■ARCO アルコ
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■オススメ度
フランスのアニメに興味がある人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2025.4.28(TOHOシネマズ二条)
■映画情報
原題:Arco
情報:2025年、フランス、88分、G
ジャンル:近未来の地球を舞台にした、ある少年少女の邂逅を描いたファンタジー映画
監督:ウーゴ・ビアンヴニュ
脚本:ウーゴ・ビアンヴニュ&フェリックス・ド・ジヴリ
キャスト:
マーゴット・リンガード・オルドラ/Margot Ringard Oldra(イリス/Iris:アルコを助ける10歳の少女)
オスカー・トレサニーニ/Oscar Tresanini(アルコ/Arco:空から降ってきた少年)
ナタナエル・ペロ/Nathanaël Perrot(クリフォード/Clifford:イリスの幼馴染、クラスメイト)
Félix de Givry(クリフォードの父)
アルマ・ホドロフスキー/Alma Jodorowsky(ミッキ/Mikki:イリスの家の子育てロボット)
スワン・アルロー/Swann Arlaud(イリスの父)
(ピーター:イリスの弟、赤ん坊)
ヴァンサン・ケーニュマ/Vincent Macaigne(ドゥギー/Dougie:森の中で何かを探す3人組)
ルイ・ガレル/Louis Garrel(ストゥイー/Stewie:ドゥギーの仲間)
ウィリアム・レブギル/William Lebghil(フランキー/Frankie:ドゥギーの仲間)
ソフィー・マス/Sophie Mas(アルコの母)
(老齢期:Frédérique Cantrel)
オキシモ・プッチーノ/Oxmo Puccino(アルコの父、植物学者)
Joséphine Mancini(アダ/Ada:アルコの姉)
Audrey Tondre(スーパーマーケットの音声/Voix supermarché)
Robinson Fyot(ジャーナリスト/Journalistes)
Anaëlle Saba(ジャーナリスト/Journalistes)
Benoit Galland(ジャーナリスト/Journalistes)
Pierre Picq(学校の宿直/Gardien de l’école)
Jean Boucault(鳥の歌い手/Chanteur d’oiseau)
Johnny Rasse(鳥の歌い手/Chanteur d’oiseau)
【日本語吹替版】
黒川想矢(アルコ)
堀越麗禾(イリス)
山里亮太(ドゥギー)
梶裕貴(ミッキ)
前野智昭(ストゥイー)
落合福嗣(フランキー)
伊駒ゆりえ(クリフォード)
日向未南(アルコの母)
根津大輔(アルコの父)
■映画の舞台
2075年、
気候変動にて荒廃が進んだ地球
■簡単なあらすじ
とある未来の地球では、荒んだ地球を休めるための「大休閑」のために、地上から離れた場所に住処を作って過ごしていた
その世界ではタイムトラベルが可能な技術を持ち合わせていたが、12歳になるまでは禁止されていた
10歳の少年・アルコは、両親と姉アダたちがトラベルをしているのを指を咥えて見ているしかなかった
ある夜のこと、アルコは家族に内緒で姉のスーツを使ってトラベルを実行してしまう
恐竜見たさで行うものの、うまく制御することができず、2075年のとある街に不時着してしまった
その世界では、イリスという少女が住んでいて、彼女は幼馴染のクリフォードと遊ぶのが日課だった
彼女の両親は仕事で遠方にいて、ホログラムでしか会うことはできない
世界は自然の猛威から逃れるために各家にドームを設置し、平穏な日以外は外に出ることはできなかった
幼い弟ピーターの面倒は子育てロボットのミッキが見ていて、家事全般は彼が行なっていた
ある日のこと、イリスは授業が退屈で仮病を使って抜け出した
すると、雨上がりの空に虹色の何かが飛んでいるのを見つけた
イリスがそれを追いかけると、それは森の中に落ちていき、そこには見知らぬ少年がいた
さらに、怪しい三人組が彼を追っていたようで、イリスは嘘をついて三人組を遠ざける
少年は怪我をしているようで、そこでイリスは彼を背負って、自宅まで連れ帰ってしまうのである
テーマ:変化をもたらす自意識
裏テーマ:その先にある希望
■ひとこと感想
フランスの手書きアニメーションということで、アカデミー賞の長編アンイメーション部門にノミネートされていました
残念ながら受賞とはなりませんでしたが、効果もあって、日本でも公開されることになりました
字幕版で見たかったのですが、近場ではやっているところはなく、泣く泣く吹替版で鑑賞することになりました
なんと言うか、もう少し何とかならなかったのかな、と思ってしまいましたね
映画は、近未来を舞台にした作品で、どの時代かはわからない遠い未来の世界観は良かったですね
その未来から、2075年の地球にある少年がやってきて、その時代の少女と関わると言う内容になっていました
なんとなくジブリっぽさを感じる作品ですが、絵柄で回避する人は多そうでしたね
それよりも声優陣を何とかしないとダメなような気がしますねえ
字幕版の方が良かったんじゃないかと思えるほど、滑舌の悪いキャラがいて、何を言ってるのかわからないシーンもありました
物語は、気候変動か何かで家と学校の往復しかできない少女が、日々の退屈さにうんざりしていたところに未来人がやってくると言う展開を迎えます
そこから、どうしても彼の世界に行きたいと願うのですが、このマインドがわかるようでわからない感じでしたね
どうしてそこまで「ここじゃないどこかに行きたいのか」と言うところが理解できず、あれだけ会いたがっていた両親に別れも告げずに去ろうとするのは意味がわからないなあと感じました
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
映画は、近未来とさらに遠い未来が舞台となっていて、どちらも地球環境がえらいことになっていると言う設定になっていました
少女イリスの住む2075年では、異常気象から家を守るためのドームがあって、アルコの世界では地上から遠く離れた空中に街が築かれていました
そんな世界の交流がメインとなっていて、10代前半の少年少女の邂逅によって、未来が少しずつ変化する、と言う内容になっています
虹色のスーツを着て、制御用のダイヤモンドがあればタイムトラベルができるようで、当初はタイムトラベルではなく、そのまま地上の世界に落ちただけのように思えました
とは言え、実はそうなのかもと言う部分は残されていて、彼らがタイムトラベルをしてきたと言う確たるものもないように思えます
劇中では、三人組が「言葉が通じているから宇宙人じゃない」みたいなことを言っていますが、科学力が違う世界から来れば、多言語を同時に翻訳することも容易のように思えます
映画では、規律の厳しい地上界において、そのルールを破った子育てロボットミッキが犠牲になると言う展開で、彼自身が残したものが、アルコを救うことになりました
アルコの家族がいきなり老けて出てきて、その理由が「色んな時代を回って探していた」と言うものなのですが、その原理もよくわかりませんでした
タイムトラベルを繰り返すと歳を取ると言うことだと思いますが、あの壁画をどうやって見つけたのも謎で、色々と考察が必要な映画なのかな、と感じました
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
本作は、閉塞感に苛まれる10代二人が「ここではないどこか」を探すと言うもので、その苦悩に至るのが「自由の制限」だった、と言うことになります
アルコはまだ年端もいかないので自由がなく、イリスは環境問題によって、自由に出歩けません
ともに両親の愛情からは距離を取らざるを得ない環境にあって、その欠落というものが喪失感を生んでいるようにも思えます
子育てロボットも規律に守られた存在であり、そのルールから逸脱はしません
それゆえに生まれたものが、彼らを縛っているように感じられました
その後、自由と引き換えに代償を負うというテーマが付随し、アルコは両親が年老いたために「今後、両親と過ごす時間」というものを減らしてしまいます
無論、家族の時間を奪っていることもあり、それによる代償も今後背負うことになります
一方のイリスもミッキを失うことになり、おそらくは代用のロボットが来ることになりますが、メモリーのようなものを入れ替えたところで、ミッキそのものにはならないと言えるでしょう
未来の彼女のデスクには取り外されたままのメモリーがそこにあって、それはその後代用品に使われていないことを示唆しているのでしょう
それでも、イリスが自由を求めてアルコと接触したことで、それが人類の変革をもたらす礎となっていきます
それが「自由は希望を生む」というテーマに繋がっていて、リスクを冒してもそれを求めることに価値はあると言えるのだと思います
そして、それこそが今の私たちに必要なものではないか、という問いかけになっているのでしょう
映画は、食わず嫌いが多そうな作品でしが、内容は賞レースにノミネートされるだけの質はあると思います
願わくば、もっと字幕版の公開を増やしてほしかった(というか字幕版を公開しているところがあるのかすらわからない)というのは本音ですね
この映画のプロデューサーを務めたナタリー・ポートマンが声を当てているのに、そう言った側面を無視して公開規模を決めてしまうのはナンセンスのように思いました
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/105460/review/06441785/
公式HP:
