■教皇選挙
Contents
■オススメ度
コンクラーベに興味がある人(★★★)
「多様性」について考えたい人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2025.3.26(TOHOシネマズ二条)
■映画情報
原題:Conclave(教皇選挙)
情報:2024年、アメリカ&イギリス、120分、G
ジャンル:教皇選挙におけるカトリック教会のパワーバランスを描いたミステリー映画
監督:エドワード・ベルガー
脚本:ピーター・ストローハン
原作:ロバート・ハリス『Conclave(2016年)』
キャスト:
レイフ・ファインズ/Ralph Fiennes(トマス・ローレンス/Lawrence:ローマ教皇庁主席枢機卿、猊下)
ルシアン・ムサマティ/Lucian Msamati(ジョシュ・アディエミ/Adeyemi:アフリカ系の枢機卿、ナイジェリア教区)
スタンリー・トゥッチ/Stanley Tucci(アルド・ベリーニ/Bellini:リベラル派の最先鋒の枢機卿、バチカン教区のアメリカ人)
ジョン・リズゴー/John Lithgow(ジョセフ・トレンブレ/Tremblay:穏健保守派の枢機卿、カナダ・モントリオール教区)
セルジオ・カステリット/Sergio Valerio Da Castellitto(ゴッドフレード/テデスコ/Tedesco:保守派の伝統主義派、ベネツィア教区のイタリア人)
カルロス・ディコス/Carlos Diehz(ヴィンセント/ベニテズ/Benitez:秘密裏に任命されたメキシコ人枢機卿、カフール教区)
イザベラ・ロッセリーニ/Isabella Rossellini(シスター・アグネス/Sister Agnes:「マルタの家」の運営責任者、トランブレを告発)
Balkissa Souley Maiga(シスター・シャヌーミ/Sister Shanumi:性的被害を告発する修道女)
Bruno Novelli(亡くなった前教皇)
Jacek Koman(ヤヌシュ/ウォズアニック/Janusz Wozniak:トランブレの秘密を知る大司教、前教皇の第一発見者)
Thomas Loibl(マンドルフ/Mandorff:教皇典礼長、大司教)
Brían F. O’Byrne(レイ/オマリー/O’Malley:神父、枢機卿のリスト作成、ローレンスの助手)
Silva(ハース神父/Father Haas:ローレンスの身支度を手伝う)
Rony Kramer(メンドーサ/Mendoza:厳戒態勢に苦言を呈する枢機卿)
Joseph Mydell(ナキタンダ/Nakitanda:枢機卿)
Madhav Sharma(ランドルフィ/Landolfi:枢機卿)
Antonio Toma(ゲリーニ/Guerrini:ジュニア枢機卿の助祭)
Romuald Andrzej Klos(ロムアルド・ブロツカス/Brotzkus:枢機卿)
Willie Jonah(ローウェンシュタイン/Lowenstein:年配の枢機卿)
Vincenzo Failla(グットゥーゾ/Guttoso:テデスコ派の枢機卿)
Garrick Hagon(クラシンスキー/Krasinski:テデスコ派の大司教)
Merab Ninidze(サバディン/Sabbadin:ベリーニ派の枢機卿)
Loris Loddi(ヴィジャヌエヴァ/Villanueva:ベリーニ派の枢機卿)
Roberto Citran(ルクス・ロンバルディ/Lombardi:検閲官の役目を果たす枢機卿、投票結果読み上げ)
■映画の舞台
バチカン市国
システィーナ礼拝堂
https://maps.app.goo.gl/7WsZZ1RDhKJEsp2A9?g_st=ic
ロケ地:
イタリア:カンパーニャ
Royal Palace
https://maps.app.goo.gl/KNENbX2nyGRD9Gai6?g_st=ic
イラリア:ラザロ
Villa Medici
https://maps.app.goo.gl/irLE1zhJ9FJbipRg6?g_st=ic
サント・スピリト・イン・サッシア教会/Sant Spirito in Sassia
https://maps.app.goo.gl/r9ehyrWLFMLAVwJg9?g_st=ic
ローマ文明博物館/Museo della Civiltà Romana
https://maps.app.goo.gl/sJQYANvFrrDPE2te9?g_st=ic
■簡単なあらすじ
教皇が心臓発作で急死してしまった教会では、主席枢機卿のトマス・ローレンスが「コンクラーベ(教皇選挙)」を取り仕切ることになった
世界各地から108人の枢機卿がローマを訪れ、彼らは近くにあるマルタの家に寝泊まりし、礼拝堂にて投票を行うことになった
有力視されているのはリベラル派のベリーニ、穏健派のトレンブレ、保守派のテデスコたちで、次いで黒人初の教皇を狙うアディエミ、選挙を取り切る管理人のローレンスだった
初回の投票でも過半数を決定投票を取る候補はおらず、2回目、3回目と決まるまで投票は続いていく
そんな折、トレンブレが教皇が亡くなった日に会っていて、しかも「解任」を突きつけられていた、という疑惑が上がった
ローレンスはトレンブレに質すと、彼は真っ向から否定し、話の内容はプライベートなことだからと拒否の姿勢を貫いた
また、アディエミの元にナイジェリアからシスターが来たことによって一悶着が起こってしまう
ローレンスはシスター・アグネスを通じて事の真相を探ることになり、それぞれの抱える秘密に対する本人の見解を聞いて回ることになったのである
テーマ:教会と信仰
裏テーマ:多様性の真の意味
■ひとこと感想
アカデミー賞効果なのかは分かりませんが、かなりの席数が埋まっていて、実のところ合計2回観ましたが、どちらもほぼ満席状態になっていました
日本人受けするとは思えない内容だし、おそらく枢機卿の区別とか、パワーバランスなどを映画だけで追っていくのは難しいと思います
特に「役名(エンドクレジット)と劇中の呼び名が違うキャラが複数いる」ので、誰が誰かわからなくなってしまいます
映画では、ローレンスはトマス、猊下などと呼ばれ、彼の右腕的存在のレイは役名ではオマリー大司教ということになっています
また、第一発見者は劇中でヤヌシュと呼ばれているのですが、役名はウィズニアック大司教だったりします
ベリーニもアルド呼びだったりするので、このあたりを把握してから観ないと意味不明になってしまうように思いました
物語は、次の教皇を決めるだけなのですが、揃いも揃って「クズとワルしか出てこない状態」のように思えてしまいます
最有力になった途端にハシゴを外されるという展開になっているので、次の犠牲者が誰なのか分かりやすかったですね
とは言え、裏で自分が優位になるように動いたトレンブレと女性関係で問題を起こしたアディエミ以外は「自分のことしか考えてないけど悪人ではない」ように思えます
映画の本懐はラストになると思いますが、ネタバレはない方が良いでしょう
でも、かなり間違って解釈している人が多そうに思えますね
なので、最後のローレンスとある人物の会話というのはきちんと聞いておかないとダメなんじゃないかな、と思いました
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
映画は、多様性を重んじると言ったローレンスが、自分の思っている多様性の範囲の狭さに驚愕するという内容になっていました
ベリーニも多様性容認派でしたが、さらに上をいく多様性というものが描かれていて、それを知るのはごく一部の人だけということになっています
分かりやすくいうと両性具有ということになり、女性にしかない臓器が彼の中にあるために、遺伝子的には女性に分類される可能性もあるというものでした
教皇にはそれを打ち明けていて、彼は女性とみなされるものを取り除けば問題ないというスタンスでしたが、ベニテスはそれは間違っているんじゃないかと考え、手術を思い止まったと告白していました
ベニテスは紛争地域で布教活動をしていたために、安全に配慮して非公開だったという設定があり、そんな彼は「他の枢機卿たちの言葉遊びを一蹴する」ことになります
宗教戦争に勝つための教皇を選ばないとダメだとテデスコは主張しますが、ベニテスは「何と戦うのだ?」と問い詰めるのですね
そして、「内なる自分と戦う必要がある」と結び、この演説が投票者の選択に影響を与えることになりました
劇中でも、ローレンスは「神に仕えているのであり、教会に仕えているのではない」と言いますが、その言葉にリアリティと説得力を持たせるだけの力がベニテスにはあった、ということになります
それでも、テデスコの言う「こちらが受け入れても、向こうは排除する」と言う言い分ももっともだと思うので、宗教紛争というものは未来永劫続いてしまうのかな、と思ってしまいます
■色抜き文字の謎
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■真の多様性とは何か
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/101546/review/04898585/
公式HP: