高橋恭介くんのファンの人(★★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日:2023.3.3(イオンシネマ京都桂川)


■映画情報

 

情報2023年、日本、98分、G

ジャンル:失恋を癒すために始めた「片思いごっこ」で苦しくなる女子高生を描いたラブロマンス映画

 

監督:新城穀彦

脚本大北はるか

原作亜南くじら(『なのに、千輝くんが甘すぎる(2017年、講談社)』

 

キャスト:

高橋恭平(千輝彗:人生初の告白に失敗した如月真綾に秘密の「片想いごっこ」を提案する塩対応男子、図書委員)

 (少年期:末永光

畑芽育(如月真綾:告白で玉砕する高校2年生、図書委員)

 

板垣李光人(手塚颯馬:真綾に密かに思いを寄せる同級生)

莉子(小原知花:真綾の親友、陸上部)

 

曽田陵介(山田太郎:真綾が人生で初めて告白する同級生)

市川理矩(伊藤:山田の友人)

 

中島瑠菜(花咲美結:千輝に片思い中のキラキラ女子)

箭内夢菜(ヒナ:美結の親友)

鈴木美羽(モモ:美結の親友)

 

福元愛悠(千輝恋:彗の妹、幼稚園児)

兼原良太郎(千輝幸之助:彗の父)

八重澤ひとみ(彗の母)

 


■映画の舞台

 

日本のどこか

桜光学園高等学校

 

ロケ地:

神奈川県:鎌倉市

鎌倉女子大学

https://maps.app.goo.gl/b8qfbKBUPBc59kDcA?g_st=ic

 

建長寺

https://maps.app.goo.gl/XFgWFxMycyiHVbWp7?g_st=ic

 

御霊神社

https://maps.app.goo.gl/1jmEMC6iwHJ8RA357?g_st=ic

 

千葉県:木更津市

拓殖大学紅陵高等学校

https://maps.app.goo.gl/acjkfmgCWfvvWJjW7?g_st=ic

 


■簡単なあらすじ

 

図書委員の如月真綾は、半年もの間、ある男子生徒に想いを募らせていた

親友の知花も彼女を応援していたが、人生初の告白も実らず、そのことがネットで拡散されてしまった

 

失意の中、自虐の独り言をこぼす真綾だったが、それを同じ図書委員の千輝彗に聞かれてしまう

彗は学校一のモテ男子で、塩対応であることが有名で、真綾とは住む世界が違うと思っていた

 

ある日、電車で偶然再会した二人

 

彗は「失恋の上書きとして、俺と片思いごっこしない?」と言い出す

訳のわからないまま、彗の勢いに乗せられた真綾は、彼との恋愛ごっこを始めてしまうのである

 

テーマ:好きな人の好きなことを好きになる

裏テーマ:好きは隠せない

 


■ひとこと感想

 

思いっきり少女漫画のジャニーズ映画ということで、パンフ購入のために朝一回で鑑賞

売店にすごい行列が並んでいて焦りましたが、ほとんどがドラえもんグッズ争奪戦でしたね

 

映画は「イケメンなら許される行動集」ということで、イケメンでなければ「事案」に発展することばかりでしたね

それが画になるところがすごくて、正しいジャニーズ映画になっていました

 

演技も「塩対応男子」ということで粗が目立たず、逆に女優陣が空回りをうまく演じていましたね

莉子さんが演じる知花も安定感抜群で、同級生とは思えない貫禄を醸し出していました

 

物語は、ラストで「実はそうだったのね」という展開を迎えますが、これは観ている100人が100人わかった状態で観ているようなものでしたね

とにかく120分のラブラブを見続ける映画なので、他人の幸せで苦しむ層は観ない方が無難だと思います

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


ネタバレ感想

 

この映画にネタバレがあるのか分かりませんが、実は彗の方が先に好きになっていたというサプライズがありました

あれだけ取り巻きがいたら、ストーカーっぽい人が早朝から監視していると思うので、あのような奇跡のショットがなくても、あっさりとバレていると思います

 

映画はライバルの影が物凄く薄く、取り巻きの一人みたいな感じになっていましたね

真綾との関係が暴露された後でもさほど乱れずという感じで、真綾VS美結のバトルというものも勃発しません

 

映画のテーマである「好きな人の好きなことを好きになる」というのは、恋愛系名言の中では群を抜いて印象が強いですね

好きな人の笑顔は最高ですが、それが自分が原因ではないところは少し寂しくもありました

 


片思い業界と両思い業界

 

この映画を見て初めて知ったのですが、この言い回しはツボに入りました

これらは「行為がどちらに付随するか」というニュアンスで使われていて、「ほっぺた独占」「膝枕」「関節キッス」などが「どっちの業界なのか」という意味で使われていました

これに対して、「モテ男子はやることが違う」と結ぶのが真綾なのですが、観ている側が総ツッコミをするという状況を生んでいましたね

どうみても「両思い業界」で、「かつイケメンだけに許される」という行為だったと思います

 

この映画では「真綾の失恋」という状況を利用した彗が、これまでに「真綾としたかったこと」をどさくさに紛れて行うというもので、ある意味悪質な行為に思えます

それを「ごっこ」という言葉で誤魔化しているのですが、彗が策士だったかどうかは置いておいて、これらの行動が「真綾の気持ちを変えていく」という効果を生んでいます

行為の多くは「恋愛テクニック」などでも見られるもので、心理テクニックをどのようにして使うかという「事例」を見せられたような気になります

誰にでも可能なものではありませんが、異性と距離を縮めるのならば、これくらい強引でないと無理ということなのかもしれません

 

真綾がこれらの区別に対して「業界」という言葉を使う理由は分かりませんが、「業界」というのは本来「取り扱う商品の種類や提供するサービス内容によって会社を分類する」言葉なのですね

なので、真綾の中では「片思い」と「両思い」の間には「サービス(行動)」に明確な違いがあると考えているのでしょう

実際に彗の行動が片思い業界では通じないのかは微妙なところですが、これらの行為の果てに両思い業界の方に向かって言ったところを見ると、その目的によって行為は分別されるようにも思えました

 

例えば膝枕などは両思い業界の最たる行為ですが、これを目的を持って使用すると片思い業界でも使えるのですね

少し疲れたふりをして異性の近くで寝そべってみる

相手に好意があれば、もしかしたらということもあるかもしれません

関節キッスなどもそうですが、二人の関係性を友人から逸脱させるのが目的になっているので、彗は状況をうまく使いこなして、真綾に特別感を植え付けようと考えていたように思えます

これをテクニックではなく「素」で行っているように見せているのが彗なのですが、ポーカーフェイスなので実際のところはなんとも言えない印象がありました

 


好きな人の好きなものを好きになる

 

真綾のメモに書かれていた言葉で、この言葉は本作のメインテーマになっています

恋愛関係を発展させるためのポリシーのようなものになっていて、相手を知るという行為の発展系のようなマインドであると言えます

恋愛映画には色んな格言があるのですが、この言葉は久々に魂レベルに刺さりましたね

このような努力目標というのを、男性側はあまり立てないものだと思います

 

男性目線だと、いかにして特別に見られるかということを重視していて、どちらかといえば「自分の好意を行動に落とし込む」ということが多いように思います

映画の彗の行動もほぼそのスタンスで、行動によって距離感を縮めるのですが、そこには相手の視点というものがありません

それに対して、真綾は「好きな人のことを知りたい」という欲求があって、そして、相手が喜ぶことはなんだろうかと考えていきます

人間観察の延長線上にこのマインドがあって、それは一般的にはストーカーのようにも思えてしまいます

 

好きな人の好きなものを好きになるということは、「好きな人の行動原理を把握する」という言葉に置き換えられます

その「好き」に至る根本的なものは何なのか?

映画における彗の走るのが好きという根源は描かれませんが、単純に走っていて楽しいというものもあれば、走った後の疲労感が好きであるということもあります

でも、感覚的には「自分の才能を認めてもらった」というところなのかなと思います

 

彗が陸上を始めたのは、かつて親友だった元陸上部の手塚の誘いがあったからでした

手塚は彗ならば陸上でトップに立てると考えていて、彼自身のストイックな側面であるとか、集中力などを評価していたのだと思います

彗はどちらかというとマイペースなところがあって、その性格が個別競技である陸上に向いていると思ったのでしょう

チーム競技はチームワークが優先されますが、高校レベルのチーム競技だと、突出した何者かというのは高みに昇ることはできません

そう言った意味において、どこまでも登って行ける業界が陸上だったのかもしれません

 

なので、物語の中では、彗をもっとも理解しているのは、手塚ということになりますので、彼が真綾と向き合っていることの意味を誰よりも知っている、というところに繋がっていましたね

彗が遊びで真綾に手を出すとは考えておらず、また真綾も真剣に彗との関係を考えていたので、手塚としては身を引かざるを得なかったのだと思いました

 


120分で人生を少しだけ良くするヒント

 

本作はジャニーズ映画案件としては出色の出来栄えになっていて、これほどうまくハマっている作品もないと思います

演者の力量とキャラがマッチしていて無理がなく、ヒロイン像も対象者を想定した上で最良のキャスティングになっていました

少女漫画原作は、基本的には「王子様と一般人」の物語になっていて、ヒロイン側にコンプレックスがあることが多いですね

本作でも、ビジュアルやマインドにコンプレックスを持っている真綾が、雲の上の存在とごっこをするという構図になっていました

 

この段差のある関係性というのは恋愛を燃え上がらせるのですが、この障壁の設定というのは結構難しいと思うのですね

特に本作の場合は、「女性に軽んじられるけど、異性はそうは思わない」という、ものすごく難しいビジュアライズが必要になります

なので、モブっぽさがありながらも、恋愛の渦中において主人公になれる存在感というものが必要になってきます

本作には主要なキャストで女優が三人いますが、それぞれの配置が絶妙に思えます

 

ライバルの花咲を演じた中島瑠菜さんは集団の中にいて目立つタイプで、親友の知花を演じた莉子さんは隣にいて安心できる大人性を持っています

この役柄を変えて、花咲のポジションに畑芽育さんを配すると主張力が少し弱まりますし、親友役にすると幼さから安心感が薄まってしまいます

女優さんたちは時間と共に技量も上がってくるし、本作以外では違う役柄を演じることは可能だと思います

でも、この物語の人間関係を描くという意味では、現時点ではシャッフルできないと思います

 

最近の映画は配役の段階で成功しているものが多くて、その力量にあった役をうまく当てていると思います

このあたりは「本作で何をどう描くかというビジョンが正確だった」ということなのでしょう

また、配役頼みの売り方をしておらず、物語にもちゃんと格があって、共感性を生みやすい状況、恋愛漫画独特のキラキラ感というものが損なわれていないと思いました

そこまで突出した物語性があるわけではありませんが、鑑賞後感の良い映画で、男女問わずに眼福感は満たしていたので、目的は果たしているのではないか、と思います

 


■関連リンク

Yahoo!映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://movies.yahoo.co.jp/movie/384290/review/95c27408-3aff-4673-addf-94ce14a2923e/

 

公式HP:

https://movies.shochiku.co.jp/chigirakun-movie/

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投稿者 Hiroshi_Takata

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