■港に灯がともる


■オススメ度

 

震災未経験者の当事者の物語に興味のある人(★★★)

親から背負わされるものが多くて悩んでいる人(★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日:2025.1.18(MOVIX京都)


■映画情報

 

情報:2025年、日本、119分、G

ジャンル:震災後に生まれた在日3世の葛藤を描いたヒューマンドラマ

 

監督:安達もじり

脚本:安達もじり&川島天見

 

キャスト:

富田望生(金子灯:在日コリアン一家の次女、在日3世)

 

甲本雅裕(金子一雄:灯の父)

麻生祐未(金子栄美子:灯の母)

伊藤万理華(金子美悠:灯の姉)

青木柚(金子滉一:灯の弟)

 

山之内すず(綾部寿美花:灯の親友)

 

山中崇(青山勝智:設計事務所の社長)

中川わさ美(桃生紀枝:設計事務所の先輩)

 

土村芳(平良夕:丸五市場のそば焼き屋さん)

MC NAM(グエン・ヴァン・フォン:平良の知り合い)

 

渡辺真起子(富川和泉:精神科医)

田村健太郎(林洋太:セラピー参加者)

 

曽我廼家文童(雅子の弟、灯の叔父)

西川かの子(?)

 

小松健悦(造船所の先輩?)

押谷かおり(白井敦子:行政書士?)

井ノ上淳(?)

木全晶子(寿美花の母?)

川瀬真理(?)

松岡達(?)

木内義一(?)

小牧芽美(ケーキ屋さんの奥さん)

田村ツトム(?)

松木賢三(商店街の住人?)

川添公二(?)

佐渡山順久(?)

松本幸司(?)

高阪勝之(セラピーの進行役?)

立川茜(投票所の案内?)

村崎真彩(病院の受付)

真丸(新成人の男性)

前村雄大(商店街の住人?)

三田みらの(服屋の店員)

大八木凱斗(?)

山下桐里(新成人の女性)

細田龍之介(?)

高田幸季(?)

高田幸由(?)

クリメツ・ソフィア/Klymets Sofia(ウクライナ人の妻)

シュウェド・ウォロディミル/Shved Volodymyr(ウクライナ人の夫)

シュウッド・ナザル/Shved Nazar(ウクライナ人の子ども)

 

栗田晴行(アナウンサーの声)

 


■映画の舞台

 

兵庫県:神戸市

長田

 

ロケ地:

兵庫県:神戸市

丸五市場

https://maps.app.goo.gl/WdaSFECVgUxqg1nJ9?g_st=ic

 

新長田本町商店街

https://maps.app.goo.gl/RzryeJFj2ZMK8jJk8?g_st=ic

 

点勝園

https://maps.app.goo.gl/7emQ33ZNaYJKucPr9?g_st=ic

 

垂水五色山西洋館

https://maps.app.goo.gl/5dL2tRdtnwinxY8a7?g_st=ic

 

野瀬病院

https://maps.app.goo.gl/fy4oKwzqLkEjfM3v8?g_st=ic

 

野瀬まごころ診療所

https://maps.app.goo.gl/g5r6A3TRaD9fDXme9?g_st=ic

 

下町Kafe茶豆

https://maps.app.goo.gl/hAYJcTMi21hHCV1p9?g_st=ic

 

皆様食堂

https://maps.app.goo.gl/64PGCv78JekjbMTj9?g_st=ic

 

カフェ・ジャンボ

https://maps.app.goo.gl/eRcwvBRts88yHsks9?g_st=ic

 


■簡単なあらすじ

 

阪神大震災から20年が経った神戸では、瓦礫の町から逃げ出して、新天地で生活を始めていた在日一家がいた

父・一雄は長田で工場を経営していたが、全て亡くなってしまい、何もない中ら家族を養ってきた

次女の灯がようやく成人式を迎え、海辺の造船所で働くことになったが、姉・美悠の決意から、家族内で意見がぶつかり合うようになっていた

 

それは、結婚するために帰化したいというもので、父は大反対をして、話にならない

事あるごとに昔の話を持ち出しては感情的になる父に苦慮する姉は、それでも帰化に向けての準備を粛々と続けていった

母・栄美子は父との関係に嫌気が差し、父は別居へと突き進む

弟の滉一は、母親についていくしかないと半ば冷めた目で状況を判断していた

 

ある日のこと、祖母が亡くなり、葬式後の食事で灯と父は大喧嘩をしてしまう

その日から仕事も手付かずになり、母とともにメンタルクリニックへ向かうものの、悪化の一途を辿り、仕事を辞めて母の家に居候することになった

そんな折、灯の親友・ベーやんは「垂水にある富川診療所に行って欲しい」と胸のうちを曝け出した

 

テーマ:無意識の重積

裏テーマ:わかりあうことの難しさ

 


■ひとこと感想

 

阪神大震災から30年になり、この節目の年に「阪神大震災後に生まれた子どもが成人する」という物語が生まれました

まさに今しか描けない物語で、いわゆる「震災を知らない子どもたち」がいつの間にか色んなものを背負わされている、という内容になっていました

さらに、灯は在日3世でもあり、祖父母の苦労話をリアルに感じられない世代になっていました

 

姉の帰化したいという思いと、自分が何者かわからないマインドなどが問題視されていきますが、実際には「会話が成立していない」というところに強いストレスがかかっていたように思います

誰しもが器用で察しが良いわけではなく、生まれながらに延々と聞かされてきた震災と訪日の話を理解しろというのも無理な話のように思います

 

姉には目的があって、その為に日本の制度を利用しようとしていて、父の持っているアイデンティティとは一線を画すものになっていました

灯にはそこまで明確なものはありませんが、言語化できるほどの想いもなかったりします

弟はどっちつかずではありますが、帰化したら戻ることはできるのかという質問をするように、決断をするには早い時期のように思えます

 

映画では、それぞれが抱えているものが共有されない様子が描かれ、誰しもが感情的になってしまいます

傍から見ているとモヤモヤしますが、喧嘩になってしまう間柄のリアルがそこにありましたね

同じ状況の人はたくさんいると思いますが、誰しもが彼らのようにならないと思いますが、拗れてしまう関係性とそうでないところの差異というのが、どのように生まれるのかは考える必要があるのかな、と感じました

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


ネタバレ感想

 

個人的には関西在住ですが、阪神・淡路大震災の時はすでに京都にいて、東日本大震災も同じように京都に定住していました

元々大阪の人間ですが、神戸にはほとんど知り合いがいなかったので、近くだけと遠いという距離感があったように思います

当事者意識も持てないし、かと言って他人事ではないという距離感から、その溝を埋める必要があるのかは微妙な感じになっていたことを思い出します

 

映画では、さらに在日の人たちの苦労というのが重なっていて、しかも日本で生まれた韓国人という立場が、どちらの国のアイデンティティを保たねばならないのかという微妙なラインになっていました

3世なので当事者意識はないけれど、確実に自分を構成する要素がある、という感じになっているのですね

 

父親が帰化を望まないのは、自分の両親には許されなかったことをしていいのかという思いがあり、帰化するとその関係性が切れると思い込んでいます

親子や家族の縁がそう言ったものでは切れないことはわかっても、自分を構成する要素の一つが欠けると感じているのですね

それは、丸五市場の存在感と同じようなもので、薄まってしまっていることを自覚することで、自分が透明人間になってしまうのではないかという恐れがあるのだと思います

 

それでも、どんなことがあっても、自分の構成要素というものは変わらないもので、父も灯も「親から受け継いだ構成要素」を持っているのですね

なので、父としては、その構成要素を捨てないで欲しいと感じているのですが、帰化しない在日韓国人の制限は多く、法的な部分においては進めていくより他はありません

行くか、戻るか、そのままかという簡単な問題ではありませんが、それぞれが自分の構成要素を見返して、その優先順位をつけなければならない時は来てしまうのかな、と感じました

 


■親から受け継ぐ構成要素

ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください

 


■自分が積み上げる構成要素

ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください

 


■120分で人生を少しだけ良くするヒント

ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください

 


■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://eiga.com/movie/101437/review/04678493/

 

公式HP:

https://minatomo117.jp/

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投稿者 Hiroshi_Takata

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