■やはり、前後半を分ける意味がないことを確認することになってしまいましたねえ


■オススメ度

 

前作までをしっかり観た人(★★★)

キャストのファンの人(★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日:2023.6.30(イオンシネマ京都桂川)


■映画情報

 

情報2023年、日本、96分、PG12

ジャンル:恋人の死を止めるために過去に戻る底辺を描いたアクション映画

 

監督英勉

脚本:高橋泉

原作和久井健『東京リベンジャーズ』

 

キャスト:

北村匠海(花垣武道/タケミチ:恋人ヒナを救うためにタイムリープを繰り返す青年)

 

吉沢亮(佐野万次郎/マイキー:東京卍會の総長)

山田裕貴(龍宮寺堅/ドラケン:東京卍會の副総長)

 

今田美桜(橘日向/ヒナタ:事故死するタケミチの彼女)

杉野遥亮(橘直人/ナオト:ヒナタの弟、タケミチのタイムリープの鍵)

 

鈴木伸之(清水将貴/キヨマサ:参番隊隊員→前回で破門、ぼったくりバーの店主、今回登場なし)

眞栄田郷敦三ツ谷/インパルス:弐番隊隊長)

 

永山絢斗場地圭介:芭琉覇羅に移る元壱番隊隊長)

村上虹郎(羽宮一虎:芭琉覇羅に移っている元東京卍會の創設者の1人)

清水尋也半間修二:芭琉覇羅のNo2)

田中偉登(チョメ:芭琉覇羅の一員)

今村謙斗(チョンボ:芭琉覇羅の一員)

山口大地(丁次:芭琉覇羅の一員)

堀丞(冨永:芭琉覇羅の一員)

 

高杉真宙(松野千冬/ゴキ:壱番隊副隊長)

塚家一希(林田春樹/パーちん:参番隊隊長)

長田拓郎(濱田忠臣:東京卍會参番隊副隊長)

 

間宮祥太朗(稀咲鉄太/キサキ:メビウスから東京卍會に移ってきた男)

 

磯村勇斗(千堂敦/アッくん:溝中五人衆、アーカイブ)

田川隼嗣(山本タクヤ:溝中五人衆、今回登場なし)

髙橋里恩(鈴木マコト:溝中五人衆、今回登場なし)

藤堂日向(山岸一司:溝中五人衆、今回登場なし)

 

栗原類(灰原蘭:決戦を見守る男)

豊田裕大(灰原竜担:決戦を見守る男)

西洋亮(ガリ男:決戦を見守る男)

原沢侑高(灰泉:決戦を仕切る男)

 

高良健吾(佐野真一郎:マイキーの兄)

 


■映画の舞台

 

東京のどこか

 

ロケ地:

東京都:大田区

大坊本行寺

https://maps.app.goo.gl/H8LdMP5b77hTZ3nv6?g_st=ic

 


■簡単なあらすじ

 

前作にて、芭琉覇羅のトップがマイキーだと知らされたタケミチは、再び過去を変えるために高校時代に舞い戻った

東卍の創設者でありながら芭琉覇羅に入った一虎と場地は、東卍に決闘を申し込み、タケミチはそれを阻止しようと奮闘する

だが、場地にタイマンを吹っ掛けても惨敗し、ドラケンも一虎にコンタクトを取るものの、一向に聞き入れようとしなかった

 

決戦待ったなしの中、マイキーは決起集会を開き、「芭琉覇羅に勝って場地を取り戻す」と宣言する

こうして、東卍と芭琉覇羅の決戦は、見届け人がいる中、高架下の廃車場にて執り行われることになったのである

 

テーマ:東卍の設立理念

裏テーマ:守るために変えること

 


■ひとこと感想

 

前作「運命編」は思いっきり「続編意識の終わり方」で、2ヶ月経ってようやく公開となりました

この間に主演級の俳優が逮捕されるなど色々とありましたが、「作品に罪なし」の理念というよりは、「今更無理」という感じで公開に踏み切っています

その俳優が演じたキャラの顛末を考えると、前後半に分けたことが愚策認定に拍車をかけることになっていました

 

物語は、前作の続きということで「ほぼ決戦の殴り合いのみ」という感じになっています

前作に起き忘れた伏線の回収ということになりますが、起き忘れたままの伏線が多いように思えます

シリーズの中で必要なのかもしれませんが、腑に落ちない点もちらほらありましたね

 

アクションシーンは「高校生の体力とは思えない」感じになっていますが、まあそこはマンガ原作なので、という感じで割り切っていますね

現実に起きていたら、10人ぐらいは死んでいると思いますし、救急車も来ませんでしたねえ

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


ネタバレ感想

 

期待半分という感じで、どんな感じに締めるのかと思っていたら、想定の範囲内といった感じでしょうか

世界線が変わったのかの答え合わせが本作では無視されていて、このままの世界で生きていくタケミチが描かれています

 

転生前の世界では、マイキーが一虎を殺して、場地が何者かに殺されたことによって、ヒナが事故死する世界線に繋がるのですが、それが解消されたのを確認しない意味がわかりません

あと、「芭琉覇羅のトップはマイキーだ」というドラケンの発言の回収はなかったように思います

 

映画は、前後半に分けたことで、決戦編はアクションシーンに特化した内容になっていましたね

ずっと殴り合いをしているのですが、登場人物のフィジカルがサイボーグ並みに屈強なのは「やりすぎ感」が否めません

誰も死なないんだろうなあと思っていたら、自決で死ねるとか、打撃には死ぬほど強いけど、刃物だと一撃という訳わからん世界観になっていましたねえ

 


前後半で分けた功罪

 

前半でも書いたと思うのですが、本作は前後編に分けずに150分ぐらいのボリュームで突っ走った方が良かった作品でしたね

後半は「決戦」なので、半分ぐらいは喧嘩しているシーンになっていて、話の展開はそこまで膨らみません

前作を覚えていない人用の「前置き」も結構長いので、実質80分もなかったように思えます

 

前作はあっくんがヒナを殺してしまうショッキングなシーンで始まりますが、今作では「その答え合わせをしない」という暴挙に出ていました

原作準拠なのかわかりませんが、前後編の締めとしては、一度現代に戻って、無事を確認するというのは必要だったように思います

東卍のトップにならないとヒナは助からないと考えているタケミチなので、トップに立つまでは戻らないのかもしれませんが、そうなると「トップに立つまで映画を続けるのか」問題が浮上してくるのですね

全31巻でトップに立てたのかどうかは知りませんが、そこまで映画化する頃には役者が全員歳を取ってしまうので、どうなるのかを逆に見て見たくなります

 

前後半に分けるのは単純に一本にまとめると上映時間が長いからなのですが、前後編の総合時間は186分で、エンドロールとつなぎを無くせば「170分ぐらい」だったと思います

一作目が120分だったことを考えると、150分ぐらいにまとめて一つにまとめた方が映画の質としては上がるでしょう

また、公開期間が2ヶ月ほど開いてしまうというのも致命的で、現状の映画のサイクルなら1ヶ月程度が限度のような気がします

 

2作まとめて観たい人が映画館で観られるのか微妙だし、連作はソフト化されるまでTVでも流れることはないので、2ヶ月引っ張れるだけの力量があればOKだと思います

前作は「連載漫画の引き」のような強引さがありましたが、それだけで引っ張れるかは微妙でしたね

ファンムービーとして短期的に稼ぐ方が効率が良さそうな印象があるので、2週間後ぐらいに公開して「前後作同時が可能」「特典商法」「公開終了後、即ソフト化」ぐらいのスピード感がある方が、昨今の流れの速さについていけるのかなと思いました

 


勝手にスクリプトドクター

 

本作は、前作の続きとして「マイキーが芭琉覇羅のトップだった」というドラケンの言葉があって、それを回収するお話のはずでした

でも、後半のどこで「芭琉覇羅のトップだったのか」はわからず、ドラケンの話だと「決戦の時にすでに芭琉覇羅のトップ」みたいなニュアンスになっていたので、決戦の前に裏切るのかなどと余計なことを考えていました

ドラケンの言葉の答えが映画では示されなかったのですが、おそらくは「場地が心を入れ替えた世界線(キサキの陰謀を感じ演技をする)」「タケミチがマイキーを説得できた世界線(芭琉覇羅潰すよりも場地を取り戻すになっている)」によって、その未来は訪れなかったのだと推測されます

 

前半の終わりで、マイキーが誰かを殴り殺してそうなイメージをタケミチが見ていて、それが後半になると相手が一虎だったことがわかる、という感じになっていましたが、この引きのイメージだけでOKだったように思えますね

ちなみに原作では、壱番隊の隊長に任命されたのちに現代に戻っています

タケミチはレンタルビデオ屋の店員ではなく、東卍の幹部になっているのですが、このシーンを省いた意味は分かりませんでした

 

映画のシナリオを練り直すのであれば、「ドラケンのマイキーが芭琉覇羅のトップ発言の回収」と「現代に戻るシークエンス」は必要であると思います

現代に戻ったけどヒナはまた死んでしまうという流れを汲むことになると思いますが、ヒナが死ぬまで描く尺がなかったので「帰らない」シナリオになったのかもしれませんね

このシークエンスは映画ではまだ登場しないのでネタバレは控えておきますが、ここまで来たら「興収ボロボロでも突き進んでほしい」と思いました

 


120分で人生を少しだけ良くするヒント

 

本作は基本的にはアクション映画で、「中学生同士の喧嘩(原作は)」というものがメインになっています

ですが、見た目は高校生でもキツい感じになっていて、そこは見ないふりをしようという暗黙のルールのようになっています

年齢云々は「中学生に見えて、これだけ演技をできるキャストを揃えるのが無理」ですので、大人にしか見えない人で固められるのは仕方ないことだと思います

それよりも気になってしまうのは、実写になったことで生じる暴力描写のリアルの部分ではないでしょうか

 

廃車場で行われる血のハロウィンの決戦は、地上での殴り合いも大概ですが、廃車の上で戦って転げ落ちるなどの描写が結構ありました

一応、ダメージは喰らっているみたいですが、見た目の打撃力を考えると復活早すぎかなと思ったりします

廃車数台積載の上から転げ落ちるのはビジュアル的にはインパクトがありますが、それで終了になってしまうほどのダメージを受けそうなのですね

でも、殴り合いができるほどに復活したりするので、「ああ、漫画だなあ」と思ってしまいました

 

過去に何度もタイムリープできる世界観に文句を言っても始まらないのですが、実写になると「魔法使いとか超人の戦い」でもないと、物理的なダメージを考えてしまうものだと思います

彼らは喧嘩が強い中学生(映画の設定は高校かもしれないけど)なので、ある程度は考慮してもよかったでしょう

廃車の上から転げ落ちても立てるし、頭に蹴りを喰らっても立てるけど、小さなナイフが致命傷になってしまう

このあたりのバランスがちょっと統一感がないかなと感じます

 

実際にナイフで筋膜を突き破れるほど刺せるのかは知りませんが、見た目だけでもダガーナイフか刃渡り長めのバタフライナイフなら説得力があったかもしれません

でも、よくよく考えたら中学生がダガーナイフをどうやって手に入れるんだろうとか、余計なことを考えてしまいますね

その時は、これだけ荒れている中学生の家庭なので、どこかしら家庭にあるのかもしれませんが、立派な銃刀法違反(5.5cm以上)なので、見つけても所持するのはやめておきましょう

 


■関連リンク

Yahoo!映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://movies.yahoo.co.jp/movie/385707/review/a348c464-89b1-4709-8bf3-b37ec90a305e/

 

公式HP:

https://wwws.warnerbros.co.jp/tokyo-revengersjp/

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投稿者 Hiroshi_Takata

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