■冒険の終わりに訪れる、ささやかな報酬


■オススメ度

 

シリーズのファンの人(★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日:2023.7.1(TOHOシネマズ二条IMAX


■映画情報

 

原題:Indiana Jones and the Dial of Destiny

情報:2023年、アメリカ、154分、G

ジャンル:かつての因縁の野望に巻き込まれる考古学教授を描いたアドベンチャー映画

 

監督:ジェームズ・マンゴールド

脚本:ジェズ・バターワース&ジョン・ヘンリー・バターワース&ジェームズ・マンゴールド

キャラクター原案:ジョージ・ルーカス&フィリップ・カウフマン

 

キャスト:

ハリソン・フォード/Harrison Ford(ヘンリー・ジョーンズ・ジュニア/インディ・ジョーンズ:世界中を旅する世界的に有名な考古学者、大学教授)

 

フィービー・ウォーラー=ブリッジ/Phoebe Waller-Bridge(ウォンバット/ヘレナ・ショー:バジルの娘、ジョーンズは名付け親)

   (幼少期:Holly Lawton

トビー・ジョーンズ/Toby Jones(バズ/バジル・ショー:ジョーンズの旧友、ヘレナの父親)

Kate Doherty(バジルの家政婦)

 

マッツ・ミケルセン/Mads Mikkelsen(ユルゲン・フォラー:第二次世界大戦中の元ナチスの科学者)

ボイド・ホルブルック/Boyd Holbrook(クレーバー:フォラーの極悪非道な右腕)

トーマス・クレッチマン/Thomas Kretschmann(ウェーバー大佐:フォラーの元上官、ナチス)

オリヴィエ・リヒタース/Olivier Richters(ハウケ:フォラーの手下、巨漢)

Martin McDougall(ダーキン:フォラーの手下)

 

シャウネット・レネー・ウィルソン/Shaunette Renée Wilson(メイソン:米国政府エージェント)

 

アントニオ・バンデラス/Antonio Banderas(レナルド:ジョーンズの旧友、潜水士)

Adolfo Margiotta(ヘクター:潜水士、レナルドの友人)

Nicolo Cancellieri(シレーネ:甲板員、レナルドの友人)

Antonio Iorio(ポップアイ:潜水士、レナルドの友人)

 

ジョン・リス=デイヴィス/John Rhys-Davies(サラー:ジョーンズの旧友、エジプトの発掘屋、タクシー運転手)

Ali Saleh(ジャバリ:サラーの孫)

Amara Khan(アリア:サラーの孫娘)

 

イーサン・イシドール/Ethann Isidore(テディ・クマール:ヘレナの相棒の少年)

Alaa Safi(ラヒム:ヘレナの元婚約者、ギャング)

カレン・アレン/KarenAllen(マリオン・レイヴンウッド:インディの妻)

 

ナセル・メマルツィア/NasserMemarzia(アルギメデス:天才数学者)

マーク・キーリン/Mark Killeen(ポンティマス:アルキメデスの手下)

Mauro Cardinali(マキシマス:アルキメデスの部下)

 

Chase Brown(ラリー:爆音で音楽をかけるインディの隣人)

Anna Francolini(マンディ:インディの大学の職員)

 

Ian Porter(ボブ:バーテンダー)

Henry Garrett(ルイス:昼寝していたパイロット)

 


■映画の舞台

 

1944年&1969年

ドイツ

アメリカ:ニューヨーク

モロッコ:タンジール

ギリシャ

イタリア:シチリア島

 

ロケ地:

イギリス:グラスゴー

https://maps.app.goo.gl/qVK2L1zPHz4PWwoa8?g_st=ic

 

イギリス:グロスモント

North Yorkshire Moors Railway/ノースヨークシャーム鉄道

https://maps.app.goo.gl/yDTBoTn9B9QY1rGQ6?g_st=ic

 

Bamburgh Castle/バンバラ城

https://maps.app.goo.gl/E4nXu2WbtzbpSreY6?g_st=ic

 

スコットランド:

Glencoe/グレンコー

https://maps.app.goo.gl/QCSvsCVFZyrK4eWt7?g_st=ic

 

スコットランド:ラナークシャー州

Biggar/ビガー

https://maps.app.goo.gl/7yEZx4g9BCmcpPHZ7?g_st=ic

 

イタリア:シチリア島

Syracuse/シラキューザ

https://maps.app.goo.gl/iNUvPAjGnBDH48QEA?g_st=ic

 

Ear of Dionysius/ディオニシウス洞窟

https://maps.app.goo.gl/4aLz12YcW6gykmGs6?g_st=ic

 

Castellammare Del Golfo

https://maps.app.goo.gl/9arrisxETonkN7Nc7?g_st=ic

 

Grotta Dei Cordari/グロッタ・デイ・コルダリ洞窟

https://maps.app.goo.gl/kiNCxPL9jyeoE1Am9?g_st=ic

 

Neapolis Archaeolgical Park/ネアポリス考古学公園

https://maps.app.goo.gl/jhwK551TgDTNSCdY6?g_st=ic

 

Castello Maniace/マニアーチェ城

https://maps.app.goo.gl/nJB9doWRqGWVuv1H8?g_st=ic

 

Temple of Segesta/セジェスタ神殿

https://maps.app.goo.gl/rR5Qvte1QeQcPHra7?g_st=ic

 

モロッコ:

Fez/フェス

https://maps.app.goo.gl/tYrELZjUMjSNed2u7?g_st=ic

 


■簡単なあらすじ

 

1943年、ドイツ占領下のある土地にて、「ロンギヌスの槍」を探していたインディとバジルは、ナチスに捕えられてしまう

「ロンギヌスの槍」は偽物だったが、そこにいた科学者のフォラーは「アルキメデスの時計盤の一部」を見つけて目の色を変えた

それを奪って逃げることにしたインディたちは、追いかけてきたフォラーを振り切るものの、「アルキメデスの時計盤」の片方の行方はわからなくなってしまった

 

それから25年後、インディは大学教授となり、最後の授業を迎えていた

やる気のない生徒たちの中に、一人だけ質問をしてくる女性がいて、彼女はバジルの一人娘のヘレナだった

ヘレナも考古学を専攻し、父の研究を受け継いでいた

かつて失われた「アルキメデスの時計盤」の行方を追っていて、彼女は金のためにそれを追っていた

 

だが、その場に謎の集団が乱入し、ヘレナは咄嗟に時計盤を持って逃走する

追手は職員たちをも無惨に殺していき、インディは捕まってしまった

何とか逃亡に成功したインディは、ヘレナを追ってモロッコに飛ぶことになったのである

 

テーマ:歴史と後悔

裏テーマ:自分のいるべき世界

 


■ひとこと感想

 

『インディ・ジョーンズ』のシリーズについては、金曜ロードショーで見た記憶がある程度で、おそらく劇場で観たことはないと思います

前作の『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカイの王国』が2008年のことなので、本格的に映画を観る前のことになりますね

前作の4つを見返す時間も取れなかったので、何となく察することができるだろうと特攻して参りました

 

率直な感想としては、「4DX向きの映画かな」という感じで、映像も激しいですが、劇伴も常に鳴りまくっている感じでしたね

IMAXシアターの最前列で鑑賞していましたが、迫力はなかなかのものでした

 

物語は、近づいて来た美女が旧友の娘ということで、ロマンス路線には行くこともなく、奪い奪われを繰り返していきました

カーチェイスなども激しくて、定年を迎えた高齢男性のアクションではありませんね

そのあたりを突っ込むのは野暮だと思いますが、気になる人は気になるのかもしれません

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


ネタバレ感想

 

考古学のオーパーツが世界を変える系の物語で、今回のアイテムは「時空の歪みの中を抜けて行きたい時間に行ける」というものでした

フォラーの目的は「ナチスの過ちを正す」というもので、これはインディもびっくりの理由になっていましたね

突き詰めると「自分がヒトラーになりかわる」というもので、その野望はアルキメデスの仕掛けによって泡となって消えてしまいます

 

ヒロインが旧友の娘だったのは、ラストシーンの妻(映画内で離婚済み設定)との再会がロマンスになっているからなのでしょう

他にも色々とオマージュがあると思いますが、ほぼ記憶にないので解説できませんので、フリークの人たちのブログなどを参考にしていただいた方が良いと思います

 

物語としては、敵の設定が込み入りすぎていて、ぶっちゃけCIAは不要だったように思います

フォラーの部下が冷酷であるという表現で使われているだけで、そこまで必要性がないと感じました

 

映画としては、劇場向けで「ボディダブルを気にしなければ」アクションシーンも楽しめると思います

カーチェイスシーンもどうやって撮ったのかレベルに激しいですし、4DXだったら楽しめるアトラクションムービーだったのかなと思いました

 


オーパーツ系の面白さ

 

オーパーツ(Out of Place Artifacts)とは、発見された場所や年代にそぐわないとされる出土品や加工品のことで、世界各地でたくさん見つかっています

インドのデリーにある「錆びない鉄柱」とか、「ナスカの地上絵」などもそれにあたり、今回の「アルキメデスの時計盤(運命のダイヤル)」も紀元前に作られたとは思えない精巧なものになっています

アルキメデスが生きていた時代は紀元前280年ぐらいの時期で、シラクサの戦いでは「投石機」で戦っているというレベルの軍事開発になります

無論、運命のダイヤルに「時空の歪みを発見する力」というものを搭載させるのは至難の業なのですが、実際のその時代の科学力は不明な部分が多いので、何でもありになっていたりします

 

オーパーツには発見当時は時代にそぐわないと思われても、徐々に解明されてくると時代に合っているということも多々あります

でも、運命のダイヤルに関してはさすがに人類の文明史で実現可能とは思えません

映画では、現代に生きるインディ&フォラーがダイヤルを完成させたことによって、アルキメデスが完成のヒントを得るということになっていて、それを目的に未完成を残すという壮大な作戦になっていました

 

何かしらの偉人の遺したものにはロマンがありますが、それにオーパーツ的な不思議なものが付加されると、その製作過程などの背景が付加されて面白くなってきます

今回の運命のダイヤルも、単純な時計だったら面白くもなんともないわけで、超科学的なデバイスが紀元前に存在したという設定が効力を発揮しているように思えました

とは言え、タイムトラベルにまでなってしまうと非現実感がすごいのですが、そこは『インディ・ジョーンズ』なので、ということでありなのかなあと思ってしまいますね

 


シリーズの正しい締め方について

 

本作は、1981年に始まったシリーズの最後の冒険になっていて、前作『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』から丸15年ほどの期間が空いています

その前の『インディ・ジョーンズ/最後の決戦』も1989年で、前作と前前作で9年ほどの開きがありました

本作の想定が前作当時にあったのかは知りませんが、最近のリバイバルブームに乗って作られたのかなと思ってしまいます

 

シリーズの続編は演者の高齢化によって、中の人も年齢を重ねます

宇宙人設定とかなら年も取りませんが、本作のように人間が主人公だと、CG補正などを駆使しても限界があると思います

『レイダース/失われたアーク«聖櫃»』が1936年の設定で、インディは考古学の教授となっています

本作は1943年(7年後)と1969年(33年後)の世界になっていて、インディは定年を迎えているという設定になっていました

なので、『レイダース』の段階で30歳後半ぐらいのイメージになると思います

 

本作の1943年時点だとインディは40歳前後で、その20年後ぐらいが「現代パート」に当たることになって、冒険活劇としてはギリギリの年齢のように思えます

冒険はもう懲り懲りと思いながらものめり込んでいくインディですが、「これが最後の冒険だ」感というものが随所に出ていたと思います

前作のラストでマリオンとようやく結婚したのに、今回の冒頭でいきなり離婚しているのは苦笑しましたが、その狙いはあまり分かりませんでしたね

協議離婚設定が必要だったのかは謎で、息子が戦死した設定だけでも良かったように思います

 

映画のラストでは、インディがいよいよ引退という感じになっていて、マリオンとのキスシーンで締められるのですが、離婚の紆余曲折がほとんどわからなかったので、あまりピンと来ませんでした

冒険を終わらせるためには「第二の人生」的なものが必要になっていて、それがマリオンとの復縁ということになるのですが、夫の心配をして待つ妻ではダメだった理由はわからないのですね

マリオンと一緒に過ごす老後ということなら、「最後に無茶をしてみたけど、やっぱり無理だったわ」で締めても良かったのかなと思います

 


120分で人生を少しだけ良くするヒント

 

本作の醍醐味は、世界各国を渡り歩く観光面と激しいカーチェイス、紀元前にまで飛んでいく行動範囲であると思います

モロッコとイタリアのシチリア島が主軸ではありますが、都市部で感じられない非日常感があったように思えました

この感覚は深夜に放送されている「諸外国の風景を映しているだけのNHKの番組」みたいな感覚があって、そう言った疑似体験的な楽しみがありました

偶然にも、鑑賞後の番組で「モロッコのフェスが紹介されていた」のは縁があるなあと思ってしまいます

 

アドベンチャー映画には「視界の広狭」というものが効果的で、分かりやすいのが「洞窟のような寸前が見えない空間」と「広大で空気感を感じる空もしくは山の上」のような対比軸になります

本作でも、モロッコ市街のカーチェイスでは狭くなり、シラキスに向かう際に弛緩が広くなり、洞窟でまた狭くなる、という感じで交互に視界の切り替えが行われていきます

さらに時間軸の広狭というものが生まれていき、それが次元を有するために立体的になっていくのが面白さにつながっていたように思います

 

本作は場面転換が多い映画で、アトラクションムービーとしては最高の出来だと思います

4DX向きかなと思うのですが、あまりにも激しく動きそうなので、車酔いをする人は要注意かもしれません

私はIMAXシアターの最前列で観るという暴挙に出ましたが、最前列に慣れていないとキツいと思います

字幕も特大で、隅から隅まで追うのは大変なのですが、基本的に何を喋っているかわからなくても絵でわかる映画だったりするので、字幕が読めない不具合はあまり感じませんでした

映像と動きを体感したいのなら、吹替4DXとかになると思いますが、近場でやっているかどうかわからないので薦めづらいですね

一度、行きつけの映画館でスケジュールを調べてみて、4DXもしくはMX4Dがあればトライしてみても良いかもしれません

 


■関連リンク

Yahoo!映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://movies.yahoo.co.jp/movie/386018/review/69c858da-b310-4997-8200-f2d531aa60db/

 

公式HP:

https://www.disney.co.jp/movie/indianajones-dial

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投稿者 Hiroshi_Takata

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