■いっそのこと「落とした人」に投票できるようにしてはどうだろうか?
Contents
■オススメ度
韓国の選挙戦に興味がある人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2022.8.17(京都シネマ)
■映画情報
原題:킹메이커(「キングメーカー」と言う意味)、英題:Kingmaker
情報:2021年、韓国、123分、G
ジャンル:韓国の大統領選の裏で暗躍した参謀を描いたヒューマンドラマ
監督:ヒョン・ソンヒョン
脚本:ヒョン・ソンヒョン&キム・ミンソ
キャスト:
ソル・ギョング(キム・ウンボム:大統領選にて四度落選した政治家。野党:新民党、モデルはキム・デジョン /金大中元大統領/김대중)
イ・ソンギョン(ソ・チャンデ:表には出ない天才選挙参謀。野党・新民党、モデルはオム・チャンノク/厳昌録/엄창록)
【野党:新民党、チョルラド/全羅道】
パク・イナン(カン・インサン:新民党総裁、モデルは柳珍山/ユ・ジンサン/유진산)
ユ・ジェミョン(キム・ヨンホ:新民党ナンバー2、次期総裁候補/モデルはキム・ヨンサム/金泳三/김영삼)
パク・ヒョンス(ジョンヒョン:ヨンホの側近)
イ・ヘヨン(イ・ハンサン:新民党ナンバー3、モデルはイ・チョルスン/李哲承/이철승)
ホ・ドンウォン(ハンサンの秘書)
キム・ソンオ(パク秘書:チャンデとソリが合わないウンボムの側近)
チョン・ベス(イ補佐官:穏やかなウンボムのベテラン補佐官)
ソ・ウンス(スヨン:ウンボムの選挙運動員)
ぺ・ジョンオク(イ・ヒラン:キム・ウンボムの妻、支援者)
キム・セビョク(ミョンスク:チャンデの妻)
キム・ジュンイ(チャンデの息子、7歳)
イム・スンミン(チャンデの息子、11歳)
ユン・セユン(ユン:キム・ウンボムの助手)
チェ・ソンギュ(ウンボムの秘書)
ホン・ヒョンジュン(ウンボムの秘書)
イ・ジホ(ウンボムの秘書)
ナム・スンファ(ウンボムの秘書)
【与党:共和党、キョンサンド/慶尚道】
キム・ジョンス(パク・キス:長期政権を狙う現職大統領、モデルはパク・チョンヒ/朴正煕/박정희)
オ・ポンギル(大統領夫人)
チョ・ウジン(イ・ジンピョ室長:チャンデの実力を認める選挙戦略家、モデルはイ・フラク/李厚洛/이후락)
ユン・ギョンホ(キム部長:中央情報部の部長、大統領の行動隊長、モデルはキム・グウォン/金桂元)
チョン・ジェソン(キム・ビョンチャン:モッボ/木浦にて出馬する共和党議員、ウンボムの対抗馬、モデルはキム・ビョンサム/金炳三)
【その他】
キム・ジェファ(大統領指名大会のホスト)
チョン・ウヒョク(合同参謀議長)
チェ・グァンジェ(コント男)
ユン・サボン(コント女)
チン・ソンギュ(冒頭でウンボムに質問する男)
キム・ジュリョン(カン教授)
■映画の舞台
1961年〜98年の韓国
全羅道/チョルラド
https://goo.gl/maps/QLq3qq9YntJzoU9UA
木浦/モッポ市
https://goo.gl/maps/efsVWTR2FtqjTasa8
慶尚道/キョンサンド
https://goo.gl/maps/zLD5MxzfikkHfjzz9
江原道:麟蹄/インジェ郡
https://goo.gl/maps/CJx9WoZqVy35M7LT9
ロケ地:
韓国各地
■簡単なあらすじ
1961年5月、韓国の江原道麟蹄にて国会議員補欠選挙が行われようとしていた
4連敗中の野党・新民党のキム・ウンボムは理念こそ支持されど、何度も与党・共和党の企みに阻まれ続けていた
そんな彼の元に一通の手紙が届く
差出人は江原道の薬剤師ソ・チャンデで、一輪の花が中に織り込まれていた
そして、差出人であるチャンデはウンボムの選挙事務所を訪れる
チャンデは選挙の助けをしたいと言い、嘲笑する補佐官や秘書たちを尻目にウンボムの信用を勝ち取るのである
そして、迎えた国民選挙では、チャンデの暗躍もあって、ウンボムは当選を果たす
その影にチャンデありとは認知されぬまま、彼はひたすら裏方に徹していた
そんなある日、ウンボムの元に新民党のナンバー2のキム・ヨンホとナンバー3のイ・ハンサンが訪れる
彼らは若手が総裁にならなければと考え、次期総裁選に三人で出馬しようと画策するのであった
テーマ:大義と手段
裏テーマ:本音と建前
■ひとこと感想
民主主義国家への変革を考えるウンボムの思想を支持するチャンデが泥をかぶる役をするという物語で、実在の人物であるキム・デジョン元大統領とオム・チャンノクの実話を元に作られています
冒頭で「事実を基にしたフィクション」と明言されるように、モデルがいるキャラを含めて全員の名前が変わっていました
それでも起こった出来事はほとんど史実に準えていて、総裁選が二回投票になったことも事実だったりします
選挙戦の裏側とか、党内のパワーゲームとか、政治家の国民に対する本音などが爆裂しているので、どこからがフィクションなのかの方が気になりますね
映画では共闘する二人を描きながら、信用と信頼の難しさを描いていますね
また、政治家とはどうあるべきか、という難題にも直面しているのですが、その後のキム・デジョン元大統領の歴史を考えると、彼が劇中で封じた本音というのが見えてくるような気がします
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
選挙に勝つためには何をしても良いと考えるのはどこの国も同じことで、要は法律にふれなければという体で行動を正当化していきます
選挙自体が自分の思惑に合致する党に入れようと考えるもので、自分自身が得になるものは何かを考えるのですね
なので、その票よりも必要なものがある人はそっちに流されるし、という感じになっています
映画はまんま史実をなぞらえていて、フィクションの境界線がわかりません
おそらくは姿を消した後のことなのかなとも思うのですが、このあたりはじっくり調べていかないとわからないかもしれません
この映画も史実系のために登場人物が恐ろしく多く、途中で誰が誰だかわからなくなってきます
何度かどっちの陣営の誰と誰が会ってるのかわからないシーンもありましたが、このあたりは文脈を読むしか手がありません
そういったことが得意な人向けだとは思いますが、日本の政治が絶望的な今、他国の民主主義の黎明を眺めることで何か見えてくるかもしれません
以下、サーバーアカウント停止の考察未復旧部分になります
テーマとしては「簡単に史実をおさらい」「理想の政治とは何か」について考察していました
歴史に関しては金大中大統領の半生、史実をベースとしたオム・チャンノクとの関わりを紐解いていました
「ヒント」の部分にて、現行の政治制度の不満を述べ、「いっそのこと、落としたい政治家を入れるシステムでも作ったらどうか?」と無茶な提言をしていましたね
キャスト欄のリンクは都合により、削除してあります
■関連リンク
Yahoo!映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://movies.yahoo.co.jp/movie/383165/review/52ec7c11-191e-4885-a280-b5f12d83f528/
公式HP:
https://kingmaker-movie.com/