■アイム・スティル・ヒア
Contents
■オススメ度
実話ベースのドラマに興味がある人(★★★)
ブラジル軍事政権下に興味がある人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2025.8.12(アップリンク京都)
■映画情報
原題:Ainda estou aqui(私はまだここにいる)、英題:I’m Still Here(私はまだここにいる)
情報:2024年、ブラジル&フランス、137分、PG12
ジャンル:理由なく監禁された夫を心配する妻とその家族を描いた史実伝記映画
監督:ウォルター・サレス
脚本:ムリロ・ハウザー&ヘイター・ロレガ
原作:マルセロ・ルーベンス・パイヴァ『Ainda estou aqui(2015年)』
キャスト:
フェルナンダ・トーレス/Fernanda Torres(エウニセ・パイヴァ/Eunice Paiva:夫を探す妻、のちの人権弁護士)
(老齢期:フェルナンダ・モンテネグロ/Fernanda Montenegro)
セルトン・メロ/Selton Mello(ルーベンス・パイヴァ/Rubens Paiva:国に連れ去られる元国会議員のエンジニア、エウニセの夫)
ヴァレンチノ・ヘルツァジ/Valentina Herszage(ヴェロカ/Veroca:エウニセの娘、長女、ロンドンへ留学)
(成人期:マリア・マエノラ/Maria Manoella)
ルイザ・コソフスキ/Luiza Kosovski(エリアナ/Eliana:エウニセの次女)
(成人期:マルジョリエ・エスチアーノ/Marjorie Estiano)
Bárbara Luz(ナル/Nalu:エウニセの三女)
(成人期:Gabriela Carneiro da Cunha)
Cora Mora(バビウ/Babiu:エウニセの四女、歯が抜ける末っ子)
(成人期:Olívia Torres)
Guilherme Silveira(マルセロ/Marcelo:エウニセの長男、のちの作家)
(成人期:Antonio Saboia)
Pri Helena(マリア・ゼゼ/Maria José:パルヴァ家の家政婦)
Humberto Carrão(フェリックス/Felix:家族の友人のジャーナリスト)
Charles Fricks(ガスパ/フェルナンド・ガスパリアン/Fernando Gasparian:ルーベンスの友人、ロンドンへ亡命)
Maeve Jinkings(ダルヴァ・ガスパニアン/Dalva Gasparian:フェルナンドの妻、エウニセの友人)
Luana Nastas(エレーナ、ヴェロカの友人・ガスパニアン/Helena Gasparian:フェルナンドの娘)
Isadora Ruppert(ローラ・ガスパニアン/Laura Gasparian:フェルナンドの娘)
Lucas Santos(エドゥ・ガスパリアン/Edu Gasparian:ガスパの孫)
Felipe Nehab(マルコス・ガスパリアン/Marcos Gasparian:ガスパの孫)
Dan Stulbach(ベイビー・ボカユバ/Baby Bocayuva:ルーベンスの友人、銀行家)
Camila Márdila(ダラル・アチカル/Dalal Achcar:エウニセとボカの友人)
Daniel Dantas(ラウル・リフ/Raul Ryff:ルーベンスの友人)
Helena Albergaria(ベアトリス・リフ/Beatriz Ryff:ラウルの妻)
Thelmo Fernandes(リノ・マヒャド/Lino Machado:弁護士)
Carla Ribas(マルタ/Martha:エウニスの娘たちのの元教師、テロリストを疑われている女)
Caio Horowicz(ピンパォン/Pimpão:ヴェロカの友人、ヒッピー)
Felipe Barreto(レイナルド/Reinaldo:ピンパォンの友人、ピッピー)
Antonio Furtado(ジョージ/George:ヴェロカのロンドンの恋人、のちの夫)
Fagundes Emanuel(チコ/Chico:エリアナの夫、2014年)
Maitê Padilha(クリスティーナ/Cristina:マルセロの妻、2014年)
Bernardo Bibancos(ジョカ/Juca:マルセルの息子、エウニセの孫、2014年)
Matheus Canto(ダニエル/Daniel:バビウの彼氏、2014年)
Pedro Passarelli(パイヴァ家の親族)
Mônica Braga(パイヴァ家の親族)
Giulia Passarelli(パイヴァ家の親族)
Angela Chieregati Passarelli(パイヴァ家の親族)
Theo Hoffmeister(マルセロの幼少期の友人)
João Gabriel Frapolli(マルセロの幼少期の友人)
Lucas Zampa(マルセロの幼少期の友人)
Félix Salles(ベントゥ/Bento:連行する軍人)
Manoel Taborda(ヨアキム/Joaquim:連行する軍人)
Luiz Bertazzo(シュナイダー博士/Dr. Schneider:パイヴァ家に居座る男)
Renan Lima(シュナイダーの手下)
Thadeu Matos(シュナイダーの手下)
Hugo Camizão(シュナイダーの手下)
Daniel Ericsson(ヴィニシウス/Vinicius:シュナイダーの手下)
Lourinelson Vladmir(DOI CODI/ブラジル情報作戦部の尋問官)
Alexandre Mello(尋問官)
Augusto Trainotti(エウニセを監禁する兵士)
Otavio Linhares(尋問官)
Leo Mac-Dowell(囚人)
Rafaela Mell(囚人)
Kauã Rodriguez(ブリッツ/Blitz:若手のミュージシャン)
João Junior(ブリッツを捕まえる警官)
Denis Sauer(ブリッツを捕まえる警官)
Marcelo Varzea(リター/Ritor:役所の職員、死亡証明書)
Aguida Aguiar(カルラ/Carla:リターの娘、マルセロのファン、フォーラムの事務員)
Ingrid Oliveira(フォーラムの事務員)
Daniel De Almeida(マルロン/Marlon:フォーラムの警備員)
Ângela Ribeiro(マニュエラ/Manuela:エウニセの後輩弁護士)
Mayra Coelho(マニュエラのアシスタント)
Camilla Flores(ラケル/Raquel:エウニセの介護人)
Alan Rocha(ヘッドラインのジャーナリスト)
Philipp Lavra(ヘッドラインのカメラマン)
Luisa Taborda(シルヴィア/Silvia:?)
Laura Araújo(銀行員)
Cid Moreira(テレビのナレーション)
Carolina Borelli(テレビのナレーション)
■映画の舞台
1970年、
ブラジル:リオデジャネイロ
2005年、
ブラジル:サンパウロ
2014年、
ブラジル
ロケ地:
ブラジル:リオデジャネイロ
ウルカ地区
ブラジル:サンパウロ
ブラジル:モジ・ダス・クルーゼス
■簡単なあらすじ
1970年代のブラジルでは、カステロ・ブランコ大統領による軍事政権が樹立していた
共産党は排除され、テロリスト認定される中、元議員のエンジニアのルーベンスは友人たちと共に秘密の書簡の受け渡しをしていた
ルーベンスの妻エウニセは夫の活動については知らぬ存ぜぬという距離感で、5人の子どもたちを家政婦のゼゼと一緒に育てていた
ある日のこと、長女のヴェロカを友人のダルヴァとガスパに託すことを決めたエウニセは、スイス大使の誘拐事件などが頻発する国の行末を心配そうに眺めていた
そんな折、軍人が家にやってきてルーベンスを連れて行ってしまう
さらに、エウニセと次女エリアナも不当に監禁されることになり、ルーベンスが共産党と繋がりがある裏付けを始めていく
だが、夫が何をしているのか知らないエウニセは、軍が見せる容疑者ファイルを見せられても、娘たちの元担任のマルタ以外は知らなかった
その後、2週間ほどして解放されたエウニセは子どもたちの元に戻れたが、ルーベンスの行方は不明のままだった
そこで知り合いの弁護士リノにコンタクトを取り、法的に解放できるように動き始める
さらに友人のジャーナリスト・フェリックスの人脈を使って海外のメディアに現状を訴えることになった
だが、軍部は意に介さぬまま、状況が変わることはなかった
さらに、ルーベンスが不在のために預金を引き出すことができず、一家は生活苦を強いられてしまうのである
テーマ:信念と誇り
裏テーマ:軍事政権が産んだイデオロギー
■ひとこと感想
1970年代のブラジルにて実際にあった事件をベースにしたドラマ映画で、理由なく夫を連れ去られて、いつの間にか殺されていた妻の葛藤を描いていました
エウニセは元は学校関係で働いていたようですが、子どもができてからは子育てに専念、夫の拉致を受けて法曹の道に入ることになりました
映画は、エウニセの半生を描き、認知症で亡くなる寸前までを描きます
子沢山で女の子4人に男の子1人を授かっていて、なかなか賑やかな家庭だったと思います
エウニセに集中しているので、ある家族の出来事は端折られていましたが、一瞬何が起きたのかと思ってしまいました
さらっと説明はされているので安心しましたが、時代が時代なだけにと思ってしまいましたね
物語は、エウニセの静かなる闘志を堪能する映画であり、子どもたちが親の異変に気づいていく様子を描いていきます
どの時点で察したのかはそれぞれ違いますが、語らなくてもわかってしまう中で追求しない優しさというのは、エウニセの教育の賜物なのかもしれません
それにしても、最後の字幕を読むとやるさなさだけが残ってしまいます
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
事実ベースなのですが、さすがに南米の政治情勢に詳しくもなく、さらに生まれた頃の話なので、興味を持たないと知りようがない出来事でした
当時のブラジル感と言えばサッカーが強いぐらいしか伝わってくるものがなく、そのためなのか、少年たちはそこらじゅうで裸足でサッカーをしていましたね
痛くないのかなと思いつつも、これが日常なんだろうなあと思ってしまいました
ルーベンスがヤバいことに関わっていることは早い段階でわかりますが、手紙を受け取っていたぐらいに思えたので、軍部が執拗にマークする理由まではわかりませんでした
ルーベンスは元々学生運動に参加していたエンジニアで、その血は長女に受け継がれそうになっていましたね
彼らの家に押しかけてきたのが「DOI-CODI」と呼ばれる組織で、いわゆる「ブラジルの諜報機関」とされるところでした
Wikiなどによると、ルーベンスを殺害するまで拷問し、エウニセも12日間投獄されていました
映画では端折られていますが、エウニセは軍事政権の犠牲者に関するアーカイブを公開するに至り、独裁政権との戦いにおけるシンボリックな存在となっていました
それにより、彼女とその子どもたちは1984年まで軍のエージェントによって監視されていたとされています
これらの史実が明るみに出たのが、2013年に公開された国家情報院(SNI)の文書となっていました
■歴史的背景について
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■文書公開後のエウニセについて
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/102162/review/05436614/
公式HP:
https://klockworx.com/movies/imstillhere/