■弟よりも子どもとして欲しい4人なのかな、と思ってしまいました


■オススメ度

 

家庭内禁断ハーレム状態の少女漫画が好きな人(★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日:2024.12.6(イオンシネマ京都桂川)


■映画情報

 

情報:2024年、日本、105分、G

ジャンル:いきなり4人の弟を持つことになった高校生を描いたラブコメ映画

 

監督:三木康一郎

脚本:根津理香

原作:オザキアキラ『うちの弟どもがすみません(集英社)』

Amazon Link(Kindle版)→ https://amzn.to/4ge5KRh

 

キャスト:

畑芽育(成田糸:母の再婚で4人の弟を抱えることになった高校2年生、クエストネーム「Bozu」)

 

作間龍斗(成田源:無愛想な長男、高校2年生)

那須雄登(成田洛:頭脳明晰な次男、高校1年生)

織山尚大(成田柊:ミステリアスな三男、中学3年生、クエストネーム「Yamada」)

内田煌音(成田類:無邪気で甘えん坊な四男、小学3年生)

 

川島明(成田勲:4兄弟の父)

笛木優子(成田さほ:糸の母、4兄弟の義理の母)

 

前田旺志郎(本間央太:糸の幼馴染)

中島瑠菜(宝生恵:糸の幼馴染)

 

中川翼(行友朋之:源のクラスメイト、友人)

藤本洸大(相楽郁人:源のクラスメイト、友人)

 

河村花(沢木萌音:糸のクラスメイト、源のファン)

牧野羽咲(牧野羽咲:糸のクラスメイト、源のファン)

 

原芙貴子(隣のおばちゃん)

 

中西茂利(Ray:柊のクエスト仲間の声)

乃紫(Potechi:柊のクエスト仲間の声)

 


■映画の舞台

 

東京都:多摩市

多摩桜ヶ丘

https://maps.app.goo.gl/4tvjskKhVhCS2EF49?g_st=ic

 

千葉県:市原市

上総鶴舞

https://maps.app.goo.gl/fu7VR2rb1iz2YLXi9?g_st=ic

 

ロケ地:

埼玉県:さいたま市

さいたま市立いずみ高等学校

https://maps.app.goo.gl/jpHEcWCZo2hgSycr9?g_st=ic

 

神奈川県:足柄上群

蜂花苑やどろぎ荘

https://maps.app.goo.gl/jN2jBBtBTUJyMWA36?g_st=ic

 

埼玉県:上尾市

スーパーヤオヒロ 東店

https://maps.app.goo.gl/evv9QpxgU8Zg7hZi9?g_st=ic

 

東京都:あきる野市

庭付き二階建て和風一軒家スタジオ

https://maps.app.goo.gl/VLTQ3DnCtiKtDe8e8?g_st=ic

 


■簡単なあらすじ

 

高校2年生の糸は、母の再婚によって都内に引っ越してきたが、そこには前妻との間にできた4人の子どもがいた

長男の源は1日違いの弟で、下は小学3年生まで多彩だったが、三男だけは部屋に引きこもっていて姿を見せなかった

糸は源たちと同じ学校に通うことになったが、急遽父の転勤が決まり、母親もついていってしまう

そこで糸は、お姉ちゃんを頑張らないとと張り切るのだが、これまでに弟たちの面倒を見てきた源と衝突してしまう

 

学校では、モテ男の源のことを聞かれまくるが、よく知らずにまともに答えることもできない

印象で語りだすと源は怒ってしまうし、そんな様子を二男の洛は微笑ましく見守っていた

 

夏休みに入ったある日のこと、糸は弟たちを連れて帰省することになった

幼馴染の央太との距離感に複雑な思いを抱える源

恵は弟たちをイケメンだと言い「恋の予感しかしない」と言いだす

糸には恋というものがよくわからなかったが、「ずっとその人のことを考えているのが恋だよ」と言われてしまった

 

テーマ:姉弟愛と恋愛

裏テーマ:秘密と公然

 


■ひとこと感想

 

少女漫画が原作の作品で、かなり特殊な設定を扱っている作品になっていました

母親の再婚先に弟がいることを知らないという意味不明な展開から、いきなり出張になって両親ともに北海道にいってしまいます

子どもの相手が面倒で糸に押し付けた感がすごくて、そこで何が起きても関係ないみたいな親になっていますね

思春期なのに性的な出来事がないホワイトな世界で、類くんぐらいは母親と比べて胸がないとか言い出しそうに思います

 

映画は、設定ありきの映画で、高校生の長男と長女が恋愛感情を持ってしまうという内容になっていて、世間体とか他の弟たちの手前上踏み出せないでしょという感じになっていきます

そんな中でも二男の洛は家庭内恋愛OK派だし、柊も参戦してくるしという異質な家族で、この辺りを深く考えたら負けという映画になっています

 

物語は、それでも恋愛を続けますかというものではありますが、高校生の激情的な部分がある割にはピュアすぎる展開に驚いてしまいます

原作ではどうなのかはわかりませんが、男ばかりの家で部屋に鍵を掛けない姉がいるのかは微妙で、ハプニングを起こすこと前提の設定になっている映画だなあと思ってしまいました

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


ネタバレ感想

 

イケメンに囲まれる女子高生という女子の妄想を絵に描いたような作品で、通常ならば、姉弟だからねですまないと思います

でも、本作では「好意はOK、行為はNG」のラインを二人ともが守るという結末になっていました

長男&長女だからというものもありますが、見る人が見たら「仲の良い姉弟ね」では終わらない危うさを感じてしまいますね

 

映画では、キュンキュンラブコメに振り切っているのかと思いきや、意外と姉弟愛が強調されていて、メインとなるのが三男の引きこもり終了になっていました

兄弟の間に起きた出来事が主体となっていますが、このような問題を解決するのが外からきた人ということになっていて、物語のセオリーとしては「異世界招聘もの」に入るのだと思います

 

糸は、四人の中にある問題を解決するために呼ばれた存在で、その報酬というのが長男との関係になります

とは言っても、この関係は公言できないし、親が離婚でもしないと成就しないものでしょう

二人が大人になるまで関係が続くのかはわからないし、屋根の下でこと起こすこともできないので、どこまで続くかはわからないのですね

でも、年頃なので、そういったものから逃れられず、いずれは決定的な瞬間がやってくるのかな、と感じました

 


思いやりが空回りする理由

 

本作は、前妻との間に4人の兄弟がいる家庭に入ってしまう「姉」を描いていて、その中で園内騒動が巻き起こるという内容になっていました

長男VS三男という構図になりつつも、妬みあったりとか、抜け出したりということはなかったりします

あくまでもフェアでピュアでという物語で、姉兄弟愛というものに着地するという不思議な展開を迎えます

現実にはありえない感じですが、漫画なので受け入れるしかない設定のように思います

 

長女となる糸は「姉であろう」ということが頑張る人で、それが兄弟にとっては重荷になっている部分がありました

それは、これまでも支えあってきたという生活があって、それを全て糸に背負わせたくないという思いがありました

特に長男の源は自分の役割を奪われてしまうという危機感があり、それが反発心になっていました

糸としては良かれと思っている行動でも、周囲から見ると痛々しく感じてしまいます

 

兄弟としては、糸はゲストのようなもので、この大家族の中で疲れさせたくないと思っています

これまでの生活のリズムは激変するわけで、彼女に母親的な役割を押し付けたいとも思わないでしょう

そう言った思いやりが双方にあるのですが、それが空回りする様子が描かれていました

 

その方向性が変わるのが源が本音と吐露した部分からになり、さらにそれを置き去りにするような問題が目の前にやってきます

それが三男の引きこもり問題になっていて、糸は相手の郷に入るという方法で、家族の一員として認められようと奮闘していきました

三男との絡みの中でも糸は空回りしてしまうのですが、彼女自身はそれを悪いこととは思っていません

あくまでも自分の思う最良を探りながらも目的に向かっていきます

そうした努力とアプローチの中で家族へと向かっていくのですが、そこには糸なりの理想というものが明確にあったからのように思えました

 


姉弟で結婚はできるのか問題

 

日本では、民法第734条第1項にて、「直系又は三親等内の傍系血族の間では、結婚することができない」と定められています

これにより、「血のつながった姉弟(全血または半血)の結婚は法律上できません

でも、「義理の姉弟(婚姻による姉弟)」「養子縁組を解消した後の養姉弟」に関しては可能とされています

今回のケースは両親の再婚による連れ子同士の姉と弟になるので結婚は可能で、どちらかが養子縁組ではないのでOKなのですね

養子縁組の場合だと、それを解消すればOKですが、その場合は法律上も姉弟の関係にはなりません

 

問題は、周囲の認知の問題で、法律的にはOKでも「家庭内恋愛状態はどうなの?」というところがあって、仲が良すぎる姉弟の実情がバレた時に反発を喰らうと思います

あのまま関係が進展すれば、源が卒業して社会人になった段階で可能なのですが、そもそも「結婚を前提としているか」というところはあるのですね

まだ高校生なので、そこまでのことは考えていないと思うし、単に恋愛関係を兄弟が許容できればOKという段階だと思います

 

映画は、そこまでは踏み込まず、あくまでも家庭内で姉の取り合い(意味深)の状態を作り出すことが目的なので、それ以上の深入りは不要でしょう

それよりは、お互いがどのような対象として相手を見ていて、それでいて恋心が芽生えたのかが気になります

源にとっての糸は「母親」だとすればマザコンみたいなことになりますし、糸にとっての源は「弟」だとすればブラコンだったりします

二人が家族ではない状態で出会ったとしたら恋に落ちたのかはわからないので、家族内という状況が二人を進展させた可能性もあるのかな、と感じました

 


120分で人生を少しだけ良くするヒント

 

本作のタイトルは『うちの弟どもがすみません』というもので、これは姉目線で対外的に詫びている構図となっています

糸は姉気質の部分があって、しかも本当の弟のように彼らと接したいと考えている、という感じになります

出来の悪い弟どもがみたいな部分があって、そこに彼女の支配欲的な部分が感じられます

 

漫画などで登場する姉属性には下記のようなパターンが存在します

それは「包容力系(癒し・しっかり)」「刺激系(S、ブラコン、ツンデレ)」「変化球(ダメ姉、中二、ヤンデレ)」「関係性系(義理姉、姉御肌)」ですね

映画における糸は「関係性系」かつ「包容力系」であり、義理の姉だけど弟たちに尽くしたいと考えています

でも、タイトルの言葉の意味合いを含めると、関係性系の姉御肌を理想としている部分があるのだと思います

 

このタイプの姉が恋に落ちる相手とは、自分の属性に近いもののように思います

兄弟を分類すると、源は包容力系、洛は関係性系、柊は変化球系、類は刺激系かつ包容力系になります

これらの関係性と考えたとき、現時点では源が同質なので、相手にしたいことを自分にもしてくれるタイプとして、休息を与えてくれる存在になります

それ故に他の3人よりは恋愛適性が高く、うまく行く可能性があるように思います

 

さらに類に関しては、年齢からして対象外ですが、癒しと刺激を両方備え持つので、彼が同年代だとぶつかり合う可能性があります

あくまでも糸の子どもだったら相性が良さそうですが、相互依存になりそうな関係なので微妙かな、と思ったりします

源の包容力に糸が素直に甘えることができれば長続きすると思いますし、関係性が解消されれば、糸の属性も変わると思います

どちらかというと天然的で存在に癒しのあるタイプに見えるので、そう言った面を前面に出せば、源の承認欲求は満たされそうに思いますね

それでいて、源の苦労も理解できるタイプなので、良い関係を築けるのではないかと感じました

 


■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://eiga.com/movie/102045/review/04536811/

 

公式HP:

https://movies.shochiku.co.jp/uchioto-movie/

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投稿者 Hiroshi_Takata

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