■映画鑑賞まとめ■

 

9月、第4週(2022.9.19〜2022.9.25)

 


よだかの片想い

 

■オススメ度

 

コンプレックスを主軸とした恋愛映画に興味のある人(★★)

女性の恋愛観について学びたい男子(★★★)

松井玲奈さんのファンの人(★★★)

 

■公式予告編

鑑賞日:2022.9.20(アップリンク京都)

 

■映画情報

 

情報:2021年、日本、100分、G

ジャンル:顔に痣を持つ女性が遅めの恋愛で悩みながらも自分らしさに気づいていくヒューマンドラマ

 

監督:安川有果

脚本:城定秀夫

原作:島本理生(『よだかの片想い(2013年、集英社))

 

キャスト:

松井玲奈(前田アイコ:生まれつき顔にアザがある大学院生)

(幼少期:大迫莉榎

中島歩(飛坂逢太:アイコのルポルタージュ映画を撮る映画監督)

 

藤井美菜(ミュウ先輩/筧奈穂美:アイコの先輩、ラテン研究会所属)

青木柚(原田:アイコと同じ研究室の後輩)

三宅弘城(安達:アイコの研究室の教授)

 

織田梨沙(穂高まりえ:アイコの友人、出版社勤務)

池田良(池谷:飛坂と映画制作を行うプロデューサー)

手島実優(城崎美和:アイコ役を演じる女優、飛坂の友人)

 

■映画の舞台

 

おそらく都内

 

ロケ地:

東京都:新宿区

有薫亭

https://maps.app.goo.gl/BSi6HLkF1YuHesdv7?g_st=ic

 

東京都:練馬区(舞台鑑賞)

IMAホール

https://maps.app.goo.gl/8wprVi8877QDhn1h6?g_st=ic

 

神奈川県:相模原市

日相園(ボートデート、設定は琵琶湖)

https://maps.app.goo.gl/A8dW4UHZe69aGh7Y6?g_st=ic

 

東京都:文京区

拓殖大学 文京キャンパス

https://maps.app.goo.gl/8WXiyWQm9FrdfwHV9?g_st=ic

 

■簡単なあらすじ

 

都内の大学院で研究を続けているアイコは、生まれながらに左頬にアザがある女性だった

そのことを気にもしたし、周囲の反応に晒され続けてきた

 

友人のまりえの紹介であるルポルタージュのインタビューを受けたアイコは、そこで小学校の時にクラスメイトから「顔に琵琶湖がある」と言われたエピソードを披露する

そして、勢いに押されて、表紙用の写真撮影をすることになった

 

偶然、撮影現場の近くにいた映画監督の飛坂はアイコの表情に心を奪われる

そして、彼女のその時の写真が使われた書籍の存在を知り、その映画化のオファーをすることになったのである

 

アイコは拒絶するものの、まりえの顔を立てて一度会食することを決める

席で飛坂は本を読んだ感想、写真から感じたことを真摯に話すものの、自分の知らないところで映画化の話が進んでいることに憤りを覚えてしまう

 

だが、アイコに真摯に向き合いたいと願う飛坂は、「自分の作品を見てほしい」と非礼を詫びながら、連絡先を交換することになった

彼の作品には舞台女優の城崎美和が出演していて、アイコは作家性を気に入りながらも、特別な何かを感じ始めるのである

 

テーマ:容姿コンプレックス

裏テーマ:アザが馴染む過程

 

■ひとこと感想

 

「よだか」というキーワードに惹かれて鑑賞

宮沢賢治なんだろうなあと思いながら、どのような引用になるのだろうと期待していました

 

映画は顔にアザがある女性の葛藤を描き、そのコンプレックスの変遷であるとか、恋愛観の成熟の過程などを描いていきます

特徴的だったのはハレーションの効果で、飛坂との出会いのシーンだけに留まらず、多くのシーンでスクリーンを彩っていましたね

 

最初は少しクドい感じがして、光の当て方なども全体をぼやかそうとしているのかなと思っていました

その効果が中盤あたりから少なくなっていて、それはどことなく「アイコがアザを受け入れていく過程」のように思えました

 

最初は違和感としてあったものが、そのうち自分の一部になっていく

アイコにとってのアザは生まれつきのもので、クラスメイトもそれを特異なものとは感じていません

でも、大人の行き過ぎた配慮が逆に「違い」を際立たせるようになっていて、善意の意味が裏返るという本質を描くことになっていました

 

↓詳しいレビューはこちらから

【映画感想】よだかの片想い【後半:ネタバレあり】

 

■関連リンク

Yahoo!映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

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公式HP:

https://notheroinemovies.com/yodaka/


川っぺりムコリッタ

 

■オススメ度

 

死生観を紐解くヒューマンドラマが好きな人(★★★)

映画の後にご飯を食べる予定の人(★★★)

 

 

■公式予告編

鑑賞日:2022.9.21(MOVIX京都)

 

■映画情報

 

情報:2021年、日本、120、G

ジャンル:地方に流れ着いた青年が再起を図る中で疎遠だった父の死に向き合うヒューマンドラマ

 

監督&脚本&原作:荻上直子(2019年、講談社)

 

キャスト:

松山ケンイチ(山田たけし:訳ありで北陸の食品加工工場「沢田水産工業」に就職する青年)

ムロツヨシ(島田幸三:食事のたびに現れる山田の隣人)

 

満島ひかり(南詩織:山田の住むアパート「ハイツ・ムコリッタ」の大家さん)

松島羽那(南カヨ子:詩織の娘)

 

吉岡秀隆(溝口健一:ムコリッタに住む墓石売り男)

北村光授(溝口洋一:健一の一人息子)

田根楽子(岡本:死んだはずの隣人)

 

緒方直人(沢田:「沢田水産工業」の社長)

江口のりこ(中島:山田の先輩)

 

柄本佑(堤下靖男:山田に父の死を告げる福祉課の職員)

薬師丸ひろ子(いのちの相談所の相談員)

 

黒田大輔(ガンちゃん/岩田:島田の幼馴染、岩晴寺の僧侶)

 

■映画の舞台

 

富山県:富山市

 

ロケ地:

富山県:富山市

蛯米水産加工(沢田水産工業)

https://maps.app.goo.gl/5uDnR35cUp8o122g9?g_st=ic

 

富山県:小矢部市

宝性寺

https://maps.app.goo.gl/FTRn5KHRASGNWeuF7?g_st=ic

 

富山県:射水市

薬勝寺

https://maps.app.goo.gl/Sfx9Md2RYwDYP137A?g_st=ic

 

富山県:中新川群

グリーンパーク吉峰(水産工場の直売所)

https://maps.app.goo.gl/SU1Xt7WUXUzYLtH49?g_st=ic

 

■簡単なあらすじ

 

北陸の水産加工工場に勤めることになった山田は、脛に傷を持つ寡黙な男で、工場の社長から紹介された「ハイツ・ムコリッタ」に住むことになった

大家の南は未亡人で幼い娘がいて、隣人には図々しい島田と、親子で墓石販売のセールスをしている溝口がいた

 

島田は「風呂が壊れたから貸して欲しい」と強引に部屋に上がり込む

その見返りに畑で育てた野菜を持ってくるが、いつの間にか「一人で食事をするのは寂しいよね」と言いながら、夕食を共にする仲になっていた

 

静かに順調に過ごそうとしていた矢先、山田の元に「父親が孤独死として発見された」との一報が入る

遺骨の引き受けを依頼されたものの、幼少期に疎遠になっていたため父親という実感がなかった

 

仕方なく遺骨を引き受けたものの、その日から夜になるとうなされるようになっていた

捨てようにも手段がなく、島田から「そのまま捨てると犯罪だけど、粉にしたら大丈夫らしいよ」と聞かされる

遺骨にふれることすら拒否反応を示していた山田にそんなことができるはずもなかった

 

テーマ:近しい人の死との向き合い方

裏テーマ:再出発

 

■ひとこと感想

 

ポスターだけを見るとどう見てもコメディなのですが、冒頭から「ムコリッタ」の説明字幕が入り、宗教観の強い作品であることが窺えました

仏教用語の「牟呼栗多」は「1日の30分の1」を表し、「約48分」のことを意味するそうです

 

映画は山田のテリトリーに土足で入りこむ島田との関係が徐々に出来上がる過程を描いていて、そこに住む人にはそれぞれ「近しい人の死に曝された」という経験がありました

不器用に生きる彼らがなかなか乗り越えられない「死」に囚われている様子を描いていて、少し特殊な環境のように見えますが、誰にでも訪れる可能性のあるものだったと言えます

 

コメディ色が強めですが、メッセージは重めの内容になっていて、父の最後の発信履歴の相手が「いのちの相談所」というダークなところに踏み込んでいきます

ちょっと疲れるかもしれませんが、うまい具合にユーモアが挿入されているので、緩和しながら緊張を保てるのではないでしょうか

 

↓詳しいレビューはこちらから

【映画感想】川っぺりムコリッタ【後半:ネタバレあり】

 

■関連リンク

Yahoo!映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

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公式HP:

https://kawa-movie.jp/


3つの鍵

 

■オススメ度

 

混沌としたヒューマンドラマに興味がある人(★★★)

 

■公式予告編

鑑賞日:2022.9.20(アップリンク京都)

 

■映画情報

 

原題:Tre Piani(「3階建て」という意味)、英題:Three Floors

情報:2021年、イタリア&フランス、119分、R15+

ジャンル:あるアパートメントに住む4つの家族に訪れる混沌を描いたヒューマンドラマ

 

監督:ナンニ・モレッティ

脚本:ナンニ・モレッティ&フェデリカ・ポントレモーリ&バリア・サンテッラ

原作:エシュコル・ネポ(『Three floors up(「三階 あの日テルアビブのアパートで起こったこと」)』

 

キャスト:

マルゲリータ・ブイ/Margherita Buy(ドーラ・シモンシーニ:ヴィットリオの妻、3階に住む弁護士一家の妻)

ナンニ・モレッティ/Nanni Moretti(ヴィットリオ・バルディ:ドーラの夫、弁護士)

アレッサンドロ・スペルドゥーティ/Alessandro Sperduti(アンドレア・バルディ:事故を起こすドーラとヴィットリオの息子)

 

リッカルド・スカマッチョ/Riccardo Scamarcio(ルーチョ:1階の住人、サラの夫)

エレナ・リエッティ/Elena Lietti(サーラ:ルーチョの妻)

チアラ・アバルケルモ/Chikara Abalsamo(フランチェスカ:サラとルーチョの娘、7歳時)

 (12歳時:ジュリア・コッパリ/Giuliano Coppari

 (17歳時:ジア・ダロールト/Gea Dall’Orto

 

アルバ・ロルバケル/Alba Rohrwacher(モニカ:2階の住人、ジョルジョの妻、妊婦)

アドリアーノ・ジャンニーニ/Adriano Giannini(ジョルジョ:出張がちなモニカの夫)

アリス・アダーム/Alice Adamu(ベアトリーチェ:モニカとジョルジョの娘、5歳時)

 (10歳時:レティツィア・アルノー/Letizia  Arno

 

パオロ・グラツィオージ/Paolo Graziosi(レナート・ラシニアーニ:認知症の疑いのあるジョヴァンナの夫)

アンナ・ボナイウート/Anna Bonaiuto(ジョヴァンナ:レナートの妻)

デニーズ・タントゥッキ/Denise Tantucci(シャルロット:レナートとジョヴァンナの孫)

 

ステファノ・ディオニジ/Stefano Dionisi(ロベルト:ジョルジョの弟、不動産会社経営)

 

■映画の舞台

 

イタリア:ローマ&ナポリ

 

ロケ地:

イタリア:ローマ

 

■簡単なあらすじ

 

ローマのアパートメントに住む4つの家族は、それぞれが悩みを抱えながらも、つつがなく暮らしていた

 

3階に住む弁護士夫婦のヴィットリオとドーラは酒癖の悪い息子アンドレアに困っていて、ある日彼は飲酒運転時に女性を撥ねて殺してしまう

 

その車はアパートメントの1階に突き刺さり、そこはフランチェスカという少女の部屋だったが、事なきを得ていた

フランチェスカには心配性の夫・ルーチョと楽天家の妻・サーラがいて、娘を時折向かいに住むレナートとその妻ジョヴァンナに預けていた

 

だが、レナートは認知症の疑いがあり、ルーチョは預けるのをためらったが、どうしても急用ができて妻が帰るまでの短時間だけ預けることになった

しかし、用事を終えて帰宅すると、フランチェスカとレナートは行方不明になっていて、ルーチョは行きそうな公園で二人を見つけることに成功した

 

ちょうど事故があったその日、2階の住人モニカは陣痛が始まっていて、一人で病院へと駆け込んで無事に出産を終えた

夫ジョルジョはナポリに単身赴任で働きに出ていて、弟のロベルトとは絶縁関係にあった

 

だが、そのロベルトから子ども宛にプレゼントが届いていたことを知ったジョルジョは激昂し、それをロベルトの元に叩き返す

二人の間に何があったかをモニカは知らなかったが、ジョルジョは「妻子に会えば殺す」と憤って収まる気配はなかったのである

 

この4つの家族がアンドレアの自動車事故を機に少しずつ変化し始め、それはまるでこれまでに隠してきた感情を呼び起こすものだったのである

 

テーマ:家族

裏テーマ:隠された記憶

 

■ひとこと感想

 

3つの鍵と言うタイトルだったので、3つの家族の話かと思っていましたが、まさかの「4つの家族」の物語で、ズコーとなってしまいましたね

配給の人、絶対に映画見ていないよねと言う案件で、実は1階の別の部屋にもう一つの家族が住んでいたのですね

 

物語の起点は飲酒運転事故ですが、それによって弁護士一家は息子を助けない事で絶縁状態になると言うシークエンスを生みます

 

他の家族は事故とはほとんど関係なく、同じ人に出産をしたモニカ夫妻の問題も別のところに起点がありました

また、もう少しでフランチェスカが死ぬところでしたが、そこはスルーでルーチョの問題は向かいのレナートとの中で諍いが起こっています

 

物語はそれぞれの家庭が抱えてきたものがあるきっかけで噴出すると言うもので、ある意味空回りしている様子を描いています

誰もが最悪の展開を考えたために、最悪の展開が現実となる

 

原作とラストは違うようですが、その是非は読み比べてみないとなんとも言えません

 

↓詳しいレビューはこちらから

【映画感想】3つの鍵【後半:ネタバレあり】

 

■関連リンク

Yahoo!映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

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公式HP:

https://child-film.com/3keys/


靴ひものロンド

 

■オススメ度

 

家族の内紛劇が好きな人(★★★)

子ども目線の親の離婚について知りたい人(★★★★)

 

■公式予告編

鑑賞日:2022.9.22(京都シネマ)

 

■映画情報

 

原題:Lacci、英題:The Ties

情報:2020年、イタリア&フランス、100分、G

ジャンル:父親の不倫がきっかけて崩壊する家庭を、両親目線と子ども目線で綴ったヒューマンドラマ

 

監督:ダニエレ・ルケッティ

脚本:ダニエレ・ルケッティ&フランチェスコ・ピッコロ

原作:ドメニコ・スタルノーネ(『靴ひも』)

 

キャスト:

アルバ・ロルヴァケル/Alba Rohrwacher(ヴァンダ・プリマ:アルドの妻、二児の母)

(老齢期:ラウラ・モランテ/Laura Morante

ルイジ・ロ・カーショ/Luigi Lo Cascio(アルド・プリマ:浮気をする夫、ラジオのパーソナリティ)

(老齢期:シルヴィオ・オルランド/Silvio Orlando

 

ジョヴァンナ・メッツォジョルノ/Giovanna Mezzogiorno(アンナ:ヴァンダとアルドの娘、長女、成人期)

 (8歳時:Giulia De Luca

 (9歳時:Giovannino Esposito

 (11歳時:Sveva Esposito

 

アドリアーノ・ジャンニーニ/Adriano Giannini(サンドロ:ヴァンダとアルドの息子、アンナの弟、成人期)

 (6歳時:Joshua Francesco Louis Cerciello

 

リンダ・カリーディ/Linda Caridi(リディア:アルドの浮気相手、声優)

 

■映画の舞台

 

1980年初頭、イタリア:ナポリ&ローマ

 

ロケ地:

イタリア・ローマ

 

■簡単なあらすじ

 

ナポリに住むヴァンダの一家は、夫アルドがローマのラジオ局でパーソナリティを勤めていて、長女アンナとその弟サンドロと仲良く暮らしていた

アルドは名著の読み聞かせをしていて、その仕事が認められて色んな仕事が舞い込もうとしていた

 

ある日、良心の呵責からか、アルドはヴァンダに「他の女性と関係を持った」と告げてしまう

動揺するヴァンダは取り乱し、アルドを追い出してしまった

 

二人は協議離婚を行い、親権はヴァンダが持つことに決まる

週末にアルドは子どもたちに会うことを許されていたが、アンナは離婚のその理由から父を遠ざけるようになっていた

 

アルドはローマにて仕事仲間のリディアと関係を持っていて、そこにその身一つで転がり込む

だが、その関係に少しづつ綻びが生じてきたのである

 

テーマ:夫婦喧嘩の子どもへの影響

裏テーマ:抑圧が生んだ水面化の諍い

 

■ひとこと感想

 

ポスターなどからは「ほのぼの家族映画」に見えるのですが、まさかの「不倫起点のドロドロ内紛劇」とは思わずに呆然としました

気の休まる瞬間がないような感じで、終始ヴァンダの強烈な視線が突き刺さってきます

 

ヴァンダとリディアが相対するシーンの緊張感がえげつなく、この女性二人の熾烈な争いを間近で見てきた子どもたちが何を思ったのか、と言うのが後半に登場します

 

映画は「時系列が混在する系」で、夫婦の若年期と老齢期、子どもたちの幼少期と成人期が入り混じってきます

初見では「え? 誰?」みたいな感じになること必至で、少しばかり混乱するかもしれません

 

似せているといえば似せているのですが、アンナの成長過程がなかなかショッキングな感じになっていて、幼少期の可愛らしさ、少女期の憎しみに満ちた表情、成人期は「どこのおばちゃん?」みたいな感じになっていましたね

リアルっちゃあリアルなんですけど、容赦ないなあと思ってしまいます

 

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【映画感想】靴ひもロンド【後半:ネタバレあり】

 

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公式HP:

https://kutsuhimonorondo.jp/


渇きと偽り

 

■オススメ度

 

重厚な推理ドラマを見たい人(★★★)

荒野を舞台にしたヒューマンドラマが好きな人(★★★)

 

■公式予告編

鑑賞日:2022.9.23(イオンシネマ京都桂川)

 

■映画情報

 

原題:The Dry

情報:2020年、オーストラリア、117分、G

ジャンル:幼馴染の突然の訃報に故郷に舞い戻った連邦警察官が、自身の青春期の事件と向き合うことになり推理ドラマ

 

監督:ロバート・コノリー

脚本:ハリー・クリップス&ロバート・コノリー

原作:ジェイン・ハーパー『渇きと偽り(ハヤカワ文庫)』

 

キャスト:

エリック・バナ/Eric Bana(アーロン・フォーク:親友の訃報で故郷に戻るメルボルンの連邦捜査官)

 (若年期:ジョー・クロチェック/Joe Klocek

マーティン・ディングル=ウォール/Martin Dingle-Wall(ルーク・ハドラー:自分の妻子を殺して自殺したとされるアーロンの幼馴染)

 (若年期:サム・コーレット/Sam Corlett

 

ジュネヴィーブ・オーライリー/Genevieve O’Reilly(グレッチェン・シェーナー:カレンの同僚、ルークとアーロンの幼馴染)

 (若年期:クロード・スコット=ミッチェル/Claude Scott-Mitchell

 

キーア・オドネル/Keir O’Donnell(グレッグ・レイコー:アーロンの捜査に協力する地元の警察官)

ジョン・ポルソン/John Polson(スコット・ホイットラム:カレンの上司、校長)

 

べべ・ベッテンコート/Bebe Bettencourt(エリー/エレノア・ディーコン:アーロンたちの若年期に川で死体で発見された幼馴染)

ウィリアム・ザッパ/William Zappa(マル・ディーコン:エリーの父)

マット・ネイブル/Matt Nable(グラント・ドウ:交戦的なエリーの従兄弟)

 

 

■映画の舞台

 

オーストラリア:ヴィクトリア州

キエワラ

 

ロケ地:

オーストラリア:ヴィクトリア州

ビューラー

https://maps.app.goo.gl/osu2KaRFJGdRqhYq9?g_st=ic

 

ミニップ

https://maps.app.goo.gl/8t8n7kmqZv6FejYk8?g_st=ic

 

■簡単なあらすじ

 

幼馴染のルークが家族を殺した後に自殺したと言うニュースを聞いた連邦捜査官のアーロンは、メルボルンから故郷へと舞い戻った

かつて、ルーク、エリー、グレッチェンと「4人組」で遊んでいた彼らだったが、20年前のエリーの死以来、ロクに顔を合わせることはなかった

 

葬式の後、アーロンはルークの父ジェリーから「帳簿を見てくれ」と懇願される

やむを得ずにそれを見ることになったアーロンだったが、ルークの家の納屋で探し物をしている地元警察官のレイコーから「あること」を聞いたことで、事件の真相解明に協力することになった

 

事件は入り口付近に妻カレンが倒れ、子ども部屋の奥で息子のビリーが殺されていた

生まれたばかりのシャーロットは無事で、ルーク自身は少し離れた間伐地帯で息絶えていた

 

その状況を知ったアーロンは事件に不可解なものを感じ、再捜査を始めていく

だが、町の住人からの妨害行為や嫌がらせなどがあり、なかなか真相を掴めずにいた

また、その町の至る所にはエリーとの思い出があり、ことあるごとに彼女との日々がアーロンの頭の中を駆け巡るのであった

 

テーマ:逃避

裏テーマ:風化

 

■ひとこと感想

 

干魃に悩む故郷に帰ったアローンは、そこで思い出の場所を巡りますが、エリーが溺れたとされる川は干涸びているし、その面影を残していません

過去と現在の二つの事件の真相を追う流れになっていて、人物相関を頭に入れておいた方が理解は進みます

特に、若年期の女性のどっちがどっちなの感は見慣れていないと大変なイメージでした

 

現在の事件の壮絶なヴィジョン、泣き止まない赤ん坊の声、そして町を覆う奇妙な影など、どことなくスリラー感がありましたね

20年経って温暖化の影響なのかわかりませんが、約250日くらい雨が降っていないと言うジリジリ感に、思わず喉がやられてしまいそうになりました

 

ミステリーとしては二つの事件が同時に進む分難解に思えますが、どちらも至極簡単な解答になっていましたね

そこに直線的に到達しているのですが、意外なほどに難しい感じになっています

 

沈黙を守ったことで蔓延る噂話が、現在の自分を痛めつけていると言う感じで、真相がわかったときの身震い感はなかなかのものではなかったでしょうか

 

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【映画感想】渇きと偽り【後半:ネタバレあり】

 

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公式HP:

http://kawakitoitsuwari.jp/


犬は食わねどチャーリーは笑う

 

■オススメ度

 

夫婦の本音と建前を感じたい人(★★★)

 

■公式予告編

鑑賞日:2022.9.23(イオンシネマ京都桂川)

 

■映画情報

 

情報:2022年、日本、117分、G

ジャンル:妻の本音を知った夫が右往左往する様子を描いたコメディ&ホラー映画

 

監督&脚本:市井昌秀

ノベライズ:市井点線(『犬も食わねどチャーリーは笑う(2022年、小学館)』)

 

キャスト:

香取慎吾(田村裕次郎:ホームセンターの職員、副店長)

岸井ゆきの(田村日和/杉本日和:裕次郎の妻、夫に内緒で「旦那デスノート」に不満を投稿している。コールセンター勤務)

マルちゃん(チャーリー:二人が飼うフクロウ)

 

井乃脇海(若槻広人:裕次郎の後輩)

的場浩司(浦島:裕次郎の職場の店長)

余貴美子(蓑山/MINOYAMA:裕次郎の同僚、日和と交流を持つ女性)

 

中田青渚(鈴木汐音:裕次郎にアプローチかける同僚)

眞島秀和(葛城周作:日和の職場のセクハラ上司)

浅田美代子(田村千鶴:裕次郎の母)

田村健太郎(塚越達也:日和にデスノートの出版を持ちかける編集者)

 

■映画の舞台

 

都内のどこか

 

ロケ地:

東京都:立川市

 

東京都:新宿区

株式会社TMJ(日和の職場)

https://maps.app.goo.gl/nK5PZVtQ4aDmCfnz7?g_st=ic

 

埼玉県:さいたま市

ニトリホームズ宮原店(裕次郎の職場)

https://maps.app.goo.gl/a9N1jgkrBTSnUpvb7?g_st=ic

 

ヴィラ・デ・マリアージュさいたま(若槻の結婚式場)

https://maps.app.goo.gl/Nhjrkn3h8gofskU88?g_st=ic

 

■簡単なあらすじ

 

ホームセンターで副店長を務める裕次郎は、商品や雑学の知識が豊富で、客にウザがられることもあった

ある日、地震対策商品の購入に訪れた女性客・日和に丁寧に説明したところ、その縁もあって就活中の彼女に再会することになった

 

それから数年後、二人は結婚4年目を迎え、家事は日和に任せっきりで、裕次郎は趣味の筋トレに励んでいた

 

ある日、職場の同僚・蓑山から「旦那デスノート」について教えてもらった裕次郎は、その書き込みが日和のものではないかと疑う

後輩の若槻も「これ、奥さんじゃないですか?」と的確なツッコミを入れ、場の空気は凍りついてしまった

 

問い質すタイミングを逃し続ける裕次郎は、日々更新される日和の書き込みに心を撃ち抜かれながら、とうとうそれについて言及してしまう

言い争いに発展する中、それでも日和は筆を止めずに書き込みを続け、それがある編集者の目に留まることになった

 

編集者の塚越は数人の投稿者を集めて本を作ろうと考えていたが、日和は全国に晒すつもりなど毛頭もなかったのである

そんな折、裕次郎の何気ない一言にブチ切れた日和は、その日から口も利かなくなり、同居別居状態に陥ってしまうのである

 

テーマ:夫婦円満の秘訣

裏テーマ:結婚システムの功罪

 

■ひとこと感想

 

予告編からコメディ色が満載でしたが、フタを開けてみれば「ほとんどホラー」のような展開で、本が出版されたような衝撃を受けてしまいます

基本的にはコメディで、背筋の凍るシーンが挿入されていますが、そんなシーンも「笑ってはいけない」と言う感じに仕上がっていましたね

 

映画としてのまとまり方は微妙ではありますが、他人事として余暇に笑いたい人にはOKな内容だと思います

 

とにかく岸井ゆきのさんの視線が怖くて、目が笑っていないところとか、背中で怒っているところとか、演出も含めて作り込まれていましたね

それでも、物語のピークの後の蛇足が多すぎて、物語の終わらせ方をわかっていないような感じになっていましたね

 

原作がどのような形で終わっているのかは未読ゆえに知らないのですが、映画の起承転結としては結っぽいところが3回くらいはあると言う感じで、それがクオリティを損なっていたと思います

 

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【映画感想】犬は食わねどチャーリーは笑う【後半:ネタバレあり】

 

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公式HP:

https://inu-charlie.jp/


ラム LAMB

 

■オススメ度

 

奇妙な物語に興味のある人(★★★)

喪失と略奪の物語に興味のある人(★★★)

出オチ系ネタ映画に身を委ねたい人(★★★)

 

■公式予告編

鑑賞日:2022.9.24(MOVIX京都)

 

■映画情報

 

原題Dýrið(「動物」という意味)、英題:Lamb

情報:2021年、アイスランド&スウェーデン&ポーランド、106分、R15+

ジャンル:子どもを失った夫婦の元に奇妙な半人半羊が授けられるヒューマンドラマ

 

監督:バンデミール・ヨハンソン

脚本:ショーン&バンデミール・ヨハンソン

 

キャスト:

ノオミ・ラパス/Noomi Rapace(マリア:羊飼いの妻、娘を幼い頃に亡くしている)

ヒナミル・スナイル・グブズナソン/Hilmir Snær Guðnason(イングヴァル:マリアの夫)

Lára Björk Hall(アダの声、夫婦の元に現れる半人半羊の子ども)

 

ビョルン・フリーヌル・ハラルドソン/Björn Hlynur Haraldsson(ペートゥル:イングヴァルの弟)

 

■映画の舞台

 

アイスランド

 

ロケ地:

アイスランド:

フラガ(地図は「Víðidalstunga」でこの場所の少し東側)

https://maps.app.goo.gl/mPyjb5DffJHX9ury7?g_st=ic

 

■簡単なあらすじ

 

アイスランド北東部の平原地帯に住むマリアとイングヴァルの夫婦は、幼い娘を亡くしていて、今では会話も少なく、日々の糧を得るために生活を続けていた

ある日、雌羊の出産に立ち会った二人は、そこで「頭は羊、体は人間」の赤ん坊を取り上げることになった

 

二人は「それ」にアダという亡き娘の名前をつけて、我が子を育てるように接していく

アダはスクスクと育ち、二人の言葉を理解しているが、人語を喋ることはできなかった

 

そんな折、イングヴァルの弟ペートゥルが転がり込んできた

ペートゥルは状況に驚くものの、イングマールは「我々に深く立ち入るな」と忠告する

 

気味の悪い生活に紛れ込んだペートゥルは、とうとうアダを殺そうと、二人が寝静まった頃合いを見計らって、外に連れ出すことになったのである

 

テーマ:因果応報

裏テーマ:動物的とは何か

 

■ひとこと感想

 

予告編でガッツリと「羊少女」がガッツリと映っているので、第一段階のネタバレに来るまで随分と長く待たされる印象があります

映画は三幕構成なのですが、一幕の日常パートの前半がやたら長く、でも二人がどうやって糧を得ているのかほとんどわかりません

 

テレビはあるけどVHSだし、ハンドボール?に熱を入れる様子なども描かれていて、一応は一般的なアイスランドの生活なのかなと思ってしまいます

二人がどこでどうやって出会ったのかなどのバックボーンは完全無視で、親族はペートゥル以外には出てきません

 

神話とか宗教が絡んでいそうに思いますが、彼らが何かを信仰しているシーンも皆無でしたね

おそらくは北欧神話がベースなのだと思いますが、人間に置き換えた方が彼らの罪に関してはわかりやすいかもしれません

 

↓詳しいレビューはこちらから

【映画感想】ラム/LAMB【後半:ネタバレあり】

 

■関連リンク

Yahoo!映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://movies.yahoo.co.jp/movie/382470/review/222dce4b-5c12-4f6d-b12c-ad0ce93b05dc/

 

公式HP:

https://klockworx-v.com/lamb/

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投稿者 Hiroshi_Takata

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