■夏の終わりのクラシック
Contents
■オススメ度
喪失の回復の物語に興味のある人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2025.10.6(アップリンク京都)
■映画情報
原題:여름이 끝날 무렵의 라트라비아타(夏の終わりのラ・トラヴィアータ)、La Traviata at the End of Summer(夏の終わりのラ・トラヴィアータ)
情報:2024年、韓国、115分、G
ジャンル:故郷にて出会う中年の男女を描いた恋愛映画
監督:ユン・ソクホ
脚本:ユン・ソクホ&シン・ミンジェ
原作:伊吹有喜『風待ちのひと』
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キャスト:
キム・ジヨン/김지영(キム・ヨンヒ/영희:海辺のレストランを手伝う女性、45歳)
ぺ・スビン/배수빈(ハ・ジュヌ/준우:母の実家の整理に訪れた男性、45歳)
チョン・ヨンソク/정영숙(スンジャ/순자:ミド食堂の店主、ヨンヒの伯母)
演者なし(ヒョンス:ヨンヒの息子)
演者なし(ヨンヒの夫)
ユン・ジミン/윤지민(リナ/리나:ジュヌの妻)
演者なし(ハ・イェウン:ジュヌの娘)
ユン・サンジョン/윤상정(ダミ/다미:ヨンヒの姪っ子、自称島のマスコット)
ぺ・ミンジュン/배민준(ユン・ドンギュ/동규:ヨンヒの甥っ子、高校生)
キム・ゴンホ/김건호(野菜を届ける村人)
ヤン・スンハン/양승한(散髪してもらう釣り人)
ユ・ミスク/유미숙(ユ教授:ジョヌの母、オペラ歌手)
パク・ヒョンスク/박현숙(ミョンヒ/명희:ユ教授の教え子)
キム・ユナ/김윤아(ユ教授の教え子)
キム・ジナ/김진아(ユ教授の教え子)
イ・イェスル/이예슬(ユ教授の教え子)
チャンミ/장미(ユ教授の教え子)
キム・テヨン/김태연(ユ教授の教え子)
パク・ダヒ/박다희(ユ教授の教え子)
パク・ミンスク/박민숙(ユ教授の教え子)
チェ・ヨンソン/채영순(ユ教授の教え子)
カン・ジョンア/강정아(ソプラノ歌手の教え子)
イ・スンウン/이승은(ソプラノ歌手の教え子)
■映画の舞台
韓国:済州島
ミト村
ロケ地:
韓国:済州島
ミト村
■簡単なあらすじ
都会暮らしのヨンヒは、いつも夏の終わりになると故郷を訪れ、伯母スンジャの食堂を手伝っていた
スンジャは「ゆっくりしていったら良い」というものの、ヨンヒは漁師たちの髪を切りながら、穏やかなひと時を過ごしてきた
だが、今年は様相が違い、村に向かう途中で見知らぬ男性と出会った
彼に車で村まで送ってもらったヨンヒだったが、無口な彼とはコミュニケーションもろくに取れなかった
ある日のこと、ヨンヒは海で溺れている無口な男を見つけ、助け出して彼の家へと送り届けた
彼は亡くなった母親の実家の整理に訪れていて、母親は音楽大学の教授をしていた人物だった
そこでヨンヒは、かねてから学びたかったクラシックのことを男に教えて欲しいと懇願する
そして、実家の整理を手伝う代わりに、知りたかったことを教えてもらうことになった
男はジュヌと名乗り、その日から彼の母の家の庭の手入れをすることになった
そんな折、ジュヌの母の教え子たちが彼のところに来ることになった
慌てて庭にテーブルを用意し、教え子たちを迎え入れる
そこで彼女たちは、オペラの「ラ・トラヴィアータ(椿姫)」を披露することになった
そして、お目当ての楽曲は「ジョシュア・グリーンが録音したバッハの『Adage』」であることがわかり、その楽曲には誰かのハミングが録音されていたのである
テーマ:喪失を埋める日常
裏テーマ:人生は四季
■ひとこと感想
済生島を舞台にして、夏の終わりに帰ってきてしまう中年の女性を描いていた作品で、今年の夏だけは、そこに見知らぬ同級生がやってくるというものになっていました
訳ありの男と関わることになり、さらに彼が「自分が求めていた情報を知る人」という偶然がありました
狭い島で育った顔見知りのはずも、どちらも島には定住しておらず、その理由が徐々に明かされていくことになります
映画では、海を眺めながら音楽を聴くシーンがあって、ジョシュア・グリーンの「Adage(作曲はバッハ)」がメインテーマとなっていました
この録音に関する情報を色々とググってみましたが、有力な情報はなかったですね
指揮者、声楽指導者として活躍する「Joshua Greene」という人物は見つかりましたが、もしかしたら架空の音楽家なのかもしれません
パンフレットがなかったのが残念ですが、ハングルでググると何かしらの情報が得られるのかもしれません
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
映画内では、中国の五行思想である「青い春」「赤い夏」「黄色い秋」「白い冬」というものがありました
「青春」「朱夏」「白秋」「玄冬」のことだと思いますが、ヨンヒの「ある人」はその概念を自分の解釈に落とし込んでいたのだと思います
人生を四季に準えるというものですが、「玄冬(黒冬)」に関しては、生命の入れ替わりの時期として、生まれた赤ん坊の時期も示すと言われています
2人は45歳で、映画内だと「黄色い秋」に差し掛かっているのですが、「ハミングの意味がわかって、ようやく赤い夏が終わった」と感じていました
2人は新しい人生を歩むことになりますが、この先にソウルで交わるのかは何とも言えない感じになっています
ジュヌとしては、ようやく人生を一緒に歩みたいという女性が現れたというところですが、彼女はまだその段階にはありません
ソウルに戻った時に、日常の中でどのような変化が起こるかはわかりませんが、余韻としてはとても良いものを残していたように思えました
映画は、人生の充実期を失った2人の邂逅を描いていて、それによって、新しい時間というものが動き出していきます
人生はリセットできませんが、転換期というものは誰にでも訪れます
印象的だったのは、甥っ子のドンギュが「おばさんの人生を生きて、その方がヒョンスくんは喜ぶと思うから」というセリフですね
子どもながらにも毎年思っていたことだと思いますが、彼らの人生にとっても、ジュヌは救いの神様だったのかもしれません
■人生の転換期に思うこと
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■喪失を埋めるのは新たなる日常
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/104054/review/05660567/
公式HP:
https://aisansen.com/natsunoowari/