【映画感想】ハルバーシュタットの埋蔵金【後半:ネタバレあり】

■ハルバーシュタットの埋蔵金


■オススメ度

 

実話系犯罪映画に興味がある人(★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日:2026.9.10(アップリンク京都)


■映画情報

 

原題:Zwei zu eins(2対1)

情報:2024年、ドイツ、115分、G

ジャンル:東西ドイツ統一後に旧紙幣を強奪した市民たちを描いた犯罪映画

 

監督&脚本:ナーチャ・ブルンクホルスト

 

キャスト:

サンドラ・ヒューラー/Sandra Hüller(マーレン/Maren:ハルバーシュタットに住む元客室乗務員)

マックス・リーメルト/Max Riemelt(ローベルト/Robert:マーレンの失業中の夫、元工場エンジニア)

アンセルム・ハーデラー/Anselm Haderer(ヤネック/Jannik:ローベルトとマーレンの息子、落書きを好むアウトロー)

ロッテ・シーリン・カイリング/Lotte Shirin Keiling(ディニ/Dini:ローベルトとマーレンの娘、テディ・ベアが好き)

 

ロナルト・ツィアフェルト/Ronald Zehrfeld(フォルカー/Volker:マーレンの幼馴染、西側から帰ってきた男)

 

ペーター・クルト/Peter Kurth(マルケ/マルコフスキ/Markowski:ローベルトの叔父、島を買いたい男)

 

ウルスラ・ベルナー/Ursula Werner(ケーテ/Käte:マーレンの隣人の老婆)

マルティン・ブラムバッハ/Martin Brambach(ルンケヴィッツ/Lunkewitz:住人、ギター弾き)

ロベルト・ヘラー/Robert Höller(ウーヴェ・マテス/Uwe Mattes:スパイを疑う住人)

カトリン・ベーリッシュ/Kathrin Wehlisch(ジャネット/Janette:マーレンの元同僚)

 

オッリ・ディトリッヒ/Olli Dittrich(ヤリツァ/Vertreter Meier:西から来たセールスマン)

 

ティラ・クラフトホビル/Tilla Kratochwil(アンドレア・フィードゥ/Andrea Fiedow:倉庫の監視人)

ダービト・ブレディン/David Bredin(マルティン・ドマルスキ/Martin Domalski:倉庫の監視人)

 

トム・コイネ/Tom Keune(ライナー:地区担当警察官/Genosse ABV)

 

ウーベ・プロイス/Uwe Preuss(ディーター・クリツカ/Dieter Kulitzka:東の外交官)

ヨルク・ディッペ/Yorck Dippe(ヘルベルト・バーロウ/Herbert Bahlow:ドイツ連邦銀行の行員)

ヒルマー・アイヒホルン/Hilmar Eichhorn(ハンス=ディートリヒ・ゲンシャー/Hans-Dietrich Genscher:西の外務大臣)

 

クリストフ・ミュラー/Christoph Müller(ジーグル/Werkleiter Siegl:工場長)

 

Christian Skibinski(求職者/Arbeitssuchender)

Meik Engelmann(西の販売員/Verkäufer)

Natja Brunckhorst(女性の国境警備員/Grenzbeamtin)

 

ハンス=ディートリヒ・ゲンシャー/Hans-Dietrich Genscher(本人役、アーカイブ)

テオ・ヴァイゲル/Theo Waigel(本人役、ドイツの元財務大臣、アーカイブ)

 


■映画の舞台

 

1990年夏、

東ドイツ

ハルバーシュタット

 

ロケ地:

ドイツ:

ゲーラ/Gera

https://maps.app.goo.gl/b4GdgC49Xocfq7cb6?g_st=ic

 

ローテンシュタイン/Rothenstein

https://maps.app.goo.gl/e1E1Bh1hAiCXrpv67?g_st=ic

 


■簡単なあらすじ

 

1990年の夏、「まだ」東ドイツだった頃のハルバーシュタットでは、東西合併の余波を受けて、客室乗務員のマーレンと工場勤務の夫ローベルトはともに失業してしまった

国から得られる失業保険で凌ぐことになったが、そんな折、幼馴染のフォルカーが帰ってきた

彼は西側に出稼ぎに行っていて、最近頻繁に軍の車両がある場所に出入りしていると言う

 

ローベルトは叔父のマルケに何か知らないかと尋ねると、彼は軍が管理する倉庫が郊外にあると言う

そこで、ローベルトたちはそこに何があるかを確認しにいくと、あと数日で紙屑になる東ドイツのマルク紙幣が大量に捨てられていた

彼らはそれをかき集めて持って帰り、マルケが代表となって、その紙幣を口座に入金することになった

 

無事に入金できたものの、それだけでは生活の改善には役立たない

そんな折、西ドイツからセールスマンがやってきて、商品を買わないかという

持っているのは東ドイツの紙幣しかないというと、それでも問題ないと言う

聞けば、それはとあるルートで換金できるとのことで、そこでローベルトたちは倉庫にある金を盗み出し、村人総出で商品を買って、それを西ドイツで売り捌いて現金化することを思いつくのである

 

テーマ:生活を支えた価値観

裏テーマ:幸福の在り方

 


■ひとこと感想

 

実話ベースということで、東西ドイツ統一の余波を受けた「錬金術」が描かれていました

東ドイツからすれば吸収合併される側のような感覚で、自分たちが親しんでいた紙幣というものがある日突然使えなくなってしまいます

新しい紙幣に換金するように言われても、換金しないことで抵抗するという心意気を持っている人もいました

 

そんな中、軍が妙なことをしていることを知り、その秘密を知る叔父を案内人にして施設に潜入することになりました

そこで持てるだけの金を得たとしても、使えるのは後3日みたいな感じで、紙屑になる寸前の紙幣が山のように目の前にあったりします

その後、西から来たセールスマンがそれで支払えることがわかり、マネーロンダリングをすることになります

 

さらに、外交官特権のようなものを知ることになり、その計画に巻き込んでいくのですが、そこからまさかの展開を迎えることになりました

いずれはバレると思いましたが、あの人物の行為が、という感じで、さらにその人物が最後に大きな仕事をやってのけていましたね

このエピソードも実話なのかわかりませんが、国から搾取されていたものを逆手に取って経済発展をしていく未来を考えると、なかなか感慨深いものがあるなあと思ってしまいました

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


■ネタバレ感想

 

映画は、西ドイツの商品を東ドイツの紙幣で買って、それを西ドイツに持ち込んで現金化していました

元手がタダなのでいくらで売れようが関係はないのですが、それは西ドイツの経済にも影響を与えてしまうと思います

そりゃあ、西ドイツで正規で買うよりは、東ドイツからの逆輸入商品の方が安くなる訳で、いずれは立ち行かなくなったようにも思います

 

その後、外交官を拉致して加担させる方向に進みますが、このあたりの人間を使うとさらにリスクは高まってしまうように思います

それでも、バレたのが「流通していない200マルク」となっていて、それを使ったのが娘のディニというのは面白かったですね

しかもその200マルクが普通に使えて、それで購入したのが巨大なテディベアというのは皮肉が効いていると思います

 

そして、そのテディベアは事件発覚後もディニのもののままで、その中には西ドイツの紙幣がびっしり詰まっていました

その直前にも部屋でお札で遊んでいるシーンなどもあって、何も知らないと思っていた人物が一番意味のある行動をしていた、というのは面白かったですね

彼女にまつわる別のエピソードもアレですが、最後に彼女が出した条件というのも面白いなあと感じました

 


■120分で人生を少しだけ良くするヒント

 

本作は、実話ベースのホッコリとするお話なのですが、かなりエグい内容になっていたと思います

軍が管理する倉庫に侵入するとか、合法的にマネロンをするとか、さらには外交官を巻き込んだりと無茶をしていきます

犯罪行為が徐々にエスカレートしていくのですが、そこには東ドイツに従事してきた国民たちの憤りというものも隠れていました

 

工場を1マルクで購入した後、その工場では彼らの知らないことが行われていたことがわかり、彼らが何のために低賃金で働かされてきたのかということに怒りを滲ませていました

結果的には、それは価値のある仕事として、その後の発展に寄与するのですが、真面目な国民ほど損をする、というのは万国共通のことなのかもしれません

この「搾取されてきた」という情動のようなものは、やがて手段を変えて国への報復へと向かいます

でも、その時にはすでに怒りを向けるべき要人たちは国内にはいないという状況になっていました

 

国を欺き、私腹を肥やすものが国の中枢にいれば国が滅んでも当然のように思います

表向きとは違ったものがそこにはあったと思うし、それで一番得をしたと思われる人たちにとっては、国民の生活などどうでも良かったのでしょう

ある意味、ここまでの犯罪行為をさせる土壌を作ってきたとも言えるので、この流れに向かっていくのは仕方のないことだったのかもしれません

 

映画では、ディニの実の親は誰的な話も出てきますが、あの状況下で「三人で」と言ってしまうマーレンが一番ヤバいと思うのですね

ローベルトとしてはやるせないと思うけど、それでも子どもたちには罪がないわけで、知らなくて良かった現実を知らされるというのは国が滅ぶよりもキツいように思えます

そう言った意味において「おまいう案件」だったなあ、と思ってしまいました

 


■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://eiga.com/movie/104483/review/06948253/

 

公式HP:

https://2to1-movie.jp/

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投稿者 Hiroshi_Takata

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