■ファンファーレ ふたつの音
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■オススメ度
マーチング映画が好きな人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2025.9.20(MOVIX京都)
■映画情報
原題:En fanfare(ファンファーレ)、英題:The Marching Band(管弦楽団)
情報:2024年、フランス、103分、G
ジャンル:白血病により初対面の弟と関わることになった著名な指揮者を描いた音楽映画
監督:エマニュエル・クールコル
脚本:エマニュエル・クールコル&イレーヌ・ミュスカリ
キャスト:
バンジャマン・ラベルネ/Benjamin Lavernhe(ティボ・デゾルモ/Thibaut Desormeaux:ムーボン育ちの世界的に有名な指揮者)
ピエール・ロッタン/Pierre Lottin(ジミー・ルコック/Jimmy Lecocq:ティボの実の弟、元坑夫、現食堂職員)
サラ・スコ/Sarah Suco(サブリナ/Sabrina:ジミーの元同僚で楽団員)
Antonin Lartaud(ジェレミー/Jérémy:サブリナの弟、ジミーの大学食堂の同僚、打楽器)
Ludmila Mikaël(デゾルモ夫人/Mme Desormeaux:ティボーの育ての親)
Mathilde Courcol-Rozès(ローズ/Rose:ティボーの妹)
クレマンス・マサール/Clémence Massart-Weit(クロディーヌ/Claudine:ジミーの養母)
Gabrielle Claeys(ジュスティーヌ/Justine:ジミーの娘)
アン・ロワレ/Anne Loiret(クレール/Claire:ティボの楽団のマネージャー)
ジャック・ボナフェ/Jacques Bonnaffé(ジルベール・ウォズアニック/Gilbert Woszniak:ワランクール炭坑楽団のリーダー)
Yvon Martin(アントニー/Anthony:ワランクールの楽団員、サックス)
Isabelle Zanotti(シャルレーヌ/Charlène:ワランクールの楽団員、クラリネット)
Nicolas Ducron(ヤニック/Yannick:ワランクールの楽団員、打楽器)
Marie-José Billet(ブリジット/Brigitte:ワランクールの楽団員)
チャーリー・ネルソン/Charlie Nelson(ジャン=クロード/Jean-Claude:ワランクールの楽団員)
Rémi Fransot(ジョナサン/Jonathan:ワランクールの楽団員、ラップ)
ジョニー・モントレイユ/Johnny Montreuil(ジェラルド/Gérald:ワランクールの楽団員、転勤する指揮者)
Johnny Rasse(ケヴィン/Kévin:ワランクールの楽団員)
Annette Lowcay(ロレンツ/Lorentz:ティボの主治医)
Jean-Luc Lebacq(「ソダルプロ」の労働者)
Joël Lebacq(「ソダルプロ」の労働者)
Stéphanie Cliquennois(「ソダルプロ」の労働者)
Lulu Lomendie(「ソダルプロ」の労働者)
Rui-Mickaël Dias(「ソダルプロ」の労働者)
Nathalie Desrumaux(大学の理事)
Kodgo Epaminondas(リールのコンクールの案内係)
Olivier Brabant(リールのコンクールの審理員)
Jean-Baptiste Giezek(ボランティア)
Mathieu Guégan(ボランティア)
Guillaume Vanstavel(コンクールの司会者)
Marie Baudry(カントリーの先生)
Saverio Maligno(No.5のタクシー運転手)
Anne-Sophie Delcour(フランスの音楽ジャーナリスト、TV番組のホスト)
Anne-Sophie Lapix(本人役、MC)
■映画の舞台
フランス:パリ&リール&ラレン
ロケ地:
フランス:ノード/Nord
ラレン/Lallaing
■簡単なあらすじ
全国各地で楽団の指揮を執っているティボ・デゾルモは、ある日体調不良を理由に病院を受診をすることになった
そこで発覚したのは、デゾルモ自身が急性白血病に罹ったというもので、治療のためにドナーが必要となっていた
妹のローズに提供をお願いしたところ、実は彼女は実の妹ではなく、養子だったことがわかった
そこでティボは育ての母から情報を経て、実の弟ジミーがいることを突き止める
彼は地方に住んでいて、今では学食の厨房で働き、元炭坑仲間たちとブラスバンドを結成していた
ジミーは当初は戸惑いを見せるものの、育ての母クロディーヌの説得もあって、ドナーになった
それから半年後、すっかり健康を取り戻したティボは、お礼のためにジミーの元を訪れることになった
ジミーたちはコンクールを控えて練習をしていたが、突如指揮者のジルベールに転勤問題が浮上してしまう
ジミーはなかなか言い出せずにいたが、多忙の合間を縫って劇団の指揮をしてほしいと頼み込む
ティボは新作の発表会を控えていたが、ジミーの才能に興味を抱き、彼らの手伝いをすることになったのである
テーマ:楽団を結成する理由
裏テーマ:才能と環境
■ひとこと感想
白血病になった裕福な兄が、貧乏な弟を見つけるというもので、その関係はそこまで拗れることはありませんでした
兄の存在を薄々と感じていた弟は、養母のアドバイスを受けてドナーとなることに同意します
このあたりがサクサク進んでいくのですが、本編は借りを得てからということになりました
同一遺伝だから同じ才能があるとは言えませんが、ある程度「音楽と共に幼少期を過ごした」という下地があったのでしょう
映画では、プロのオーケストラと素人集団の吹奏楽団が登場しますが、素人を演じる方が大変だったでしょう
ラヴェルの「ボレロ」が予告編で使われていたのでどこかで登場すると思っていましたが、意外なところで使われていたように思います
指揮者をせざるを得ないジミーにあれこれ教えるのですが、彼自身には飽くなき向上心というものがあります
でも、長続きしない性格のようで、さらにすぐに頭に血が上る人物でもありました
物語はベッタベタな展開を迎えますが、これはこれで良いのかな、と思います
自身の熱量で完成させた新譜と、それに呼応する忘れ物との対比も良いのですが、やはり色んな人がレビューで書いているように、エンドロールの楽曲がブツ切れになったのは気になってしまいます
でも、あの物語の流れを考えれば、あのぶつ切りには意味があるのでしょう
フィクションとして余韻を持たせることも必要だと思いますが、それをあえて外したことで、とあるメッセージが生まれてしまうように思えました
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
映画の背景には「炭坑工場の閉鎖問題」というものがあって、しかも自分の好みで政策を決定する市長も登場していました
その炭坑は142年の歴史があるもので、工場の閉鎖と共に労働者を置き去りにしていく様子が描かれています
そんな彼らに残飯を提供することも咎められるのですが、それが社会の縮図となっていました
この問題は映画内では最悪の展開を迎えていて、その一因はコンクールの失敗にあると考えられます
言い換えれば自滅してしまったことによる自己責任的な部分もありましたが、結論ありきで動いている行政というのもあります
最終的にはデモまで起きる始末で、あの町は変革を余儀なくされていると言えるのでしょう
この悲劇的な展開を考えると、ティボの病気の予後が悪いのにも意味はあると思います
それはジミーがすべてから自立し、新しい生活を送らなければならないことを示唆しているのでしょう
そこにティボが存命だと彼は変われない可能性もあり、そのメッセージを印象付けるために、あえて退場させた(映画内ではしていないが)ように考えられます
そして、ぶつ切りのエンドロールを考えると、余韻に浸る時間よりも次の未来を考えるべきだ、という強烈なメッセージがあるように見えてしまいます
ラストの楽曲が「真のアンコール」だとすると、穿った見方をすれば「完奏できなかった」ようにも思えるのですね
なので、思った以上の後味の悪さというものが込められているように思えました
■生きる世界が異なる意味
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■ぶつ切りエンドに何を想うか
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/103294/review/05589061/
公式HP:
https://movies.shochiku.co.jp/enfanfare/