■カーテンコールの灯
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■オススメ度
舞台劇映画が好きな人(★★★)
喪失と向き合う映画に興味がある人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2025.7.3(アップリンク京都)
■映画情報
原題:Ghostlight(誰もいない劇場を照らす照明)
情報:2024年、アメリカ、115分、PG12
ジャンル:問題を抱える偏屈な父親が地元の劇団に入る様子を描いたヒューマンドラマ
監督:ケリー・オサリバン&アレックス・トンプソン
脚本:ケリー・オサリバン
キャスト:
キース・カプフェラー/Keith Kupferer(ダン・ミューラー/Dan:ロミオ役に抜擢される建設作業員)
キャサリン・マレン・カプフェラー/Katherine Mallen Kupferer(デイジー・ミューラー/Daisy:ダンの娘、15歳の反抗期)
タラ・マレン/Tara Mallen(シャロン・ミューラー/Sharon:ダンの妻、学校教師)
ドリー・デ・レオン/Dolly De Leon(リタ/Rita:コミュニシティ劇団「ループメカニカルズ」の主宰、女優)
ハンナ・ドワーキン/Hanna Dworkin(ラノラ/Lanora:演出家)
デクスター・ゾリコファー/Dexter Zollicoffer(グレッグ/Greg:劇団員)
H・B・ウォード/H.B. Ward(ジョナ/Jonah:劇団員)
トミー・リベラ=ベガ/Tommy Rivera-Vega(ルシアン/Lucian:劇団員)
アルマ・ワシントン/Alma Washington(モイラ/Moira:劇団員、リーダー)
チャーリー・ルーベック/Charlie Lubeck(タイラー/Tyler:劇団員)
サム・ゴードン/Sam Gordon(アーロン/Aaron:劇団を辞めた男)
マシュー・C・イー/Matthew C. Yee(マイキー/Mikey:ダンの同僚)
マレーネ・スローター/Marlene Slaughter(チャーリー/Charlie:マイキーの恋人)
ブラッドリー・グラント・スミス/Bradley Grant Smith(ジム/Jim:ダンたちの弁護士)
リア・クビレテ/Lia Cubilete(クリスティーン・ホーソン/Christine:ダンの息子ブライアンの元恋人)
ジャシ・ウィリアムソン/Jaci Williamson(ホーソン夫人/Mrs. Hawthorne:クリスティーンの母)
サンティーノ・クレイブン/Santino Craven(ホーソン氏/Mr. Hawthorne:クリスティーンの父)
シンディ・ゴールド/Cindy Gold(デイジーのセラピスト)
フランシス・ギナン/Francis Guinan(フラン/Fran:学校の用務員)
チャーリン・アルバレス/Charin Alvarez(マリア・サントス/Santos:校長)
サラブ・カムー/Sarab Kamoo(ジョーン・スペンサー/Joan Spencer:ホーソン家の代理人)
アンソニー・リー・アイアンズ/Anthony Irons(パトリック/Patrick:ダンの上司)
ディアナ・ダナガン/Deanna Dunagan(ディアナ・デュナガン/Deanna Dunagan:トニー賞受賞者、観客)
アヴァ・ドティ/Ava Doty(セラピーの待合室の少女)
ディミトリー・クバラボフ/Dimitry Khvalabov(怒る運転手)
ロブ・トールケ/Rob Luedtke(若い男)
クレア・ダファダ/Claire Daffada(DJ)
Campbell Krausen(その他の声)
Bernadette Santos Schwegel(その他の声)
David Bianco(家族の友人)
Sandy Gulliver(観客)
■映画の舞台
アメリカ:イリノイ州
ウォーキガン/Waukegan
https://maps.app.goo.gl/ps6cGyT8oVmR25re7?g_st=ic
ロケ地:
上に同じ
■簡単なあらすじ
イリノイ州ウォーキガンに住むダンは、ある事件後から人が変わったようになり、それが原因で、妻シャロン、娘デイジーと険悪な仲になっていた
気性の激しいダンは、建設現場の作業員として働いているが、時折通行人や道行くドライバーたちと衝突することがあった
同僚のマイキーは心配するものの、ダンの性格はそうそう変わるものではなかった
ある日のこと、ダンの悪態を見兼ねた地元民のリタは、彼を空きテナントの奥に連れて行った
そこでは寸劇の練習をする大人たちがいて、リタは元女優として、社会不適合者たちを集めてコミュニティを作っていた
当初は意味がないと感じていたダンだったが、「別の誰かになろうとしている」というリタの言葉を受けて、劇団に参加することになった
ダンたちが抱えていたのは、自宅の庭で起きた事件で、その件にて対立するホーソン一家と裁判沙汰になっていた
ダンは主張を曲げず、弁護士のジムは裁判に向けてのレクチャーをしていく
だが、ある日の通行人とのトラブルがネットで拡散されてしまい、休職処分となってしまった
デイジーも事件絡みの余波でクリスティーンという女の子と問題を起こしていた
釈明の機会もぶち壊し、セラピーを受けることで退学を免れる事になった
そんな折、デイジーとシャロンは、ダンが見知らぬ女性と一緒にいて、路上で抱擁しているのを目撃してしまうのである
テーマ:自分を取り戻すための迂回路
裏テーマ:ゴーストライトは永遠に灯っている
■ひとこと感想
中年がロミオ役を演じるという映画内舞台劇となっていて、家族に内緒で地元のコミュニティに入ったことで家庭内不和が深刻になる、という内容になっていました
ダン一家三人が実の家族という驚くようなメタ要素があって、映画の中とは言え、両親がイチャイチャしているのは生きた心地がしなかったかもしれません
劇団はダンを含めて8人で、演出家と俳優が7人という構成になっていました
そこにデイジーが加わることになるという物語で、何者かを演じることによって、今の境遇から距離を置いて冷静になるという効果があったと思います
映画は、「ロミオとジュリエット」がかなり絡んでくる内容ですが、下調べをするほどのことでもないと思います
映画内でも必要な部分は説明されていますし、後半の本番にて前口上をするデイリーのセリフをちゃんと聞いておけばOKだと思います
映画では、ダンたちに起きたことが「ネタバレ」という感じになっていて、何が起きたのかがわかるのは中盤を過ぎてからになります
彼らが抱えている苦悩というものが全開になるのですが、このシーンは震えが来る演出となっています
さらに、そのシーンがきっかけでややこしくなっていくという脚本の妙があるので、うまく構成された物語だったなあと感心してしまいました
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
映画では「呪いあう両家」というロミジュリの設定が彼らの日常と重なる部分があり、さらに思い合う二人が命を絶つというショッキングな出来事もリンクしていました
ダンの息子ブライアンは劇中に登場しませんが、まるでどこかにいるかのように思えてしまいます
彼の恋人クリスティーンとデイジーが揉め事を起こしたようで、その真相が明るみになるシーンは、ダンとリタの出会いが紡いだ結晶のように思います
物語は、家族の喪失と向き合うもので、自殺を図ったブライアンとクリスティーンの行動起点になったのがダンの決断だった、というふうに結ばれています
対話が足りなかったと言えばそれまでですが、親としてはやむを得ない判断だったのかな、と思います
まさか、自宅の庭にあったトランポリンで服毒自殺をするというのは夢にも思わないもので、彼らがどのように悲しみと向き合うか、というところが本作の骨子となっていました
その集大成としてのロミジュリがあり、愛する人を失って自殺をするロミオをダンが演じることができるのか、というのが焦点となっていきます
それを見守るデイジーとシャロンの眼差しが暖かくて、それがとても印象的だったと思います
映画のタイトルは「Ghostlight」なのですが、これは無人の劇場の舞台の天井でずっと灯り続けるライトのことなのですが、そのまま「ゴーストライトの灯火」とかではダメだったのかな、と思ってしまいました
ゴーストライトの意味としては、劇場の安全対策として、また劇場に宿るとされる亡霊を追い払うための言い伝えなどがあります
ブライアンが通ったであろう学校の体育館が舞台となり、生徒や家族たちが彼らを見守るのですが、演技レベルに関しては「街の素人集団の寸劇」には全く見えませんでした
普通にあの劇を見たいと思わせるクオリティで、ノイズをうまく処理する構成になっていたように思いました
■Ghostlightに込められた想い
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■英雄ではなく守護神となれ
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/103817/review/05281975/
公式HP:
https://amg-e.co.jp/item/curtaincall/