■木の上の軍隊
Contents
■オススメ度
リアルな戦争の記憶について知りたい人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2025.7.29(アップリンク京都)
■映画情報
情報:2025年、日本、128分、G
ジャンル:太平洋戦争終戦を知らずに木の上で過ごした軍人を描いた戦争映画
監督&脚本:平一紘
原作:井上ひさし『木の上の軍隊』
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キャスト:
堤真一(山下一雄:伊江島に取り残された少尉、モデルは佐次田秀順)
山田裕貴(安慶名セイジュン:沖縄から来た新兵、モデルは山口静雄)
津波竜斗(与那嶺幸一:セイジュンの幼馴染)
玉城凛(与那嶺サヨ:幸一の妹)
大湾文子(与那嶺トメ:サヨの母)
玉代勢圭司(長田:本島から徴兵された軍人)
尚玄(松尾:日本軍の中尉)
岸本尚泰(池田:日本軍の中尉)
城間やよい(安慶名やよい:セイジュンの母)
川田広樹(農道の農民の男)
眞栄城美鈴(農道の少女)
山西惇(宮城:元捕虜の地元民)
花城清長(高雄:ボコられる地元民兵)
蓬菜つくし(良子:高雄の姪、訓練を受ける地元民兵)
新垣李珠(恵美子:良子の妹、訓練を受ける地元民兵)
吉田大駕(山下秀夫:一雄の息子)
小橋川建(山下の部下)
山内和将(山下の部下)
小橋川飛鳥(山下の部下)
知花輝(山下の部下)
宮里侑和(山下の部下)
座喜味美咲(海にいる若い女)
俵間咲彩(海にいる若い女)
島袋らな(海にいる若い女)
あまなつなな実(海にいる若い女)
渡久地雅斗(気が狂う負傷兵)
西平寿久(塹壕の兵士)
國吉眞勇(海で位牌を洗う老人)
神崎英敏(作業を休む老人)
松下洸平(ナレーション)
■映画の舞台
1945年、
沖縄県:伊江島
https://maps.app.goo.gl/6643vWkQ1V2NHjae7?g_st=ic
ロケ地:
沖縄県:国頭群伊江島
ミースィ公園
https://maps.app.goo.gl/dMZFXavNF7aPfvC48?g_st=ic
青少年旅行村
https://maps.app.goo.gl/bp1SgXZxBbD1fbeg6?g_st=ic
イシャラ浜
https://maps.app.goo.gl/VVjLfMbgbLWWmyUC8?g_st=ic
城山(タッチュー)
https://maps.app.goo.gl/BdNikAqsh4ey5Z5m9?g_st=ic
沖縄県:島尻群八重瀬村
ぐしちゃん浜
https://maps.app.goo.gl/kFybVFLwgZDhrM3F9?g_st=ic
沖縄県:国頭郡今帰仁村
与那嶺ビーチ
https://maps.app.goo.gl/zWTvK9wahEjr4EgY7?g_st=ic
沖縄県:国頭郡本部町
海洋博公園
https://maps.app.goo.gl/UfFEfZZ6YZW13yoT9?g_st=ic
■簡単なあらすじ
1945年、沖縄の伊江島では、本土決戦を控える中で、最前線の基地として土木作業などが行われていた
地元民の安慶名と与那嶺はふざけ合いながら作業に取り掛かっていた
時には海に出て、洗濯している女などを覗いたりと、戦争から離れた場所で気が緩んでいた
ある日のこと、空路作業にあたっていた彼らの元に爆撃機の爆弾が着弾した
塹壕に地元民などを逃がすものの、キャパを超えていた
そこに与那嶺の母と妹がやってきて、安慶名は自らが外に出て、彼女たちを中に入れようとした
だが、そこに爆弾が投下され、彼女たちは全員死んでしまう
その後、森を彷徨っていた安慶名は与那嶺に再会し、妹たちを救えなかったと頭を下げた
呆然とする与那嶺だったが、敵軍が来たために安慶名は上官の山下に連れられてその場を離れることになった
ふたりはガジュマルの木の上に隠れてやり過ごし、そこを生活拠点として反撃のための英気を養うことになったのである
テーマ:現実逃避
裏テーマ:終わりを告げるもの
■ひとこと感想
沖縄の伊江島にて実際にあった実話をベースに作られた物語で、実在の人物はいるものの、ストーリーはフィクションに近い構成になっているように思いました
冒頭に島民が出てきますが、二人になってからはほぼ彼ら以外出てこず、会話劇がメインとなっていました
その掛け合いと、精神的におかしくなっていく様を眺める映画となっていました
ある日を境に別行動することになり、そこでアクシデントが起こったりするのですが、それらも伏線となっていました
映画は、事前に知識が不要な作品で、太平洋戦争の沖縄戦があったことさえ知っていれば問題ないと思います
今年は戦後80年の節目の年になり、戦争映画も多く上映され、名作のリバイバル上映などもあったりします
8月15日は日本国民にとっては重要な日ではありますが、戦争を知らない世代、他国の戦争をモニター越しに眺める世代にこそ「こういったことがあったんだ」ということを知ってほしいと思います
派手な戦闘シーンはありませんが、戦争とはこれぐらい泥臭いもので、戦闘で死ぬことよりももっと生きることの大変さというものが身に染みますね
そして、彼らが「死」を考えるようにきっかけであるとか、戦争が終わったことを知らされるタイミングや方法などに身を委ねていけば良いのかな、と感じました
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
1時間半ぐらい二人の会話劇になっていて、このような構成の映画が好きな人でないと厳しい印象がありました
前日が激務だったので睡眠をあまり取れなかったのですが、何度か与那嶺につれていかれそうになってしまいました
兵士としての任務を全うしたい山下と、それよりも仲間や家族を守りたい安慶名との温度差がありますが、死生観の違いが表面化するに従って、ふたりの立場が逆転するように思えてしまいます
とある時点から「終わっているんだろうな」と感じていた山下は、生きて帰ることの怖さから逃げていました
そんな彼が心を変えるのは安慶名に自分の息子を重ねるシーンで、さらに安慶名の本音を日記から知ることが決定機となっていました
死の淵に際して見えてしまうものがそれぞれ違うのですが、それはふたりの守りたかったものが違ったからのように思えました
戦争映画としては地味な作品ですが、戦争って本来は地味なものなのだと思います
映画やゲームで知る戦争には真実はなく、表面をなぞっているとすら言えません
実際には、その現場に放り込まれない限りは想像の域を超えていかないでしょう
あの場所にいたらどうしたかを考えるのは大事だと思いますが、想像や妄想の中で枝葉を考えても意味はないのでしょう
必要なのは「骨格を考えること」であり、自分自身の立場や役割を自覚し、大枠に囚われずに自分にできることをやり切ることだと思います
■国家と個人
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■知ることと理解すること
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/103062/review/05383426/
公式HP:
https://happinet-phantom.com/kinouenoguntai/