■クィア QUEER
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■オススメ度
一風変わったトリップ映画に興味がある人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2024.5.12(MOVIX京都)
■映画情報
原題:Queer(奇妙な、不確定な性自認)
情報:2024年、イタリア&アメリア、137分、R15+
ジャンル:メキシコシティの駐在員が恋した男の本音を知りたくてエクアドルの奥地に連れていくトリップ映画
監督:ルカ・グァダニーノ
脚本:ジャスティン・クリツケス
原作:ウィリアム・S・バロウズ/William S. Burroughs『Queer』
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キャスト:
ダニエル・クレイグ/Daniel Craig(ウィリアム・リー/William Lee:アメリカ人駐在員、40歳の退役軍人)
ドリュー・スターキー/Drew Starkey(ユージーン・アラートン/Eugene Allerton:リーが目を奪われる青年、元海軍兵士、アメリカ系移民)
ジェイソン・シュワルツマン/Jason Schwartzman(ジョー・ギドリー/Joe Guidry:大柄なリーの友人、酒飲みの駐在員)
エンリケ・ザガ/Henrique Zaga(ウィリアム・ムーア/Winston Moor:メキシコシティの外国人コミュニティの橋渡し役、リーの友人)
Colin Bates(トム・ウィリアムズ/Tom Williams:ムーアの友人、設計士)
デヴィッド・ロウリー/David Lowery(ジム・コクラン/Jim Cochran:リーの元恋人)
ドリュー・ドロージー/Drew Droege(ジョン・デュメ/John Dumé:バーの常連、グリーン・ランタンの常連)
アリエル・シュルマン/Ariel Schulman(トム・ウェストン/Tom Weston:アメリカ人のパトロン、デュメの恋人)
アンドラ・ウルスータ/Andra Ursuta(メアリー/Mary:ユージーンのチェス相手)
ロニア・アヴァ/Ronia Ava(ジョアン/Joan:リーの幻覚に登場する女)
ダーン・デ・ウィット/Daan de Wit(カール・スタインバーグ/Karl Steinberg:そばかすだらけのユダヤ人の若い男)
ミカエル・ボレマンス/Michael Borremans(マリファナを処方するユダヤ人の医師)
アンドレス・ドゥプラット/Andrés Duprat(ヘルナンデス/Hernandez:ヤヘの記事を執筆した博士)
レスリー・マンヴィル/Lesley Manville(コッター/Cotter:エクアドルで研究を続ける植物学者)
Lisandro Alonso(コッター氏/Mr. Cotter:コッター博士の夫)
Simon Rizzoni(「Ship Ahoy」のバーテンダー)
La Bruja de Texcoco(「Chimu Bar」のアーテイスト)
オマー・アポロ/Omar Apollo(「Chimu Bar」のムカデのネックレスの男)
Silverio Castro(赤い壁のホテルのオーナー)
Amir Antonio Samande Chavez(「Ship Ahoy」のバーテンダー)
Andrea Montserrat Rios Hernandez(「Ship Ahoy」のウェイトレス)
Claudio Cardenas(「Ship Ahoy」のチェスプレイヤー、メアリーの友人のペルー人)
Gilberto Barraza(怒るカブの運転手)
Jean Carlos Gonzalez Flores(「Lola」のウェイトレス)
Michael Kent(「Ship Ahoy」の若者)
Lorenzo Pozzan(ジョー・ギドリーの知人)
Juan Domingo Sandoval Puga(ドラッグストアの店員)
Mery Patricia Atencio Huaranga(エクアドルの村の女性)
Perla Ambrosini(リーの母親)
Diego Benzoni(陸軍のセラピスト)
Sean Cubito(駐在員)
Ford Leland(若い男)
Radu Murarasu(若い男)
Francesco Lupo Sturani(若い男)
■映画の舞台
1950年代、
メキシコ:メキシコシティ
エクアドル:キト
ロケ地:
イタリア:ローマ
エクアドル:キト
■簡単なあらすじ
1950年代、退役軍人のメキシコ駐在員のウィリアム・リーは、同性愛者が集う一角に入り浸っていた
リーはクィアとして、若者を中心に狙っていて、知人たちの間では、すぐに言い寄ってくると怪訝な顔をされていた
ある日のこと、雑踏の闘鶏の集団の向こうに、凛々しくて若い男ユージーンを見つけたリーは、彼にアプローチを試みるものの、なかなかうまくはいかなかった
友人のギドリーを交えて話した後、ユージーンはバーの常連のデュメと話しているところを見かける
ギドリーは、デュメと話しているならクィアだろうと言う
リーがデュメに確認したところ、彼が同性愛者が集まる店を探していることがわかった
リーは彼をクィアだと確信し、下心を隠したまま接近することに成功する
そして、前職の話などを交えながら、リーの家に連れて行くことになった
安い酒で酔い潰れたユージーンはそのまま寝込んでしまい、リーはここぞとばかりに体を重ねた
そこから二人の関係が深まるものの、リーはユージーンの本心がわからない
そんな折、エクアドルに生息するある植物にて、テレパシーが使えるようになると言う話を聞く
そしてリーは、ユージーンを誘って、エクアドルへと向かうことになったのである
テーマ:心が溶け合う方法
裏テーマ:幻覚と妄想の違い
■ひとこと感想
映画は章立てになっていて、『Chapter One:How Do You Like Mexico?(第1章 メキシコはお好き?)』『Chapter Two:Traveling Companions(第2章 旅の仲間)』『Chapter Three:The Boranist in the Jungle(密林の植物学者)』『Epiloge:Two Years Later(エピローグ 2年後)』と続いていました
ユージーンとの出会いから体を重ねるまでが第1章で、第3章からエクアドル編となっていました
R15+なのでガッツリと際どいシーンがあり、イチモツもモザイクなしで登場したりします
かなり性的なシーンも多く、虚実が入り乱れているようにも思えます
好きな相手の考えていることが知りたいと言うのがリーの本音で、そのために道化師になっている感じがしました
映画は、いかにして相手の本音を探るのかと、相手を悦ばせるかと言うところを描いていて、リーに都合の良い展開になっていきます
これが妄想のようにも思えるし、相思相愛のようにも思えるのですが、妄想だとしたら、リーは随分と悲観的に物事を考えてしまうようにも思います
さすがに全てが妄想とは思いませんが、冒頭に書きかけの原稿があり、この物語がすべて、ある人物の書いた小説なのですね
それを考えると、体験談をもとにした虚実混じった話なのかな、と思いました
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
本作のネタバレ部分は、同性愛者のラブロマンスだと思っていたところに降って湧いてくる「ドラッグトリップの後半」のことだと思います
第 1章がリーとユージーンの馴れ初めで、第2章からはエクアドルに向けての旅となっています
導入が思いのほか長くて、後半のテイストがかなり突飛なものになっていました
怪しい儀式に突入するのですが、目的があるとしても、強烈すぎる体験のように思います
リーはアヘンの依存症のようで、南米に入ると手に入りづらく、怪しい店に行ったり、怪しい医者に処方してもらったりしていましたね
情緒不安定になっていて、そこに寄り添うのがユージーンでした
第2章からは「ジーン」と呼ぶようになり、仲がかなり深まっているのですが、ユージーンにリーへの愛情があるのかとか、彼自身がクィアなのかはよくわかりません
彼の本心がリーのように見えないところが連動していて、それが見えた時に何かが起こると言う感じになっています
寄り添って見た不思議な夢はどちらのものかわからず、後半に登場するエクアドルの儀式というのも不思議なものでしたね
彼らを襲う幻覚のような映像も新鮮ですが、なかなかグロい方向に行ったのはびっくりしてしまいました
映画としては、リーは自分の欲望に従順に生きてきましたが、儀式を通じてユージーンと一体となったことの弊害が生まれていましたね
リーに見えたと言うことは、ユージーンにも同じものが見えたと言うもので、彼はリーの奥底に秘められていたものと対面することになりました
二人は儀式を途中でやめてしまいますが、それ以上の繋がりを持つことを避けたのでしょう
それぐらい、二人にとっては耐え難い真実が見えてしまったのだと、感じました
■「Cocteau’s Orpheus」について
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■ヤヘ(アヤワスカ/Ayahuasca)について
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/102154/review/05093987/
公式HP:
