■ロマンがたくさん、裏方の涙もたくさんの王道戦闘機映画でしたね


■オススメ度

 

中国の戦闘機に興味がある人(★★★)

中国のプロパガンダ映画に興味のある人(★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日:2024.7.3(TOHOシネマズ二条)


■映画情報

 

原題:長空之王/长空之王(空の王)、英題:Born to Fly(飛ぶために生まれてきた)

情報:2023年、中国、128分、G

ジャンル:中国の次世代戦闘機開発に関わったテストパイロットたちを描く戦争映画

 

監督&脚本:リウ・シャオシー

 

キャスト:

ワン・イーボー/王一博(レイ・ユー/雷宇:南部空軍の主任パイロット)

 

フー・ジュン/胡軍(チャン・ティン/張挺:大隊長、機長)

ジャオ・ズーシー/趙子琪(ジャン・ユージュン/江雨珍:チャン・ティンの妻)

リー・ホン/洪烈(ジャン・シャオロン/张枭龙:チャン・ティンの息子)

 

ユー・シー/于適(ドン・ファン/鄧放:テストパイロット、レイ・ユーのライバル)

 

チョウ・ドンユイ/周冬雨(シェン・ティエンラン/沈天然:軍医、レイ・ユーの幼馴染)

 

ブ・ユウ/卜鈺(ガオ・インジュン/高英俊:テストパイロット)

ジョウ・チュウチュウ/周楚楚(ガオの恋人)

 

ユジア・ザイ/翟宇佳(シア・ポンフェイ/夏鵬飛:テストパイロット)

ワン・ズーチェン/王子宸(トンガン/童敢:テストパイロット)

ルー・シン/盧鑫(リー・シャオハン/黎曉航:テストパイロット)

ク・ジーミン/曲哲明(ジア・ションリー/賈盛立:テストパイロット、パック男)

 

ジンジン/金靖(アイユ/艾妤:航空病院の医師)

 

テェン・チョンチョン/田壮壮(ウェイ主席/魏总工:戦闘機の技術エンジニアの責任者)

ワン・シーガン/王志刚(エンジンのエンジニア)

スン・チーヘン/孙启恒(ラオ・ユー/机务老于:整備士)

 

チェン・タイシェン/成泰燊(ディン/老丁:パラシュート梱包責任者)

 

チュン・シャンミー/郑晓宁(ハン司令官/韩局长:北部空軍の司令官)

ワン・シンシャン/王庆祥(ワン副指令官/王副司令:北部空軍の副司令官)

 

ヤオ・ルル/姚橹(レイ・ユーの父)

ジャン・ホンボー/姜宏波(レイ・ユーの母)

 

リー・イェンシー/李妍锡(ディン・リーユー/丁丽语:ユージュンの友人?)

チェン・チリン/陈秋伶(ワン・ロウシー/王若兮:ユージュンの友人?)

 

ガン・ユンチェン/甘昀宸(遊牧民)

 

リャン・ティンイー/任天野(基地に来る政治家)

 

ズー・ション/子雄(敵のリーダーパイロット)

Yuldasev Davronbek(敵のパイロット)

 

チャン・ニンジャン/张宁江(南部の司令官)

マー・シャオユー/马晓宇(南部の副司令官)

カン・スアン/康轩(南部の現地スタッフ)

デン・フェイ/邓飞(軍用車の運転手)

 


■映画の舞台

 

中国のどこかの空軍基地

 

ロケ地:

中国のどこか

 


■簡単なあらすじ

 

南部の空軍基地にて活躍勇ましいパイロットのレイ・ユーは、ある日の出陣にてエンジントラブルを起こしてしまう

戦闘機の心臓が治らないと他国と戦えないと悟っていて、そんな彼の元に、テストパイロットの大隊長チャン・ティンがやってきた

 

中国では新型エンジン「泰山」を開発し、共同開発なしでステルス戦闘機を作ろうと考えていた

チャン・ティンは新型エンジンと戦闘機のテストパイロットを探していて、前線で活躍するレイ・ユーを招聘することになった

 

そこには、ライバル視しているパイロットのドン・ファンを含めた数十人のパイロットが集まっていて、新型機に乗れるのはわずか7人だった

レイ・ユーは過酷な訓練と試験に挑む中で、中国が抱えている問題に直面し、独自に開発を行うようになっていく

だが、あるテスト飛行にて命令違反をしてしまい、飛行停止処分が下されてしまうのである

 

テーマ:中国の復権の必須要素

裏テーマ:国是と政局

 


■ひとこと感想

 

思いっきり中国のプロパガンダ映画ですが、それに文句をいうのは野暮というものでしょう

それでも、中国自身が抱えている背景というものをきちんと理解しているのは面白かったと思います

 

中国映画なので、日本が憎き仮想敵国として登場するのかと思いましたが、眼中にないという感じでしたね

敵機に威嚇するために英語を覚えるという一幕があって、昔なら日本語だったのかなあと思ったりもしました

 

映画は、CGだとわかる映像ですが、臨場感を作るアングルなどが工夫されていて凄かったですね

実際にどこまで開発が進んでいるのかはわからないのですが、ロシアと共同開発というほど仲が良いというわけではないのは意外だったように思いました

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


ネタバレ感想

 

映画は、中国最高!という映画ですが、万国で通じる人情ネタを取り扱っていました

無論、方法は違えど、日本やアメリカでも次世代戦闘機の開発の裏には犠牲があるもので、単に大きく報道されないか、共同開発なので、その分犠牲が少なく見えるというのもあると思います

 

物語としては、見事なまでのフラグが立ちまくっていて、整備士と「あと10年は一緒にやりたいな」とか、妻の「結婚するならパイロットよ」などがあって、うわあと思いながら見ていました

何度も事故に巻き込まれるレイ・ユーでしたが、お祓いした方が良いんじゃないのと思わせるものもありましたね

 

また、パイロットの脱出装置の詳細とか、自分で自分のパラシュートを整備するなどのシーンも胸熱で、影で支えている人がいかに多いのかと思い知らされます

我々が失敗したら国民はどうなるのかと叱咤激励するチャン・ティンの言葉は重く、それを体現している人を思えば、安易な反対運動など起こせないように思えました

 


最新兵器開発事情

 

今年に入ってからの話題だと、「極超音速兵器の開発」で中国が一歩リードした、なんて言うニュースが流れたりもしました

音速の5倍の速度で飛行する兵器の開発のことで、これに懸念を示したのがアメリカ国家航空宇宙センター(NASIC)の上級情報アナリストが分析した、とされています

詳しくは、下記のリンクを踏んで見てください(英語)

Bloomberg「China Leads the US, Russia in Hypersonics, Pentagon Analyst Says」URL

→ https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-03-12/china-leads-the-us-russia-in-hypersonics-pentagon-analyst-says

 

この記事のみならず、表に出ていない兵器開発も当然行われていて、無論その中にも次世代戦闘機も対象となっています

現在の戦闘機は2020年の第5世代戦闘機のさらに上をゆく「第6世代戦闘機」の開発競争が起こっています

この世代は「長航続距離と高性能」を目指していて、2028年に海軍、2032年に空軍に導入開始予定(アメリカ軍)となっています

2030年以降の次世代戦闘機には、レーザー兵器を搭載可能にすると言う目標もあり、照射、追跡、目標補足と敵のセンサーの無力化などを目標に掲げています

海面から高度6万5千フィート、速度はマッハ0.6から2.5で動くことを想定しているとされています

 

ウィキなどでこのような情報が転がっていることの方が異常ですが、これは表向きに出せる部分ということになります

あくまでも、情報戦の一環として、操作している部分もあり、実際に行われている開発はトップシークレットでしょう

実際に戦争が起こると、どんな兵器が活躍するかは分かりません

現在進行形だと、ウクライナ戦争で活躍しているのは小型ドローンだったりするので、戦争の形態が変わってくると、次世代戦闘機の役割も変わってくるのではないでしょうか

 


技術屋の移り変わり

 

映画では、戦時中に活躍したベテランが今も兵器開発に携わっている様子が描かれていました

時代によって、技術屋の質も変わってくると嘆いていましたが、多くのデータが蓄積されてきたことで、あらゆる面の進歩というものが生まれていました

必要に応じて簡略化され、シミュレーションの発達によって、リスクも軽減されつつあります

でも、実機に乗らないとわからないことも多く、そのためにテストパイロットが必要になってきます

 

映画では、パイロットであるレイ・ユーが前線から外されたことで、裏方に回されていました

おそらくは、そこで彼を潰すということではなく、再浮上のチャンスを持たせながら、彼に足りない部分を教え込もうとしていたのでしょう

これが戦闘機開発の裏側を見せる感じになっていて、テストパイロットの安全を守ることが、ひいては国家を守ることに繋がるというメッセージが強調されていました

 

時代が変わって、技術屋のマインドも背景も変わっていきますが、映画的には旧式の思考が最新鋭を救うという場面が多く見られると思います

いわゆる「ロスト・テクノロジー」というもので、これだけシステム化しても人間の感覚に勝るものがまだ登場していないのですね

今後はAIの発展によって、人類の経験値がデータベース化していくと思いますが、AI自身が人間の脳をハックして情報を吸い出すという時代が来ない限り、AIが人智を超えることはないように思います

あるとしたら、AIのアルゴリズムによって引き起こされる、人間の感覚とは違ったアプローチによる新技術ということになります

どういったものが開発されるかは分かりませんが、人類の戦争の歴史において最も進化を成し遂げたのは「飛び道具」「小型化」なのですね

それを考えると、AIによるドローンの新技術というものがリアルに感じられるところなのかな、と思いました

 


120分で人生を少しだけ良くするヒント

 

本作は、中国製『トップガン』と呼ばれ、戦闘機は男のロマン!を体現するような内容になっていました

開発裏話、テストパイロットの犠牲、恩人の死など、泣かずにいられない鉄板ネタがところ狭しと配置されていました

中国のプロパガンダが凄いとはいうものの、中国映画なので当たり前だと思います

どこの国が作っても、自国の戦闘機を貶めるような映画は作らないし、そこで起こるドラマも普遍的なものでした

 

この映画が中国映画としては異質だなあと思うのでは、一党独裁政治の軍隊の割には自由度が高いことだと思います

イメージで語るならば、テストパイロットの死に対しても国は無関心というもので、上官の命令に従わなければ、もっと厳しい対応(体罰など)が起こってしまうのではないかと懸念してしまいます

上官には情などなく、命は軽くてサバイバル

こんな印象を持っていたので、随分と時代が変わったのだなあと思ってしまいます

 

仮想敵国もあたりさわりのないところで落ち着いていて、「相手が理解できるのは英語だけ」という、かなりふんわりとしたものになっていました

あの場面で日本語を勉強していたらどうしようと思ってしまいましたが、よく考えれば自衛隊も国際演習の場などでは英語を使用していると思うし、とりあえずあの一文を覚えさえすれば、ほとんどの国でも理解できるでしょう

英語圏と見せかけて、実は日本が仮想敵国だったということも否めません

でも、演じている人はロシア人だったりするので、もう一段回踏み込んでいたりするのかなあ、などど余計なことを考えてしまいましたねえ

 


■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://eiga.com/movie/101571/review/04010838/

 

公式HP:

https://borntofly.jp/

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投稿者 Hiroshi_Takata

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