■見はらし世代
Contents
■オススメ度
ゆったりとした家族の物語が好きな人(★★★)
東京都心に住んでいる人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2025.10.23(アップリンク京都)
■映画情報
英題:Brand New Landscape(真新しい風景)
情報:2025年、日本、115分、G
ジャンル:ある家族の不和を俯瞰する若者たちを描いたヒューマンドラマ
監督&脚本:団塚唯我
キャスト:
黒崎煌代(高野蓮:胡蝶蘭の配達員)
(幼少期:荒生凛太郎)
遠藤憲一(高野初:蓮の父、著名な建築家)
木竜麻生(高野恵美:結婚を控える蓮の姉)
(高校時代:石田莉子)
井川遥(高野由美子:蓮の母、元建築家)
菊池亜希子(佐藤マキ:初の事務所のデザイナー、恵美のピラティス仲間)
中村蒼(安藤明:恵美の同棲予定の恋人)
中山慎悟(佐々木タクヤ:蓮の後輩、胡蝶蘭宅配新人ドライバー)
吉岡睦雄(平田実:蓮の上司、宅配店の社長)
服部樹咲(藤井奈月:突然辞める配達員)
蘇鈺淳(チョウ・ユーウェン/張玉雯:初のデザイン事務所の社員、台湾出身)
【その他の出演者】
渋谷そらじ
須藤桂子
鹿野祥平
栗田明子
奥山裕太
菅野陶然
丸山亜依
澤口佳伸
真島宇一(公園整理の役所の人)
宮下柚音
宮本智美
田中アオイ
Sean
村上聡絵
山上賢治
高羽快(奈月の友だち)
安宅陽子(花屋の店員)
セキ・ア・ラ・モード
■映画の舞台
2025年、冬
東京:渋谷区近辺
栃木のどこか(別荘)
ロケ地:
茨城県:常睦大宮市
道の駅 常睦大宮~かわプラザ
https://maps.app.goo.gl/rst1F4NNKoebKEyd7?g_st=ic
東京都:渋谷区
HILLSIDE TERRACE
https://maps.app.goo.gl/oCbjoiawgaKd2rmAA?g_st=ic
MIYASHITA PARK
https://maps.app.goo.gl/gjkqhC26MXFZMkA86?g_st=ic
フリーマン・カフェ
https://maps.app.goo.gl/tH7QhrcoFyTWtZdY6?g_st=ic
ピラティスミラー成城学園前
https://maps.app.goo.gl/M4AGfCwXsEjTRMYW8?g_st=ic
■簡単なあらすじ
建築デザイナーの初とその妻・由美子は関係が悪化していて、ようやくの休みで家族旅行に来たのに仕事の話でぶち壊されてしまった
初は今回のコンペが通れば家族を楽にできると思っていたが、由美子は家族と一緒に過ごす時間を大切にしてほしいと考えていた
そんな思いは交わることもなく、初は仕事を優先して、家族の元を去ることになってしまった
それから十数年後、初の息子・蓮は胡蝶蘭を配達する仕事に就き、姉の恵美は付き合っている彼氏を結婚を前提に同棲することになっていた
蓮は仕事場の上司に目をつけられていたが、態度を改めるつもりはなく、パワハラまがいの言動はエスカレートしていく
そんな折、蓮は父のオフィスへの配達伝票を見つけて、数年ぶりに父と再会することになった
蓮は恵美に「父が日本に帰ってきている」と知らせるものの、彼女は父親に興味を示さず、家族を捨てたことを恨んでいた
ある日のこと、胡蝶蘭の配達に父のオフィスを訪れた蓮は、そこで父親に暴言を吐いてしまう
それはクレームとなって店に届き、蓮はその理由だけで解雇されてしまう
悪びれない蓮に対して上司は食ってかかるものの、その様子は他の従業員にも影響を与え、同時に辞める人もいた
その後、蓮は公園などで寝泊まりをしながら時を過ごしていたが、その公演も再開発のために閉鎖され、そこに建つ物件の仕事を父は引き受けることになったのである
テーマ:悟り切っている世代
裏テーマ:本質を笑う
■ひとこと感想
奇妙なタイトルの意味を追いかけながら観るというタイプの物語で、幼少期のあるきっかけから崩壊した家族のその後を描いていました
仕事を選んだ父とその家族の亀裂というものが10年後にも続いていて、父親と距離感を保ち続ける子どもたちが描かれていきます
映画は、後半になって人間関係の妙がサプライズになっていましたね
さらに、後半では「え?」という演出があって、どう捉えたら良いのか悩む展開が続いていきます
家族のために懸命に生きていても、家族が望んでいるものとは乖離しているというのはよくある話で、それがどのような影響を及ぼしたか、という物語になっていました
母親がどうなったのかは明確には描かれませんが、子どもたちはある意味では受け入れていたのですが、子どもながらに何かできたのでは?と感じていました
それを当時の自分に言っても響くわけもなく、振り返ったからこそ見えるたらればのようにも思えます
パンフレットはありませんが、オフィシャルブックというものがあって、そこには撮影に使われたシナリオというものが載っていました
聞き取りづらかったセリフの答え合わせができますし、インタビューもたくさんあるので、映画に興味を持てた人は買って見ても良いと思います
それにしても、車ちゃんと彼の元に帰ったのかなあ
それだけが心配になってしまいましたねえ
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
映画は、起こったことに対する姉と弟の捉え方の違いというものがメインになっていて、それぞれが自分に何かできたかもという後悔を持ちながら、父親を許せないという感情を持ち続けていたのだと思います
父親が最低な人間かどうかは何とも言えない部分がありますが、金を稼いでくれば幸せになれると思っていた父と、大切な時期を一緒に過ごしてほしいという母親の気持ちはずっと平行線のままになっていました
映画では、冒頭のPAのシーンにて、母親だけが取り残されてしまうという何気ないシーンがあり、そのワンカットだけで夫婦の関係性がわかるようになっていました
許せない感情を抱えたままの蓮と、考える時間は無駄と思っている恵美がいて、突き放すことで自身の正当性を保ちつつも、平穏ではなかった過去に縛られていて、得られなかったものを求めてしまう部分がありました
映画のタイトルは見はらし世代というもので、これが何を意味しているのかは解釈が分かれるのかもしれません
個人的には、ある種の達観によって自我を保つ世代というふうに捉えましたが、見はらしが良いことで全てが見えるわけでもないということも描かれていきます
劇中で初の家族の中に恵美を見つけたマキは、その時点で「1人で生きていくこと」を決めるのですが、それは蓮が抱えている感情を理解できたからのように思います
蓮の中で区切りをつけるためには、父親が自分よりも最低の人間であるということを見つけるしかないのですが、ラストシーンの情けない父を見ていると、なんでこんな男のために無駄な時間を過ごしたんだろうと思ってしまったのでしょうね
姉がどの時点でそこまで達観に至ったのかはわかりませんが、女性として最も嫌悪すべき対象だったということはわかります
子どもながらに父親と海に行ったことで母親を失うことになったのですが、その時の選択に対する後悔というものは、少なからず人生に影響を与えていたのでしょう
このあたりは若干自伝的な側面があるのかな、と思っていて、蓮=監督なんだろうなあと思わせる部分が多かったのでしょう
自分の中に残っていた感情を整理する作品でもあると思いますが、それにしても人間関係のミステリーとか、感情表現においてセリフに頼らないというのは良いなあと思いました
■見はらしの良さに隠れるもの
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■分岐点に戻っても何も起こらない
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/103775/review/05733972/
公式HP:
 
                                    






