■ドラマから劇場版のパターンに対して思うこと
Contents
■オススメ度
ドラマを完走できた人(それ以外はスルー推奨)
■公式予告編
鑑賞日:2024.12.20(イオンシネマ久御山)
■映画情報
情報:2024年、日本、129分、G
ジャンル:母親殺しの犯人を追い詰める息子を描いたヒューマンドラマ
監督:スミス
脚本:北川亜矢子
原作:赤坂サカ&横槍メンゴ『【推しの子】』集英社
Amazon Link(原作漫画:全16巻:Kindle版)→ https://amzn.to/3ZNxZzD
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キャスト:
櫻井海音(星野愛久愛海/アクア:母親殺しの犯人を探す青年)
(幼少期:岩川晴)
(幼児期:江原瑠哉)
齋藤飛鳥(星野アイ/アイ:トップアイドル、アクアとルビーの母)
(幼少期:松井彩葉)
齊藤なぎさ(星野瑠美衣/ルビー:アイの娘、新生「B小町」のメンバー)
(幼少期:斉藤柚奈)
(幼児期:中田莉梨)
原菜乃華(有馬かな:天才子役、新生「B小町」のメンバー)
(幼少期:永瀬ゆずな)
あの(MEMちょ:Youtuber、新生「B小町」のメンバー)
茅島みずき(黒川あかね:劇団「ララライ」の舞台女優)
(幼少期:磯村アメリ)
成田凌(雨宮吾郎:宮崎県の産婦人科医)
稲垣来泉(天童寺さりな:雨宮の患者、アイドル好きの少女)
濱田マリ(川村恵理子:助産師)
杢代和人(菅野良介:アイのストーカー)
金子ノブアキ(五反田泰志:元映画監督、子ども部屋おじさん)
倉科カナ(斉藤ミヤコ:新生「苺プロダクション」 の社長)
吉田鋼太郎(斉藤壱護:ミヤコの夫)
剛力彩芽(星野あゆみ:アイの母)
岡田結実(片寄ゆら:映画「15年の嘘」アイ役の候補者)
渋谷凪咲(不知火フリル:映画「15年の嘘」アイ役の候補者)
中島亜梨沙(アクアを刺した女)
仁村紗和(施設「めぐりの里」の先生)
葉山奨之(YouTuber)
片山萌美(姫川愛梨:劇団「ララライ」の関係者)
要潤(鏑木勝也:番組プロデューサー)
二宮和也(神木輝:プロダクションの代表)
(少年時代:黒川想矢)
酒井唯菜(初代「B小町」メンバー)
兼清萌々香(初代「B小町」メンバー)
齋藤茉日(初代「B小町」メンバー)
中野あいみ(初代「B小町」メンバー)
秋山実咲(初代B小町の歌唱)
石橋桃(初代B小町の歌唱)
木村真悠(初代B小町の歌唱)
山田京奈(初代B小町の歌唱)
東學楷(?)
田中結蘭(?)
佐藤辰治(?)
保戸田唯乃(?)
大島由香里(アナウンサーの声)
湯浅美和子(記者会見の司会?)
芹澤りな(レポーター?)
笠兼三(?)
松山尚子(?)
長南佑佳(?)
岸千晴(?)
大渕夏子(?)
■映画の舞台
東京&宮崎
ロケ地:
群馬県:甘楽郡
下仁田病院
https://maps.app.goo.gl/TYTN6undgh5MtNxW7?g_st=ic
神奈川県:中郡
カトリック大磯教会
https://maps.app.goo.gl/i4faNLh7QuHzmViX7?g_st=ic
神奈川県:平塚市
トッケイセキュリティ平塚総合運動公園
https://maps.app.goo.gl/dDkc6bthoKKZxT7j9?g_st=ic
東京都:文京区
東京ドーム
https://maps.app.goo.gl/56LhvE3GbzZMvcHf7?g_st=ic
東京都:新宿区
コモレ四谷
https://maps.app.goo.gl/vNeqHHbo6SVTrMZj6?g_st=ic
東京都:足立区
喫茶シルビア
https://maps.app.goo.gl/aterTtP8z6LU6H7z8?g_st=ic
■簡単なあらすじ
ドラマ版(Amazon Prime Video)にて、殺されたアイドル・アイの隠し子であることを暴露したアクアは、妹のルビーとともに貴社の取材に応じることになった
ルビーは母が生涯を賭けて守ってきた「嘘」をこんな形で暴露されたことに腹を立てていた
ルビーはアクアのもとを離れて暮らすことになり、当面はB小町のメンバーのかなのところにお邪魔することになった
時は遡り、宮崎の病院に入院しているさりなは、アイの大ファンで、その病室をグッズで埋めつくしていた
さりなは病気が癒えることなく他界し、その意思を引き継いで、雨宮はアイを推しとしてファンを続けることになった
ある日のこと、雨宮の元にアイと事務所の社長・齋藤が訪れた
アイは妊娠3ヶ月に入ていて、極秘出産の後、アイドルへと復帰する計画となっていた
雨宮はアイの主治医となったものの、出産の日に不審な人物を見つけ、それ以降行方不明になっていた
その後、アイは復帰を果たして、トップアイドルへと駆け上がる
そして、アクアとルビーを秘密裏に育て、ようやく夢のステージへと立つところまで上り詰めた
だが、ファンの一人がアイの住所を突き止めてやってきてしまう
そして男は有無を言わさぬまま、その場でアイを刺し殺してしまうのである
現場にいながら何もできなかったアクアは復讐心を募らせ、犯人を探すために芸能界入りを果たす
そして、ルビーは母親と同じ道を歩み、子役上がりの有馬かな、YoutuberのMEMちょをメンバーに加えて新生B小町を結成することになったのである
テーマ:嘘は大きな愛
裏テーマ:アイドルが与えるもの
■ひとこと感想
Amazon Prime Videoの実写ドラマ版の最終話ということで、これまでの8話を見ていなければ意味がわからない展開になっていました
観ていない人でもわかるようには描かれていますが、見ている人からすると、かなりクドくて話は進まないように感じたのではないでしょうか
個人的に気になっている女優さんがいたのでドラマ版を1日で完走するという荒技で突入することになりました
映画は、推しの子どもとして転生するという設定があり、アクアが誰の転生で、ルビーが誰の転生なのかを紐解く流れになっていました
そして、時が来て、アクアの復讐が始まるのが本編になっていて、それが映画の半分くらい進んだところになっていました
ドラマ版があるので、説明不足の部分はないと思っていましたが、実際には「原作読まないとわからないところだらけ」だったと思います
特に、犯人の動機がいまいち不明瞭で、単なるサイコパスで良かったのかは謎でしたね
さらに、アクアとルビーが双方の生まれ変わりが誰かを知るシーンは、かなりあっさりとしたモニんいなっていたと思います
それにして、ルビーの方のDVDの中身って、一体何だったんでしょうねえ
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
映画は、ドラマの最終話になっていて、それを観ていないと全く流れとか設定がわからない仕様になっていました
ドラマは新生B小町が誕生し、その活躍がメインになっていて、アイの過去譚がこの映画の前半になっていました
そして、アクアの計画が進んでいく後半があり、それは「自伝映画」を撮影するというものになっていました
その内容はアイが子どもたちに残したDVDが元になっているようで、その脚本をアクアが手掛け、事情を知っている五反田が協力するという流れになっています
ドラマを観ていてもわからないのが「神木輝の動機」で、彼がクドクドと説明しても頭に入ってこないのですね
ただのサイコパスみたいな感じになっていて、この男がアイと交わることになって経緯もほとんど描かれていません
出産に関しては、相手が未成年だったという感じになっていますが、それも明確には描かれていないのですね
アイと神木が恋仲になったのか、単に一夜の過ちだったのかもわかりません
また目が光るシーンの意味もほとんど説明されず、このあたりは原作を読まないとわからないのかな、と思いました
神木が映画のアイ役の候補者を殺した理由もわからないし、ミステリー映画ではないものの、スッキリしないものばかりだったと思います
新生B小町の解散もかなり唐突で、かなの恋愛話もどこに行ったのかわかりません
さらにMEMちょも唐突に結婚話が上がるし、このあたりの展開がかなり雑になっているように思えました
■アイドルとは何か
映画はアイドルの表と裏が登場し、人生を賭けて「推す」と言う行為がなされていきます
一般的にアイドルとは、多くの人々から憧れや好意を持たれている存在で、歌やダンス、演技などのパフォーマンスで魅了する人のこと言います
時代と共に「偶像崇拝」的なものから、「身近に感じられる」的なものへと変化し、ファンとの交流が盛んになってきていると言えます
80年代くらいのアイドルと握手をするとか、一緒に写真を撮ると言うのはほとんどなく、プロマイド写真を購入すると言う文化がありました
アイドル(Idol)と言う言葉は英語派性の日本語英語のようなもので、その意味は「偶像・神像」と言う意味があります
神聖で距離感のあるものと言う感じですが、日本における神仏の概念からすると、すぐそばにいてくれる存在であるとも言えます
それでも気軽にと言う感じではなくて、どことなく遠い存在であるような、ある種の自分とは違うものと言う感覚があると言えます
映画では、人々の夢や理想を体現し、自分自身の本心を隠しながらもファンのために輝く存在として描かれています
昨今では、ドキュメンタリーなどでアイドルの裏側を見せることもありますが、元々は「努力とか苦労とか苦しみなどを見せない存在」で、ファンの前では常にアイドルでいると言うものがありました
今では、努力している姿を知りつつ応援すると言う存在に変わっていて、ある意味、自分ができないことをする人に敬意を持つと言う状態になっていると思います
人が努力をして、それで栄冠や栄誉を勝ち取ると言う姿が感動的で、そのための努力を惜しまない存在になっているのですね
人々を笑顔にすると言う役割を担っていて、何らかの賞を獲るとかは箔をつける以外の意味はないように思います
より多くのステージに立ち、より多くの人を楽しませることができる人が至高の存在であり、勲章は二の次のようなものですね
ですが、アイドル本人の到達地点としては、パフォーマンスの舞台の規模、数々の勲章と言うのは客観的に認められていると言う認識につながるので、それを目指すことも良いと思います
それでも、ファンとの交流、ファンに見せる姿をおざなりにしたり、アイドルであることを自分の真の目的へのステップだと考えているうちはうまくいかないように思えてしまいます
■勝手にスクリプトドクター
本作は、医師と患者が兄妹となって転生するお話で、兄の方は母親の殺人犯を追うという流れになっていました
いわゆる復讐劇で、社会的に抹殺するために「母親の殺人事件を題材にした映画を撮る」という回りくどいものになっていました
アイドルの闇を描いてはいますが、神木ヒカル自身は手を下していないので、ややモヤっとしたエンディングになっていましたね
ヒカルと一緒にダイブしたアクアがどうなったのかも分からず、娘ルビーが母親の意思を継いでアイドルの頂点を目指すという感じになっていました
これだけ闇を背負ったアイドルが頂点に立てるのかも分からず、母親の事件を見せてしまったことが良い方向に向かうかはわかりません
アイの息子と娘だったと暴露することでも大概ファン離れが起きそうですが、さらに殺された母親を娘が演じるという鬼畜のような所業を兄が行なっているというのも狂気の沙汰のように思います
構成がショッキングすぎて、B小町のかわいさとかがぶっ飛んでしまうのですが、これで良いのかな何とも言えない部分がありました
とは言え、全ては計算されたものとなっていて、賛否が分かれるのは兄妹の出自とか転生よりは、アクアの自己犠牲で良かったのか、というところだと思います
今後、ルビーを守る人間は少なくなり、B小町二人では荷が重いでしょう
アクアがいてこそ、ルビーの苦悩を分かち合えると思うので、アクアを生かしておいだ方が良かったと思います
そもそもがアイのファンがアイの子どもとして転生するという無茶な話だったので、設定が暗い分、エンディングぐらいは明るくても良かったように思うのですね
アイドルという虚像をファンがどこまで受け止めるかという部分もあると思いますが、ファンだけで支えられるような事態にはなっていないと思うので、なおのことアクアは生き残って欲しかった、と感じました
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
本作は、ネットドラマの最終話が映画で完結という流れになっていて、当初は観る予定はありませんでした
でも、キャストが気になったのと、アニメを絶賛する声も多かったので、「前日にドラマを一気見して参戦」という暴挙に出ました
ドラマの内容から映画の結末は想像できませんでしたが、一気にダークな感じになっていったのは良かったと思いました
いずれはネットで最終話である映画版も観れるようになると思いますが、それもアリかな、と思っています
個人的には、あまり好みではない公開方法なのですが、いずれはこう言った方法も主流になるのでしょう
本作が抵抗なく思えるのは、ドラマの視聴が自由だからというところに尽きると思います
これまでのテレビドラマだと、1クールの長さもあれば、FODなどの後追いだと料金が発生してしまいます
私の視聴環境ではアマプラ会員特典(今は知らないけど)というのもあって、映画だけの料金で済みました
でも、この映画を観るためにアマプラ会員になるとか、別の作品のようにFOD他のサブスクに課金することに抵抗が多い人もいると思います
結果的に、コンテンツへの囲い込みというのがビジネスモデルとなっているのですが、感覚的には最終回ドラマスペシャル(別料金)という感覚なのですね
地上波ドラマが基本的に無料視聴(実際には有料なのですが説明ややこしいので割愛)というハードルの低さと視聴制限あり(リアルタイムが無理なら録画するしかない)という状況があまり好きではありません
ドラマを初回から観ていて、このシリーズは面白いから劇場公開を見ようとしても、どのドラマがヒットするかも分からないし、全部のドラマを見ている暇もありません
世間で話題になったのを後追いするのも難しいので、そう言った部分も面倒くささの要因になっていると思います
このタイプの映画化で興収を上げるとしたら、映画公開が決まった段階で即座にネットなどのあらゆる媒体で、これまでのストーリーを一気にかつ安易に見られるようにすることだと思います
どのインフラを使うかというのはあるかと思いますが、一番良いと思うのは「コンテンツ元のテレビ局のHPにて無料会員で無料視聴」であると思います
そこで使う動画プラットホームは基本的にYouTubeになると思いますが、そこで地上波を同じタイミングでCMを入れていけば良いのですね
このような地上波を「テレビ以外でそのまま放映しつつ既存の広告コンテンツも守る」というのが理に適っているように思えます
あくまでも公式HPはコンテンツ整理のためのプラットホームにしつつ、色んなドラマも流していけると思うのですが、問題はYouTube内の動画コンテンツでCM込みのまま流せるかどうか」というところでしょうか
それでも、過去のCMをYouTubeで見ることができる時代なので、大した障壁にはならないし、YouTubeが要求する広告案件もクリアすれば良いだけのことです
YouTubeの広告プラスコンテンツ内のCMにうんざりとしても、プレミアムの加入を促す意味合いもあるので、Win-Winの関係になっていくのではないかと考えています
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/101120/review/04576868/
公式HP:
中島亜梨沙さんはアクアを刺した役です。児童養護施設職員ではありません
情報ありがとうございます
訂正しておきます