■突然、君がいなくなって
Contents
■オススメ度
喪失の物語に興味のある人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2025.7.2(アップリンク京都)
■映画情報
原題:Ljósbrot(屈折)、英題:When the Light Breaks(光が消えるとき)
情報:2024年、アイスランド&オランダ&クロアチア&フランス、80分、PG12
ジャンル:二股を知らずに恋人と失った女とそれを知る女の出会いを描いたヒューマンドラマ
監督&脚本:ルーナ・ルーナソン
キャスト:
エリーン・ハットル/Elín Hall(ウナ/Una:恋人ディッディを失う芸大生)
カトラ・ニャルスドッティル/Katla Njálsdóttir(クララ/Klara:ディッディの地元の恋人)
ミカエル・コーバー/Mikael Kaaber(グンニ/Gunni:ウナとディッディの共通の友人、ディッディのルームメイト)
アゥグスト・ウィグム/Ágúst Wigum(バッシ/Bassi:ディッディの幼馴染)
グンナル・フラプン・クリスチャンソン/Gunnar Hrafn Kristjánsson(シッギ/Siggi:ディッディの幼馴染)
バルドゥル・エイナルソン/Baldur Einarsson(ディッディ/Diddi:ウナとクララの恋人)
Tómas Howser(ソレンガー/Drengur:芸大の同級生、ウナの友人)
Daria Testoedova(ジェイン/Jane:ウナの友人、クラスメイト)
Alex Leó Kristinsson(バナニ/Banani:ウナのクラスメイト)
Bjarni Kristbjörnsson(三人組のパフォーマー、両面テープ)
Kolbeinn Sveinsson(三人組のパフォーマー、両面テープ)
Kakob Van Oosterhout(三人組のパフォーマー、両面テープ)
Frida Björg Pétursdóttir(4人組のパフォーマー、コーラス)
Hrafnhildur Einarsdóttir(4人組のパフォーマー、コーラス)
Karolina Einarsdóttir(4人組のパフォーマー、コーラス)
Marta Akadóttir(4人組のパフォーマー、コーラス)
Benedikt Erlingsson(ウナの父)
Atli Oskar Fjlarsson(コミ/Kommi:バーテンダー)
Þorsteinn Bachmann(バスチョリ/Bastjóri:ブチ切れる運転手)
Berglind Alda ÁstÞórsdóttir(ビンナ/Binna:リッキの姉)
Vignir Rafn Valdórsson(美術アカデミーの先生)
Ana Vilencia(フランシスカ/Francisca:ウナのクラスメイト?)
Kristrún Kolbrúnadóttir(シッサ/Sissa:クラスメイト?)
Viktor Benóný(ピルサ/Pylsa:支援センターのスタッフ?)
Kamilla Lowen(ミツバチのコスプレ高校生)
Ísey Heidarsdóttir(ミツバチのコスプレ高校生)
■映画の舞台
アイスランド:
レイキャビク
ロケ地:
アイスランド
レイキャビク/Reykjavík
https://maps.app.goo.gl/mnoFRANBbdcpVPLQ6
■簡単なあらすじ
アイスランドのレイキャビクにある芸術大学に通っているウナは、恋人ディッディと仲睦まじく過ごしていたが、彼には生まれ故郷の恋人クララと切れてはいなかった
ディッディはクララに別れを告げる覚悟ができていて、明日の便で向かう予定になっていた
翌朝、ディッディが出かけた後に目覚めたウナは、いつも通りに大学へと出かけた
そこではトンネルで起きた事故のことで持ちきりになっていて、アイスランド史上最悪の事故となっていた
クラスメイトたちとニュースを見守る中、ディッディのルームメイト・グンニには悲痛な面持ちでウナの元にやってきた
彼は飛行機が欠航したためにディッディに車を貸したと言い、警察から車が事故に巻き込まれたと知らせが入ったと言う
そこにディッディの幼馴染のバッシとシッギがやってきて、さらにクララまでやってきてしまう
みんなは支援センターへ向かい、ディッディの安否を確認することになったが、良いニュースは聞けなかったのである
テーマ:知る恋人、知らぬ恋人
裏テーマ:喪失の先にある許容
■ひとこと感想
二股三角関係状態になっている若者が、中心となる男の死によって、相対することになると言う構成になっていて、ウナは二股状態を知っていて、さらにクララと別れを告げに故郷に戻ったことも知っています
クララの方は微塵にもそんなことは思っておらず、ディッディからウナのことを聞かされていたけれど、同級生でレズビアンだと言われていたようでした
ディッディの嘘ということになるのですが、この歪な関係を終わらせるための帰省にて悲劇が起きる、という内容になっていました
ディッディはグンニとルームシェアをしていて、彼が外泊する時にウナが泊まりにきていました
二人が付き合っていることは知っているグンニは、ディッディが帰省する理由も知っていて、クララには何も言わない方が良いとアドバイスをしていました
それはウナもわかっていて、クララとどう接すれば良いのか分からず、幼馴染たちは「ディッディとクララは最高のカップル」だと思っていました
映画は、ウナの苦悩とクララの喪失感が同時進行するのですが、同じ感情を抱えているようでいて、全く違うものを抱えていることになります
ウナが感じる罪悪感混じりの喪失と、クララの疑念が混じる喪失という感じになっていて、それがどのように収まっていくかを描いています
後半ではそれぞれの選択というものが描かれるのですが、実にわかりにくく、おそらく女性じゃないと分からない部分があるように思えました
ある意味、ウナから見ればホラーにも思えてしまいますね
ディッディとの関係を隠さなければならないけど、喪失感も隠せない
それが飽和してしまうことで、決定機というものが訪れるように描かれていました
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
映画のネタバレは、クララがディッディとウナの関係に気づいたかどうかというところですが、明言はしないけど、クララは気づいた、でOKだと思います
幼馴染たちと一緒にディッディの思い出を振り返るのですが、その後、狂ったように踊りながら泣き崩れるウナを見て、クララは確信したのでしょう
ガラス越しに二人が見つめ合うシーンがあり、この場面のクララは怒りを持っているように見えます
ウナとクララが重なった時にそう見えるように演出されているのですが、その後のクララの行動は意外なものになっていました
二人はディッディの部屋に来るのですが、そこでウナがいつも靴を置いているところに先にクララが靴を置いていました
さらに洗面所で指で歯を磨くウナの真似をしていきます
あの部屋を見て、ウナが頻繁に訪れていたことを察しているのですが、この辺りの感覚というものは女性特有のものだと思います
二人は、その後ディッディの寝室で並んで眠るのですが、クララの方が先にウナの方に体を向けました
ここではっきりさせるのかと思いきや、どちらも何も言わないまま、抱き合って眠るようになります
クララはウナを赦し、同じように喪失を感じているウナを慰めようとしています
ある意味、同じ喪失感を感じられると言うのは稀有なことであり、言葉を捨てた一体感というものがそこにあったのだと思います
エンドロールも無音のままで、最後の映像は朝日というところに救いがありましたね
闇をお互いの温もりで支え合い、そして新しい日々を生きていくというメッセージは、女性の強さというものを描いていたように思いました
■人の悲しみを見て関係を憂う
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■喪失の先にある温もり
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/103651/review/05278997/
公式HP:
https://www.bitters.co.jp/totsuzen/
