■満ち足りた家族
Contents
■オススメ度
ふと日常を突き崩す出来事に遭遇する二つの家族を描いたスリラー映画
■公式予告編
鑑賞日:2025.1.18(MOVIX京都)
■映画情報
原題:보통의 가족(普通の家族)、A Normal Family(普通の家族)
情報:2024年、韓国、109分、PG12
ジャンル:優秀な弁護士と誠実な小児外科医に訪れる出来事を描いたスリラー映画
監督:ホ・ジノ
脚本:パク・ウンギョ&パク・ソンジュク
原作:ヘルマン・コッホ/Herman Koch『The Dinner(邦題:冷たい晩餐)』
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キャスト:
ソル・ギョング/설경구(ヤン・ジェワン/양재완:成功した冷徹な弁護士)
チャン・ドンゴン/장동건(ヤン・ジェギュ/양재규:ジェワンの弟、小児外科医)
キム・ヒエ/김희애(イ・ヨンギョン/이연경:ジェギュの妻、フリーランスの翻訳者)
キム・ジョンチョル/김정철(ヤン・シホ/양시호:ジェギュとヨンギュンの息子、高校3年生)
クローディア・キム/수현(ジス/지수:ジェワンの2番目の妻)
ホン・イェジ/홍예지(ヤン・へユン/양혜윤:ジェワンと前妻の娘、高校3年生)
チェ・イドゥン/최이든&バン・ガウル/방가을(サラン:ジスとジェワンの赤ん坊)
ビョン・ジュンヒ/변중희(認知症にかかっている兄弟の母)
ジュン・ヨン/전영(ジェワンの母のヘルパー)
イ・セロ/이새로미(ジェワンのお手伝いさん)
リュ・ギョンイン/류경인(保育士)
ユ・スビン/유수빈(パク・ヒョンチョル/형철:財閥「オソングループ」の三男、事故を起こしたジェワンのクライアント)
ユ・インソン/유인선(キム・ナラブ/유인선:ナラの父:ヒョンチョルのトラブル相手、野球選手)
アン・イェリム/안예림(キム・ナレ/나래:ナラブの娘、事故車同乗者)
チェリ/최리(ナレの母)
ヨ・インソム/유인선(ナラブの父)
パク・サンフン/박상훈(ジェイデン/제이든:へユンの彼氏、UCLAの学生)
イ・ガギョン/이가경(チェ/Choi:NGOの理事長、ヨンギョンのボランティア仲間)
イ・チョンシク/이충식(殺されるホームレスの男)
ヨン・サンハク/윤상학(ホームレスの母)
ソン・ウリム/송우림(ハンシクのレストランのバレット)
オ・セウン/오세은(パーティーの女、ジェイデンの友人)
チョン・ミンヨン/정민건(パーティーの男、ジェイデンの友人)
イ・ジヒュン/이지현(療養病院のスタッフ)
イ・ハヨン/이하연(療養病院の看護師)
ノ・ジェウォン/노재원(病院の研修医)
オ・ヒョングン/오형근(病院の研修医)
パク・シヒョン/박시현(シホの担任の先生)
チョン・ヒョンソク/정형석(韓国料理とハングリーインターナショナルのナレーション)
チャン・テフン/장태훈(事故映像をYouTubeに上げる男の声)
■映画の舞台
韓国:京畿道
ロケ地:
韓国
■簡単なあらすじ
韓国にて、弁護士として成功している兄・ジェワンと、小児外科医として奉仕している弟・ジェギュは、お互いに高校3年生の子どもを抱えていた
ジェワンは金のためならどんな人間の弁護を引き受け、法外な報酬を手にしていた
ジェギュは救急病院で小児を中心に診ていて、
ある日のこと、街角で運転トラブルから事故が起こってしまう
一人は死に、その男の娘は重体として、ジェギュの病院へと運び込まれた
懸命の治療を行うものの、再手術が必要な状況で、昏睡から目覚めてはいなかった
その事故の相手は財閥の息子で、その弁護をジェワンが担当することになった
そんな折、兄弟とその妻を含めた4人でレストランに行くことになり、それぞれの息子と娘は気晴らしにパーティーに出掛けてしまう
そして、その夜にある事件が起こってしまう
それは、路上のホームレスが殺されたというもので、その容疑者は十代の若い男女だと断定されていたのである
テーマ:行いの代償
裏テーマ:親の選択
■ひとこと感想
古い小説の映画化で、これまでに何度も映像化されてきました
韓国版では、正義の執行者であるはずの弁護士と、奉仕に尽くす医師が兄弟として描かれていました
二人には年頃の子どもがいて、子どもたちが過ちを犯してしまうというもので、親は子どもをどうするのか、というのがテーマとなっています
これまでに正義を捻じ曲げてきた兄の良心の呵責というものが娘の行動によってどう変わっていくのかが描かれていました
映画は、成功者としての兄と、良き行いをしてきた弟が描かれていて、兄嫁はその成功を享受しているし、弟嫁は共に奉仕活動に殉じていました
この二人の妻が母親としてどういう選択を取るかというところが問われるのですが、へユンの母は後妻なので、母親としての資質がないように糾弾されてしまいます
その奢りが親として責務を歪ませることになっていて、立場と思想がコロコロ変わっていくのはリアルだったと思います
基本的にかなり心を抉る展開が続き、やるせなさが募ると思います
でも、物語としてはとても巧妙で、無駄なシーンがほとんどなかったように感じました
事故のシーン、ハンティングと動物を轢いてしまう展開と、その後の行動など、ありとあらゆるものがそれぞれの子どもたちの価値観として根付いていることがよくわかるメタファーとして機能していたように思いました
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
本作は、最後まで後味が悪い映画なのですが、期待を裏切らない展開になっていたと思います
冒頭から、シホの異常性は描かれているし、へユンの自分を守るためにはなんでもするという態度も一貫していました
それぞれの子どもは本当に親に似ていて、この両親ならば、こんな子どもに育ってしまうのかな、というところを外していないように思います
実際には、同じように育つとは限りませんが、親の成功を間近で見ていて、それに憧れを抱くなら、その源泉を辿るのは必然のように思えました
映画は、冒頭の感情任せの大人の喧嘩を描き、その後は理知的に見える大人たちを描いていきます
反省をしない人間はとことん反省をしないのですが、その原因が親にあるという因果もわかりやすく連鎖していましたね
財閥の息子は親に泣きついて、示談金の額を上げて「被害者に会おうともしない」のですが、それと同じぐらい「ホームレスが死んだことにも無頓着な子どもたち」が描かれていました
善人ぶっている弟も、シカを轢いた時には隠蔽するように、命に区別を持っていることがわかります
ホームレスを引きずって隠蔽する息子を見て、彼の中にいる自分を直視せざるを得なくなります
結局のところ、弟は保身に走り、息子の代わりに自分が罪を背負うことになるのですが、もっともやってはいけない解決方法のように思います
「これまで命を助けてきたから」「善行を行ってきたから」とヨンギョンは言いますが、その奢りこそがラストの行動に向かっているのでしょう
弟が兄の持論を法廷で展開するかはわかりませんが、弁護士を轢き殺したという事実は法曹界を敵に回すことになるし、息子たちの罪の証拠は後妻が握っているので、彼女の怒りを買うことにもなったのではないでしょうか
■解決という愚策
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■タイトルの意味について
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■120分で人生を少しだけ良くするヒント
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■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/102767/review/04690485/
公式HP: