■敵の存在感がだんだんと薄くなって、ファミリー感が増してしまうと、バランスが悪くなってしまいますぞ
Contents
■オススメ度
シリーズのファンの人(★★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2024.6.21(イオンシネマ京都桂川)
■映画情報
原題:Bad Boys: Ride or Die(悪い奴ら:死ぬまで一緒)
情報:2024年、アメリカ、115分、PG12
ジャンル:恩人に着せられた汚名を晴らすために奮闘する刑事二人を描いたアクション映画
監督:アディル・エル・アラビ&ビラル・ファラー
脚本:クリス・ブレムナー&ウィル・ビール
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キャスト:
ウィル・スミス/Will Smith(マイク・ローリー:マイアミ警察の刑事)
マーティン・ローレンス/Martin Lawrence(マーカス・バーネット:マイクの相棒)
【マイアミ警察関連】
ヴァネッサ・ハジェンズ/Vanessa Hudgens(ケリー:マイクたちの同僚、AMMOの武器専門)
アレクサンダー・ルドウィグ/Alexander Ludwig(ドーン:マイクたちの同僚、AMMOの技術専門家)
パオラ・ヌニェス/Paola Núñez(リタ・セカダ:マイクたちの上司、マイクの元恋人)
Jay Shetty(警察署長)
Jason Davis(グライス:警察の幹部?)
【敵関連】
エリック・デイン/Eric Dan(ジェームズ・マクグラス:元陸軍レンジャー部隊のDEAエージェント)
Jenna Kanell(ニコール:マッグラスの部下、ハッカー)
Derek Russo(リンツ:マッグラスの部下)
Levy Tran(ウォルフ:マッグラスの部下)
Kevin Brown(マッグラスの手下)
Christopher Cocke(マッグラスの手下)
Bobby Hernandez(スナイパー)
【親族関連】
ジェイコブ・スキピオ/Jacob Scipio(アルマンド・アレタス:マイクの息子、囚人)
Melanie Liburd(クリスティン・ローリー:マイクの妻、セラピスト)
Tasha Smith(テレサ:マーカスの妻)
Karter Reese Newsome(リトル・マーカス:マーカスの息子)
Bianca Bethune(メーガン・バーネット:マーカスの娘、レジーの妻)
Dennis Greene(レジー・マクドナルド:メーガンの妻、アメリカ海兵隊の曹長)
【交友関連】
Ioan Gruffudd(アダム・ロックウッド:市長候補のリタの恋人、地方検事)
Rhea Seehorn(ジュデイ:ハワード警部の娘、FBI捜査官)
Quinn Hemphill(キャリー・ハワード:ジュデイの娘)
ジョー・パントリアーノ/Joe Pantoliano(コンラッド・ハワード:警部、マイクたちの恩人)
DJ Khaled(メニー・ザ・ブッチャー:クラブのDJ)
John Salley(フレッチャー:情報を握るアーティスト、元ハッカー)
ティファニー・ハーディッシュ/Tiffany Haddish(タビサ:クラブのボス)
Jay DeVon Johnson(ラス・ブラウン:?)
【その他】
Jeff J.J. Authors(セスナのパイロット)
Nicholas Verdi(ブライアント:ハイジャックされる輸送機のパイロット)
Steven Sean Garland(殺される銀行家)
Jerri Tubbs(銀行家の妻)
Jewelianna Ramos-Ortiz(銀行家の愛人)
Enoch King(コンビニの店員)
James Lee Thomas(コンビニ強盗)
Ahmed Lucan(マーカスの主治医)
Bria Brimmer(マーカスの担当看護師)
Alex Joseph Pires(救急救命士)
Nathan Hesse(トレーラーパークの住人)
Jesse Malinowski(トレーラーパークの住人)
Blanca Goodfriend(車に乗っている女性)
Joyner Lucas(賞金稼ぎのギャングのリーダー)
Ralphael Lester(賞金稼ぎのギャングのメンバー)
Jasmin Lawrence(ジョンソン:レポーター)
Adriana Sheri(コッブ:レポーター)
Marybel Rodriguez(ニュースキャスター)
Austin Carter(ニュースキャスター)
Dwight Turner(ニュースキャスター)
Rob Mars(アナリスト)
Michael Bay(ポルシェの運転手)
Kenice Brown(マイクの結婚式の花嫁介添人)
Jaxon A. Compas(公園の少年)
Journey A. Compas(公園の少年)
Trico Fullerton(マイアミPDの警官)
Kasi Shelton(タビサの客)
■映画の舞台
アメリカ:フロリダ州
マイアミ
ロケ地:
アメリカ:フロリダ州
マイアミ
アメリカ:ジョージア州
アトランタ
■簡単なあらすじ
マイアミで悪名を轟かせている刑事のマイクとマーカスは、数々の難事件を解決してきたが、恩人のハワード警部を前作にて亡くしていた
彼を殺したのがマイクの義理の息子アルマンドで、彼は刑務所に収監され、ハワードの娘ジュディが出てきたら殺すと息巻いていた
その日、マイクが再婚することになり、結婚式に出かけたマーカスだったが、式後のパーティーでハメを外してしまい、その場でぶっ倒れてしまった
救急搬送され、蘇生措置が行われる中、マーカスは亡きハワードの夢を見た
「死ぬのは早い」と言われて、天国から追い出されたマーカスは、さらにハイテンションで、予測のつかない行動をし始めていった
一方その頃、マイアミでは次期市長選が行われ、地方検事のロックウッドが出馬表明を行なっていた
だが、何者かによるリークにて、故ハワード警部がマフィアと繋がりがあると報じられる
大金が送金されている履歴などが物的証拠として残り、マイクとマーカスは警部の汚名を晴らすために行動を開始する
そんな折、マークのスマホにハワードからのメッセージが送られてくるのである
テーマ:恩には恩を
裏テーマ:死んでも一緒の悪ガキたち
■ひとこと感想
シリーズはうっすらと記憶にある程度ですが、おそらくは全シリーズを観てきたと思います
前作でハワードとマイクの恋人が亡くなり、その後の物語になっているので、『バッドボーイズ フォーライフ』だけは最低限予習が必要な作品になっていました
映画は、二人のアホな掛け合いがメインで、その背景で派手な銃撃戦を展開していきます
本作は、犯人がいきなり顔出しで登場するので着地点がはっきりしていましたね
ミステリーとしては、この人物がどんな人物で、どのような理由でハワードを嵌めたのか、というところになります
そこまであっと驚くような展開にはなりませんが、悪人をスカッとした方法で倒していくので、その辺りを楽しめればOKだと思います
それにしても、濃いファミリーだなあと思いました
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
本作にはそこまでネタバレというものはなく、ハワードをダシにしてマイアミ警察(国家になるのかな)に復讐を考えている敵というものがありました
かつて、マフィアの内偵を進めていた特殊部隊が捕まって拷問されて、その恨みを晴らそうと考えていた、という感じになっています
銀行家を脅してマフィアと関連づけさせ、FBIが絡んでくることで、ジュディの思惑というものが絡んできます
この辺りの流れを知るために前作の鑑賞が必須になっている感じになっていました
物語性は特にありませんが、マイクとマーカスの二人のキャラをどれだけ知っているかで感動の度合いが違うと思うので、生粋のファン向けの内容になっています
意味のない掛け合いとか、銃撃戦の最中の漫才を見るのはツボなので、リアリティ重視の方は避けた方が賢明であるように思えます
■これまでのシリーズについて
本作は、1995年にアメリカで公開された『バッドボーイズ』のシリーズ化第4弾となっています
ここでは、どんなシリーズだったのかをさらっと紐解きたいと思います
1作目の『バッドボーイズ』は1995年公開で、監督はマイケル・ベイでした
監督にとっての映画監督デビュー作でもあり、マイアミ市警のマイク&マーカスの活躍を描いている作品でした
二人は特殊捜査班に所属し、警察が押収したヘロインが奪われ、その捜査に向かうことになりました
内部調査班は内部の犯行だと考え、72時間以内に麻薬を回収しなければ、署全体を閉鎖すると警告します
マイク(ウィル・スミス)は、密告屋の友人マックス(カレン・アレクサンダー)に「最近羽振りが良くなった人物」を探させ、彼女は自分の親友のジュリー(ティア・レオーニ)と元警察の詐欺師エディを付き添いとして雇ってもらうことになりました
フランスの麻薬王フーシェ(チェッキー・カリョ)のパーティに潜入することになったものの、そこで銃撃戦が起きてしまい、マックスは殺されてしまいます
何とか逃げ出したジュリーはマイクを頼り、ハワード警部はマーカスにマイクのフリをさせて、ジュリーと合わせることを決めました
そこにマイクがきたことで、マイクはマーカスのフリをするというもので、かなりコメディに寄った作品になっていました
2作目『バッドボーイズ2バッド』は引き続きマイケル・ベイが監督を務めています
舞台は同じくマイアミで、麻薬シンジケートの合成麻薬が出回っていて、マイクとマーカスはそのルート根絶のために捜査を始めていきます
麻薬王が現れるという情報を聞きつけた二人がその場所に向かうと、そこにはマーカスの妹のシド(ガブリエル・ユニオン)がいました
シドは連邦麻薬取締局(DEA)の捜査官で囮捜査をしていました
その最中でシドが拉致されてしまい、二人は彼女の行方を追ってキューバに向かうことになります
3作目の『バッドボーイズ フォー・ライフ』は2003年に公開され、監督はアディル・エル・アラビとビラル・ファラーに交代することになりました
スーツを決めてポルシェを乗り回すマイクというキャラと、家族思いのマーカスというキャラ付けがなされ、マーカスは危ない橋は渡りたくないと考えていました
マーカスは引退を考えていて、このミッションが最後だと宣言します
ミッションは、麻薬カルテルのボスとの対決で、本作にて、ボスの妻イザベルとその息子のアルマンドが登場します
イザベルはアルマンドにマイクを殺すように命令し、マイクは彼の銃弾に倒れてしまいます
本作では、ハワード警部も引退を考えていて、イザベルが実は潜入捜査時代に関係を持った相手だったことが判明します
ネタバレをするのはアレなのでこのあたりで控えますが、本作は第3作目のキャラがそのまま登場しているので、それを踏まえた上で話が進んでいくことになっています
■今後、彼らはどこまで行くのか
シリーズ4作目の本作は、前作から監督&キャストが引き継いだものになっていて、今後については発表されていません
主演二人は流石にチェンジすることはないと思いますが、製作陣に関してはなんとも言えない部分があります
キャラ的にはこれまでの流れを踏襲し、家庭を持たないけどモテまくるマイク(本作でようやく結婚したけど)と、家庭第一であんまり働きたくないマーカスというものは変わらないのでしょう
本作はマイクが結婚するところから始まりますが、キャラ構造的には「不倫して離婚」とかになりそうな予感がしてしまいますね
物語は「基本的に麻薬がらみ」で、シンジケートとの戦いの規模が少しずつ大きくなってきました
本作では、さらにスケールアップしていましたが、麻薬よりはお金関連での動きが大きかったように思います
サイバー的な感じになっていて、犯罪の内容は今っぽさというものが現れてきました
本シリーズの基礎的な部分は、マイクとマーカスの噛み合わない会話で、特にマーカスがスプリチュアルな方向に行って、頭がおかしくなったんじゃないかという描かれ方をされていました
今後は、この特性がさらにややこしくなって、大袈裟になるのかなと思います
また、マイクの方はいきなりパニック発作になる設定がありましたが、今後もピンチを作るために登場させるのかもしれません
本作では、父を殺されたリタがアルマンドを許す展開になっていますが、心の底からではないと思います
彼女の中では父を殺されたことと、娘を助けてもらったことが同居しているので、完全決着に向かうには時間がかかるでしょう
また、今回はマーカスの義理の息子(娘の夫)レジーが大活躍していたので、若干ファミリー映画のような方向に転換していきましたね
今後を占うことを想定しているのであれば、マイクが結婚したことも、その布石なのかもしれません
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
本作は、二人の刑事が亡き恩人の嫌疑を晴らすというもので、ハワード警部を貶めるための方策というものを現代的に描いていました
首謀者はハワードというよりは警察組織に恨みを持つ人間で、かつてマフィアに潜入捜査をして見つかってしまった人物でした
この人物は、冒頭の送金指示の段階から顔出しをしているのですが、この人誰?という感じで物語が進みます
そして、彼の素性が分かっても、「誰?」状態のままなのですね
それは、マイクとマーカスに絡んだことがない人物だったからだと言えます
映画以外で起こっていることを持ち出すと唐突感があるので、本来ならば、この人物に対する過去を冒頭なりで描写しておく必要があります
洋画的な構文だと、冒頭でめっちゃ暗いところで誰かが痛めつけられていて、それによって何かしらの憎悪のようなものが生まれた瞬間を描写する方法でしょう
そこから、何かを決意する暗闇の男が出てくるのですが、今回の場合だと、この段階で潜入捜査員だったことをバラしてもOKだと思います
そこから、ハワードとの過去の話だとか、今回だとリタを通じてかつてのミッションを知るなどの展開を迎えることになるでしょう
どんな敵なのかわからないというテイストで進む映画もありますが、意外と犯人の正体に驚かないものなのですね
特に本作は、相手が誰かはそこまで関係ないというところがあって、これまでだと敵にあたる人物はマークかマーカスの過去に関係するものだったので、二人の戦い方とか信念が変わってくる場面転換がありました
でも、本作にはそれがないので、せめてアルマンドが昔つるんでいたとか、アルマンドが犯人が見つかったことに関わっていたぐらいの関連性がないと、本当に「誰?」で終わってしまうのだと思います
せめて、身内の側に「あの男は恐ろしいものだ」と語れる人が必要なので、それに相当するシーンを無理にでも入れ込んだ方が良かったのではないかと感じました
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/101495/review/03953393/
公式HP: