■朽ちないということは「造花」という意味合いも含まれているのかもしれません


■オススメ度

 

ミステリー映画が好きな人(★★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日:2024.6.21(イオンシネマ京都桂川)


■映画情報

 

情報:2024年、日本、119分、G

ジャンル:親友の死の真相を追う警察行政職員を描くミステリー映画

 

監督:原廣利

脚本:我人和人&山田能龍

原作:柚月裕子『朽ちないサクラ(徳間文庫)』

Amazon Link(原作文庫)→ https://amzn.to/3VtN5rU

 

キャスト:

杉咲花(森口泉:愛知県警広聴課の職員)

 

豊原功補(梶山浩介:愛知県警、捜査一課の課長)

安田顕(富樫隆幸:泉の上司、広聴課課長)

 

萩原利久(磯川俊一:泉の警察学校の同期)

 

森田想(津村千佳:事件に巻き込まれる泉の親友、報道記者)

駿河太郎(兵藤洋:千佳の上司、報道デスク)

 

坂東巳之助(辺見学:磯川の先輩、不可解な退職をする)

 

遠藤雄弥(浅羽弘毅:宗教団体ヘルネスの信者)

篠原悠伸(宮部秀人:ストーカー殺人の犯人、神社の息子)

 

和田聰宏(臼澤:公安の刑事、冨樫の同期)

 

藤田朋子(津村雅子:千佳の母)

 

尾身としのり(愛知県警の署長)

山野海(高田彰子:広聴課の先輩職員)

中村祐美子(百瀬みさき:辺見の同僚)

 

新谷ゆづみ(長岡愛梨:ストーカー殺人の被害者)

諏訪太朗(みさきの父)

 

世志男(マスコミ応対する警察幹部?)

 

阿部遼哉(捜査一課の刑事?)

吉田宗洋(広聴課の職員)

世良佑樹(竹田勝:広聴課の職員)

 

MASAYA(ヘレネスの信者?)

比佐仁(ヘレネスの信者)

 

八十田勇一(?)

結城洋平(?)

伊藤悌智(?)

山科圭太(?)

 


■映画の舞台

 

愛知県:岡崎市&名古屋市

 

ロケ地:

愛知県:岡崎市

岡崎天満宮

https://maps.app.goo.gl/waeJfvk7aGFvXmG8A?g_st=ic

 

八柱神社

https://maps.app.goo.gl/AcUvhFDikASFoZsRA?g_st=ic

 

キッチンフクタ

https://maps.app.goo.gl/TEeb8nUgDUaVDNrV7?g_st=ic

 

和食どころ 味波

https://maps.app.goo.gl/CL9ukuYNXqzTPUKh6?g_st=ic

 

愛知県:蒲郡市

レストラン三海

https://maps.app.goo.gl/DygZ3wV5nxLLy9Px7?g_st=ic

 

玉川 蒲郡店

https://maps.app.goo.gl/oSvXd7tNTw7Z2LTS6?g_st=ic

 


■簡単なあらすじ

 

愛知県警広聴部では、度重なる管内の不祥事にて、市民からの問い合わせが殺到していた

その部署で働く森口泉は、一連の騒動のネタ元に心当たりがあり、気が気でない日々を過ごしていた

新聞は、事件の初動が遅れたのが慰安旅行に行っていたからだと報じ、それがどこから漏れたのかの犯人探しが行われていた

 

泉は、警察学校時代の同期・磯川からお土産をもらったことを、親友の津村千佳に漏らしていて、それがネタ元ではないかと考えていた

だが、千佳は「約束は守る。私ではないことを証明したら謝って」と怒りをあらわにした

 

それから数日後、千佳は変わり果てた姿となって発見され、それは犯人を逮捕して終わったはずの事件と、同じような殺され方をしていた

泉は重要参考人として、上司の冨樫、捜査一課の梶山から話を聞かれることになった

そして、泉もまた、千佳と同じように、この一連の事件を調べることになったのである

 

テーマ:自分の中にある正義

裏テーマ:公安とは何か

 


■ひとこと感想

 

警察の闇を「警察の一般職員の視点」で描くというのが面白そうで、どんな物語になるのかを期待していました

親友が殺されてしまい、その原因が自分にあると考えていて、その真相を確かめようと動くことになります

一般職員なので捜査権はなく、生活安全課の磯川と協力しながら調べていくのですが、上司の冨樫が元公安であるとか、捜査一課の梶山が彼女を気に入って動かしていくという流れになっていました

 

この構図だけで全体像が見える人もいると思いますが、一般職員の視点になっているので、どちらかと言えば「素人目線」になっているので、説明があってもおかしくはない感じになっています

知り得た情報は一般では手に入りませんが、あとは行動力でカバーしていくことになっていて、少ない情報をどのように結びつけるか、というのが物語の肝になっていました

 

一緒に推理する系の映画ではありませんが、警察内の公安のイメージをそのまま利用して印象付けているところは悪どい感じがします

色んな用語が出てくるので楽しめますが、一番良かったのは「タイトル」かなあと思いました

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


ネタバレ感想

 

奇妙な事件が起きて、それに親友が巻き込まれたらどうする系の話で、泉が刑事の資質を開花させる物語になっていました

とは言え、彼女の推理はほぼ妄想に近く、彼女の中で整理がついた、という感じになっています

 

結局のところ、どこまでが真実かは問題ではなく、刑事になる為の推理力(妄想力)試験のような意味合いがあったのかもしれません

映画ではそこまで描かれていませんが、全てを知っている公安(冨樫)が、彼女をのちの「S」として捜査課に入れるための試験だった、という感じの方が、もっと「うお!」となったようにも思います

 

映画は、わかりやすいミステリーで、妄想ではありますが、一応の真実らしきものは登場します

宗教団体が絡んでいる内容なのですが、宗教団体側の「S」が警察内にいないのも不思議な感じでしたね

実際にあんな危ないカルトがあったら、「S」を潜り込ませて効果的な「瞬間」を狙うのではないか、と感じました

 


一般職員から見る事件の面白さ

 

本作の特徴的なところは、警察の一般職員の目線で事件を見ていくというもので、一般人にはないけど使える手があるという微妙な立ち位置から、通常よりは事件の核心に迫れる部分だと思います

被害者の親友という立場を利用して、彼女だけしか知り得ない情報を得る

刑事の梶山はそれを引き出そうと考えていました

上司の冨樫も行き過ぎない程度に印象操作を行なって、自分の利がある方向に誘導して行くのは上手い方法だと思います

これが完全に一般人だと捜査情報を知り得ることは不可能で、かと言って刑事目線だと新鮮味がなくなります

 

ある意味、泉の刑事適性試験のような感じになっていて、今回試されたのは「事実からどこまで事件の因果関係を想像できるのか」というものでしょう

後半に彼女が語ることは、ある程度は的を射ているような気がしますが、捜査レベルで考えればほぼ妄想に等しいと言えるでしょう

でも、これは冨樫と梶山の印象操作の結果でもあり、彼らが導きたかったものにどこまで近づけたのか、というところを測っていたのかもしれません

 

一般人が事件に首を突っ込むと碌なことにはならないのですが、逆にファンタジー感が強まってしまうのですね

探偵にしても、警察内部にいないと得られない情報というものがあって、それは犯人だけが知り得る真実と同等の価値があるように思います

警察はこれまでの事件を模範として、凝り固まった見方で証拠物や情報を見ていくことになりますが、そう言った固定概念のない警察内部の視点というのは斬新なように思います

刑事もので一般職の警察官がポロッと漏らした一言が解決に繋がるみたいな部分があって、本作も視点レベルではそれに近いのではないでしょうか

 


勝手にスクリプトドクター

 

本作は、言ってしまえば「それ、あなたの想像ですよね」で終わる物語で、ミステリー作品で「それで終わらせて良いのか」という部分はあります

泉の解に対する冨樫や梶山の反応が必要で、一番ショッキングなパターンだと「真相を知ったので殺される」というものでしょう

ある意味、公安に喧嘩を売ってる部分があるので、そう言った思想を持った人間が刑事として動いていくというのは組織の懸念材料でもあるように思います

 

進路にまで公安が絡んできて、彼女の動向を左右するとは思えませんが、梶山としても欲しい人材で、冨樫としては手元で飼い慣らしたいという欲求があるように思います

危険物は取り扱いが注意という感じで、彼女に対する冨樫と梶山の今後の反応ぐらいまでは描いても良かったのかな、と感じました

公安が機密保持のために妄想を語った一般職員を殺すとは思えませんが、あそこまで踏み込んでくると脅威に感じても不思議ではありません

でも、反応することが相手の確信に繋がることもあるので、あえてスルーしたという見方もなくはありません

 

映画だと、泉はかなり危険な状態のまま終わっている、という感じなので、ここは磯川あたりと防御壁にする狡猾さも踏まえて、別室で会話を録音しているとかがあっても良かったかもしれません

それすらもお見通しというのがデフォですが、磯川は実はスケープゴートで、全ての会話を「スマホの通話モードで梶山に聞かせる」というのもアリだと思います

あのまま終わってしまうと、帰り道に信者のふりをした冨樫の手下が襲ってきてもおかしくないので、そう言った保身を含めた担保における才能というのを見せたら、さらに「おお〜」という展開になったのかな、と感じました

 


120分で人生を少しだけ良くするヒント

 

本作は、イメージされる宗教団体があったり、公安に対する創作などが作ってきたものがベースになっていました

公安に対する簡単な用語を説明する映画になっていましたが、素人でもわかる感じに丁寧に作られていましたね

宗教団体は若干記号的な部分はありましたが、エンタメ的にわかりやすい危険な団体となると、このような表現が現時点ではベターなのかな、と感じました

 

公安とは、映画内で示される通り、「テロやスパイを監視し未然に防ぐ」という役割を担う、警視庁の内部組織となっています

公安と呼ばれるものには3種類あって、警察組織を管理する「公安委員会」、行政機関のひとつである「公安調査庁」、そして本作に登場するのが「警察組織の一部門である公安警察」になります

通常、警察と呼ばれるのは「刑事警察」「交通警察」「地域警察」というものは、私たちの身の回りにいる警察官のことを指し示す場合が多いでしょう

彼らは事件の捜査、交通対応、地域管轄というものを担っています

彼らも事件を未然に防ぐという意味合いで、張り込みをしたり、捜査を行なっています

 

これらに対する「公安警察」とは、国益損害に繋がる行為に対する調査や取り締まりを取り扱う部署なのですね

テロ、政治犯罪、学生運動、対日工作などがメインで、日本全体の治安や国家体制に影響を及ぼす可能性の事案を取り扱うことになります

その為、情報厳守のレベルがとてつもなく高く、秘密主義で他部門との情報共有を行わないとされています

また、彼らに対する命令は「警察庁警備局の中央指揮命令センターから直接出される」という特徴があります

それゆえに、各都道府県の県警のトップですら、彼らが今何を調査しているのかということも正確には知らないと言われています

 

映画は、その完全なる縦割りであることを強調し、「協力者」の存在をサクラと呼んでいました

タイトルが「朽ちないサクラ」ということで、それは年中咲いているサクラであるとも言えます

このサクラは誰なのかと言えば、わかりやすく冨樫のことを指していて、彼は公聴部に所属しながら、現役の公安警察のサクラである、というふうに泉は論理を展開させていました

その真相はわかりませんが、誰もが納得できるレベルでの整合性を示していたということで、それが泉の説得力はあるけど確証のない想像というふうに描かれていました

映画は、シナリオが掲載された書籍も販売されているので、細かいところがわからなかった人は一読してみるのも良いかもしれません

Amazon  Link(シナリオブック Kindle版) → https://amzn.to/3XWOPgd

※書籍版も出ていますので、同じページの右側あたりから「単行本版」を選ぶことで購入することができますよ

 


■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://eiga.com/movie/101194/review/03953394/

 

公式HP:

https://culture-pub.jp/kuchinaisakura_movie/

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投稿者 Hiroshi_Takata

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