、こういう役をやらせたらハマるんだろうなあという東出昌大さんを配していたので、興味を持って鑑賞に至りました
映画は文学的な素養は1ミリもないと地獄のような作品になっていて、そもそも「会話が脳内で漢字変換できない」んじゃないかなと思います
三好達治という人物にもそれほど詳しくはありませんが、内容的には結構攻めているんじゃないかなと思わせます
おそらくは、女性が観たら「ほとんどホラー」で、特に「慶子を眺める陸子」がめっちゃ怖かったという印象がありました
↓詳しいレビューはこちらから
■関連リンク
Yahoo!映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://movies.yahoo.co.jp/movie/382211/review/ecad0692-0eb5-425e-83b9-5ec99c2b53ed/
公式HP:
■MEN 同じ顔の男たち
■オススメ度
グロ系ホラーが好きな人(★★★)
同じ顔の男に狙われると言うプロットに興味がある人(★★★)
意味がわからん映画が好きな人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2022.12.17(TOHOシネマズ二条)
■映画情報
原題:Men
情報:2022年、イギリス&アメリカ、100分、R15+
ジャンル:夫の自殺を機に避暑地に来た妻が複数の同じ顔の男に付き纏われる様子を描いたグロ系ホラー映画
監督&脚本:アレックス・ガーランド
キャスト:
ジェシー・バックリー/Jessie Buckley(ハーパー・マーロウ:夫に自殺された妻)
ロリー・キニア/Rory Kinnear(ジェフリー:カントリーハウスの管理人)
パーパ・エッシドゥ/Paapa Essiedu(ジェームズ・マーロウ:自殺するハーパーの夫)
ゲイル・ランキン/Gayle Rankin(ライリー:ハーパーの友人)
■映画の舞台
イギリス:ハートフォードシャー州
https://maps.app.goo.gl/pheam3uBK5KAWw3e6?g_st=ic
ロケ地:
イギリス:ロンドン
St Katharine Docks/セント・キャサリン・ドッグ
https://maps.app.goo.gl/J1HvQHsXUbGad3KQ8?g_st=ic
Gloucestershire/グロスターシャー
https://maps.app.goo.gl/DXdEPmR2D5Nvv2kh8?g_st=ic
Withington/ウィジントン
https://maps.app.goo.gl/uYegMMaDHCywSvzW9?g_st=ic
■簡単なあらすじ
別れ話が拗れて、夫に自殺された妻・ハーパーはハートフォードシャー州のコットソンのカントリーサウスで傷を癒す旅に来ていた
そこの所有者であるジェフリーは一風変わった男だったが、親切丁寧にハウスを案内してくれた
ハーパーはオンラインで親友のライリーと通話をして寂しさを紛らわせていたが、ふと外からの視線を感じた
そこには全裸の男が立っていて、彼女の元に向かってくる
ハーパーは警察に緊急コールをかけて助けてもらい、男は逮捕されることになった
だが、男には罪がないとのことで釈放されたと聞き、彼女はこの地に不信感を募らせていく
ある日、森に入ったハーパーはその道中で仮面を被った奇妙な少年と司祭に出会う
だが、その二人はどこかジェフリーや裸の男に似ていて気味が悪かった
そんな折、再び彼女のハウスで不気味な音がして、同じ顔をした男が姿を現すのであった
テーマ:不条理の因果
裏テーマ:彫刻が示す幼児性
■ひとこと感想
同じ顔の男にストーキングされる話だと思って鑑賞していましたが、まさかのグロ系ホラーになっていて度肝を抜かれてしまいました
グロ耐性がなかったらおそらくダメな映画で、後方にいたカップルたちの静寂が劇場の空気を支配していましたね
映画のテーマを探るのは非常に難しいのですが、時折挿入されるシーラ・ナ・ギクとグリーンマンの意味を知っていれば、なお一層理解が早いかもしれません
とは言っても、見たまんまなんですが
映画は冒頭からコメディのようなストップモーション自殺があって、何の冗談かと思ったのですが、悪趣味全開の展開に好物だけどグロすぎると言う感想を持ちました
さすがにホラーを好きな人にもオススメできない感じになっていて、A24攻めすぎやろうと思ってしまいましたね
↓詳しいレビューはこちらから
■関連リンク
Yahoo!映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://movies.yahoo.co.jp/movie/384680/review/bd4f2ae3-1c85-487a-83d1-eba61dee0374/
公式HP: