■津田寛治に撮休はない


■オススメ度

 

本人役を演じる映画に興味がある人(★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日:2026.4.29(アップリンク京都)


■映画情報

 

情報:2026年、日本、114分、G

ジャンル:バイプレイヤーの日常を描いたコメディ映画

 

監督&脚本:萱野孝幸

 

キャスト:

津田寛治(様々な役を演じる俳優、本人役)

 

篠田諒(本人役:寛治の後輩俳優)

中村祐美子(九味星子:寛治のマネージャー)

 

平澤由理(津田幸:寛治の娘)

井筒しま(真部田智:幸の親友)

 

こばやし元樹(傘無定久:映画界の巨匠、「紈に嚼む」の監督)

奥田幸治(世山泰途:傘無の秘書)

平川そよ花(千戸依乃:オーディションに参加する女優)

 

一ノ瀬竜(忍木RENTO:「ミステリー・ホリック」にて共演する若手アイドル、アーサー役)

山下徳久(島間樹:RENTOの事務所の社長)

鳴海剛(五里唯:RENTOの事務所の社員)

白畑真逸(浴御護:RENTOの事務所の社員)

 

【あおいの初恋!関連】

荒木民雄(綱田強:監督、寛治の旧友)

駒井蓮(共演者、娘・葵役)

岩崎ひろみ(共演者、妻役)

押田岳(新真貴英:出演俳優)

野ひかり(頼美奈:AD)

上野陽立(遠出歩:助監督)

 

【やがて目覚める関連】

鈴木秀人(勝戸翔:監督、トークショーの相手)

水嶋優太(音域広重:音響)

小幡哲士(金口明:スチール)

田中大知(塩守積夫:助監督)

吉田晴登(櫛房完斗:AD)

大河原恵(句山芽衣:スタッフ)

荒岡龍星(土田健一郎:撮影監督)

川上悠(米良紀八:関係者)

渡邊アヤカ(草下真衣:メイク係)

 

【ロボゾンビIV関連】

井口昇(監督)

安本祐基(鹿島信行:トークショーの司会)

花純あやの(京円:共演者)

 

【ワークショップ関連】

北島タツロウ(講師)

板橋駿谷(参加者)

星耕介(参加者)

半田周平(参加者)

高山璃子(参加者)

 

【ミステリー・ホリック関連】

木村知貴(三倉統:監督)

野村祐希(池綿カナリ:出演俳優、レイモンド役)

麻倉温揮(路風愛斗:出演俳優、クイーン・ジュニア役)

木ノ本嶺浩(坂作夢:出演俳優、キング・ホオ役)

那須亮介(飯岡亮介:出演者)

池之上泰成(内須ガイ:出演者)

安藤由衣(井伊菜里:AD)

星野勇太(園種川武:関係者)

椎名賢治(橋留翼:関係者)

 

【その他】

三濃川陽介(ラジオのパーソナリティ)

明日香(ラジオのパーソナリティ)

 

三浦マイルド(ドッキリ企画の共演者)

渡辺哲(スクリーンに登場する共演者)

 

赤間麻里子(料理屋の女将)

吉居亜希子(絡んでくる料理屋の客)

荒井まい(料理屋の客)

正木佐和(料理屋の客)

ジュピター石田(料理屋の客)

 

城也(カラオケボックスに傾れ込む酔っ払い)

桃ふじ(酔っ払いの恋人)

 

志垣霄太朗(路上で絡んでくるチンピラ)

 

小野塚老(十書富貞:ホームレスのリーダー)

南ともあき(舎二郎:ホームレス)

比佐仁(内名一男:ホームレス)

申芳夫(四須哲人:ホームレス)

佐藤五郎(三安帆平:ホームレス)

 

天希衣絵菜(ホテルの従業員)

 

仁科貴(噂についての質問に答えるプロデューサー)

澤井美侑(噂話の取材をするレポーター)

小島圭(噂をする業界人)

小川ガオ(噂をする業界人)

小森敬仁(噂をする業界人)

西村真士(噂話に夢中のプロデューサー)

 

脇田敏博(企画会議のプロデューサー)

末廣拓也(企画会議の業界人)

小玉大修(企画会議の業界人)

 

赤間麻里子(杉井亜里:映画監督)

荒岡龍星(土田健一郎:「つかれた男」の撮影監督)

松林慎司(黒須寛:神田実のマネージャー)

北山雅康(神田実の声、肖像画)

 

園山敬介(若林竜之介:寛治のトークショーに参加する青年)

矢作則子(寛治のファン、サイン会)

瀧マキ(勝緒子:寛治のファン、サイン会)

白雪たえ(花家乙:寛治のファン、サイン会)

瑠美子(東辺留子:寛治のファン、サイン会)

栗本真愛(公園の母親)

中田望絢(公園の少女)

中野克馬(カフェのウェイター)

望月卓哉(インストラクター)

坂口辰平(産婦人科医)

 

【オーディション参加者】

長濱あやり

愛原こなつ

春野よもぎ

戸田穂波

中山まりあ

黒井悠未

山根彩

真野未華

伊藤さゆり

春野桃代

菅原亜未

前島りおな

一宮レイゼル

春歌まりん

長村茜

河村ゆうり

藤井麻莉子

姫奈楓

 

【役柄不明】

上松コナン

内海香織

 


■映画の舞台

 

東京都内

 

ロケ地:

東京都:渋谷区

Shibya Cross-FM

https://maps.app.goo.gl/zbk9mgT2jK5iS6uc8

 

愛知県:名古屋市

レストラン喫茶モック

https://maps.app.goo.gl/f5dHD7pDFap1BAuY6

 

千葉県:長生郡

富正嘉納園

https://maps.app.goo.gl/A2452GdGj7vA7YPY7

東京都:台東区

南欧料理バンキーナ

https://maps.app.goo.gl/mn3BjnqecjNd5fZeA

 

東京都:中央区

八丁堀スエヒロそば

https://maps.app.goo.gl/taMjMf28porVaPwc7

 


■簡単なあらすじ

 

バイプレイヤーとして多方面で活躍する俳優の津田寛治は、多くの撮影現場に加えて、トークショー、サイン会なども精力的にこなしていた

漫画原作のホームドラマから、ファンタジックな世界観の作品などに参加する傍ら、敬愛する映画監督・傘無からの直々のオファーなども舞い込んでくる

それらのスケジュールを管理するマネージャーの星子も多忙を極めていたが、十数年来の付き合いから信頼を置いていた

 

彼には彼氏と同棲のために家を出た娘・幸ががいて、彼女は突然住むところがないと言って連絡をよこしてきた

娘は寛治が出演しているドラマの共演俳優のRENTOのファンで、寛治は関係者に頭を下げて撮影の見学に来させることになった

だが、父の仕事ぶりを見兼ねた幸は、それから距離を置くことになり、親子の会話は途絶えてしまった

 

ある日のこと、後輩の篠田からワークショップに誘われれた寛治は、見知らぬ演技論にどっぷり浸かることになった

さらに、毒殺される役柄に没頭するために、冗談半分で篠田に「夜道で襲ってみてよ」と言ってしまう

彼はそれを忠実に実行し、本番でも本当に死んだかのような演技を披露して見せた

だが、その演技はリアルを越え、世間を巻き込む騒動へと発展してしまうのである

 

テーマ:多くの人生に隠れてしまう自我

裏テーマ:虚実混同の先にあるリアル

 


■ひとこと感想

 

映画やドラマをたくさん観ている人ならわかると思いますが、決して主役を張ることはないのだけれど、どうしても物語に必要な俳優がいて、津田寛治はその一人だと思います

年間に300本も映画を見ると、その10分の1くらいに出てくるんじゃないかと思えるほどで、大体悪い役が多い印象がありますね

でも、彼が出ると画面が引き締まり、緊張感のあるシーンは没入感を生じさせてくれると言えます

 

この映画では、彼自身が主役となって、彼自身を演じるというメタ構造があるのですが、実はさらに隠し味がある、という感じに仕上がっています

なので、初見は「ネタバレ厳禁」なのですが、2回目になると、不可思議なシーンなどの説明がきちんとつくという内容になっていました

何度か登場していた謎の男は実は本作の録音助手を勤めている中堀良栄だったり、その他にたくさんの「この映画のスタッフも本人役で出演していたり」しますね

 

このあたりは映画を鑑賞後にパンフレットを読むとはっきりとわかるのですが、ホテルの従業員役の女性が実はリアルでは◯◯担当というのは驚きでしたね

モデルか女優だと思っていたのですが、これを気に新しい世界が広がるのかもしれません

ともかく、あんまりレビューなどを読まずに、まずは1回観てからパンフを買って、さらに2回目を観ると面白さが倍増すると思いますよ~

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


ネタバレ感想

 

総勢100人くらいいたと思うのですが、おそらくキャスト名がない人は「本人役」で出演しているのだと思います

パンフレットには人物相関図もあるのでとても重宝しますが、ここにも載っていないけど出演している人が多数いましたね

さらに津田寛治のお仕事一覧というページが4ページにわたってあるのですが、これをまとめるだけでも大変だろうなあと思いました

 

映画は、メタ構造になっていて、いわゆる「演じているうちに自分が何者かわからなくなっている」というもので、それゆえにラストのサプライズというものが巻き起こっていました

あまりにも多忙すぎたことも原因だと思いますが、多くの人物を演じることよりも、ハードすぎるスケジュールの方が問題のように思えました

特に前半の撮影現場から次へ移るまでのワンショット風のシーンとか、その後のインタビューのシーンなども凄かったですね

インタビューもそれぞれの役柄を演じた後に受けているようで、それぞれのキャラがインタビューの段階で残っている、という感じに思えました

 

パンフレットがあったのでキャスト欄は作りやすかったのですが、さすがに2人ほどわからなかったですね

声だけだったのでしょうか?

可能性があるのはぶっ倒れた後の病院関係で、医者と看護師とか言いそうですが、本人のSNS更新などがないと永遠にわからないような気もしてしまいますね

メイクと衣装でかなり印象が変わるし、ネット上には新旧問わずの画像が飛び交いまくるので、そこから探しまくってもわからないものはわからないという感じになってしまいました

 


120分で人生を少しだけ良くするヒント

 

本作は、俳優とは何者かみたいな哲学的なところがあって、妙な演技理論も相まって、さまざまなこだわりが凝縮しているような作品となっていました

かなりマニアな側面が強く、それでいて一般人を突き放してはいない絶妙な感じが心地よかったように思います

この映画は津田寛治だから成立しているという感じで、他のバイプレイヤーで同じものを作っても、全くの別物が出来上がるのだと言えるのでしょう

 

こだわりの映画を作った監督もいれば、原作物をアレンジして仕上げる監督もいるし、事務所の力に勝てない監督もいたりしました

そう言ったところもリアルに思えるのですが、実際にはその業界にいるわけではないので、多くの創作物が作り上げた虚構のような業界像というものが一般層を支配しているようにも思えます

そんな中で、役に入り込みながら生きる人生は特別だと思うのですが、それでも「一般人も役柄を演じている」というメタ構造があって、映画においては「一喜一憂したり、評論したり、同化したいるする観客」というものを誰もが演じているのかもしれません

 

後半になって、トークショーのインタビューの答えが登場するのですが、そこで「父親は役柄なの?」と娘役の女優さんが言うのは印象的でしたね

しかも、このやりとりが実は虚構だったと言う構造になっていて、「家族関係を役柄と言うのは違和感がある」と言う誰もが否定したくなるものを壊していくスタイルは面白かったと思います

人は常に何らかの役柄を演じているのですが、それが心から望むものではないと言うのが多くの人が感じていることでしょう

これを心理学的な側面で「実は潜在意識が望んで選んでいるんだよ」と言う問いかけもあったりするのですが、実際のところはどんなに合致した役柄でも違和感を感じ続けるものなのだと考えられます

 

人がどのような人生を歩むかはわかりませんが、みんなの固定概念として存在する「同時多発的には生きられないものだ」と言うものがあると思います

それでも、生きる目的の数だけ人生というものはあって、その人生がどんなものだったのかは「自分ではなくそれをみていた人が決めるもの」のようにも思います

その一方で「誰もが知らない自分だけの人生」というものも並行して存在しており、それは自分だけがわかっていて、大切にしておけば良いものなのですね

でも、多くの人は「他人が見えている人生=自分の生きたい人生」にしたいと考えて苦しんでいるのだと思います

 

人が他人をどう思うかなんてのは、とても瞬間的なものであり、自分自身が他人の人生にどこまで興味があって執着しているかを振り返ればわかると思います

結局のところ、最終的に残るのは自分だけが知っている人生であり、それは不可侵領域の世界であり、誰もが踏み込めないし理解もできないものだと思います

これが俳優となると、様々な擬似的な人生を生きることになり、そこには自分の内面に合致した虚構というものも存在するのだと思います

それが幸か不幸かはさほど重要ではなく、それは俳優本人だけが邂逅した事実を知っているだけのもののように思えます

津田寛治にとってのどのような役柄がそれにあたるのかは本人のみぞ知るところでしょう

そう言った意味において、俳優と言うのは自分探しをする人にとっては最適な職業なのかな、と感じました

 


■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://eiga.com/movie/104994/review/06444832/

 

公式HP:

https://satsukyu.com/

アバター

投稿者 Hiroshi_Takata

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA