■映画鑑賞まとめ■
8月、第4週(2025.8.25~2025.8.31)
■大統領暗殺裁判 16日間の真実
■オススメ度
韓国の史実ベースのドラマに興味がある人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2025.8.26(イオンシネマ京都桂川)
■映画情報
原題:행복의 나라(幸せの国)、英題:Land of Happiness(幸せの国)
情報:2024年、韓国、124分、G
ジャンル:1979年に起きた大統領暗殺にまつわる軍事裁判を描いた法廷ドラマ
監督:チュ・チャンミン
脚本:ホ・ジュンソク
キャスト:
チョ・ジョンソク/조정석(チョン・インフ/정인후:テジュの弁護士、モデルはテ・ユンギ/태윤기を含む弁護士数名)
(幼少期:へ・ロウン/해로운)
イ・ソンギュン/이선균(パク・テジュ/박태주:中央情報部の秘書室長、モデルはパク・フンジュ/박흥주)
ユ・ジェミョン/유재명(チョン・サンドゥ/전상두:合同捜査チームのリーダー、少将、モデルはチョン・ドゥファン/정두환/全斗煥)
ウヒョン/우현(イ・マンシク/이만식:弁護団の代表、キム・ヨンイルの弁護士)
チョン・ペス/전배수(ブ・ハンミョン/부한명:メガネの弁護士)
ソン・ヨンギュ/송영규(チェ・ヨンナム/최용남:離脱する弁護士)
イ・ヒョンギュン/이현균(チョ・サンチョル/조상철:インフを引き入れる弁護士)
イ・ウォンジョン/이원종(チョン・ジヌ/정진우:陸軍参謀総長、戒厳司令官、モデルはチョン・スンファ/정승화)
パク・フン/박훈(キム・オリョン/김오룡:副参謀長、中佐、モデルはイ・ジュチョン/이주천&キム・オラン/김오란)
チェ・ウォニョン/최원영(ペク・スンギ/백승기:検察官)
キム・パブレ/김법래(キム・ヨンヒョン/김영현:軍事裁判の裁判長、中将、モデルはキム・ヨンソン/김영성)
チン・ギジュ/진기주(チョ・スンジョン/조순정:インフの恋人、モデルはチョ・スンドク/조승덕)
カン・マルグム/강말금(オク・ジョンエ/옥정애:テジュの妻)
キム・スヒョン/김수형(イェジン/예진:テジュの娘、次女)
チョン・イェナ/정예나(イェソン/예선:テジュの娘、長女)
ユ・ソンジュ/유성주(キム・ヨンイル/김영일:KCIA長官、事件の首謀者でテジュの上司、部長、モデルはキム・ジェギュ/김재규)
イム・チョルヒョン/임철형(ハン・ホソク/한호석:KCIAの課長)
キム・ジェチョル/김재철(ジン・テゴン/진태곤:合同捜査暖の課長、サンドゥの部下、インフをボコる軍人)
キム・ジョンホ/김정호(インフの父)
イ・スンウォン/이순원(チョ大佐/성대령:陸軍本部憲兵監督室、企画課長、室長)
イ・ジュウォン/이주원(ホ・デリョン/허대령:国軍保安司令部、情報処長)
ソン・ソキュ/서석규(イ・テムン/이태무:証言する運転手)
■映画の舞台
1979年10月26日~
韓国:ソウル
ロケ地:
韓国:ソウル
■簡単なあらすじ
1979年10月26日、韓国・ソウルにてパク・ジョンヒ大統領暗殺事件が勃発した
KCIAのキム・ヨンイル長官の秘書室長を務めていたパク・テジュ大佐は部下たちとともにその事件に関与したとされていた
チョン・サンドゥ保安司令部合同捜査班長の指揮のもと、ヨンイルを含めた8名は捉えられ、唯一の軍人だったテジュのみ軍法裁判にかけられることになった
軍法裁判は単審で終わり、控訴をすることはできなかった
テジュの弁護人選考は難航を極めたが、ヨンイルの弁護をする弁護団長のマンシクは、勝つためには手段を選ばないチョン・インフに依頼することにした
インフは有名になれると仕事を引き受けるものの、単審ではなく一般裁判に持ち込もうと考えていた
だが、テジュは軍法裁判から引き下がらず、テジュは法廷にて裁判長たちに訴えることとなった
テジュはヨンイルの命令を受けて実行したものの、検察官は相手が大統領であることを知っていたかと執拗に問うた
テジュは「軍人ならば命令に従う」と一貫した主張を貫き、インフは命令ならば罪ではないと主張しようとしていた
だが、裁判の裏側ではある意思が蠢き、徐々に国の情勢を変えつつあったのである
テーマ:裁判で得るもの
裏テーマ:弁護士の目指すもの
■ひとこと感想
韓国の闇の歴史をベースにしたドラマで、全てのキャラクターの名前が差し替えられていました
冒頭でも「フィクションです」と強調されていますが、思いっきり史実ベースで物語が進んでいきます
それでも、フィクションらしい演出が多々あるし、実在のインフのモデルとなった弁護士は事件当時60歳で既婚者だったとされています
映画では、堅物のテジュと折れない軍部を相手に裁判を進めていきますが、弁護団は人命を優先し、事件の背景を追うということはしません
薄々感じていたでしょうが、それよりもテジュを極刑にしないという判断があって、それがベースで裁判が動いていきました
これらの事件の顛末は後の歴史で語られるものですが、映画では「テジュの裁判のみ」にフォーカスを当てていました
メインヴィランとなるチョン・サンドゥのモデルは全斗換なのですが、『南山の部長たち』『ソウルの春』を観てきた人にとっては、その間のピースを埋める物語になっていると思います
韓国の近代史を本作を含めた3本で網羅することはできませんが、これを機に正しい歴史を知るというのも意味があるように思います
映画では、勝つ裁判をするインフがテジュの裁判に関わる中で、勝利よりも大事なものがあることに気づいていきます
父親に似ていて、頑固で信念があるところは間接的にインフの核心を暴露するものでもありました
軍事政権の最中ということもあって、弁護士ではどうしようもできないものがあり、大局の中でバタついているだけに見えるのも、未来を知っているからなのかは何とも言えない部分がありました
↓詳しいレビューはこちらから
*【映画感想】大統領暗殺裁判 16日間の真実【後半:ネタバレあり:執筆中】
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/104041/review/05494766/
公式HP:
https://daitoryoansatsusaiban-movie.jp/
■マルティネス
■オススメ度
老年の不可思議な恋愛譚に興味のある人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2025.8.27(アップリンク京都)
■映画情報
原題:Martinez
情報:2023年、メキシコ、96分、G
ジャンル:顔見知りの隣人老女の遺品を受け取った老人を描いたヒューマンドラマ
監督&脚本:ロレーナ・パディーシャ
キャスト:
フランシスコ・レジェス/Francisco Reyes(イグナシオ・マルティネス/Martinez:メキシコで暮らすチリ人の男、60歳、公認会計士、3B)
ウンベルト・ブスト/Humberto Busto(パブロ・エルナンデス/Pablo:マルティネスの後任の職員)
マルタ・クラウディア・モレノ/Martha Claudia Moreno(コンチタ/Conchita:会計士事務所の受付)
メリー・マンソ/Mely Manzo(アマリア・デ・へスース・ゴメス・ロサーノ/Amalia:孤独死するマルティネスの下の階に住んでいた老女、2B)
マリア・ルイーサ・モラレス/Maria Luisa Morales(ベルタ/Bertha:アパートの管理人)
Martha Reyes Arias(サンチェス:人事課の職員)
Marco Aurelio Hernández(路上で殴られる男)
■映画の舞台
メキシコのどこか
ロケ地:
メキシコ:
グアダラハラ/Guadalajara
https://maps.app.goo.gl/vV974GwXHqBVQEaf7?g_st=ic
■簡単なあらすじ
メキシコの内陸部で育ったチリ人のマルティネスは、公認会計士として働く傍ら、毎日を同じようなルーティンでこなし、職場と家を往復する毎日を過ごしていた
最近では、下の階から大音量のテレビの音が鳴り響き、それを注意してもやめない住人がいた
仕方なく耳栓を購入して眠りにつき、いつしかその環境にも慣れていった
職場には電話番のコンチタと他に無口な会計士が2人いた
マルティネスはいつものようにデスクに書類とカップを並べて、仕事を始めていく
その日は想定外の来訪者がいて、男は西部地域で働いていたパブロという男だった
パブロは定年を迎えるマルティネスの後任として働くことになったが、マルティネスには寝耳に水の話だった
人事部のサンチェスが週明けに出勤する
こともあって、正式な決定を受けてから業務の引き継ぎをしようと考えていた
翌日のこと、マルテイネスの住んでいるアパートは騒然としていて、救急車が駆けつけ、道路は近隣住民で溢れかえっていた
それは、マルティネスの下の階の住人が孤独死したというもので、死後半年は経っていると思われていた
ようやく騒音が静まったものの、逆に眠れなくなってしまい、テレビをつけたまま寝るようになっていく
そんな彼の元に、管理人のベルタを通じて、孤独死した老女アマリアからのプレゼントが届いたのである
テーマ:孤独ではない証明
裏テーマ:心を揺さぶる虚無
■ひとこと感想
亡くなった同じアパートの女性から贈り物が届くという内容で、字面だけを考えるとホラーのように思えます
堅物な定年間近の公認会計士が主人公とあって、前半は彼の日常を切り取るパートとなっていました
チリ人としてメキシコの内陸部で育った彼は、おそらくは父親に似ていて、ルーティンを着実にこなすタイプの人間のように思います
そんな彼がプレゼントを機に日常を逸脱するという物語になっていて、さらにスケジュール帳を見つけたことによって、彼女の人生を追いかけていくことになりました
映画は、傍から見ていると気持ち悪い内容となっていて、老人があまり馴染みのない亡くなった女性に想いを馳せるという内容になっていました
料理や香水の話が出ればそれを手にしたり、行けなかったプラネタリウムのチケットを使ったりもします
彼の後任となるパブロはマルティネスとは合わない感じのタイプですが、悪い奴ではないという感じでしたね
多分有能だと思うのですが、人事も見る目がないし、マルティネスのいっときの感情が全てを決めてしまうという気まずさというものもありました
結局のところ、夢から覚めるという内容になっていて、そこからどうするのかというところが本作の本懐のように思えます
そのまま仕事を続けるのか、それともと言った感じに描かれていて、人生の岐路において、何が大切なのかが描かれていました
パブロのキャラも素敵で、彼自身の結論というものも良かったですね
彼にとっての人生の岐路は思いもかけない選択に左右されていますが、それでも「前を向こう」と思えるのは素晴らしいことだと思います
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■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/104098/review/05497235/
公式HP:
https://culturallife.co.jp/martinez/
■パルテノぺ ナポリの宝石
■オススメ度
観念的かつ哲学的な話が好きな人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2025.8.28(MOVIX京都)
■映画情報
原題:Parthenope(人魚の名前、ナポリの別名)
情報:2024年、フランス&イタリア、136分、R15+
ジャンル:人魚の名をつけられた女性の一生を描いたヒューマンドラマ
監督&脚本:パオロ・ソレンティーノ
キャスト:
セレステ・ダッラ・ポルタ/Celeste Dalla Porta(パルテノぺ・ディ・サングロ/Parthenope:人魚の名をつけられた美しき女性)
(73歳時:ステファニア・サンドレッリ/Stefania Sandrelli)
ダニエレ・リエンツォ/Daniele Rienzo(ライモンド・ディ・サングロ/Raimondo:パルテノぺの兄)
(10歳時:Antonio Annina)
シルビア・デグランディ/Silvia Degrandi(マギー・ディ・サングロ/Maggie:パルテノぺの母)
ロレンツォ・グレイジェセス/Lorenzo Gleijeses(ササ・ディ・サングロ/Sasá:パルテノぺの父、提督の息子)
ダリオ・アイタ/Dario Aita(サンドリーノ/Sandrino:パルテノぺとライモンドの幼馴染、家政婦の息子)
(10歳時:Riccardo Coppola)
Alfonso Santagata(アキレ・ラウロ/提督/Comandante:パルテノぺの名付け親)
シルビオ・オルランド/Silvio Orlando(デヴォト・マロッタ教授/Devoto Marotta:人類学の教授、パルテノぺの師匠)
アルフォンソ・サンタガータ/Alessandro Paniccia(ステファン・マロッタ/Stefano Marotta:デヴォトの障害を持った息子)
ゲイリー・オールドマン/Gary Oldman(ジョン・チーヴァー/John Cheever:アメリカ人の小説家)
ルイーザ・ラニエリ/Luisa Ranieri(グレタ・クール/Greta Cool:ナポリ出身の女優)
イザベラ・フェラーリ/Isabella Ferrari(フローラ・マルヴァ/Flora Malva:演技指導の教師)
マーロン・ジュペール/Marlon Joubert(ロベルト・クリスクオロ/Roberto Criscuolo:ナポリのマフィア)
ペッペ・ランツェッタ/Peppe Lanzetta(テゾローネ/Vescovo:ナポリの枢機卿)
■映画の舞台
1950年~2023年、
イタリア:ナポリ
ポジッリポ湖畔
https://maps.app.goo.gl/3JzTiqHafxBCMs4w9?g_st=ic
イタリア:カプリ島
https://maps.app.goo.gl/RM6bBbBq1nTwUYLH9?g_st=ic
ロケ地:
イタリア:ナポリ
イタリア:カプリ島
■簡単なあらすじ
1950年、イタリアのカプリ島にて生まれたパルテノぺは、兄ライモンド、家政婦の息子サンドリーノと一緒に育った
ライモンドはパルテノぺにあらぬ恋心を抱き、サンドリーノも身分を超えた気持ちを抱え続けた
その後パルテノぺは、ナポリの大学に進学し、そこで人類学を専攻していく
マロッタ教授の指導のもと、人類学とは何かを追求し始めたパルテノぺは、次第にナポリの色に染まっていった
あるパーティーで小説家のジョン・チーヴァーと出会ったパルテノぺは、彼に恋をしたいと告げるものの、やんわりと断られてしまう
ライモンドも当てつけのように女をナンパするものの、それが実ることもない
やがて、サンドリーノの気持ちに応えるパルテノぺだったが、それはライモンドの心をより複雑にしてしまった
そして、その心は良からぬ行動を呼び起こしてしまうのである
テーマ:思考の先にあるもの
裏テーマ:過去の美化と行為の正当化
■ひとこと感想
ナポリの風景を堪能する作品で、裕福な家族のもとに生まれたパルテノぺの人生を描いていきます
18歳になった頃からライモンドとサンドリーノとの三角関係のようになっていきますが、ライモンドとは実らぬ恋だし、その気持ちに気づいているサンドリーノもなかなか思うように動けません
そんな中、ジョン・チーヴァーにフラれたパルテノぺは、ライモンドの見ている前でサンドリーノと関係を持ち、それが原因で悲劇が起こってしまいました
映画は、この事件から物語が動くという内容で、その美しさで2人の男性を拐かした罪を背負っているように描かれていきます
また、「何を考えてる?」と聞かれまくるパルテノぺですが、その答えが最後に描かれていきます
彼女は人類学を専攻し、そこで「人類学とは何か」という根本を考えていくのですが、マロッタ教授は「あなたなりの答えを」とはぐらかしていきます
結局のところ、人生を生き抜いた先にしか人類学の真髄はわからないのですが、それは「人を見る側に立つこと」でようやく見えてくるもののようにも思います
物語は、パルテノぺを中心として、多くの男性が登場しますが、それらがどのように彼女を形成したのか、というのが描かれていきます
ジョン・チーヴァーとの会話、女優になれると言われて本気になるものの、冒頭のナレーションにあるように「目に輝きがない」と女優のグレタに言われてしまいます
グレタも演技指導のフローラも目を覆い隠しているのですが、彼女たちに輝きがあるのかはわかりません
冒頭にて、フランスの作家ルイ=フェルディナン・セリーヌ(Louis-Ferdinand Céline)の著書『Guerra』に登場する言葉「Certo che é enorme la vita. Ti ci perdi dappertutto.(人生は巨大で すぐ迷う)」が引用されていました
パルテノぺの迷いを単純化するならば「愛とは何かがわからない」というものなのですが、その答えを持っていたのはマロッタ教授ということになります
彼女が彼の息子ステファンと会った時にこぼすセリフがありましたが、それこそが彼女が追い求めていたもののように思えました
↓詳しいレビューはこちらから
*【映画感想】パルテノぺ ナポリの宝石【後半:ネタバレあり:執筆中】
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/101599/review/05499720/
公式HP:
https://gaga.ne.jp/parthenope/
■『8番出口』
■オススメ度
ワンシチュエーション系が好きな人(★★★)
原作ゲームが好きな人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2025.8.29(イオンシネマ京都桂川)
■映画情報
情報:2025年、日本、95分、G
ジャンル:謎のルールのある通路に迷い込んだ男を描いたワンシチュエーションミステリー
監督:川村元気
脚本:平瀬健太朗&川村元気
原作:KOTAKE CREATE『8番出口』
キャスト:
二宮和也(迷う男)
河内大知(歩く男)
浅沼成(少年)
花瀬琴音(歩く女)
小松菜奈(ある女)
■映画の舞台
都内の地下鉄のどこかの駅
ロケ地:
東京メトロ&スタジオセット
■簡単なあらすじ
仕事を終えて帰宅途上の男は、車内で暴言を吐くリーマンとなじられる母子を認識しながら、何をすることもなく目的の駅で降りた
その時、元カノからの着信があり、とある事実を突きつけられてしまう
男はどう答えて良いかわからないまま、人気の少ない通路へと差し掛かった
そこは電波の悪い場所で、元カノとの会話は途切れてしまう
目の前には案内板と「0番」と書かれた構内案内図があり、徐にその先を目指した
角を曲がった先には、左手に幾つかのポスターがあり、右手には幾つかのドアがあった
さらに天井には「8番出口」を示す案内板があり、男はそのまま進んでいく
向こうから来る無口なサラリーマンとすれ違った男は、そのまま次の角を曲がった
そこにはコインロッカーとゴミ、証明写真の撮影機があった
そこを曲がると、また同じような景色があり、今度は1番と書かれた案内板が見えてきた
男はさらにその先を進むと、また同じサラリーマンが向こうから歩いてくる
その後も同じような場所を行ったり来たりする中で、男はよくわからないルールに縛られた空間に入り混んでしまったことを理解するのである
テーマ:脱出のための手順
裏テーマ:冷静と感覚
■ひとこと感想
どうやらゲームを映画化した作品のようで、原作ゲームは未プレイのまま鑑賞することになりました
どこまで行っても同じリーマンが現れてくる通路があり、そこには「異変」と言うものを見つけることで、行くか進むかを選ばなければならないと言うルールがありました
おそらく原作も同じような感じだと思うのですが、劇中で起こるエピソードは厳選されているのだと思います
映画は、ネタバレなしの方が楽しめる内容ではありますが、ゲーム性に対する姿勢が面白さを分ける印象がありました
要は「同じ空間にいると思って、一緒に異変を探す」と面白いのですが、客観的に男の行動を眺めると面白くない、というところでしょう
男よりも先に「異変」を見つけたいと思って画面の隅々まで観ていくと、あっという間に時間が過ぎると思います
個人的には楽しめましたが、脱出ゲームとかが好きじゃないとダメでしょうね
ある程度のドラマ要素がありましたが、どちらかと言えば不要だったと思います
あとは、意外とホラー的な要素があるので、単なるミステリーだと思っているとビックリするかもしれません
とは言え、好みが分かれるワンシチュエーションミステリーだと感じました
↓詳しいレビューはこちらから
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/103175/review/05503631/
公式HP:
https://exit8-movie.toho.co.jp/
■海辺へ行く道
■オススメ度
一風変わったオムニバスっぽい映画が好きな人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2025.8.29(イオンシネマ京都桂川)
■映画情報
情報:2025年、日本、140分、G
ジャンル:とある港町を舞台に描く、芸術に関わる人々を描いたヒューマンドラマ
監督&脚本:横浜聡子
原作:三好銀『海辺へ行く道』シリーズ
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キャスト:
原田琥之佑(南奏介:14歳の美術部員)
麻生久美子(南寿美子:奏介の親戚)
菅原小春(大林メグ:奏介のおば、理沙子の友人、借金回収)
河原楓(岩井:メグの後輩社員)
中須翔真(立花良一:奏介の後輩)
河井青葉(良一の母)
中村シユン(良一の祖父)
蒼井旬(梨本テルオ:奏介の先輩)
新津ちせ(梨本加奈:テルオの妹、奏介の同級生)
剛力彩芽(谷川理沙子:不動産者の社員)
高良健吾(高岡:包丁売りの男)
唐田えりか(ヨーコ:高岡の恋人)
村上淳(岡野ケン:街にやってきた芸術家)
中西優太朗(直人:演劇部の部長)
小野晴子(真帆:演劇部の脚本担当)
山崎七海(平井ほのか:新聞部)
宇野祥平(大岩:奏介の担任、新聞部の顧問の先生)
佐々木史帆(小学校の先生)
諏訪敦彦(A氏:謎多き美術商)
宮藤官九郎(五郎:静香のランチ店の常連)
坂井真紀(静香:海辺でランチ販売をしている女)
吉岡睦雄(金魚すくい屋)
鈴木卓爾(「静か踊り」の審査員)
竜のり子(西城すず:発語できない老女)
広岡由里子(西城千恵:すずの娘)
黒田大輔(弁護士)
山田佳奈(加納みゆき:介護職員)
松山ケンイチ(池田ハルチの声)
駒井蓮(町内放送の声?)
■映画の舞台
とある海岸沿いの街・汐鳴市
ロケ地:
香川県:小豆島
第一海岸
https://maps.app.goo.gl/bDmeJffpt48zd3WcA?g_st=ic
白浜海岸
https://maps.app.goo.gl/F9Kh8HqCfBtsMLL77?g_st=ic
葺田八幡神社
https://maps.app.goo.gl/XjrewnPMDRMyrQdc7?g_st=ic
鹿島明神社
https://maps.app.goo.gl/2M6bmyvYbfaJJkm76?g_st=ic
オリーブナビ小豆島
https://maps.app.goo.gl/6wGeD8R5eAitNGDr9?g_st=ic
鹿島海水浴場
https://maps.app.goo.gl/7XFsF2UTXG8FAfD66?g_st=ic
■簡単なあらすじ
とある島の港町では、芸術を目指す人々に許容的で、多くの芸術家たちが移住していた
そんな町の中学生の奏介は、なんでも器用に作る腕前を持っていて、模型から絵画まで何でも形にしていた
夏休みに入っても学校に通う日々が続いていて、それは演劇部から頼まれた背景ボードを作ることだった
奏介は後輩の良一と一緒に作品を作っていて、展示会にそれを出品することになった
そこで「A」と名乗る美術商に声をかけられた奏介は、浮世絵の人魚を模型にしてほしいという
奏介は快諾し、美術部の先輩・テルオにアドバイスをもらいながら作品作りに没頭していった
そんな町に、包丁の街頭販売をする高岡と彼の恋人ヨーコがやってくる
町人たちは巧みな話術に翻弄されて包丁を買うものの、それは紛い物で、あっという間に切れなくなっていた
騙されたと思った町人がクレームをつけるもの、高岡は再び巧みなトークで主婦たちを拐かし、さらに別の商品を売りつけて去っていった
テーマ:芸術に彩られる世界
裏テーマ:芸術家になれる素養
■ひとこと感想
3話形式のオムニバスのような作品で、「長いつばの女」「夏の終わりのミメーシス」「どこかの穴でもできたのかい」という並びで展開されていきました
主人公は14歳の奏介ですが、彼の周りで起きることがメインとなっていました
1話目は奏介の母を含めた主婦たちが買わされる包丁の話と、後輩の良一が謎の女に魅了されるものとなっていました
奏介自身も半裸の人魚像を作るために、先輩からエロ本を借りていたりします
いわゆる芸術は性的情熱である、というパートになるのだと思います
その後、高岡が住んでいた部屋に謎の芸術家がやってきて、その男と不動産屋の理沙子が関係を持つことになります
さらに理沙子の友人が芸術家への借金を回収するために帰省し、友人から芸術家をどうやって守るかという展開になっていきました
その背景では文化祭の用意が進んでいて、奏介が頼まれた背景画などが登場します
先輩のテルオの周囲でも事件が起きるのですが、かなりシュールな展開が続いていきましたね
とある老人の夫のマスクを作って擬似的な再会を描いていきますが、そこでは芸術は人を救えるのかを描いていたように思います
一方で、スプーン曲げの力で憎き祖父を懲らしめたりするのですが、嘘のような本当の話がたくさんあって面白かったと思います
↓詳しいレビューはこちらから
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/102504/review/05503271/
公式HP:
■ベスト・キッド:レジェンズ
■オススメ度
ジャッキー・チェン関連の映画が好きな人(★★★)
カンフー&空手アクションが好きな人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2025.8.30(イオンシネマ久御山)
■映画情報
原題:Karate Kid: Legends(空手少年:伝説)
情報:2025年、アメリカ、94分、G
ジャンル:兄の不幸によって空手から遠ざかった青年が新天地で立ち直るために戦う様子を描いたアクション映画
監督:ジョナサン・エントウィッスル
脚本:ロブ・ライバー
キャスト:
ジャッキー・チェン/Jackie Chan(ミスター・ハン/Mr. Han:「ハンカンフー学園」の先生、リーのカンフーの師匠)
ベン・ウォン/Ben Wang(シャオ・リー/リー・フォン/Li Fong:ハンの甥、高校生、スタッフト・クラストの異名)
(幼少期:Marco Zhang)
Oscar Ge(ボー・フォン/Bo Fong:リーの兄)
ミンナ・ウェン/Ming-Na Wen(ドクター・フォン/Dr. Fong:リーの母、ハンの姪の医師)
セイディ・スタンリー/Sadie Stanley(ミア・リパーミ/Mia Lipani:ピザ屋の店員、リーの想い人)
ジョシュア・ジャクソン/Joshua Jackson(ヴィクター・リパーミ/Victor Lipani:ミアの父、ピザ屋の経営者、元ボクシング王者)
ワイアット・オレフ/Wyatt Oleff(アラン/Alan:リーの家庭教師)
アラミス・ナイト/Aramis Knight(コナー・ディ/Conor:ミアの元カレ、空手の大会「5ボローズ」の現在のチャンピオン)
ティム・ロゾン/Tim Rozon(オシェイ/O’Shea:カラテ道場「デモリション」のオーナー、「5ボローズ」大会の主催者)
Ralph Macchio(ダニエル・ラルーソ/Daniel LaRusso:カラテ家ミヤギの弟子、ハンの友人、カリフォルニア在住)
(若年期:Aaron Wang)
Pat Morita(ミヤギ先生、冒頭)
William Zabka(ジョニー・ローレンス/Johnny Lawrence:空手道場「コブラ会」の師範、ダニエルの友人)
シャウネット・レネー・ウィルソン/Shaunette Renée Wilson(モーガン/Ms. Morgan:リーの高校の担任の先生)
■映画の舞台
1986年、
日本:沖縄
現代、
アメリカ:ニューヨーク
ロケ地:
カナダ:モントリオール
■簡単なあらすじ
1986年、青年のダニエルは空手のミヤギ先生から「ハン家とミヤギ家の長らく続く関係を知ることになった
それから30年以上経ち、ハン師匠の元には、兄を事件で亡くしたフォン・リーが学んでいた
だが、リーの母の仕事の都合で道場を離れることになったリーは、これを機に戦いから足を洗おうと決めていた
引越しの後、近くのピザ屋に出向いたリーは、そこでピザ屋の娘のミアと出会う
悪態をつく父の代わりに親切に接してくれる彼女だったが、ミアには近くにある「デモリション道場」のエースであるコナーと恋人関係にあった
それでも、その関係は切れているようで、リーはミアとの距離を縮めようと躍起になっていた
だが、ミアの父ヴィクターは、コナーの道場の主オシェアに多額の借金をしていて、その取り立てが迫っていた
オシェアはNYの賭け試合を牛耳っていて、ヴィクターに戦士として出場しないかと打診していた
勝てば借金は帳消しという約束だったが、ヴィクターは20年近く格闘技から遠ざかっていた
そこでリーがヴィクターに空手を教えながら、彼が大会で勝てるように特訓を始めて行くのである
テーマ:異なる極みの融合
裏テーマ:戦う理由
■ひとこと感想
『ペストキッド』のシリーズ最新作ということで、これまでの作品に関してはドラマ版以外は見てきたと思います
そのドラマ版に登場するキャラが最後に登場するのですが、ぶっちゃけ「誰?」状態だし、ダニエルのパートナーなのかと思っていました
それ以外は予習の必要もなく、ハン師匠とミヤギ先生による二本の枝が一本の樹になるというテイストが分かればOKだと思います
予告編ではいじめられっ子が奮闘するように感じましたが、それよりは「好きな女の子の前で良い格好をする、というテイストが近かったですね
ミアがリーに惚れる理由はよくわかりませんが、単に「強い男が好き」というもののように思います
決めセリフが多い映画で、カッコつけた言い回しが多用されていました
脚本家のクセのようなもので、漫画的な要素が強かったように思います
映画では、強そうに見えない男が1週間程度で王者を負かすかも?ぐらいの才覚を発揮するのですが、単純にポテンシャルが高いのか、相手がそこまで強くないのかわからない感じでした
相手を嫌な男に寄せようとしていますが、ミアとの関係もミア自身の勝手な行動だし、戦いにおいてもあからさまな反則をしたりはしません
負けた後に納得いかずにというところはありますが、基本的にはフェアな戦いになっていましたね
なので、悪者にするならトコトン悪者にした方が良かったように思いました
↓詳しいレビューはこらから
*【映画感想】ベスト・キッド:レジェンズ【後半:ネタバレあり:執筆中】
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/103442/review/05508145/
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