■ザ・ルーム・ネクスト・ドア


■オススメ度

 

安楽死について考えたい人(★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日:2025.2.4(MOVIX京都)


■映画情報

 

原題:La habitación de al lado(隣の部屋)、英題:The Room Next Door(隣の部屋)

情報:2024年、スペイン&アメリカ、107分、G

ジャンル:旧友に安楽死の看取りを頼まれた作家を描いたヒューマンドラマ

 

監督&脚本:ペドロ・アルモドバル

原作:シーグリッド・ヌーネス『La habitación de al lado』

 

Amazon Link(原作:スペイン語版)→ https://amzn.to/3Cs8ix4

 

キャスト:

ジュリアン・ムーア/Julianne Moore(イングリッド・パーカー/Ingrid:オートフィクションの小説家)

ティルダ・スウィントン/Tilda Swinton(マーサ・ハント/Martha:元ニューヨークタイムズの記者、戦地特派員、イングリッドの旧友)

   (若年期:Esther McGregor

 

ティルダ・スウィントン/Tilda Swinton(ミシェル/ Michelle:マーサの疎遠の娘)

 

ジョン・タトゥーロ/John Turturro(デイミアン・カニングハム/Damian:イングリッドとマーサの元カレ)

 

アレッサンドロ・ニヴォラ/Alessandro Nivola(フラナリー/Flannery:刑事)

Anton Antoniadis(取調べに居合わせる警官)

 

Juan Diego Botto(マルティン/Martin:戦場カメラマン)

ラウール・アルバレロ/Raúl Arévalo(ベルナルド/Bernald:バグダッドのカルメル会の司祭、マルティンの元恋人)

Paolo Luka Noé(パコ/ Pako:マルティンの現在の恋人)

 

Victoria Luengo(フレッドの妻)

Alex Høgh Andersen(フレッド/Fred:若年期のマーサの恋人)

 

Alvise Rigo(ジョナ/Jonah:ジムのトレーナー)

Cristina Kovani(ジムの受付)

 

Melina Matthews(サラ/Sarah:弁護士、デイミアンの友人)

 

Sarah Demeestere(ステラ・バーン/Stella Burn:イングリッドとマーサの友人)

Anh Duong(アン/Anh:サイン会の主催)

Annika Wahlsten(サイン会に来るファン)

Dora Rowdon(サイン会に来るファン)

 

Celia Rocha(ボーリング場の若者)

Toon de Melker(ボーリング場の若者)

 

Shane Woodward(消防署の署長)

Nya Bowman(マンハッタン癌センターの看護師)

Viktor Longo(本屋の店員)

 

Bobbi Salvör Menuez(マーサの部屋の写真の女性?)

Kyla Thomas(病院の受付?)

 


■映画の舞台

 

アメリカ:ニューヨーク州

マンハッタン

 

アメリカ:ニュージャージー州

レイクヒル

 

ロケ地:

アメリカ:ニュージャージー

Echo Lake Park

https://maps.app.goo.gl/a74jsoF32fuSKn2j7?g_st=ic

 

アメリカ:ニューヨーク

 

スペイン:マドリード

サン・ロレンソ・デ・エル・エスコリアル/San Lorenzo de El Escorial(貸別荘の座標)

https://maps.app.goo.gl/mJFvGNwhbCCnh8DH9?g_st=ic

 


■簡単なあらすじ

 

マンハッタンにて小説家として活躍しているイングリッドは、サイン会の途中で友人のステラと出会った

彼女は、かつて一緒に働いていたマーサの名前を出し、彼女が末期癌で闘病中だと教えた

イングリッドがマーサの入院しているマンハッタン癌センターへと出向き、久々の対面を果たすことになった

懐かしい話で時間を埋め合った二人だったが、新しい治療が効果がなかったことをきっかけとして、関係性が変わってしまった

 

マーサは、病に侵されながら苦しんで死んでいくことに恐れを抱き、自分が自分でいられる間に死にたいと考えるようになった

ダークウェブにて安楽死に使える薬を手に入れたマーサは、友人たちに見取りをできないかと打診し始める

だが、誰もが首を縦に振ることこともなく、マーサにもその打診が来ることになった

 

一度は拒絶するものの、マーサの本心を確認したイングリッドは、その役を引き受けることになった

マーサの計画では、人里離れた家に引っ越して、隣の部屋で待機してもらうというものだった

ドアを開けて寝るが、閉まっていたら実行したという合図になっていて、警察には「知らなかった」で通せば良いという

そして、二人はニューヨーク郊外の戸建てを借りて、そこに移り住むことになったのである

 

テーマ:死を迎える時と場所

裏テーマ:死の褒賞

 


■ひとこと感想

 

末期癌の旧友の安楽死を手伝うという物語で、過去と向き合いながら、自分に添い遂げてくれる友人に何を残すかが描かれていました

同じ出版社で働いたことがあるという旧友ですが、頻繁に会う間柄でもないように描かれています

マーサは戦争特派員として世界を駆け巡り、イングリッドは作家として成功していくのですが、かつて同じ男性を好きになったことが明かされます

 

その人物は環境パネリストの教授か何かで、地球の危機についての講演をしていました

彼が貸別荘の近くで講演をすることになるのですが、そのあたりも込みの計画のように思えます

 

映画は、隣の部屋のドアという意味のタイトルで、マーサが安楽死を実行したら閉まっているという計画が描かれます

実行までに薬を見失ったり、フェイクのドア閉めがあったりするのですが、マーサがどのタイミングで決断をするのかというのがポイントになっていました

様々な引用がありますが、書店ではマーサが読みたいと言った本をイングリッドが買ったり、マーサが薦める本を買ったりするのですが、そこにも様々な意味があったと思います

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


ネタバレ感想

 

映画は、マーサの計画の裏側で、元恋人のデイミアンと会うイングリッドが描かれていて、彼と会っている時に実行に移すことになっています

隣の部屋で寝ていたら警察も容赦ないと思いますが、下の階だからと言っても手を緩めてはくれません

安楽死を擁護する映画とも言えますが、犯罪だと断罪する警官にも違和感を覚える内容でした

 

物語は、マーサが友人を頼った末にイングリッドに辿り着くのですが、マーサの証言でさらにややこしくなりそうになっていました

でも、弁護士の一括で引き下がるなど、初めから無理難題の自殺幇助なんだと思います

イングリッドが外に出るのを見計らっていましたが、彼女へのメッセージは簡潔でも、残したものはたくさんあったと思います

 

マーサは母親らしくなかったことを負い目に感じていましたが、この母娘の物語ですら、マーサがイングリッドに残したもののように思います

イングリッドの人生と価値観を理解したマーサと娘をあわせることで娘への償いになるのかはわかりませんが、死生観を共有するという目的は果たせたのでしょう

イングリッドがトレーナーとする話ですら意味のあるものになっていて、その話の後にマーサは寝室にてイングリッドを抱きしめていました

マーサの考える最高の死とは、最後に過ごす時間の濃密さなのですが、その希望が叶えられたようにも思います

とは言え、このような最期を迎えることができる人はほとんどおらず、ある種のお伽話なのは否めないのかな、と思いました

 


■書籍「エロティックな流浪(Erotic Vagrancy)」「地上からの眺め(The View From The Ground)」について

ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください

 


■映画「Letter Woman(忘れじの面影)」「The Dead」について

ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください

 


■120分で人生を少しだけ良くするヒント

ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください

 


■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://eiga.com/movie/102147/review/04737113/

 

公式HP:

https://warnerbros.co.jp/movies/detail.php?title_id=59643&c=1

アバター

投稿者 Hiroshi_Takata

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA