■MELT メルト
Contents
■オススメ度
どんなに重くても受け止める自身のある人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2025.7.31(アップリンク京都)
■映画情報
原題:Het Smelt(溶けている)、英題:When It Melts(それが溶けるとき)
情報:2023年、ベルギー&オランダ、111分、PG12
ジャンル:幼少期のトラウマに向き合う女性の決断を描いたヒューマンドラマ
監督:フィーラ・バーテンス
脚本:フィーラ・バーテンス&マールテン・ロイクス
原作:リゼ・スピット『Het Smelt(2016年)』
キャスト:
シャルロット・デ・ブライネ/Charlotte De Bruyne(エヴァ/Eva:ブリュッセル在住のカメラマンアシスタント)
(幼少期:ローサ・マーチャント/Rosa Marchant)
セバスチャン・デワエレ/Sebastien Dewaele(エヴァの父)
ナオミ・ヴェリサリウ/Naomi Velissariou(エヴァの母)
フェムケ・ファン・デル・スティーン/Femke Van der Steen(テス/Tess:エヴァの妹)
(幼少期:アンバー・メットデペニンゲン/Amber Metdepenningen)
スペンサー・ボガート/Spencer Bogaert(ティム・フルータス/Tim Goethals:エヴァの幼馴染、レストラン開業予定)
(幼少期:アンソニー・ヴィット/Anthony Vyt)
Willem Loobuyck(ヤン・フータルス/Jan Goethals:事故で亡くなったティムの兄)
Berdien Schepers(ティムの妻、現代パート)
Lune Baetens(ティムの娘、現代パート)
Clara Van Den Broek(ティムの母)
Patrick Vervueren(ティムの父)
サイモン・ファン・ブイテン/Simon Van Buyten(ラウレンス・ファン・デン・ブルック/Laurens Van Den Broeck:エヴァの幼馴染、ティムの親友、料理人)
(幼少期:メタイス・メーレンス/Matthijs Meertens)
フェムケ・ヘイエンス/Femke Heijens(マリー/Marie:ラウレンスの母)
オルガ・レイアーズ/Olga Leyers(エリザ/Elisa:よそから来た馬を愛する少女)
(幼少期:シャーロット・ファン・デル・エーケン/Charlotte Van Der Eecken)
Monica Vanleke(アニエス/Agnes:エリザの大叔母)
Salome Crickx(被写体の夫婦)
Arthur Marbaix(被写体の夫婦)
Jean-Jasques Rausin(ジョエル/Joel:カメラマン)
Fenna Keymulen(ゲームをさせられる少女、屋外)
Rosie Cuypers(ゲームをさせられる少女、秘密の小屋)
Charlotte Van Den Bergh(ゲームをさせられる少女のいとこ、秘密の小屋)
Billie Op De Beeck(ゲームをさせられる少女、厚着)
Naomi Van Praet(レンテ/Lente:ゲームをさせられる少女、厚着)
(成人期:Jennifer Heylen)
Jana Taes(獣医)
Simon Dillen(ヤンの元担任の先生、スピーチをする男性)
Arthur(モリー/Molly:テスが飼っていた亀)
(幼少期:モリー/Molly)
Sunny(エヴァの家の犬)
Manook(Manook Flaks:?)
Numerario(トゥインクル/Twinkeltje:エリザの愛馬)
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■映画の舞台
ベルギー:ブリュッセル
オランダ:
ボーフェンメール/Bovenmeer
https://maps.app.goo.gl/fRRDQ9PubTQw4aVTA?g_st=ic
ロケ地:
上に同じ
■簡単なあらすじ
ベルギーのブリュッセルにて、カメラマンのアシスタントをしているエヴァは、友だちも作らず、人付き合いを避けて生きてきた
写真家のジョエルはエヴァと距離を縮めたいと思っていたが、いつも用事があると言って断っていた
エヴァには妹のテスがいて、それを言い訳にし続けていた
ある日のこと、テスが新居に引っ越すことになった
一人きりになったエヴァは、ジョエルからの誘いに乗るもの、心はどこか空虚なままだった
両親と会うことを拒み、姉妹の間でその話題が出るだけでも不機嫌になってしまう
テスは「私が会うのは自由」と言い、その言葉は姉妹の溝を少しずつ深めてしまう
幼い頃、エヴァは幼馴染のティムやラウレンスと仲が良く、地元では「三銃士」と呼ばれていた
テスを含めて一緒に遊ぶ機会があり、その中であるゲームが問題になっていた
それは「難しいクイズを出して、答えを間違えると衣服を一枚脱ぐ」というもので、ティムが女の子の体見たさで始めたものだった
エヴァはティムに好意を抱いていて、彼の役に立ちたいと難しいクイズを探し始める
そして、ある事件が起きてしまった
その事件は当事者間でもなかったとことされ、エヴァは家族の誰にも話さずに心の奥に秘めていた
地元と距離を置くことで平穏を手に入れていたエヴァだったが、彼女の元に1通のメールが届いたことから状況が一変してしまう
それは、Facebookに届いたティムからのメッセージで、内容はラウレンスとともに飲食店を開くという告知だった
戸惑うエヴァだったが、ある決意を胸に秘め、その開店祝いに参加することになったのである
テーマ:静かなる復讐
裏テーマ:心の折り合い
■ひとこと感想
重くて鑑賞後感が最悪ということは知っていたものの、どのような系統かはわからないまま鑑賞
冒頭では、プレゼントを壊すシーンがあり、さらに大きな箱の中で何かを作っている様子が描かれていました
それが何に使われるものかが紐解かれる展開になっていて、さらに彼女に何があったのかを想起する流れになっていました
映画では、満たされないエヴァの現在が描かれ、普通に思える家庭は崩壊し、事件を機に妹との仲も険悪になっている様子が描かれています
幼少期もテスが中心になっているような感じで、母親はアル中のため、父はいつも苛立っているという感じでしたね
幼馴染のティムに好意を抱き、彼に女の子として見てもらいたくても完全にそうは見られていない残酷さがありました
そんな中でも、何とか自分の居場所を探そうとするのですが、徐々にそんなところも無くなってしまいます
ラウレンスの母マリーが唯一の理解者だったのですが、その心の拠り所が崩壊する瞬間は鬼畜の所業のように思えます
Fcebookのダイレクトメールを機にエヴァの中で何かが動き始め、あることを実行しようとします
家族にも言えない秘密を抱えたまま、当事者は普通に暮らしていて、無神経にもメールなどを寄越してくる
そう言った細かな積み重ねというものが、エヴァをますます冷静にしていったように思えました
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
本作のネタバレは、過去に何があったかということなのですが、これは想像を絶する酷いもので、良くあそこまで描いたなあと思いました
演じた子役へのケアも大変だと思うし、演技指導をどうやって行ったのかも気になってしまいます
それにしても、ロクな大人がいなかったし、マリーの豹変も親だからと擁護できるものではありません
エヴァが起こしたことが発端ではあるものの、色んなことが少しずつ積み重なって行って、その結果起こるべくして起きたようにも思えます
後半で描かれるトラウマの正体を知ってから見返すと、現代パートで描かれる多くのところに色んなものが見えてきます
そして、細やかなものがカウントダウンを刻んでいるように思えてしまいます
公式HPでは鑑賞に際しての注意書きがありましたが、本当にトラウマレベルはマックスなので注意が必要だと思います
子どもは残酷だからというどころの騒ぎではなく、救いというものは何一つありません
子どもがやったことも大概なのですが、それを知るマリーの対応が最悪で、大人になって再会した時に気づいているのに「気づかなかった」と濁していました
それが決定機となって、エヴァはマリーの店で計画を実行することになりました
これが彼女の決意表明であり、自分を苦しめてきた者への復讐になっているのだと言えます
■最悪の環境が生み出すもの
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■大人の言葉こそ残酷
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/103759/review/05389405/
公式HP:
